聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
イズヴァルトとマイヤは街の広場に向かった。
そこにいたウラスコーの住民達が寄って見てきた。多くは老人ばかりだ。聞けば共同浴場で湯を楽しんだ帰りだという。
村にはあちこちに湯治場があった。狭いウラスコーだが5か所ほどある。そんな狭い街にどうして、と思いきや、この街はこの街区だけではないとの事だった。
「地下道づたいになるけどこのお山の反対側にも、ウラスコーの街があるけえ」
「そっちは全然温泉場が無いから、うちらはここまで歩いてくるんじゃけえよ」
なるほどとマイヤはうなずいた。この山全体がかつては城だったのだ。今は街である。ヴィクトリアの生家はどこかと尋ねた。老人のうち1人がイズヴァルトが背負っていた大剣をまじまじと見て声をあげた。
「それ、ひめさまの愛用の剣じゃろが!」
「ほ、ほんとじゃけえ! にいちゃん。もしかしてひめさまのだんなさまだったりするかのう?」
老人たちがはしゃぎ始めると、周囲の家から壮年の男や太った主婦などがやってきてたかりだした。ずっと独身のひめさまが、とうとうむこさまをこちらに寄越してくれた。なんとも晴れ晴れしい!
「きっとひめさまはたくさんお子を産みまくって、なかなかに帰ってこれんのじゃろうな!」
「そうじゃ! 里帰りがなかなかできんからむこさまをウラスコーに寄越したんじゃよ!」
「にいちゃん。見たところまだ20歳ぐらいかのう? てえことはひめさまと10違うのか。まあええて。ひめさまはとっても頑強で乳もでかいから、毎年お子が出来るように励むんじゃよ?」
イズヴァルトとマイヤは答えに窮した。なかなかにヴィクトリアが死んでしまったことを告げられなかった。とりあえずだが『ひめさま』の婿、その侍女でカキタレと名乗ってヴィクトリアの生家を教えて貰った。
ヴィクトリアの家はこの街区の一番の高台にあった。もとはウラスコー領主の屋敷があったところだ。前の建物はイーズモーとの決戦で焼亡し、今はふたまわりも小さな館が建てられていた。
館は北と南に分かれており、真ん中の回廊でつながっている仕組みだった。その回廊に入口があった。
「……ルッソどののお家に、ちょっとばかり毛が生えた程度でござるな?」
「ルッソんちはあの南側にあるおうちと同じぐらいだよ。イズヴァルトはおぼっちゃんだからみずぼらしく見えるのかな?」
「さようなところでござるよ。ここには今、町長どのがお住まいになっていると聞いたでござる」
イズヴァルトは家の扉に呼びかけた。しばらくして16ぐらいの小間使いの女が、乱れた胸元を直しながら「どうぞ」と2人を招いた。
家は予想よりこぢんまりとしていたが、中はどこもかしこも立派で頑強そうな造りをしていた。小間使いの娘は内股から精液を垂らしながら案内する。ここはどこもかしこも温泉の蒸気で温かくしちょるけえ。
「だんなさま……まあ町長さまが、『ひめさま』の留守を預かって使っちょるけえのう。わしともう3人の小間使いが住まわしてもらっちょるけど、40過ぎのおっちゃん1人ではいささか広いかもしれんのう」
「町長さんは結婚なさっていないのですか?」
「いえいえ。8年前に奥さまを亡くされましたけえ。それから4人のおこさま方はみな、巣立ってイワッミーに行ってしまいましたからのう」
町長の子は全員が娘。町長と馴染みのドワーフ男と結婚して出て行ったという。とはいえ屋敷の中で「おぎゃー!」と赤ん坊の泣く声がしていた。2人も。
「で、さっきから赤ちゃんの声が聞こえるでござるが、一体なんでござろう?」
「あはは。聞こえてしまいましたかのう。町長さまもまだまだ男という訳ですけえ」
と、小間使いの娘は陰裂からぶびょっと、音を立てて精液を押し出しながら答えた。湿ったおならみたいな音がするけどまさか、とマイヤが勘ぐったが、この町の長はまさしく、そんな感じの男であった。
40も半ば過ぎた初老近くで髪は銀髪。とはいえ大柄でいかにも精力がありそうな顔つき。昔は王国の騎士で、ターケハールの警備兵団の副団長だったという。
ズボンではなくひざ丈までの毛織物のスカートと脚をすっぽり覆う靴下を履いていた。この近辺の男性の正装である。スカートが汚くなるのを嫌がる者は、一枚下に布を巻いていた。
「詰め仕事のせいで、妻の死に目に会えずに職を辞しましたけえ……さて」
町長は2歳ばかりの女の子を抱き上げながらイズヴァルト達に会い向かった。女の子はあどけない声で「ちち、この人たちなにものかしら?」と呼びかける。
「その娘さんはどちらさまでござる?」
「あ、いえ。小間使いのうち1人とその恋人の若者の子でして……」
「ちち。うそはよくない。はっきりしないとだめ」
女の子に諭されて町長は白状した。小間使いのうち1人との子である。一番若い小間使いの他に2人の年上のが、赤ん坊を連れてやって来た。歳は19と17。お世辞にも美人とは言えないが愛嬌があり、性格の良さが顔ににじみ出ていた。
「つまり町長どのは、小間使いどのらをお手付きになさったということでよろしかったでござるか?」
「めっそうもない! ちゃんと愛し合っておりますとも! 籍こそ入れておりませぬが、内縁の妻として3人とも愛しておりますけえ!」
小間使い達もうなずいた。合意の上である。聞けば町長とは遠いいとこだとも。その町長もまた、ヴィクトリアとは縁の深い人物だった。彼女の高祖父にあたる人物の姉の曽孫だという。
「つまりは一応、これでもアルグレイブ家の末裔ということですけえ」
町長の名はオリバー=クロームウェル=ウラスコー。旧王家の分家筋、クロームウェル家の嫡男だという。であるが、クロームウェル家はターケハール近郊の里芋ぐらいしかとれぬ村の貧乏庄屋だった。
「でもわしは分家筋のもん。本家はヴィクトリアちゃんが継いだので、わしが功を遂げてもウラスコー家の名誉回復なんぞできやしません」
そもそも、町長は警備兵団でも事務方ばかりをやって来たという。武勇はそれほどでも無かったからだ。これでは名をあげることは出来なかった。
「それで……ホーデンエーネンのイズヴァルトさんとマイヤさん。ヴィクトリアちゃんは一体どこにおりますけえのう。イズヴァルトさんとのあかちゃんをまた出産するんで?」
「なにゆえ拙者が、ヴィクトリアどのとお子を為しているという前提で話されているのでござるか?」
「子宝者の勘というやつですけえ。イズヴァルトさんもなかなかの艶福家に見えますし、何より凛々しく男でも抱かれたくなっちゃう美男子ですけえのう」
「……そこまでうぬぼれておらぬでござる。しかしでござる、町長どの」
イズヴァルトは真実を語った。クロームウェル町長と小間使い達は悲痛な叫び声をあげてぐずぐずと泣き始めた。あまりにも泣き続けるので抱かれた赤ん坊たちと女の子を引き取って、イズヴァルトとマイヤは痛ましそうに眺めていた。
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「……そうじゃったか。無念ですけえ」
イズヴァルトは柄と鞘だけ別物の『姫竜の牙』を机の上に置いた。町長はそれを引き取り、抱き寄せてううう、と泣き続けた。
「結局、ヴィクトリアちゃんはお家再興ができんかったか……」
イズヴァルトとマイヤは目をつぶり、うなずいた。町長に、ヴィクトリアの亡きがらは今も、ホーデンエーネンのシジョーナワテの地で眠っていることを伝えた。
「いつかそこに連れて行ってくれんかの?」
クロームウェルは2人に頼んだ。イズヴァルト達には首を振る理由など無かった。それから、どうしてこの二振りをヴィクトリアの家が持つことになったのかを、2人に語り始めた。
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『覇王の剣』と『姫竜の牙』はイーズモー領内のアルグレイブ本家の宝であった。
しかし反乱によってイーズモーの皇帝家は打倒され、皇族皆殺しの中、たった1人生き残った幼い姫と忠実な家臣らが、まだ君主の地位にあったヒッジランドの分家の元へ逃げた折に、宮殿から持ち出したのだ。
本家の亡命者を得て、ヒッジランドのアルグレイブ分家は野心を抱き始めた。姫を第一継承権を持つ分家の嫡子と娶わせ、イーズモーへの侵攻を正当化する錦の旗にした。
が、反対勢力によって事前にクーデターを起こされた。イーズモー再興に同調していた分家の当主とその妻、並びに親族衆は処刑。他の親族衆は辺境に追いやられるかイワッミーに放逐された。
そのヒッジランドの王族の血を引く嫡男と妻となった幼い姫だが、このウラスコーに閉じ込められる事となった。姫が成人すると貧相だが婚姻の儀を果たす。
とはいえこの夫婦、つまりはヴィクトリアの先祖だが、なかなかに跡継ぎに恵まれなかった。娘は割と多く生まれ、長命であったのだが、男児がなかなかに産まれなかった。
産まれても30や40で身まかるものばかり。本家は代々、跡継ぎを為すのに苦労した。そしてとうとうヴィクトリアの父は娘が産まれてから数か月後に病気で亡くなってしまった。まだ15の歳だったというのに。
母も彼女が1歳の時に亡くなった。そしてヴィクトリアと祖父が残された。彼女の祖父もまた、彼女が12の歳にみまかった。50もならない内に。
かくしてヴィクトリアにお家再興の夢が託された。彼女ならば自分の代で名誉回復ができずとも、その子が夢を果たしてくれるはずであっただろうに。それが最も悔やまれた。
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「そこでじゃ。イズヴァルトさんに頼みがあるけえ!」
町長は頭を下げた。イズヴァルトに抱えられていた赤ちゃんが「ん?」と不思議そうな顔をしてイズヴァルトの顔を見る。
「ひめさまができんかったことのうち1つを、イズヴァルトさんがやってくれんかのう?」
「それはなんでござろう?」
「ヴィクトリアさんがイズヴァルトさんにあかちゃんをこさえてやれなかったという事じゃ!」
いまいち飲み込めぬ、と思ったイズヴァルトは問いただした。町長はこの街の女達、特にヴィクトリアと仲良くしていた者達にイズヴァルトの子を孕ませて欲しい。
「ま、ますますわけがわからいでござるよ……」
「せまいウラスコーじゃけえ。ここの街の衆はな、ひめさまのご先祖とちいとばかり血がつながっておるんじゃよ」
それこそ旧王国の初代国王・ジョナサンの世代のもっと前の人物を辿らなければならないが、それでもこの土地の者は皆、ヴィクトリアと先祖が同じであると町長は言った。
「今からでも町の者には聞いて回るけえ。イズヴァルトさん。この屋敷の北側をあげるから、滞在中はそこで暮らすけえ。どうじゃ?」
「宿をいただけるのはありがたいでござるが……」
一時の宿ではない。イズヴァルトにこの屋敷の居住権を半分与えるので実質半分が貰えるという事だった。温泉をひいた風呂付きでベッドも大きい。マイヤが妊娠と出産に備えるにも十分な設備が整えられていた。
「ヴィクトリアちゃんができんかったことを遂げる為に、是非ともここにおって欲しいんじゃ。頼むけえ!」
イズヴァルトは返答に困った。マイヤが「受けちゃいなよ?」と促す。彼女としてはこのウラスコーにそれなりの義理を果たしながら、イズヴァルトが自分に子供を授けてくれるだろうと信じていた。
「わかったでござる」
イズヴァルトはうなずいた。という訳でその日から彼とマイヤは北の棟に住むこととなったが、イズヴァルトは町長が履いている様な毛織のスカートを履かされてしまった。
「おしりと腰がちくちくするでござる。股間がすーすーするでござる……」
「なるほど。きんたまを冷やす為にだったのか。にしてもちょっと寒すぎるきらいもあるけど?」
「町長どのいわく、ヒッジランドの騎士や中流階級の殿方のの普段着は、この格好らしいでござる」
ヒッジランドは夏場はよく雨が降る。ゆえに足元が濡れてしまうズボンより、ひざ丈までのスカートを履いたほうが何かと都合が良いらしい。
「ほんとかなあ?」
「そもそもイワッミーのドワーフどのらがよく、身に着ける服らしいでござるな」
そうなのね、とマイヤはベッドに腰かけていたイズヴァルトのスカートの中に手を入れて、長く太いものをしごきにかかった。
「ううう……」
「うん。暖房のおかげで縮こまらないで済んでいるね。イズヴァルト、これからずっとこの格好にしましょうよ?」
指で亀頭や雁をいじくられて気持ちよくなってはいたが、イズヴァルトは返答に窮した。こんなものを履いていたら四六時中マイヤに吸われてしまう。竿ときんたまがぶらぶら出来てしまうから、性交に励みすぎてしまうかもしれない。
「ううう……貴殿が控えめになってくれたら、ホーデンエーネンでも着るでござるよ?」
「むしろ私もこれを着ようかな? 前世でもこんな短めのスカートをいつも巻いていたから。なんだかなつかしいなあ……」
「ひとのちんちんをごしごししながら、思い出に浸らないで欲しいでござる……」
口では否定するが、しごかれる事自体は満更でもなかった。それよりもマイヤがこのスカートをまとった姿を想像して興奮してしまった。
そのまま射精まで持っていくかと気持ちを楽にして愛撫に浸っていると、扉を叩く音がした。入ってもいいですか、と声が。迎えてくれた小間使いの娘の声だった。
マイヤが手を引っ込めた。扉が開くと娘が1人の女を連れて来ていた。30ぐらいでややでっぷりとした中年女。とはいえ顔立ちは悪くなかった。むしろ美人の類であった。
「あんたがイズヴァルトくんじゃけえ?」
呼びかけられるとイズヴァルトはうなずいた。小間使いがイズヴァルトに説明する。
「ひめさまのお友達のジェニファーさん。私の叔母にあたる方ですけえ」
イズヴァルトとマイヤは小間使いとジェニファーを見比べた。なるほど、顔立ちがよく似ている。とはいえ太目であってもジェニファーの器量が上だった。小間使いはちょっとだらしない顔つきだ。
その小間使いのスカートの中は精液のにおいでむあんとしていた。陰裂のまわりにべったりついていた。町長と急いでしたからだ。そのにおいがスカートの中から漏れてきたのだ。
暖房が効いているせいもあるが、町長の精液のにおいはとても強かった。こんなに濃いのでは彼女も母親になるのはそろそろだな、とマイヤは思った。
「で、ジェニファーどのはいかなる用事でここに来られたでござるか?」
「ひめさまの代わりにあたしがイズヴァルトくんと子づくりをするんじゃよ。そこのおっぱいの大きな可愛いお嬢ちゃん、今からイズヴァルトくんを借りてもええじゃろうか?」
マイヤはすまし顔になってうなずいた。何か言おうとするイズヴァルトに「がんばって」と告げて小間使いと共に部屋を出て行った。
イズヴァルトとジェニファーだけが残されると、彼女はベッドに近づいてイズヴァルトの横に座り込んだ。マットが重くめり込んでいると思いながら彼女の顔を見ると、ジェニファーはにっこりと笑ってこうささやいた。
「町長さんがおっしゃった通りの立派な美少年じゃけえ。すぐにでも子が為せそうじゃなあ?」
そう言って彼女は服を脱ぎ始める。ふくよかな太古の地母神像みたいな体つき。とても落ち着くにおいを放っていた。
「じゃあ、はじめるかのう?」
イズヴァルトは思わず息をのんで、毛織スカートの中の勃起をたくましくしてしまう。さて、彼が頼まれた最初の子作りは、いかなる様相を呈したのであろうか?
その続きについてはまた、次回にて。