貧乳武闘家娘のNTR闘技場 作:自宅の戦闘員
銀のフクロウ亭に戻ったリーファは、部屋に入ってすぐベッドに寝転がった。
ゴダスの命令で、膣内に入った精液をそのままに一晩過ごさなくてはいけない。
当初は屈辱だったが、今は悲嘆に暮れている。
ラトレ以外の男に処女を奪われた、ラトレの前でこんな無様を晒した。
契約魔術で逆らえないとはいえ、将来の夫に対する不義理に胸が締め付けられる。
「許して、くれるかな……」
ミレイネのおかげで今は誤魔化せた。
だが他の男に抱かれた事実を知られたら?
ラトレは優しいから許してくれそうな気がする。それは彼に負担を強いることにならないだろうか。
なら諦めて身を引く? それもイヤだ。
「なんで、あたしは、弱いんだろ……」
負けなければ、こんなことにはならなかった。
己の弱さの結果だからと必死に涙を堪えた。
ラトレへの申し訳なさと、精液の感覚を抱きながら、リーファは眠れない夜を過ごした。
※ ※ ※
マティアス・レテ・トラニアは自身を精神的デブと表現している。
多くの女性を魅了する美青年であり善政を敷く有能な領主だが、その本質はデブ。たまたま痩せているに過ぎない、というのが自己評価だった。
「ふぅ。すまないが、果実水を」
「分かりました」
「ああ、砂糖たっぷりで」
夜、牧場に関する報告書を片付けたマティアスは、疲れを癒すためにメイドに果実水を頼んだ。
酒は社交界での付き合い程度には嗜むが、彼自身の趣味は甘い飲み物である。
外見が美しいだけで、マティアスの嗜好はかなり偏っている。
魚より肉が旨い。脂は多ければ多い方がいい。砂糖たっぷり超サイコー。
だいたいこんな感じ。
今はちゃんと運動しているから痩せているだけで、たぶん歳を取ったら一気に太る。精神的には既に太っている。
メイドがいなくなって、執務室には老齢のわりにガタイのいい強面の執事・ドルトが控えているのみ。
「……誰もいないな?」とマティアスは小さな声で確認する。
「私以外は」
「よし。では……あぁぁぁぁぁ! もう疲れぇたぁぁぁぁぁぁぁ!」
そうして自我を開放した。
疲れた。めっちゃ疲れた。クルーでスタイリッシュを気取っているが、本質的にはわりとダメな男である。
「なんで、なんで私のところに厄介な問題が集まる……!?」
「領主だからですな」
「なぜ特別区の問題まで!? あちらは父上の管轄だろう!?」
「先代よりもマティアスさまが誠実であらせられますからな」
「なんで誠実な方が損する仕組みになっている!? こんなもの世界の歪みだろう!?」
マティアスは有能な領主であり、自領の経済を考えた上で最大限民に寄り添う施策が彼の特色。
エロ大会を開く変態より、頼りになる人間が頼られるという、当然と言えば当然の流れだった。
「肉だ……肉がないとこの難局は乗り越えられない……! 特に脂身の部分が必要だ」
「夜食の脂身を認める執事はおりません」
「私は頑張っているのだからちょっとの暴飲暴食くらい、いいだろう!?」
「ちょっとじゃないから暴飲暴食って言うんですよ舐めてんのかテメエ」
「あれ? 今、当主に向かってテメエって言った?」
「なんのことでしょうか?」
執事ドルトは時々口調が荒くなる。
それを差し引いても有能出し信頼も置けるから気にはしないが。
「今夜は随分と荒れていますね、マティアス様」
「日中に嫌なものを見た」
「特別区の闘技大会でしたか」
「華燎宴武。父上の契約魔術で縛り、敗者の陵辱を認める悪趣味なゴミカスボケカスクソクソ大会だ」
「貴族として、もう少し品のある罵倒を心がけるべきかと」
「それ以外に言いようがない」
マティアスは怒りに目を細める。
今日は父に呼ばれて、闘技場まで足を運んだ。闘技場には上位貴族が集まるため、顔を出さざるを得なかった。
結果、リーファの敗北を見た。
つい先日会ったばかりの少女だ。どんな目に合わされるのか、想像しただけで胸が悪くなる。
「あんなドスケベ爺が影響力を持っているのだから、どうかしている」
「そもそも他の貴族も十分ドスケベ爺ですからな」
「上流階級、腐ってるな……」
【契約】のデシデリウム。魔術の腕前と契約魔術の開発で爵位を得た有能な魔術師、が聖王国での評価だ。
だが息子の目線では五十歳になっても下半身でものを考える性欲爺である。
乳の統治する特別区は娼館だのエロい大会を開く闘技場だの、バニーガールバーだのスワッピング酒場だの、もうアダルトな施設ばかり。
迷宮都市のトップとしては頭が痛い。
「なにより頭が痛いのが、特別区の収める資金が領地運営に影響を及ぼすほどの巨額という点だ」
特別区は父の統治する領土だが、トラニア家の治める迷宮都市の中にある。
そのため税収というか、みかじめ料としてまとまった金を都市に収めているのだ。
軋轢を作らないため、あくまで都市のトップはマティアスだと喧伝するためが始まりだったが、金額がかなり大きい。
娼館の売り上げ、闘技場の収益、デシデリウムが懇意する上位貴族からの献金など、特別区には大量の金が集まる。それはトラニア家の重要な資金源となるレベルだった。
「だからこそ、咎められない。そもそも、あそこは聖王様によって認められた領土。内政干渉は出来ないが……クソ父が亡くなった後は、絶対に潰してやる。あんなドスケベ大会、トラニア家末代までの恥だ……」
だからこそ、マティアスは農業・畜産を奨励している。
いずれ闘技場は健全なものに変える。そうすれば自然、トラニア家の収益は下がる。
その時のために、今から新たな経済の柱を育てているのだ。
だから、将来を見据えての人材がいる。
貴族・平民を問わない。特別区のアレな催しに同調せず、人格的に問題がなく有能な者が欲しいのだ。
「性欲旺盛は、後継を作るという意味で貴族としての才能だとは思いますが。二十八歳で未だ童貞な領主にもほしいモノです」
「ドルト? お前は私に辛辣過ぎないか?」
マティアスは童貞である。
父への反骨でとにかく領地を健全に運営していこうと頑張ってきたが、女性関係がおざなりになっていた。
婚約者もおらず、寂しい独り身である。
「私も年老いた身。マティアス様のご子息を一目見てから逝きたいものですな」
「逝きたいなどと、あまり悪言を吐くな。現実になるぞ」
過ぎた悪言は現となる、は聖王国での言い回しだ。
迷信を信じる訳ではないが、もっとドルトには長生きをしてほしかった。
※ ※ ※
ただの観賞用ではなく、リンゴやレモンといった実がなる果樹が整然と並び、熟した果実は旅人や来客への振る舞いにも使われる。自然の恵みを感じさせつつも、職人の手で完璧に管理された美しさがある。
休養日、僕は招かれた通りにマティアス侯爵の屋敷に向かった。
リーファちゃんのことは心配だけど、契約魔術がある以上邪魔は出来ない。なら、ここでマティアス侯爵の意図を確かめて、逆光に備えたい。
「うわぁ」
辿り着いた領主さまのお屋敷は、ウチの村長の家とは比べ物もおこがましいくらいの規模だった。
道は高級石材であるナメキ石で整えられており、衛兵のいる門から屋敷までもかなりの距離がある。
屋敷は、豪奢というよりも優美だろうか。落ち着いた白塗りの壁に青い屋根の屋敷に威圧感はなく、高級そうなのに無駄に贅を凝らしていない品の良い外観だ。
「止まれ、ここはトラニア家の……」
「けっこう。その方は、マティアス様のお客人です」
衛兵に止められてひと悶着あるかと思えば、屋敷の方からやってきた怖い顔のお爺さん執事がそれを諫める。
タイン爺ちゃんを見てるから分かる。この人の歩き方、静かでしっかりしていてブレがない。たぶん、武術を嗜んでいる人だ。
「私はマティアス様にお仕えしております、執事のドルトと申します。当邸へようこそお越しくださいました」
「失礼いたしました、ラトレと申します。本日はマティアスさまのご用命に従い、このように参上いたしました。不慣れな身ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします」
一応商家の息子として、ちゃんと頭を下げる。
ほぉ、と面白いものを見る目になった執事さん。そのまま屋敷の談話室に案内された。
そこでしばらく待つと、マティアス侯爵がやってきた。
「やあ、ラトレくん。呼び立ててすまないね」
金髪の美青年、落ち着いた振る舞い。いかにも大人といった印象だ。
善政を敷く領主、やり手な人は態度から違うのかもしれない。
「いえ、マティアス侯爵のお声かけとあれば、いつなりとも」
「はは、そうかしこまらなくていい。宿屋の時のように砕けた敬語で十分だ」
「は、はぁ」
しかも懐も広い。
何故か僕に興味を持っている、という奇妙な点を除けば、魅力的な人物であるのは間違いない。
「さて、今日呼び出したのは他でもない。昨日、リーファさん敗北しただろう?」
「……は、い」
「それも搦めて言おう、私は父が大嫌いなんだ」
いきなりの告白に呆気にとられる。
マティアス侯爵の話した内容を要約するとこんな感じだ。
・ドスケベクソ親父最悪、ぶっ殺したいけどそれやったら特別区が聖王国の直轄領になるんでトラニア家としてはよろしくない。
・エロ武闘大会クソなのは間違いないんだけど、貴族のファンが多く支援金もたんまりだからトラニア家が潤っちゃってる。なので真っ向からの対立が難しい。
・だが最終的には闘技場とかぶっ潰して健全運営したいんで、今から「エロ大会とかに靡かないまともな人材」を集めて育てたい。
・それが僕とリーファちゃん、ということ。
「貴族は、まぁ、なんだ。闘技場を楽しんでる者も多い。そういう奴らよりも、平民でも倫理観のちゃんとした人間が唐家としては欲しい、となるか。リーファさんは護衛、ラトレくんには文官見習いとして当家に仕えてもらえないか、と思っている」
ああ、つまり「なんで平民が?」ではなく、「デシデリウムの息のかかった貴族が入り込むよりは平民のが信頼がおける」って話なのか。
嫌な目に合わされている僕らなら、特別区側に同調しない、と踏んだうえで。
どうやら、本当に裏はなく、僕たちを人材として求めていたみたいだ。
……なら、どこかのタイミングで役立つアピールすれば、今後もマティアス侯爵とは接点を持てる、ということだ。
「そこまで買っていただいて、ありがとうございます。少し考えさせてもらっていいですか? 決めれば、リーファちゃんも僕も村を離れることになるので」
「その返答は、前向きに考えている、と捉えてもいいかな?」
「はい」
闘技場に明確に嫌悪感を抱く貴族さま。
この繋がりは少し意識しておきたかった。
※ ※ ※
同じ休養日、リーファは迷宮都市にあるゴダスの家に向かった。
膣に溜まった精液は朝を迎えてすぐ洗い流した。どうせこれからもセックスされるのだ。意味はないと分かっていても。入ったままは不愉快だった。
教えられた家は、スラム街にある集合住宅かと思えば、通り沿いにある立派な一軒家だった。
よく考えてみれば闘技場の上位ランカーで迷宮探索者。金には不自由していないのだろう。
「よう、リーファ。来たか」
「命令されたんだから、来るわよ」
家の中は、お世辞にも片付いているとは言えない。
汚いし、当たり前だが雄の匂いがする。リーファは自然と太腿を擦り合わせる。
逆らえないだけというアピールを無駄な抵抗と嘲笑い、ゴダスは強引に腕を掴んで、彼女のカラダを引き寄せた。
「早速ヤるか」
「この性欲モンスター……っ」
前置きもなくベッドに連れ込もうとするゴダスに悪態をつくも、まるで効果がない。
むしろ良い玩具だとでも言うようにニヤニヤしている。
「今日は、契約魔術を利用して、お前のプライドをへし折ってやろうと思ってな」
「は?」
腰を抱かれ、思わず頬を赤くする。
抵抗しようとするが、ゴダスが耳元で囁く。
「“正直に答えろ”。お前、俺のことどう思ってる?」
「女を見下す最低のクズ、性欲モンスター、ヘンタイ、最悪、だいっきらい」
リーファはすらすらと答える。
全て本心だったから、詰まることなく答えられた。
ゴダスは罵倒に気を悪くすることもなく笑っている。
「契約魔術ってのはおもしれえ。絶対服従、俺の命令には逆らえない。抵抗できない、じゃなくて。俺の命令は、応えるのが当然っていう認識になる……らしい」
聞いた内容だからか少しあやふやだが、新たな命令が下される。
「“契約魔術が切れるまで、俺の問いには嘘偽りなく答えろ”」
「……分かったわよ」
ゴダスの命令なら応えないといけない。
そこに違和感はかけらもない。改めてリーファは契約魔術の恐ろしさを思い知る。
「よし、なら処女を奪われた時。俺にちんぽを突っ込まれてどう思ったか。初めてのセックスをどう感じたか説明してみせろや」
「へ? あっ、あんたの、モノ……すごく大きくて、あたしのアソコを押し広げて。痛いのに……キモチよくて、イッちゃった。さいってーな気分なのに、だいっきらいなのに。はじめてだったのに、セックスってこんなにキモチいいんだって、思った……っ!? な、なにこれ!?」
言ってしまってから羞恥に顔を真っ赤に染める。
リーファは自ら口にした淫らな言葉に動揺を隠せない。
「ち、違うから! こんなの」
「なら、キモチよくなかったのか?」
「キモチよかったけど! 違う、嫌なの! 嫌いなの、本当に!?」
「ぶはっ、笑えんぜ。てめえは俺に問われたら、”本当のこと”を馬鹿みたいに答えるしかねえんだよ」
「う、あぁ……」
否定したい。
でも契約魔術の効果は絶対。
リーファは、ゴダスを心底嫌っているのに、心の中ではゴダスとのセックスをキモチいいと思っていた。それを自らの口で証明してしまった。
「今日は尋問セックスだ。どこがキモチいいのか、どう感じているのか、今の気持ちは。全てその口で喋らせながら犯してやるよ」
「い、やあああああ……!?」
そのままベッドに連れ込まれ、無理矢理押し倒された。
拒否しようにもゴダスの力強い腕を振り払うことは出来なかった。