貧乳武闘家娘のNTR闘技場 作:自宅の戦闘員
リーファは再び石舞台に立つ。
目の前に立つのは、黒の皮鎧を着た大男ゴダス・ダウデムだ。
『さあ、皆さまお待ちかね! この試合が本日のメインイベントと言っても過言ではないでしょう!』
審判が高らかに叫ぶ。
観客もかなり興奮しており、初日より歓声が多い。
『迷宮都市ウォルプタスの闘技場において常に上位ランカーであり、迷宮探索者として地下ダンジョンを攻略し魔物を狩る生粋の戦士! 非道も傲慢も、力があればこそ許される! 求めているのは闘いでなく蹂躙……ゴダス・ダウデム選手です!』
『本日は彼の象徴たる大戦斧は持っていません! 素手で戦う相手は素手で踏み躙るが彼の矜持なのです!』
『ちなみにゴダス選手の女性の好みは、巨乳より貧乳小柄! 生意気な娘を性の快楽で屈服させることを好みます! これは特別区の娼館【妖精の泉】で聞いた情報なので間違いありません!』
「テメエ、ふざけてんなぁ? 試合の前にぶちのめしてやっても構わねえんだぞ」
ゴダスのひと睨みで審判は慌て怯える。
勢いとノリで他人の性癖をばらすのは、どんな相手であれやってはいけないことである。
『た、対するは、風麗拳のリーファ・エルナ選手! 可憐な容姿に敏感ボディ! 実力は十分だが経験の浅さと快楽に弱いカラダを抱え、どこまでゴダス選手に追いすがれるか!』
審判の言いようはあんまりだが、文句は言えなかった。
先日の試合中、ヌロデの愛撫で絶頂したところを観客の前で晒したのだ。
観客の視線もどことなく、いやらしい色を宿しているように感じられた。
「よう、メスガキ。この前の、なかなかいい試合だったじゃねえか」
「……うるさい」
「分かってるな? 敗者は、勝者に絶対服従。ベッドでどんな風に喘ぐのか、楽しみだぜ」
下品な言い回しに怒りを感じるが、リーファはゆっくりと深呼吸する。
相手は闘技場の上澄み。ただでさえ対人相手の拙さが露呈した今、挑発に乗って冷静さまで失ってはいけない。
『注目の一戦! ゴダス選手対リーファ選手……それでは、試合開始ぃ!』
魔力を練り、風の爆発による疾走。
様子見するほどの余裕はない。攻め手を緩めないのがリーファにとれる唯一の策だ。
しかしそれを読んでいたのか、それとも何も考えていないのか。
同時にゴダスも突進し、その剛腕を振るってきた。
「っ」
距離を詰めながら、突き出された拳をぎりぎりで回避。
ぐぉん、と空気を抉り取る音。空振りだったが、そこに籠められた威力は尋常ではない。華奢なリーファでは多分、一撃でも受けたらそれで終わる。
反撃、風撃による蹴りの三連発。キレイに入って、ゴダスは一歩二歩と下がった。
「ちっ」
わざと受けた訳ではないのは反応から察せた。
ダメージはあるはず。
ただ、蹴った時の感触は魔物や亜人に近い。分厚い筋肉が、鎧のようにゴダスを守っている。
一度距離を取って体勢を、と足を引いたタイミングで、ゴダスが力強く踏み込んでくる。
上から下に叩きつけるような拳打。かすめるだけで皮膚が裂けそうになるほど彼の一撃は苛烈。
「このっ、嵐刃蹴っ」
返す刀、風による加速から、足に集中した風の塊を叩き込む蹴り。
リーファの技の中でも威力のある一手を、ゴダスはさらに一歩踏み込み、皮鎧で受け止めた。
「づぁっ!?」
避けるのではなく、防ぐのでもない。
リーファの脚を“振り抜かせない”ことで、ダメージの軽減を狙った動き。蹴りの威力は半減したが、風の一撃は止められない。皮鎧はズタズタになった。
が、致命傷には遠い。
すぐさまゴダスは反撃に移る。大技を使って硬直した瞬間を狙っての右拳。
リーファは敢えて自分から体勢を崩して、石舞台に倒れ込み転がる。
多少無様だがパンチをやり過ごし、起き上がる……瞬間を狙いすましての、ゴダスの蹴り。まるで小石を蹴っ飛ばすような雑な蹴りだったが、威力だけは十分にある。
「やっば……!」
ヌロデ戦の時のように、掌に風の塊を生み出して暴発させる。
その勢いで蹴りを相殺。防がれるとは思っていなかったのだろう、ゴダスは感心したような顔をしていた。
「マジで、やるじゃねえか。俺とここまでやり合えるたぁ。……いや、才能ってな恐ろしいな」
「そりゃどーも」
ゴダスは強い。
だが武術を収めた者の動きではない。
避け方防ぎ方はリーファから見ても未熟だし、パンチにも無駄が多い。
にも拘らず、きっちりと“リーファが嫌がること”を押さえている。
(あたしの呼吸を読んだんじゃない。ごく単純に、喧嘩慣れしてる)
荒くれ者の嗅覚とでもいうのか。
シンプルに、喧嘩慣れしているから、リーファの隙を的確に突ける。その上で規格外の身体能力にモノを言わせた戦闘。
つまり彼の強さを支えるのは、特別な技や術理ではない。
ゴダスは、ゴダスだから強いという、覆しようのない事実がそこにある。
(威力で言うなら、天つ堕としが一番強い。でも……)
太腿で相手の頭を挟んで、脳天を地面に叩きつける天つ堕としは正直使い難い。
技としてでなく、リーファを陵辱するという相手に密着するのは、精神的に拒否感がある。
となると、このまま。避けて、蹴る。隙を見てでかいのを叩き込む。
「はぁっ!」
風撃。
付かず離れずの間合いを維持して、ゴダスの攻撃をぎりぎりで躱しながら反撃の蹴り。
少しずつだがダメージは蓄積する。
なのに、ゴダスはどこか余裕のある態度だった。
「大戦斧なしとはいえ、その年齢で俺を翻弄する。が、残念だったなぁ? ここが闘技場じゃなきゃ倒せたのによ」
「なに、負け惜しみ? 悪いけど、このまま押し切らせてもらうわよ……!」
先程からこの男は有効打を放てていない。
あくまで本業は斧での戦闘。格闘は余技に過ぎない。
いくら常識離れした膂力があっても、慣れない徒手空拳でリーファを上回ることは出来ないのだ。
だとしても油断はしない。
紙一重で避けて、攻撃をする。それだけで勝てる、はずだった。
しかしゴダスがにやりと笑い、これまで以上に鋭い拳を突き出す。
「甘いっ」
十分避けられる。
すぐに反撃を、と思ったが、腕の軌道が急に変わる。
「どっちがだ?」
紙一重での回避が災いした。
ゴダスの腕は、下半身に伸び……東方風のドレスが風に舞い、露わになった下着を掴む。
「へ?」
そして、リーファのパンツを一気に破った。
呆然と立ち止まることはしない、距離を取って追撃に注意を払う。
しかしゴダスは薄い布切れを奪ってにやにやと笑う。それどころか、鼻に近付けて匂いを嗅いでいた。
「お、汗の臭い」
「なっ、ななななな、なにしてんのよあんた!?」
「あ? いや、てめえが思った以上に強いからよ。楽に勝てる手段を取ったまでだ」
言いながらゴダスが踏み込む、拳を打ち出す。
動きはさっきよりも遅い。楽に避けられるはずなのに。
「ひっ!?」
短い裾が、リーファの生み出す風でめくれる。
必死に抑えながらもなんとか躱すが、どんどんゴダスは攻め立ててくる。
「もう、ハイキックは打てねえだろ?」
「んなっ……!?」
当たり前だ。
下着を履いていないのだから、足を高く上げた蹴りなんてしたら、大事なところが観客に丸見えになってしまう。
闘技場でなけりゃ倒せた、とはこういうことか。
以前ならここまで気にしなかった。
実際、村で魔物と戦っていた頃は下着が見えても蹴りを放っていた。
しかしデシデリウムの契約魔術で女陰を弄られ、ヌロデのオイル愛撫で絶頂する姿を晒した。
その恥ずかしさが、味わった快感が記憶にある。
少女としての意識が、男の人の前で大きく足を開き秘所を見せることを拒んでいる。
負けるのに。負けたらもっとひどい目に合うと分かっているのに、上手くカラダを動かせない。
リーファの葛藤を余所に、観客は好き勝手にはやし立てる。
「どうした、蹴りを打て!」
「股を開いて見せろ!」
それが余計に羞恥心を煽り、攻撃を避けながらも内股になってしまう。
足捌きが崩れた。
もう、終わりだ。
「らぁっ!」
短い呼気と共に繰り出される拳。
それでも諦めない。
腕を十字に重ね全力で防御、魔力を練り、拙いが風の壁を作る。
しかし本職の魔術師には及ばない。風の障壁を貫いて、拳は迫りくる。
「うっ、あああっ!?」
踏ん張ることは出来ず、リーファはそのまま吹き飛ばされ、石畳を転がった。
腕で防いでも内臓まで突き抜ける衝撃。あまりに重すぎる一撃に、全身が痺れている。
いくら、もがいても、立ち上がれない。
『ゴダス選手の剛拳が決まったぁ! この勝負、ゴダス選手の勝利ですっ!』
審判の宣言と盛り上がる観客の感性を遠くに聞きながら。
リーファは意識を失った。
※ ※ ※
目を覚ますと、リーファはベッドの上にいた。
闘技場の待機用の個室。ただし、リーファのいた場所ではない。
匂いが違うからすぐに分かった。
「よう、起きたか」
ゴダスはソファーにどっかりと座っている。
もともと体臭が濃いタチなのだろう。試合後で汗をかいていることもあり、強い悪臭がベッドまで届いている。
リーファが強く睨み付けても、ゴダスはせせら笑うだけだ。
「なんで待機部屋にベッドだトイレだ、水差しだのがあるか分かるか?」
余裕たっぷりの態度で、じろじろとカラダを見てくる。
まるで品定めでもされているようだ。
「すぐにセックスが出来るようにだよ」
「なっ……!?」
「華燎宴武のルールだ。敗者は勝者に絶対服従、契約魔術によってそれを強制される。てめは、俺が命令すれば股を開くしかなくなるってわけだ」
いやらしい笑み。
この男は、本気でリーファを抱こうとしている。
そういうルールだと理解して出場した。村の女性が労働奴隷になるよりは、自分だけの被害でおさまった方がいいと考えた。
それでも、初めてはラトレが良かった。
いつかは結婚して、彼の子供を産んで。
夫婦として穏やかに暮らしていくはずだった
村の習わしだからではない。
恥ずかしかっただけで、ラトレのことが好きだった。
なのに今ここで、彼以外の男に、処女を奪われようとしている。
その事実がどうしても受け入れられなかった。
「そう、よね。華燎宴武のルール。契約とか、あたし難しいの苦手だけど、ちゃんとラトレに聞いて何度も確認した」
「あぁ?」
「負けたら、負けたら勝者の命令に服従する。でもお金を全部渡せとか、犯罪をしろとかは従わなくてもいい。自殺とか自傷を強要されてもしなくていい」
ごめんね、ラトレ。
やっぱり、こいつに初めてをあげるの嫌だから。
「自傷は、従わなくてもいいけど。“しちゃいけない”じゃない……!」
だからリーファは掌に風の塊を生み出し、自分の顔に向けて一気に暴発させる。
顔面を襲う風の刃。一瞬で、リーファの顔は、見る影もないくらいズタズタになっていた。
「なにやってんだ、てめえ……!」
「あ、はは……。だってさ、あんたとなんて嫌だもん。なら、そういうことする気が起きないくらいに、なればいいのよ」
可愛らしい容姿をしている自覚も自信もあった。
ラトレだって顔を近付けたら真っ赤にしていたし、リーファを美少女だと思っていたことだろう。
その顔を、思い切り傷つけてやった。男が興味を失うくらい徹底的に。
これなら抱く気にもならないだろう。ツラくて悲しいけど、ラトレ以外の男に初めてをあげるくらいなら、醜くて誰からも相手されない方がいいや。
リーファにとっては、相応の覚悟を持っての行動だ。
ラトレに、嫌われちゃうかな。それだけは悲しいなぁ。
「くっ、は、ははっ。ぐはははは、マジかてめえ!?」
なのに、ゴダスは心底楽しそうに笑っていた。
その反応が理解できない。だって、今もこの男にズタズタになって血まみれの顔を見せつけているのだ。
生々しい傷、きっと興味がそがれると思って。
「ああ、笑えるぜ! 顔を傷つければ抱く気が失せるとでも思ったのか!? もしかして、キスして優しく抱いてもらえるなんて考えてたんじゃねえだろうな!? ひっ、はははは! マジか、面白すぎんだろ!」
どういうことだ。
顔の潰れた女と口づけしたり、イチャイチャするなんて、イヤなはずでは。
「え、あ、どういう……」
「あのなぁ。女は、ツラじゃなくて
性経験の浅さがここでも出た。
リーファにとって、セックスは抱き合うこと、愛し合うことだった。
けれど、ゴダスにとっては蹂躙。女を躾けるための陵辱行為に過ぎなかった。
「まあ、命令だ。“これ以上の自傷も、自殺も禁ずる。俺の命令以外で誰も傷つけんな”」
「あ、うぅ……!」
言葉に重みを感じる。まるで、鎖に縛られたような。
そうしてゴダスは、更に命じる。
「犯してやる。ケツを突き出して膣穴を広げろや、メスガキ」
もう逃げ場はなかった。