聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
その者がウラスコーの町の門をくぐり、上り坂のトンネルをあがったところで、ブランカは突然に身体の魔力を引き出していた。
「このかんかくは、まかいのすごうでさきゅばすちんでちか!」
ブランカや町の者達がいたのは町長の館だ。しかし触手はウラスコーの町全域に作り出すことが出来る。
が、その者を触手は襲う事は無かった。目の前に現れるや、この人物は飛びかかった先端をうまく掴み、優しく撫でて戦意を消失せしめたからである。
「なるほど。これが触手姫の力ですか。素晴らしい……」
この触手には絶え間ない性的快楽を与える力があると聞く。これを用いれば、『法悦』の果ての神との『対話』も出来るに違いないとつぶやいた。
掴んだ触手を撫でてなだめ、そっと口づけを。触手は雲散霧消してしまった。その口づけには魔法術式をかき消す力があったのだ。
果たして何事も無かったかのように広場に現れた。背が高く大柄な、髪をべん髪にした容貌魁偉な男。
唇は厚く好色そうであるが、女がひと目見れば凝視してしまう様な顔の作りで、何故か惹かれてしまう気配を漂わせていた。
大柄な男にありがちな汗臭さは無く、ただただ芳香だけを放っている。長袖のローブと長靴といった格好のこの男は、エチウとイナーヴァニアでは誰よりも名が知られていた。
「どこのどちらさんじゃけえ?」
「イズヴァルトさんみたく立派な身体をしておるのう?」
大男は微笑みながら己の名を告げた。
「コーザ=ストーンマウントです。この町はとても良いところですね。至る所に温泉が湧いている様子……」
これこそ神の恵みであるに違いないと褒め称えたが、その名前を聞いた者達は顔が真っ青になった。
「コーザじゃ! パラッツォ教の頭目が現れたぞぉ!」
「兵隊さんはおらんか! さっさとこやつの首を刎ねてくれえ!」
ウラスコーは騒然となった。町の詰め所にいた警備兵達が武器を持って現れ、広場で悠然と立っていたコーザを取り囲んだ。
「貴様、本当にコーザ=ストーンマウントなのか!」
警備隊長が剣をコーザの喉元に突きつけた。しかしパラッツォ教の教主は全く怯える素振りを見せない。
この隊長は短気な性格だったから、コーザの動じない様子に怒りを覚えて切りつけてしまった。刃が喉元を深くえぐり、大量の血をこぼしだした。
コーザの口からとろりと赤黒い血が垂れ出たが、コーザは驚きもせず微笑んでいた。たちまち傷は塞がり血が止まった。
「な、なんと……」
「この男は化け物か!」
首元が汚れてしまいましたね。コーザはそう言うだけで警備隊長に敵意を見せなかった。警備隊長は震えてかすれた声で、かかれ、と部下達に命じる。
兵士達は吶喊しながらコーザに襲い掛かった。剣の刃が槍の穂が、彼の身体を切り裂いて貫いた。腸だけでない。心の臓もえぐった。なのにコーザは倒れる事も無く、立ったまま微笑むだけだ。
何度も切りつけられた事でまとっていたローブはずたぼろになってしまった。すぐに塞がってしまった傷と少しだけ飛び出るだけで収まってしまった流血。
兵士達はただただ怯える事だけしか出来ない。警備隊長もなかなかに殺せないこの男に戦慄せざるを得なかった。
「こ、こいつは本当にニンゲンなのか!」
「……そうではないかもしれませんね」
コーザは笑う。自分はサキュバスを母に持ち、『半ば神』と語られた人物の子である。自分をこう断じた。怪物の類とも言えるでしょうと。
「しかしながら。斬られ、貫かれては流石に身体が痛くて仕方がありません。化け物でも感覚はあるのですよ。しかしそれは大事なことなのです」
痛みがあるからこそ快楽がある。肌と肌を触れ合わせ、己の最も感じやすい箇所を相手の繊細なところと交わる行為も甘美で心地よい。
「それを教団の聖典では、『法悦』と呼びます。貴方がたもパラッツォの教え……つまりはわが父コージュが悟り、預言を受けた万物の理。それを究める為に門を叩いてみませんか?」
警備隊長や兵士達、事態を見守っていた周囲の者達は嗅覚を疑った。コーザからそれまで血のにおいしか嗅ぎ取れなかったのに、先ほどと同じ芳しい香りしか吸い取れなくなったからだ。
いいや、その魅惑はより一層強く濃くなっていた。この男の血こそがその源だった。サキュバスに詳しい者がいれば、かの淫魔達の血のにおいもまた上物の香水かそれ以上の媚薬であると教えただろう。
コーザを取り巻く者達の全身から力が抜け、腰が砕けてへたり込んでしまった。ぼろぼろになり、自分の血の色に染まったローブを彼は脱ぎ捨てた。
この淫教の主は中に何も着ていなかった。ローブの中は裸体だった。筋骨隆々な体格ではあったが表面にほんのりと脂肪がついて丸みを帯びて、妖しい艶めかしさがあった。
雌雄同体の美神ともいうべき体つき。しかしこの男のたくましさに満ち溢れた首から上と、もう1つの身体の部位が、彼を男であると雄弁に物語っていた。
ヒッジランドの冷涼な気候でも伸びきった、いっぱいに詰まった財布袋みたいな大きな睾丸袋。そして40センチ以上もある野太いペニスがそれだ。
幹の10センチのところで見事な色の差を見せる割礼痕があるそれは、先端は幅広く雁が太く、幹の造りに至っては女人の内側を余さず感じさせてくれそうな起伏に富んでいた。
パラッツォの信徒の間では、コーザのペニスを『聖根』と褒めたたえていた。それ自体が生殖と豊穣の柱神と思わせる神々しいものを見て、女だけでなく男らも息をのんだ。
跪拝すべき神の子がここにいる。ゆったりと構える血だらけのコーザを見て、皆は自然と頭を地面につけ、ひれ伏していた。
「
それから死の間際に祈るべきは死神のアエーシュマ。しかしそれまでは生を受けたことを創造神に感謝するため、交合による隣人愛を為すのだと教義は説くのだ。
雄大なものをぶら下げる裸身のコーザを見たウラスコーの町の者らは、こぞって彼にすがりついた。見ただけで人を惹きつける力。彼こそがまさに救世の光、と見えた。
コーザは教典の一節を語りだした。右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ。それからわかりあい、異性同士であれば交合を、同性同士であれば愛であえと。
「異性でも同性でも、互いに法悦の時を過ごせばたどり着くのです。我らが父マハーヴァラとの対話の時を。魂の喜びの時を……」
広場は彼の説教場であり祭壇となった。女達の中から彼のペニスに欲情し、『法悦』を是非とも経験させて欲しいと願う者が現れた。
コーザは優し気な笑みを向けてペニスを怒張させた。それはまさに女芯を深々と打つ杭であり、神槍であった。
皆が一斉にどよめいた。イズヴァルトのそれにも増して見事な直立だ。女のうち1人、18になったばかりのシャーロットが名乗りをあげた。
彼女は3年前に夫と結婚したが、淡泊な相手から一度も性交時にサティスファクションを得られずにいた。
そればかりか、子供がうまれにくい身体をいいことに、浮気を繰り返して夫から殴る蹴るの暴力も受けていた。多情だが不感症気味。常に飢えていた。
「コーザさま。私にその大きなもので、パラッツォの教えというものを学ばせていただけんかのう?」
顔にあざを作っていたがシャーロットは美人だった。笑うとえくぼとそのしわがはっきりして浮気相手達を魅了した。またシャーロットちゃんか、と中年女達は失笑した。
「それでは……貴方から導くと致しましょう。シャーロットさん」
コーザは抱き着いた彼女のスカートに手を入れ、太腿に手をかけると持ち上げた。彼女の尻は高々とあげられると、割り込んできた『聖根』が外れる事なく彼女の陰を突いた。
彼女のそこは濡れ切っていた。シャーロットの膣口と同じぐらいの幅の亀頭がラヴィアの奥に潜り込む。それだけで彼女の脳髄に電撃が奔った。
「あっ! あああっ……!」
巨大なペニスは肉を引きちぎること無くヴァギナの奥へ押し込まれた。コーザの太い腕がシャーロットの腰を動かし始める。
「これは。これはッ……!」
クリトリスを弄んで覚えた時よりも深い喜悦が。ペニスを中に押し込められただけで彼女は絶頂に達してしまった。膣壁だけでなく下半身が快感に満ち溢れた。
『聖根』、つまりこの教主のペニスには途方もない魔力があった。挿れて動くだけで相手に絶頂を訪れさせるというものだ。しかも、動き始めるとシャーロットは更に悶えるはめとなった。
「ひいっ。いいい!」
シャーロットはコーザの首に抱き着き、無心になって喘ぐ。太い槍が中を力強く撫でるのを感じるごとに、彼女の全身に長く続く快楽の波動が産まれていた。
「こ、コーザさま! これが『ほうえつ』というものじゃけえのう!」
ここまで快感が凄まじい結合はまるで覚えが無かった。鈍いがゆえにもしかしたらこの男がと期待を込めて股を開いた彼女だが、どの男も似たり寄ったり。
けれどもこの教主のは違う。確実にシャーロットの膣を刺激し、快感を産んでいた。いいや、彼女に絶え間ない絶頂を覚えさせていた。
「きょ、きょ、きょうしゅさま……」
周囲の者らが唾を飲み込んで見守る最中、このまま続けてほしいと彼女はささやいた。コーザは注意を促した。このままでは中で放ってしまうかもしれない。
「私の『聖液』は凄まじいものです。一度お腹の中に吸われただけで、貴方に子を宿させてしまうかもしれませんよ?」
「そ、それでもいいけえ!」
そう叫んだ後、おうっ、おうっ、と彼女は嗚咽してペニスが一層膨らむのを感じて涙をこぼした。スカートの中の彼女の女陰には、コーザが放った精液がにじみ出ていた。
この種液もまた尋常の物では無かった。女に排卵を促して必ず受精させるのだ。更にその精を膣内に染み渡らせたまま交合を続けると、快楽の度合いが増して更なる法悦を及ぼす。
射精してもコーザの腰とペニスは止まらなかった。シャーロットは受精しつつある身体の奥で熱と絶えぬ絶頂とを得ながら、二度目の射精の直後に失神した。
首根っこに抱き着いたままぐったりとなった彼女を丁寧に引きはがすと、コーザは潤んだ目を向ける女達をちらと見た。
「シャーロットさんの他に、学びたいと思われる方はいらっしゃるでしょうか?」
子宮へ懐胎液を注ぎ込んだばかりの教主の『聖根』は、ぬらりと光っていた。それ自体が祭器であり偶像だ。
鈴口から濃い牡と焚かれた香煙の様なにおいが混じった『聖液』がせりだされると、女達は息を呑んだ。自分達もあれに貫かれたいと望み、女陰を濡らし始めていた。
□ □ □ □ □
ブランカは広場に潜ませていた触手により、一部始終を見届けていた。シャーロットの次に抱かれた女が『法悦』の声をあげながらよがるのを見て、あれは淫魔のやり口だと断じた。
性別が男の淫魔は存在する。インキュバスというのがそれだ。長大かつ鈍感な膣を敏感にさせる魔法を帯びたペニスを持ち、女達を虜にする。
しかし男性の淫魔の数は極めて少ない。きわめて繁殖力が低いからだ。そもそも彼等の生殖器は女達を喜ばせる為に進化しており、繁殖は二の次にされていた。
(あたちがどうにかするしかないでちね……)
広場の方が騒がしいが何が起きているのだろう、と町長がブランカに尋ねると、ここで待っていてほしいと彼女は告げて館を出て行った。
触手による最初の一手が駄目だったから、次は容赦しないと思いながら念じた。転移魔法でコーザを遠くに飛ばすのである。
彼女は触手から伝えられる視覚情報で2人目の女と交わるコーザを視ながら転移魔法の準備に取り掛かった。
できるだけ遠くへ飛ばそう。シマナミスタンかカントニアに。全身に魔の気配を放ちながらコーザに狙いを定める。相手の女を除いての術式を組み立てるから、その分精神力を削がれるのだが。
(とおくにとんでいけでち!)
ブランカが心の中で叫ぶと、彼女の周りに浮かんでいた魔界の言語を形作っていた光が消滅した。魔法が発動したという意味である。
しかしコーザの姿は消えなかった。何事も無かった様子で交わり続けていた2人目の女の腰に快感の波を与え、自身も受胎の為の『聖液』を膣奥深くに注ぎ込んでいた。
もっと法悦をと女がせがむ。コーザは続けて力強く腰を振り動かしていた。ブランカは目を疑った。なにゆえに魔法が効かないのだ?
彼女は魔界では上級の魔族だ。まだ童子の頃であるゆえ未知数ではあったが、その魔力は尋常では無かった。魔竜・サイカノマゴイチを手痛い目に遭わせるぐらいはあった。
しかしこのコーザ=ストーンマウントには全く通じなかった。彼の手にかかれば触手達も大人しくなってしまう。
彼女を恐怖せしめたのは過去に1人いた。イーズモーの暗黒卿。かの者はイズヴァルトよりも素早い動きで触手らを切り裂いた。
仕掛けられた魔法にも敏感で、紙一重のところで暗黒卿は凌いだ。白兵戦となり、ブランカ自身も何度か切りつけられて怪我をしたことだってあった。
(こんなあいて、あんこくきょうちんいらいでち!)
恐るべき敵だ。全力をもって戦わなければならない。しかし水魔は攻撃魔法を得意としていない。治癒や妨害の術式ばかりに長けている。
エリザベスの様な、あるいはヴィクトリアみたいな相棒が欲しい。しかしその様な助けはこの時の彼女にはいなかった。たった1人で皆をこの怪物から守るしか無いのだ。
ブランカは強く念じた。ウラスコーの町のあちらこちらで霧が生れ出る。彼女が全力を引き出すと周囲の水に働きを及ぼすのだ。
この町のニンゲンの1人1人の気配とほんのかすかな魔力とを把握すると、大がかりな転移魔法の準備に取り掛かった。ターケハールまで飛ばすことが出来るはず。
しかし、彼女は急激に自分の力が抜けていくのを感じた。折角発動させた術式がかき消され、地面に立ち込め始めた霧がすっかり晴れ上がってしまった事に驚くばかりだった。
瞬きもせぬ間だった。目の前にコーザがいた。周りを見渡せばそこは町長の館の前では無く、教主に魅了されつつある町の者達が集まる広場であった。
ところどころが割れて隙間から雑草が生えた石畳の上に立つ触手姫は、コーザが温かいまなざしを向けるのを見て即座に気を取り戻した。
聖なる魔王の足元から幾つもの触手達が飛び込んで殴りかかってきた。しかしコーザは避けることもせずに体当たりを喰らって空へはじけ飛んだ。
コーザと交わった2人の女と彼に心酔しつつあった者らがブランカに非難の言葉を浴びせた。
「なにをしておるけえ、ブランカちゃん!」
「コーザさまはとてもいい人けえ。そんなことしちゃいかんよ!」
わかっているでち。しかし表面的には善人であろうと、この存在は人を魅了し、従属させ、思い通りに動かそうとする。悪そのものでちとブランカは思った。
触手達による重い一撃で空高くはね飛ばされたコーザ。ブランカはとどめの魔法を仕掛けようと念じた。だが、敵が飛ばされた空を見て増々怖気づいた。
彼女が操っていた触手達が長く伸び、彼を抱きかかえていたのだ。ブランカは次から次へと触手を呼び出して叩きのめそうとする。
コーザを受け止めたそれらの身体が分裂し、ブランカが新たに呼び出したものと殴りあい始めた。コーザはゆっくりと起き上がり、空の下にいるブランカに目を向けた。
「驚くべきほどに素晴らしい。貴方がウラスコーの旧王朝の守り神。触手姫のブランカさんですね?」
聴く者をうっとりとさせる様なゆらぎを持つ低い声だ。その響きにも淫魔の魔法がかかっている事にブランカは感づいていた。
「インキュバスちんのできそこないにかえすことばなどないでち! とっととここからたちさるでちよ!」
「連れませんね。私が今日ここに来たのは、貴方に逢いたかったからですよ、触手姫さん」
触手姫が新たに作り出したそれらが競り負けた。コーザを護っていたそれらがブランカの身体に飛び込む。彼女は逃げようとしたが脚は遅くよちよち歩き。凌ぎきれなかった。
「あううー! ううー!」
ブランカは自分が作り出したはずの触手達に絡めとられた。二の腕と腕と首と腿を縛られ、空高く持ち上げられる。
触手はさらに分岐し、ブランカの口と尻穴と前の穴をさすりながら入り込んで来た。
「うううっ……」
身体からますます力が抜けてしまった。それどころか激しい悦楽がねじ込まれた穴から起こる。水魔とて魔族である。快感器官を責められて平然とはしていられなかった。
しかも魔の者のそこはニンゲンはおろか、亜人のそれよりも快感の度合いが凄まじい。尻とヴァギナの中を攻められた彼女は、半透明の小さな身体を悩ましそうにくねらせる。
それだけではなかった。いくつかの触手の先端の形状が女性器の様な襞を作った。それらがぬめった生暖かい液体を垂らしながら、ブランカの全身を舐めまわし始めた。
ぽっこりとしたお腹や土踏まずの無い足。紅葉の様な掌はもちろんのこと、半透明ゆえにあまり目立たぬ乳首やクリトリスをぬめついた感触でもって刺激する。
「ふひーっ! いいいいい!」
ブランカの小さな身体がはねた。絶頂を覚えてつるんとした股からどろどろと液体をこぼしだした。触手がどれだけ凄まじいのかを自分の身で味わった事がある。だからこそその威力を存じていた。
「触手姫さん。ご自身が呼び出したもので味わう気分はいかがでしょうか?」
慈愛に満ちたまなざしを向けながらコーザが尋ねた。ブランカは身体の奥をこねられる刺激に浸って答えられなかった。
そのコーザも己の菊門に触手を受け入れていた。淫蕩の魔王は自身も悦楽を受けながら敵と対峙する。彼は悦を覚えながらもはっきりと言葉を探す事は出来ていた。
「驚かれた事でしょう。何故転移魔法が私に効かないのか。触手たちが操られている事に?」
「うぐ……なんてやつでち……」
「恨まれるのも無理はありません。触手たちによる最初の一撃で、私は貴方の力を見抜きました。それだけではない。どの様な術式を用いているのかも」
そう告げてコーザは双眸を光らせた。その光が失せると彼の眼の色が変わっている事にブランカは気づく。瞳の色が変わっていた。
コーザの瞳の色は紅い色だった。それこそまさに魔界の魔族の証であった。もっと位の高いのは白目と黒目が反転している。しかしそれは魔王の一族のみである。
しかしブランカには信じられなかった。コーザは母こそ魔界のサキュバスだが彼自身は魔族ではない。ニンゲンと淫魔とのあいの子だ。
「ど、どうしてあなたがまぞくの……」
「私はまだ、魔族ではありません。しかしそれに準ずる力を備えている。半ば魔族、と言って差し支えありませんよ」
触手達によってブランカの身体がコーザのもとに引き寄せられる。ブランカのヴァギナを貫いていた触手が這い出た。
ぱっくりと開いた半透明の膣口とその奥は愛液を垂らしてうごめいている。コーザはそこに口を付け、舐りまわし始めた。
「ひぐ……! ひぐぐぐ!」
コーザの舌は驚くほどに柔らかく、遣い方は繊細だった。ブランカはヴァギナの周囲を舐めとられて増々喜びを覚えた。頭がしびれてきて意識が悦に集中してしまう。
そうなると更に感度が高くなった。ブランカは尿を漏らしながら喘ぎ続ける。彼女のおしっこは無味無臭で生あたたかいだけだ。
それを貪り舐めたコーザは、ブランカの小さな割れ目から口を離した。生殖器官は更に広がって何かを受け入れたがってよだれをこぼしていた。
「こうして、貴方と知り合う事が出来て光栄です。さあ、『法悦』の時を共に過ごそうではありませんか?」
彼はブランカの脇を掴み、自分のペニスの先端を押し付けた。太く長大な『聖根』の先端が触手姫の膣に飲み込まれていく。
ブランカは狂ってしまった。いささか浅いその奥にまで亀頭の先がくっつくと、もはや身体は快楽の炎に巻かれた様だった。
「ふあっ! ひいっ! ああっ! はあっ! ううっ! ひゃあっ!」
コーザの腰が動き、『聖根』が幼い水魔の膣をまんべんなく撫で続ける。侵入を受けたところはその分だけ彼女の下腹を盛り上げた。
『聖根』の通り道が波打つのを間近で見ながら、ブランカはコーザのささやきを耳にする。
「私の母クラリスは、魔界でも大淫婦と謡われたサキュバス。昔物語で聞かされました。魔界のほぼすべての男達と交わった事があると……」
クラリスは位の低い淫魔であったが天才だった。魔界の魔族はその位で才能が決まっている。しかし彼女は魔界の大貴族、いや、魔王の一族に匹敵する力を擁していた。
突然変異型の恐るべき存在であるがゆえに、彼女は魔王によって封印されかかった。寸前のところで逃げてこの世界にたどり着いたという。この世界でもコーザの母は、ありとあらゆる男達と交わった。
「そして母は私を産み、私が『聖根』を立たせるようになった時に教えてくれたのです」
今こうして、ブランカと交わる様に、母親自らが筆おろしをしてくれながらサキュバスの極意を授けてくれた。相手の魔法術式を味わう事で自分の物に出来る力だ。
しかも同時に、相手からいくらかの魔力を吸い取る事もできる。エナジードレインだ。ブランカはコーザに侵入された膣から、己の魔力が漏れ出るのを悟った。
「あ、あなたは……!」
「ほんの少しだけですよ、触手姫。貴方の魔力と術式を、わずかにおすそ分けいただくだけです」
そんなことをされたくない。しかしブランカは抗う事が出来なかった。乳首とアヌスを触手達によって責められ、その上に『聖根』による凄まじい快楽を得てしまって動けなかった。
この巨根から離れようという意志を持つ事に身体が拒絶反応を起こしてしまっていた。ゆっくりと出し入れして来る『聖根』に浸るがまま。この時がいつまでも続いて欲しいと願ってしまう程にだ。
「しかし、与えられるだけではよくありません。私からも、貴方に受けた分だけ返しましょう」
そう告げたコーザの『聖根』がひときわ大きく膨らんだ。尿道のあたりから盛り上がりを見せ、ブランカの中で解き放たれた。
彼の『聖液』が膣の壁を染め、子宮に吸い込まれるのを半透明の身体は如実に示した。淫教の王より分け与えられたブランカは、まだ身体の中で動き続ける『聖根』を、愛おしそうに眺め見てますます喘いでいった。
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さて、ここまでが聖騎士イズヴァルトの少年時代の旅を描いた物語の締めとなる。
ウラスコーの町の者らが聞かされたのは嘘偽りではなく半ば真実。しかし本当にあった事はこの後の語りにてお聞かせ致そう。
果たして、イズヴァルトとその恋人マイヤは、いかなる運命をたどる事となったのか?
その続きについてはまた、いつの日かと今はお返事致す事としよう。
次回は語り部、ギルバート=カツランダルクのお話となります。