僕の愛したアリスを返して~ソラの幼馴染救済譚~ 作:アロンの杖
「ねえその、アリス。実は僕のビザは3週間後には切れてしまうんだ、だからそれまでには日本に帰らなくてはならないんだよ・・・?」
「・・・・・っ。ええっ!!?」
その日の夜、オーギュスト夫妻やココが寝静まった頃に夜食を持ってコッソリとソラに宛がわれた部屋へと遊びにやって来たアリスに対して青年が告げた。
「元々、君を救って気持ちを伝えられたなら・・・。そのまま僕は立ち去るつもりだったし、君には君の人生があるし。それにオーギュスト夫妻も無事に助け出す事が出来たからさ・・・?」
「・・・・・っ。そんなのダメッ!!!」
闇に堕ちながらもソラの“愛の光”によって元の人間へと立ち直る事が出来たアリスであったが当然、彼女はそのままガリア帝国に住み続ける事は出来なかったし、第一彼女自身が嫌がった。
現体制下のままこの国で暮らしていれば、何かあった時に自分の行為が表沙汰になってしまう可能性があるし、それに万が一にもそう言う事になれば例えどんな理由があったとしても殺人罪に問われ、良くて終身刑、下手をすれば死刑になる場合すらあったのである。
「ねえソラ。私も日本に連れてって・・・?」
「ガリアには辛い思い出しか無いから・・・」
そう言ってソラにしがみ付いて来るアリスに対してソラは自分が単に“好き”なだけでなく、彼女を“愛している”ことを告げるとアリスもまた“ソラを愛していた”ことを涙ながらに訴えて来た。
「ウソじゃないわ?子供の頃にあなたと過ごしてお別れする時に、ハッキリと気付いたの。“ああ私は”、“ソラの事をこんなにも愛していたんだ”って。“私にとっては掛け替えのない人だったんだ”って。だから・・・!!!」
「・・・・・っ。そっか」
自身の胸の内を必死になって告げて来る幼馴染の少女に対してソラは柔らかな笑みを浮かべて頷くモノの、アリスの人柄や救われた際に起きた奇蹟を見ればそれが詭弁で無い事は青年には一発で解った、ただし。
“お互いを愛している”事は充分に伝わったが“オーギュスト夫妻”や“光明夫妻”を説得する為にはどうしても、今一歩“踏み込んだ思い”と“誓いの言葉”が必要になる。
「・・・ねえアリス、ちょっと聞きたいんだけどさ。僕達は愛し合っている訳だろ?だけどそれだけではおじさんとおばさんを説得出来ないんだ、これから僕が君に言う言葉は別にその為に告げるモノでは無くて・・・。あくまで僕の夢と言うか本心なんだけど、つまりさ?アリス・・・。二十歳になったら僕と結婚して欲しいんだ!!!」
「・・・・・っ!!?ーーーーーーーっっっ❤❤❤❤❤」
ソラからもたらされたその言葉に、アリスは最初ビックリすると同時に茫然として、だけど徐々に理解が追い付いて来た。
「ウソ・・・っ。本当に!!?」
「・・・う、うん。本当に、だよ?アリス。もしよかったら、さ。これからも僕の側にいて欲しいんだ、一生ね?」
「・・・・・っ。ウ、ウグゥッ。グスッ!!!う、嬉しいっ。ソラッ❤❤❤こ、こちらこそっっっ/////////////////」
幼馴染の青年から不器用なプロポーズをされた少女はそれでも心を芯から喜びで満たし、魂を感動で打ち振るわせた、アリスはそのままソラに抱き着くと大泣きしてしまい、暫くはそのまま彼から離れなかったのである。
「ウ、ウエェッ。ヒグッ!!!ソラァッ、大好きっ。ずっとずっと愛してる・・・っっっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
自分をしっかりと抱擁しながら涙ながらにそう訴えて来る恋人を見つめていた時、ソラの脳裏には夢の中で神々から告げられた言葉が蘇って来た。
(あの娘の魂は勿論、その心も身体も未だ乙女の潔癖の内にある)
(男として精進せいよ?ソラ・・・!!!)
目覚める直前にそんな事を神々から言われていたのだが、それが何を意味するのかが、今の彼には明確に理解出来た。
(アリスの身も心も魂も。みんな俺のモノにしろ、と言う事か・・・!!!)
「・・・・・っ。ソ、ソラ?」
少しの間、逡巡しながら嬉しさの余り泣きじゃくる少女に目をやっていた青年だったが、やがて意を決したように彼女の肩を抱いて告げた。
「ねえアリス・・・。君は僕の事を愛してるんだよな?」
「・・・・・っ。う、うんそうだよ?私、ソラの事を誰よりも何よりも愛してるもんっっっ❤❤❤❤❤」
「・・・そっか」
“じゃあさ”とソラは続けて言った、“抱かせてくれ”と。
「・・・・・っっっ!!!!?えっ、えっ。その、それってつまり」
「そうだよ?君とセックスがしたいんだ、アリス・・・」
そこまで一気に捲し立てて、それでもソラは不思議と後悔も怖さも存在していなかった、神々から予め“神託”を授けられていた事もあったがそれと同じ位に強く“自分はもうやるべき事は全てやり切った”、“これでダメならもうしようがない”と言うある種の清々しさを持ち合わせていた為である。
「・・・・・っ。良いよ?」
果たしてー。
アリスは顔を真っ赤にしながら頷いた、つまりは彼女はソラのモノになる事を了承したのである。
「ソラがどれだけ真剣に私の事を思ってくれているのかを、私は知っているし・・・。第一誰よりも良く解っているもん、だから!!!あなたになら、その・・・っっっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
嬉しさと恥ずかしさ、そして照れ臭さとに頬を紅潮させて俯きながら、それでも必死に自分の気持ちに応えてくれたアリスに対して“有り難う”と告げるとソラはそのまま、いきなり“次元跳躍魔法”を発動させて彼女と2人で異世界へと旅立って行った。