ガンダムビルド艦隊これくしょんビビッドアーミー —冬よりも涼しくて— 作:星龜
「ん⋯?」
と、目を覚ます冬月。
「しまった…。
寝落ちしてしまったか⋯★」
と、頭をかく冬月。
右隣には、涼月が寝息をたてている…。
(今、何時だ?)
と、スマートフォンを見る。
午後10時45分―。
(なんてことだ…。
旅行の1日目を涼とのセックスに費やした挙句、寝落ちとは⋯。)
と、涼月とセックスして寝落ちしてしまい、2泊3日の旅行の1日目を無駄に浪費してしまったことを悔やむ冬月…。
(とりあえず…喉が渇いた…。)
と、何か飲み物を取りに行こうと、寝室のドアを開けたら…
「ゑっ?」
なんと、そこは泊まっているホテルの部屋ではなく、大勢の人がいる場所だったのだ。
「ゑ⋯何で…?」
と、呆然となる冬月…。
一方、冬月を見た男性達が一斉に歓声をあげた。
それもそのはず。
冬月は涼月とセックスした直後だったため
全裸のまま
だったのだ…。
「いやあああああ⋯ッ!!」
と、寝室に戻る冬月…。
「はぁ…はぁ…はぁ⋯!!」
と扉を閉め、肩で息をして、扉を背に座り込む冬月…。
「ん⋯お冬さん…?」
と、目を覚まして起き上がる涼月。
どうやら、冬月が扉を閉めた音で目が覚めたようだ。
「お冬さん、どうしたのですか?」
と訊く涼月。
「涼…。
その…信じられないかもしれんが…
部屋に人がたくさんいるんだ…。」
と言う冬月。
「えっ?
ここは私とお冬さんが泊まっている部屋ですよ?」
と、首をかしげる涼月。
「と…とりあえず、一緒に来てくれ…。
あ、服を着てな…。」
と、立ち上がる冬月。
「はい…?」
と、服を着る涼月。
冬月も服を着て…
「いくぞ…。」
「はい…。」
と、涼月と一緒に寝室の扉を開く…。
やはり、そこは泊まっているホテルの部屋ではなく、大勢の人がいる場所だった。
「お冬さん⋯これは一体…?」
と、驚愕する涼月。
「私にも、何が何だか、さっぱりわからん…。」
と言う冬月。
「誰かに訊いてみましょうか?」
と言う涼月。
「そうだな…。
すみません。」
と、目についた女性に話しかける冬月。
「はい?」
と振り向く、冬月に話しかけられた女性。
「つかぬことを訊くが…
ここは、どこなのだ?」
と訊く冬月。
「どこって…
『悠久の地のサワムラ様の世界』
だけど…。」
と答える女性。
「何なんだ…その…
『悠久の地』
とは…?」
と訊く冬月。
「もしかして…
お姉さん、外国人?」
と言う女性。
「あぁ。
日本からビビッ島に旅行に来たんだ。
私は秋月型駆逐艦娘の冬月。」
「私は、元秋月型駆逐艦娘の涼月です。」
と名乗る冬月と涼月。
「艦娘?
じゃ
と訊く女性。
「何ッ!?」
と、驚く冬月―。
である。
基本的に、
という偽名を名乗る―。
「提督を知っているのか!?」
と訊く冬月に
「ま…いろいろとね…★」
と答える女性。
「あの…どうして、提督のことをご存知なのですか?」
と訊く涼月。
「2〜3年前に日本に旅行に行った時に、深さんと深さんの家族にもてなされてね。
深さんも家族でビビッ島に来たことあるみたい。」
と言う女性。
「そんな繫がりが…」
と驚く冬月。
「あ、ごめん⋯。
自己紹介がまだだったわね。
私はミモザ。
よろしくね☆」
と言うミモザ
「ミモザの妻のユイです。」
と、ミモザの右にいる女性が名乗る。
「妻?
つまり
同性結婚
しているのか?」
と訊く冬月。
涼月は、ミモザとユイを見つめている。
「冬月さんと涼月さんも結婚されているのですか?」
とユイに訊かれ、頬を赤らめる涼月。
「いや…まだだが…
しかし
いずれ、するつもり
だ。」
という冬月と発言を聞いて、涼月の顔は真っ赤になった…。
「それよりも…
『悠久の地』とは何なのだ…?」
と訊く冬月。
「ここは『悠久の地』にある『サワムラ様の世界』。
信じられないかもしれないけど、ここは
異世界
なの。」
と言うミモザ。
「異世界?」
と、首をかしげる冬月。
「ここ『悠久の地』には
『八戦神』
という8人の女神がいて、彼女達が
『ヒマつぶし』のためにガンプラバトルをする
の。
その『ヒマつぶし』のために、現実世界にいる私達を招待するんだけど、『悠久の地』への入口を地上に繋ぐ時
たまに変な場所に繋がってしまう時がある
の。」
と言うミモザ。
「つまり…
私達が泊まっているホテルと『悠久の地』とやらが繋がった…ということか…。」
と理解する冬月。
「あの…どうすれば帰れるのですか?」
と訊く涼月に
「ここで行われるガンプラバトルで3回負けるか、サワムラ様が勝つしかない
んです。」
と言うユイ。
「何だと…?」
と、顔をしかめる冬月。
こっちの意思など無視して、いきなり、こんなわけのわからない世界に召喚されて、ガンプラバトルをやらされて負けて帰るなど、冬月のプライドが許さなかった。
「ガンプラバトルができるのは嬉しいが…
しかし、負けて帰るというのは、私の性に合わんな…!!」
と意気込む冬月。
「そうですね…!!
私も負けたくはありません!!」
と意気込む涼月。
その時、突然、ファンファーレの音が鳴り響いた。
人々の視線が、ステージの方に向いた。
冬月と涼月も、ステージに顔を向ける。
やがて、ステージ上に、身長160センチくらいのプラチナブロンドのロングヘアーに白い軍服を着て青いネクタイを締めた、灰色の瞳の女性が登壇した。
「下界のみなさま。
本日は私の陣営にお集まりいただき、ありがとうございます。
私が
悠久の地八戦神のサワムラ
です。」
と自己紹介するサワムラ。
「日本人…ではないな…?」
と言う冬月。
「私も、サワムラさんというから、てっきり日本人の方かと…。」
と言う涼月。
サワムラという名前から日本人だと思っていた冬月と涼月だったが、しかし、ステージに立つサワムラの容姿は、日本人とはあきらかに違う。
「あの人が、この『悠久の地』の八戦神のサワムラ様。
信じられないかもしれないけど、サワムラ様は
本物の神様
なんだよ。」
と言うミモザ。
「え…!?」
と驚く冬月。
いきなり、サワムラが神と言われても、にわかに信じがたい。
しかし、ミモザがウソを言っているようにもみえない。
そもそも、よほどの狂人でもなければ、そんなウソを平気で言える人間なんて、いるはずがない。
異世界でのガンプラバトルなどという、およそ現実離れした話を、こうも簡単に受け入れられるのは、ひとえに
冬月自身も普通の艦娘ではない
からか―?