聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
イズヴァルトとマイヤがウラスコーに逗留している間、サイゴークの状況は大きな急展開を見せていた。パラッツォ教団の本格的な侵攻を受けていた、イナーヴァニア王国の降伏がそれである。
教主・コーザ=ストーンマウントは自ら陣頭指揮を取って様々な決戦で大勝。しかも教団が擁する美女集団『教典の巫女』らに篭絡された王子達が父を裏切って教団側についた。
王子達を半分人質にされた国王は、流石にこれ以上の戦いを望まなくなった。イズヴァルトがウラスコーに到着した時点で、イナーヴァニア王国は服属の意を教主に示した。
ヒッジランドとイーズモーによる旧援軍は、その決断に間に合う事は無かった。引き返して態勢を整えようとした直後、軍隊の半ばが突如謀反を起こして撃滅せしめた。パラッツォ教団得意の同士討ちの罠によるものだった。
そうしてコーザはイナーヴァニアのほぼ全域を掌握。進軍行動をそこで止め、防衛網の強化と国内の統治と安定化をはかった。
そこで彼の部下が1つ提案した。イワッミー産まれの亜人部隊を引き連れ、イナーヴァニアやその周辺で眠っている鉱山の調査をするべきだ。
「理由は資金源の獲得ともしもの事があった場合の鉱山資源確保の為です。イナーヴァニアはともかく、エチウには100万の教団軍に行き渡る武器が足りない。主な輸入先のホーデンエーネンは禁輸の動きに入っておりますし、イナーヴァニアに至っては、エチウ本国軍の武装の前にイナーヴァニアの友軍の為の鉄や銅が必要です」
考えは受け入れられた。そしてイワッミーとヒッジランドの国境にある、サート山地に調査団が派遣された。この土地にはかつて、ミスリル銀山があったと調べていたからである。
その東にある森林地帯に、その調査団が潜り込んだ。聖職者かつ教団軍の指揮官、司祭騎士が2名と亜人が1人。それから彼等に同行する男女混じった教徒兵15名だ。
「確かここに、ウラスコー朝時代の遺跡があったと聞きましたが……」
その調査団の長・ヘンリック=イプセンが古地図を開いて確かめた。森林の中心に湖がある。そこにウラスコー王家歴代の墓と、この地方を護る土地神の霊廟があると聞いた。
とはいえその霊廟は打ち捨てられているという情報もあった。端正な顔の眉間に皺を作ってイプセンは西南の方角を指さした。そこに湖があるはずだ。
「打ち捨てられている……果たして本当のことでしょう。何せサイゴークは暗黒卿の時代より前のことを、それこそ禁忌だと言わんばかりに忘れ去ろうとしてますからね」
彼は隣にいた教典の巫女が地図をのぞき込んだ。彼に5年程ずっと付き従っている、ヴィルマという名前の女だった。歳は彼と同い年。エチウ人特有の脂肪がついた肌と大きな胸と尻。イプセンはこの5年、彼女に2人の娘を孕ませた。
「イプセン様。その守り神というのは実在するのでしょうか?」
「実際にいる、とトールキンはおっしゃっておりましたが……」
背後の方では絶え間なく、男女の嬌声があがっていた。男女が同数いるパラッツォ教の兵団で、よく見られる光景が起きていた。
雪の上で厚手の貫頭衣に身を包んだ男女が、抱き合って腰を揺らしあっていたのだ。性交の真っ最中だった。
パラッツォ教団は殺すことよりも、殖やすことが奨励された。死んだ数以上に産み育てよ。『甘露(アームリータ)』の力で際限ない精力を得ていた男女は、陣中でも朝昼晩、事あるごとに性交を続けていたのである。
「出発の前の一休みというところですね」
「では我らだけでも?」
「及びませんよ。我々には休息が必要です」
しかし指揮官でありこの隊の進路を決める司祭騎士だとそうは行かない。皆が性交をしながら休んでいる間、どの様な道を進めばいいか探らなくてはならない。
その道案内にうってつけの人物が、この隊に1人いた。その者は女達の中で一番太めな少女・エッダの上に乗って猛烈な勢いで腰を振り続けていた。
男はスカートを履いていた背の低いずんぐりむっくりとした体格。身長は140あるか無いかぐらい。しかし腕と指はとても太かった。ひげもじゃで革鎧を身にまとっている。
あまりにも勢いが付きすぎてめくれてしまった尻は、とても硬そうだった。この男はニンゲンではない。ドワーフだった。
「トールキン。よろしいですか?」
激しく腰を動かし、股を開いている太った娘を喘がせていた彼に呼び掛けた。イプセンの声を聞くとトールキンは顔をあげた。
「なんじゃ? エッダとやりたいのか?」
「その余裕はありませんよ。本当にいるのですか?」
守り神が本当に。トールキンは赤ん坊の腕より太いペニスを出し入れしてエッダを喘がせながら、自分は見たことが無いと前置きした。
「でも、俺の親父と兄貴は見たと聞いとる。親父が昔、ここで何をしていたかご存じじゃろう?」
「ええ。サート鉱山の技師でしたね。お兄様も」
「そうじゃ。邪魔だイプセン。儂はエッダのやつを満足させるまでここで待っておる」
トールキンは腰の動きを早くした。激しい打擲音とともにエッダは喘いだ。ドワーフ男の『陰茎掘り』につきあえるニンゲンの女はなかなかいない。大抵は大柄ででぶっちょの女ばかりであった。
「わかりました。貴方がすっきりとするまで待ちましょう」
「エッダがじゃ! こいつが可愛い声でもうやめてえ、と懇願するまで、儂は止めん!」
「と、止めないでトールキン! 夕暮れになるまでずっとこうして!」
エッダはとても卑しい女だった。食いしん坊であることはさることながら、セックスについても貪欲で毎回気絶するまでやりたがる。一時期相手をしたことがあるイプセンも、彼女の凄まじさには辟易していた。
「……仕方が無いですね。しばらく待ちましょう」
トールキンとエッダが満足して、仲睦まじそうにイプセンの元にやって来たのは1時間後のことだった。待ちくたびれたイプセンは、ヴィルマの乳房に顔をうずめながらの法悦に浸っていた。
なかなかに練れた腰遣いを眺めながらトールキンは、「マハーヴァラ様の声は聞こえたのか?」とイプセンをおちょくった。
「なかなかそうもいきませんね」
イプセンはズボンのベルトを閉めた。一緒に立ち上がったヴィルマは、この10カ月後に産む子の為の精液をしっかりと腹の中に納めていた。
森の中を用心深く歩き、湖の手前へと出た。湖はそれほど広くない。向こう岸の樹木が肉眼で見える程だ。凍った湖面の南側には確かに、霊廟が建っていた。
その周囲に旧ウラスコー王家やその先祖の墓があるはずだ。もしかしたらそこに守り神がいるかもしれない。南に向かって歩き始めた時、誰かが呼びかける声が彼等の頭上で響いた。
「なにものでち!」
イプセン達は見上げる。4歳ぐらいの女の子にも見えるが、身体は水色が飼って半透明。魔物か魔族だろう。しかも幼かった。
「なのりなさいでち!」
イプセンはうなずいた。尋ねたところ彼女こそが、この地方の守り神であった。
□ □ □ □ □
山の上で湯治を始めてから9日目の朝である。
「マイヤちゅわーん、遊びに来たけぇー!」
療養場の入り口にやって来たのは、マイヤの可愛い浮気相手が4人。イズヴァルトにとっては顔見知りの少年達。いや、もはや遊び友達でもある。
出迎えたイズヴァルトは、彼らから貰ったおまんじゅうを受け取って礼を述べた。この甘味はイズヴァルトの大好物であった。
「マイヤちゃんはどこですけぇー?」
「マイヤはお先にお風呂場で、身体を清めているでござるよ」
「じゃあおじゃましますけえの」
「イズヴァルトさんも一緒に、マイヤちゅわんをかわいがるけえ?」
申し出にいやいや、とイズヴァルトは辞退した。彼等が来る1時間前に、マイヤのおっぱいをちゅうちゅうと吸い立てながら、朝出来たてのザーメンを尻の奥に2度も注入したからだ。
彼等を脱衣所に連れて行き、服を脱ぎながら「近頃街の方は如何でござるか」と尋ねた。
「何らお変り無いけえよ。でもおばちゃんたち、イズヴァルトさんが来なくなって寂しいと嘆いていたですけえ」
「今度ねえちゃんを連れてくるから相手してくれんかのう? 生理が始まったし、赤ん坊もこさえてみたいと言ってたんじゃ」
「あははは……それは控えさせていただくでござるよ」
これ以上浮気をしたら、マイヤに酷い事をされかねない。とにかくマイヤはイズヴァルトとできるだけ2人きりでいたいのを望んでいた。とはいえ浮気もちゃっかりしているが。
イズヴァルト達は浴室の中へと入った。濃い匂いが立ち込める湯船の中で、マイヤが可愛らしくちょこん、と湯につかっていた。
蜜を運んできてくれた働きバチを待つ幼虫のように、今か今かと待ち構えていた様子。浮気相手達の姿を見た彼女は、目をらんらんと輝かせていた。
イズヴァルトは彼女の喜び様にほっこりとすると、ついてきた男の子達とともに身体を清めた。それから湯の中に静かに待っていたマイヤは、「じゃあ、いいかな?」と呼びかけて来た。
イズヴァルトを含む5人の男の子達は、お姫様にかしずく下男のように彼女の身体を抱きかかえると、浴室そなえつけの、海綿を敷き詰めた手製の寝台へと寝かしつけた。
男の子達が寝ているマイヤに呼びかけた。
「マイヤちゅわん、これから美味しい御馳走をさせたいけど、お腹いっぱいかのう?」
「イズヴァルトさんと飲んだばっかりで、ぽんぽんいっぱいけえー?」
「おれたち、マイヤちゅわんにご馳走させたいけえ!」
男の子達は伺う、というより誘っていた。彼女はわざと舌ったらずに答えた。
「にょみたーい!」
甘ったれた調子だ。
「なあにがのみたいけえ?」
「みんにゃのおちんちんからでるみちゅー! いきがよくて、ねばっとして、どりょりとして、とーってもくちゃくちゃいみちゅがのみたーい!」
「どーんな風にのみたいけえ?」
「うーんとねえ……」
彼女はフェラチオをする真似をしながら足をあげて開き、腰を浮かせて振り動いた。可愛らしい女陰とお尻の穴の両方を見せつけて甘ったるい声を放った。
「上のひとちゅのおくちと、おまたとおしりのくちで、たくさん、たーくさんのみたいにょ!」
「わあ、そうなんかあ!」
うれしそうに言って立ち上がった男の子達の股間は、小さいながらもびんびんに張り詰めていた。揃って腰を突き出し、先走り汁が糸を引いている象の鼻の先端をめくり、その奥のしっかりと発達した亀頭をさらけ出す。
マイヤはそれを見て、赤ん坊の様にはげしく駄々をこねた。
「はやくう、はやくう! いっぱいおちんちんのみちゅをのまちぇてぇ!」
性交のやりすぎで頭が狂った娘だ。男の子達の屹立した男根に手を伸ばして求める。
「まいやちゅわんにぃ、いーっぱいそそいじゃるけえな!」
「ぼくらのあかちゃんを孕んで、そのおっきなおっぱいで育ててね!」
「わたちー、ままにしてくれるのー?」
マイヤが呼び掛けて無邪気に笑うと、4人の男の子達は増々たぎらせる。もうじっとしていられない。大き目のやわらかい寝台の上に登り、4人がかりでマイヤの身体を貪り始めた。
一番大きめの男の子がマイヤを自分の身体に乗っけた後、ぬるりと入る尻穴に自分のペニスを差し込み、腰を動かし始めた。
ヴァギナにザーメンを注ぐ係の男の子は、やや無理な体勢でしゃがみこみ、マイヤのぬちょりとしたおまんこの中に自分の男根を突き入れ、こねくり始める。
マイヤは頭をもたげ、1人の男の子のペニスを口に含み、すさまじい勢いで舐りはじめた。
最後の1人はぬるぬるとした泉質によって滑りが良くなっていた、彼女の胸の谷間に男根を差し入れ、激しく腰を振った。それをイズヴァルトは間近で見届ける。
「ふうむ、マイヤが教えてくれたチンゼーの春画のようでござるな」
感慨たっぷりに呟き、彼女がもみくちゃにされる様をじっくりと観察した。絵では1人の王様が沢山の寵姫を愛撫し、交合する様を描いていた。
でも今はマイヤが女王様である。少年達はさしずめ小姓といったところか。彼等はマイヤのおっぱいと可愛らしさにすっかり夢中だった。
男の子達は彼女の肌と身体の中の柔らかい肉に魂を奪われ、「まいやちゅわん! まいやちゅわん!」と叫んで狂い、次々と精を放つ。
精液まみれになった彼女は「もっと、もっとほちーよう!」と赤子のようにねだって彼等の欲情を誘い、それぞれの穴を塞ぐペニスを変えつつ、よがって歓喜の声を上げ始める。
浴室での激しい火遊びは2時間続いた。ゆっくりと温泉に浸かって、交合の疲れを癒した少年達は、「イズヴァルトさん、じゃあお先に居間におるけんね」と伝えて外に出た。
彼等の精を存分に浴び恍惚としていた小さな吸精魔を抱き起した。少年達が放った青臭い蜜にまみれた彼女の身体を丁寧に清めてると、イズヴァルトは首筋にキスをする。
温泉と少年たちの精液の力で、彼女の肌はしっとりと、しかも輝きを増して美しくなっていた。彼が軽くキスをするだけで「ああっ」とため息をついてしまう程に、感度も高くなっていた。
「マイヤどのは…ますますきれいに、そして淫らになってきているでござるな」
「ばかだなあ……こんなふうにして男の子達を受け入れているのも、イズヴァルトとのエッチをより楽しくするためって、わからないのかな?」
嘘はよくないでござるよ、と彼は優しくささやいて、少女の肩をつつつ、と指でなぞる。「うふうっ!」とマイヤは艶っぽい吐息を。けれども彼は今この場で彼女を抱こうという気は無い。
今日は面白い話がある、ということで子供達から話があったから、それを聞きたくて仕方が無かったのだ。
「というわけでマイヤ、先に出てみんなと待っているでござるよ」
「えっ、いっちゃうのイズヴァルト?!」
「続きは今晩で良いでござらぬか……というより、1日ぐらい休ませて欲しいでござるよ?」
この温泉場で過ごすようになってから、マイヤが身体を求める度合いが酷くなった。二人きりでいるからか、彼女は朝昼晩、彼に『直腸注射』を求めて来るようになっていたのだ。
それでは腰の痛みが治らない、と思った彼は、こうしてウラスコーから男の子達を招待して、マイヤの相手を頼んでいる。
「ひどいよ、イズヴァルト! 私、いまとってもいやらしいきぶんなのに、どうしてっ?」
「過ぎたるは及ばざるがごとし、でござるよマイヤ。では、拙者は出る故、もう一度浸かってからでもいいから後で来てくだされ」
そう言ってそそくさと出て行って衣服を着た、イズヴァルトは居間へと向かった。浴室からはずっと、マイヤの叫び声が聞こえ続けている。
「イズヴァルトのばかー、ぼくねんじーん! せっかくえっちな気分にさせたのに、据え膳に手をつけないで男の恥をさらすなー、あほーっ!」
やれやれ、と聞き分けの無い甘ったれな恋人の怒鳴り声に、笑みを浮かべる少年騎士だった。
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少年達は食堂代わりにしていた休憩室で、持ち込んで来た葡萄酒を混ぜ込んだミルクを飲んでいた。はちみつが混ざっており、激しい性交の後に飲むと効果があると言われていた。
「イズヴァルトさんも飲むけえ?」
「では拙者もいただくでござる。うむ。甘くておいしいでござる!」
葡萄酒はほんの少し。ミルクは山羊と牛のを混ぜている。飲み干すと力が湧いて来た。いつも湯か茶で済ませていたので、たまにはこういうものを注文しようかとイズヴァルトは思った。
男の子の1人、ジミーが古びた薄い書物を持ち出してきた。テーブルの上に置き、「これ、町長さんからのあずかりもの!」とイズヴァルトに寄越した。
「なんでござろうか?」
「よくわからん。でも騎士さまのイズヴァルトさんならわかるんかの?」
どれどれ、と彼はその書物を開いて文字を見た。ヒッジランド語に近い、とは思うが、どうもスペルや文の区切りが違う。活版ではなく手書きの文字だ。かなりの年代物だった。
「大体……何年程前の書物でござるか?」
「500年ほど昔のものらしいけえ。ジョナサン王時代の本じゃよ」
とはいえ文字がにじんだり虫食いがあったりは一切無かった。この書物には腐食を防ぐ魔法がかけられている様だ。
つまりは相当に大事な書物だという事である。イズヴァルトはページをめくってみたが読めなかった。しかし ウラスコーのの北西にあるサート山地の地図があり、ところどころに印と文字が書かれている。
どうやらこれは、鉱山について記した書物ではないだろうか。あの辺りに廃鉱山がいくつもあると町長やマイヤから教えてもらった。
イズヴァルトは書棚からヒッジランドの辞書を取り出した。町長がくれたものだ。古い単語も載っていた。
「これは われら ウラスコーに とみ を あたえる こうみゃくと それの まもりて と であった はなし をつたえる しょ である……で、ござるか」
単語を一字一句調べるだけでも時間がかかる。こういうことは拙者の得意分野では無い、と思って本を閉じた。
丁度そこに風呂から上がったマイヤが現われ、インクの匂いを嗅ぎつけてとたたた、と駆け寄って来た。
「なに、その本は?」
「町長さんの贈り物でござるよ」
「いいや。預かりものじゃけえイズヴァルトさん…」
マイヤは「そんなのどうでもいいから!」と叫び、イズヴァルトから本を引ったくった。ページをめくると、「これ、中世ヒッジランド語の書物だね?」と少年達に問う。
「そうらしいのう。でも僕は国語の成績が良くないからわかりませんけえ」
「ヒッジランドじゃ学問所は10歳までじゃよ。ジミーにいちゃんは物忘れが激しいから、学校で習った事はすぐにわすれてしまったんじゃないかの?」
「ポール。古代語は村の学問所では教えてもらえんよ?」
それに古代語はヒッジランドに唯一ある大学でしか学べない。どこにあるのかと問われればミッハーラバーンにのみ。貴族の子女や領主らに認められた神童ぐらいしか入ることが出来ない狭き門だった。
「……ヒッジランドの大学って、何が学べるのかな?」
「古代語や科学や歴史学らしいけえ。まあでも、本当にあったまいい子はスオニアのマハラ神殿がやってる大学問所に向かうかもしれんのう」
大陸最古の王朝があるスオニアには、マハラ教団が運営する大学問所があった。名をメイリーン大学という。神学が一番繁盛している学部だが、全ての学術を網羅している。
南のチンゼーの北部諸国からも学生が来ているという。ただ、建築と土木と冶金と化学と物理に関してはニンゲンが入る事はほとんど出来なかった。ドワーフ達によって占拠されているのだ。
「ふうん。ジミー君は良く知っているんだね?」
「町長さんが教えてくれたけえ。町長さん、ああ見えてもメイリーン大学を受験するほど優秀じゃったんよ。あと……」
温泉と娘っ子とのいちゃいちゃを求めに遊びに来るドワーフ達の多くが、メイリーン大学に在籍したことがあると答えた。大学の歴史は1000年。知りたがりのジョーにいろいろと教えてくれたのだ。
「なるほどなるほど。メイリーン大学か。イズヴァルト、やっぱりスオニアに行こうよ?」
「拙者はスーエイニアで待っているでござる!」
「ちぇっ。誰も入学するとは言ってないのに……そうそう。この古文書だね?」
マイヤは解読に取り掛かった。こういうのは好きな方だし得意である。最初から最後までぱらぱらぱら、とめくり、それからもう一度読み返した後、本を閉じた。
「飛ばし読みだけど、おおざっぱなところはわかったよ」
マイヤの要約はこうだった。
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ウラスコーを豊かにした、サート地方の鉱山とそれを守護する森の護り手について。
私達はウラスコーの初代領主、ジョナサン=ウラスコーが契約したサート山の麓に住む魔の児を用い、我らを富ます鉱脈を護らせる。
かの魔の者、姿はいとけなく可愛い限り。なれど、その秘められし力を振るえば万軍の戦意を喪失させ、十万の民を無力にする恐るべき魔道の使い手なり。
ジョナサンが結びしその契約は、未来永劫ウラスコー家の血を継ぐ者のみに引き継がれる。もし命脈尽きたのちは、何者もサートの青く光る銀を求めるなかれ。
魔の者に語り掛けられるのは人では無きもの。もしくは魔力を持つ者。あるいは、輪廻の理によりこの世界にいざなわれし者のみぞ。
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「ふーん、なんだろうこれ?」
子供たちが呟いて考え込むと、マイヤは言った。
「多分……昔物語にあったウラスコーの守り神のことなんじゃないかな」
マイヤは古文書の中身を思い出してつぶやく。ミスリルやタングステン。諸外国がよだれを垂らして求めるレアメタルばかりが埋まっている。しかしそれも遠い昔の事である。
「この本が書かれた時代は、サートの鉱山はとっても強い護り手によって保護されていたけど、今は誰も掘っていないじゃない?」
言わば、いらん子のお山である。それを守護してくれた神様的存在もお役御免。マイヤはどんな存在なのか調べてみたいと考えた。イズヴァルトに目を向けて誘う視線を投げかけた。
「……とても強い武者の様な神様でござろうな?」
眼が闘志に燃えていた。いけないいけない。書いてあった『いとけなき幼子』であることを思い出し、イズヴァルトに注意する。
「しかし500年前の事でござろう? もしかしたら今では立派に育って、とてつもなく恐ろしい武神になっているかもしれぬでござるよ?」
「イズヴァルト。こわーい事を嬉しそうに語らないでほしいなあ。私はおっぱいに顔をうずめるのが大好きで、うんちをしているところを見たがる、ヘンタイさんの貴方がとっても大好きだよ?」
「男の子にも二面性があることを、理解していただきたい……」
赤ちゃんの頬みたいにぷにぷにして柔らかいおっぱいやお尻の穴にめろめろになるのと、強者の存在を知り打ち勝ってみたくなるのとは両立するのでござる。イズヴァルトは強敵との試合を所望した。
「……はあ。これだから男の子は」
マイヤはジミー達に、今夜は泊っていくかと尋ねた。彼等は学問所の宿題や、就寝後の姉や妹達のおまんこのお世話があるからと断った。その顔がどうにも悲し気でいたたまれなかった。セックスの気持ちよさを知った女の子に、男の子は必ず貪り取られるのだ。
「じゃあ、僕たちはお使いとマイヤちゃんにちんぽのみつをちゅーちゅーさせたから、これで」
「また明日も来るけえね!」
イズヴァルトとマイヤは4人を入口まで見送った。姿が見えなくなると、マイヤは少年に抱き着いて、浴室で出来なかったことをたっぷりしたいとねだりはじめた。
「ねえねえ。おまんことおちりのあながとってもせつないの。いじゅばるとー?」
猫なで声で甘え始め、彼の首筋に手を絡める。
「まあ、そんなに云うんであれば……」
彼が愛する少女の顎に手をやり、唇を塞ごうとしたとき、「イズヴァルトさぁーん!」と街に戻ったはずの子供達の声が。
さて、彼等はどうしてイズヴァルトの元に戻って来たのだろうか?
その続きついてはまた、次回にて。