貧乳武闘家娘のNTR闘技場 作:自宅の戦闘員
僕はまた観客席からリーファちゃんの試合を応援する。
先日のファルジ選手との戦いは、途中のアクシデントはあれど凡そ完勝と言っていい。
ループの中でミレイネさんにも勝っているが、ゴダスには二度負けた。
つまりリーファちゃんの実力はたぶん「闘技場の上位ランカーに近いがトップには及ばない、対人経験の浅さから下位の選手に不覚を取る可能性もある」くらいだろう。
だからループを重ねて経験を補ったうえで、トップクラスには他に何らかの対策がいる。
厄介なのは、招待選手だ。彼ら彼女らはデシデリウム魔導爵によって呼ばれた。つまり闘技場で普段活動しているランカーと違い、ほとんど情報がない。
パッと見の印象だと、リーファちゃんみたいな美少女と、普通に強いのとは趣の違う癖のある男性に分かれる。
受付のお姉さんも次に戦うジュガン・ダルス選手は呪術師と言っていた。
つまり、通常の闘技場では出てこない見目麗しい女の子達と、珍しい戦い方をするエンターテイメント目的のイロモノ選手、なんだと思う。
ある意味、【原初の神秘】の使いどころでもある。
僕が情報を得たうえで巻き戻せば対策はとれる。
だから僕はしっかりとこの戦いの行く末を見守らないといけない。
『さあ、皆さまお待ちかね! この試合を誰もが楽しみにしていたことでしょう! 正直に言いますが! わたくしもその一人ですっ!』
闘技場の石舞台の上、審判が高らかに叫ぶ。
観客もかなり興奮しており、前回の試合よりも歓声が多い。
『1戦目、2戦目において圧倒的な勝利を飾った招待選手! 力ではない! 速度ではない! 呪術を取り込んだ独特の戦いによって、多くのファンを獲得した男! ジュガン・ダルス選手だぁ! その技、まさに千変万化! 今日はどのような闘いで我々を、そしてリーファ選手を魅了してくれるのかぁ!?』
「ヒッ、ヒヒヒヒッ……お客様のぉ、歓声には応えないといけませんねぇ……」
観客の大歓声を浴びるのは、黒いローブを着た小男だった。
たぶん二十代くらいなんだろうけど、陰気そうな顔つきのせいか、もっと年を取っているように見える。
ただ、思ったよりも体格は悪くない。闘技場の戦士と比べれば細いが、ある程度動けるように鍛えている、といった感じだ。
「楽しみにしているぞ、ジュガン!」
「お前の戦いを楽しみにしてきたのだ!」
ファンが多いのも事実のようだ。
妙なくらいの熱気が闘技場には籠っている。
『対するは、こちらも招待選手ですが実力は十分! 並みいる男たちをなぎ倒す、風に舞う美しき妖精! リーファ・エルナ選手! ルード・スパイダーの巣に踏み入った妖精の結末は果たして!?』
「蜘蛛系の魔物って食べれないから嫌いなのよね……」
『おーっとぉ! 独特の感性による好悪だぁ!?』
村だと魔物の肉は重要な食糧だからね。
食べられる敵、というのは有難いのです。
「ヒッ、ヒヒッ……これまた美しい少女ですねぇ。どんな顔で泣くのか、楽しみですよ……」
「泣くのはそっちじゃない?」
にらみ合うジュガン選手とリーファちゃん。
華燎宴武では魔術や呪術の使用が許されている。
ただし、大規模長射程の魔術での決着は禁止。基本的には“武闘大会としての盛り上がりに欠ける展開”を禁じるためのルールだ。
また、使い魔やゴーレムなど、“自分の代わりに戦わせる”のも禁止。
逆に言えば、遠距離からの一方的な展開やならなければ、どんな呪術でも使える。
「さてはて、これはエンターテイメント。ならば、盛り上げてこそ」
陰気そうな表情なジュガンだけど、意外と興行を気にするタイプらしい。
ばっ、と大きく手を広げて高らかに語り上げる。
「我が名は、ジュガン・ダルスぅ……! 魔導爵たるデシデリウム・レテ・トラニアの薫陶を受けながら、呪いに心を惹かれ貴族籍を抜けて野に下った愚かなる男ぁ! されどぉ、かような愚物を、デシデリウム様はお見捨てにはならなかった! 咎めることも、嘲ることもなく! 力を振るう場をくださったのだぁ……っ!」
片膝をつき、どんっ、と地面に掌底を打つ。
すると魔法陣のようなものが現れて黒い炎が立ち昇る。
おおっ、と観客がどよめく。
「ならば応えねばなるまい……! 我は万物を呪いし者! 人も物も関係ない、あらゆるものは我が刻む呪印からは逃れられぬ! 美しき娘よ、我が呪いを受けるがいい!」
特別区の統治者、デシデリウムの弟子でありながら呪術師になった男。しかし招待選手として呼ばれたからには、決して悪い関係性ではないのだろう。
漆黒の炎が映し出す黒衣の呪術師の影。
分かりやすいくらいに悪役の演出だ。
なら、リーファちゃんはそれに挑む勇者だろうか。
「……ちょ、ちょっと懐かしいとか思っちゃった。嫌いじゃないわよ、そういうノリ!」
小さい頃、僕たちも勇者ごっこやったもんね。
「なお、炎で攻撃することはないので。演出演出、ヒヒッ」
「あ、そこはルール順守なのね?」
意外とマジメな呪術師だった。
そんなやりとりを経て、審判が合図を出す。
『それではぁ……ジュゴン・ダルス選手対リーファ・エルナ選手、試合開始ぃ!』
※ ※ ※
まず、呪術師とは読んで字のごとく呪いの専門家だ。
彼らのメインのチカラは二つ、「呪術」と「呪いの実体化」。
呪いの実体化は、魔術のゴーレムの呪い版。物質化するほど濃い呪いで、物理的な干渉力を持った呪いの人形を作る。
……まあ触手とかエロいモンスターを作る人もいるけど。
どっちにしろ今回のルール的にはアウトなんで、置いておこう。
大会での主戦力になるのは呪術の方。
人を、物を、土地を呪う……と言えばおどろおどろしいが、実際には魔力を使って対象に一定の効果を付与する技術である。
契約魔術に近いけど、あちらは「ルールを設定し、無意識的に破れないようにする。物理的な制限で強制的にルールを破った場合、ペナルティを強いる魔術」。つまり、効果の強制力は強いけど対人の約束事に限り、対象の同意が絶対条件になる。
でも呪術の効果付与は、同意を必要としない。
ベタなのだと相手の能力を下げる「弱体化の呪い」、自分の怪我の痛みを相手にも味合わせる「感覚共有の呪い」。回復魔術を妨げる「不癒の呪い」。
土地にかける「呪い」なら作物が育たなくなる「不作の呪い」とか、かな。
どれも厄介だけど、契約魔術との一番の違いは“抵抗できるし霧散する”点。
契約魔術は、相手の同意が必要だけど、その分強制力が強い。
でも呪術は一方的に押し付けるから高位の術師なら抗えるし、一度効果が付与されても魔力の霧散と共に消えていく。
だから呪術師は呪いを“刻む”。
刻印として刻み込めば長い時間、呪いを留めることが出来る。
特に土地を呪うような大規模な呪術には、刻み込む術式の構築やそれを維持する大量の魔力など、事前の準備が必須。
なら、武闘大会という舞台に限れば。
「……ジュガン選手に使えるのは、時間経過で効果を失う簡素な呪いの付与か、シンプルな刻印のみ」
これでも未来ではダンジョン攻略を達成した身だ。
ここら辺の知識は間違っていない。
ならリーファちゃんの速度で倒せるはずだ。
「先手必勝、風撃……って!?」
疾風の速攻、一気に勝負を決めようとリーファちゃんが駆け出す。
が、その動きが途中で止まる。
黒いローブ姿のジュガン選手、そのカラダから真っ黒な太くて長くて逞しい腕が生えていた。
「ヒッ、ヒヒィっ!」
「ちっ」
空気を抉り、振り下ろされる剛腕が石舞台に叩きつけられた。
舌打ちして横っ飛びで避ける。問題なく躱せたが、かなりの威力があるのは観客席からでも分かった。
でも、石舞台は壊れたりはしていない。
「ちょ、審判! あれいいの!?」
『体から生えている以上は遠距離の術ではなく、ゴーレムのように自分の代わりに戦わせるでもない! 問題ありません!』
質問している間にもジュガン選手が攻める。
またも振り下ろされる拳。リーファちゃんが避け、石舞台を叩くも壊れず。
先程の繰り返しだ。
「ふん、威力足りないんじゃない?」
「……ナメキ石、高級石材ですからねぇ。貧乏呪術師、修理してとか言われても絶対無理ですので、気を遣っております、はい」
「お金ないの、辛いわよね。分かる、分かるぅ……!」
すっごく無駄なシンパシー。
そんなやりとりをしながらも続く攻防。
リーファちゃんは大きめの動きで、攻撃を全て避けていく。
「マジックアイテムの中には、叩くだけで効果を発揮するものもある。呪いの塊なんて掠るのもヤバいかもっ」
触れるだけで何らかの効果を付与されるかも。
そこを警戒しての全力回避、冷静に戦況を見ながら。
「ここっ!」
リーファちゃんは振り下ろされる拳を掻い潜り、風の魔術の爆発で一気に加速して間合いを踏み潰す。
「えっ、てっ?」
なのに、疾走は途中で止まる。
違う、足がもつれて転びそうになったのだ。
咄嗟に踏ん張って倒れるのは回避したけれど、その間にジュガン選手は距離を詰めていた。
放つ拳打は、僕らみたいな一般人からすれば脅威。
でも、リーファちゃん達みたいな戦う人たちにしたら凡庸な一撃だ。
それでも足を止められ、初動で後れを取った。避けることが出来ず、でも直撃は受けない。
左腕で防御、すぐさま反撃に移るけど蹴りの速度がいつもより遅い。
「風凪応用、『超加速リーファちゃんキック』!」
風凪は、蹴りの途中で軌道を変える風麗拳の一手。
それを応用して、風の爆発で一気に勢いをつけて遅い蹴りの速度を急激に高めた。ネーミングセンスはどうにかなりませんか?
「ヒッ、ふぅ……っ!?」
今度はジュゴン選手が受けに回ったなんとか掌で受け止め、それでも蹴りの威力に押されて後ろに飛ばされた。
根本的に、強いのはリーファちゃん。これは確定だ。
でも追撃が出来ず、その場で止まったままだった。
「ん、く、っっ!」
そうして少しだけ飛びのく。
それを見て構え直したジュゴン選手がにたりと笑う。
「鈍足の呪い……ベタもベタなヤツですなぁ」
「いつの、間に……!」
僕は、彼女より一足先に気付いた。
あの黒い腕は呪いの実体化。石舞台を殴った時に、呪いの刻印を刻んだんだ。
踏めば発動する呪い。
やばい、ジュゴン選手は何度空振りした? その数だけ、舞台にはトラップが仕掛けられている。
「ですが、鈍足は当たり。もっと素敵な呪いも仕掛けてありますから、お楽しみにぃ」
「ざっ、けないでよ……!」
リーファちゃんは地面を踏まないように跳躍、飛び蹴りを放つ。
しかし空中では身動きが取れない。黒い腕のいいマトだ。
繰り出される呪いの拳。
でも掌に風の塊を作って、その暴発で無理矢理軌道を変更して回避。これも僕の知らない、新しい彼女の動きだ。
「まず、ヒっ!?」
ジュゴン選手の判断は早かった。
一瞬で危険と判断し、一気に逃げの体勢に入る。それが彼を救った、避けれはしなかったが飛び蹴りを防御する余裕が出来た。
そして、位置取りは狙い通りだったのだろう。
「ま、たぁ……っ!?」
着地したリーファちゃんは再度足を止められた。
でも今度は鈍足の呪いじゃなかったのか、腰が落ちて内腿をもじもじとすり合わせる。
観客は一気に盛り上がった。「ついに来たか!」と叫んでいる人もいた。
「発情の呪い、踏みましたねぇ? 疼いてきたでしょぉ……」
……は?
「なっ、こん、んぅ……っ」
「ほぉらっ!」
懐に入ったジュガン選手は、また拳を繰り出す。
動けなくてもリーファちゃんなら十分反応できる。
拳を左腕で、しっかりとガードした。
「あっ、あぁんっ!?」
その瞬間、リーファちゃんは衆人環視の中で甘い喘ぎを漏らした。
僕は状況をまったく理解できていない。でも、前回のジュガン選手の戦いを知っている観客たちは大興奮の声をあげている。
「なっ、なに、これ……!?」
「呪術師に触れられたら、呪いを疑わないといけませんよぉ……?」
「はぁっ、はぁ……」
「この大会のルールでは大層な呪術は刻めません。だからごくシンプルな、“痛みを別の場所に移す”呪術を刻みましたぁ。刻印を叩くと、別の場所が痛む、という仕組み」
その意味を僕は理解できなかった。
でも実際に受けたリーファちゃんは、察したのだろう。頬を染めながら、なのに絶望の表情を滲ませる。
「呪いの刻印を叩くと、あなたの女陰に刺激を移す、というわけですなぁ……!」
「ひやぁんっ!?」
追撃を防御した、でも呪いの刻印の場所を殴られた。
また体が震えた。リーファちゃんの顔は紅潮し、もう瞳は潤んでいる。
「一撃の痛みが、肉棒で幼い蜜壺を一突きされる快感に変換される。どうです、キモチいいでしょぉ!」
「そんなわ、んぉっ!? あっ、あぅっ。ひぁんっ!」
攻撃を防ぐたびにリーファちゃんの腰が揺れる。
皆の見ている前で、強気で明るくて、ちょっとノリが良すぎて失敗することもある優しい女の子が、痴態を晒していく。
「ほらほら、避けないと呪いの刻印が増えていきますよぉ?」
「はひぃっ、おっ、んにゃあっ!?」
見た目には、ジュガン選手のラッシュ。
でもそれを防ぐたびに、リーファちゃんの顔が淫らに蕩ける。
左腕にも、太ももにも、胸の辺りにも新たな刻印が刻まれる。叩かれるたびに、太ももを伝う愛液の量も増えていく。
「ご安心を、呪いは刺激を移すのみぃ。肉体的には傷付きません。ゆえにぃ……?」
伸びる男の拳が、刻印を刻まれた彼女の平坦な胸、その先っぽに直撃した
「あひぃぃぃぃっ!? すっ、すご……っ!」
「処女のまま、肉棒の快感を味わえます。さあさ、殴り合いをしながら、セックス狂いの処女ビッチになりましょうねぇ……?」
僕は、今さらながら理解した。
招待選手の女性は、リーファちゃんみたいな美少女。
そして男性は、美少女を石舞台の上で淫らに喘がせるための仕込みだ。