※この作品はR-18です。

二度目の人生、ゲームシステムで全てを手に入れる   作:アキラ7

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エッチシーンを入れて主人公がお金の力で無双する作品を描いてみたくて書き始めました。


序章
第二の人生


 人生は、いつだって順調に進むものだと思っていた。

 

 少なくとも、三十五歳になるまでは。

 

 俺は日本の、ごく普通の家庭に生まれた。

 

 特別裕福だったわけでもなければ、貧しかったわけでもない。

 

 勉強はそれなりにできた。

 

 高校も大学も国立に進み、学年で常にトップというほどではなかったが、周囲から見れば「成績のいい生徒」と呼ばれる程度には結果を出していた。

 

 大学を卒業すると、それなりに名の知られた企業へ就職した。

 

 就職活動のときには、同じ大学の友人たちと比べても、受けられる企業の選択肢は多かった。

 

 結局、最初に内定をもらった会社に入社した。

 

 そこから先は、ひたすら働いた。

 

 特別な才能があったわけではない。

 

 失敗もしたし、上司に怒られたこともある。

 

 それでも、与えられた仕事を真面目にこなしていれば、それなりに評価してもらえた。

 

 そして三十五歳。

 

 俺は結婚した。

 

 妻は特別な美人というわけではなかった。

 

 それでも、一緒にいると落ち着ける人だった。

 

 やがて子供も生まれた。

 

 一人目が生まれたときは、病院のベッドの横で何度も妻に「ありがとう」と言った。

 

 二人目が生まれたときには、もう少しだけ余裕があった。

 

 それでも、小さな手を握った瞬間には、胸の奥が熱くなった。

 

 仕事がある。

 

 帰れば妻がいる。

 

 家には二人の子供がいる。

 

 休日には家族で出かける。

 

 特別なことなんて何もない。

 

 けれど、それで十分だった。

 

 俺は、自分の人生を幸せだと思っていた。

 

 ――あの日までは。

 

 最初は、小さな出来事だった。

 

 会社で起きた問題。

 

 自分一人の力ではどうにもならない問題だった。

 

 それでも、自分が関係している以上、何とかしようとした。

 

 だが、一つの問題を片付けようとすれば、別の問題が出てきた。

 

 仕事だけではない。

 

 人間関係。

 

 金。

 

 家庭。

 

 それまで当たり前だと思っていたものが、一つずつ崩れていった。

 

 最初は、まだ立て直せると思っていた。

 

 誰だって人生で一度や二度は大きな失敗をする。

 

 そう思っていた。

 

 だが、現実はそんなに甘くなかった。

 

 気づけば、俺は自分が積み上げてきたものを一つずつ失っていた。

 

 仕事をして。

 

 結婚して。

 

 子供を育てて。

 

 普通に生きてきた。

 

 それだけだった。

 

 誰かを騙したわけでもない。

 

 誰かから奪ったわけでもない。

 

 それなのに、人生は簡単に崩れる。

 

 最後には、俺自身が何を間違えたのかさえ分からなくなっていた。

 

 そして――。

 

「……俺の人生って、何だったんだろうな」

 

 それが、最後に考えたことだった。

 

 もし、もう一度やり直せるなら。

 

 もし、過去に戻れるなら。

 

 今度は違う人生を歩みたい。

 

 もっと金があれば。

 

 もっと力があれば。

 

 もっと多くのことを知っていれば。

 

 大切なものを守れたのだろうか。

 

 そんなことを考えながら、俺の意識は暗闇へ沈んでいった。

 

 ――そして。

 

「……?」

 

 最初に感じたのは、眩しさだった。

 

 目を開けた。

 

 ……開けた、と思う。

 

 だが、何も見えない。

 

 正確には、何かが見えている。

 

 白い。

 

 ぼんやりとした光。

 

 それだけだった。

 

「……ん?」

 

 声を出そうとした。

 

 だが。

 

「……あ……」

 

 自分の口から出た声に、俺自身が驚いた。

 

 おかしい。

 

 声が出せない。

 

 いや、違う。

 

 声は出ている。

 

 だが、自分が知っている声ではない。

 

 もっと高く、弱々しい。

 

 俺はもう一度、声を出そうとした。

 

「……あぅ……」

 

 その瞬間だった。

 

 身体に違和感を覚えた。

 

 腕を動かそうとする。

 

 動かない。

 

 正確には動いている。

 

 だが、思った方向へ動かせない。

 

 足も同じだった。

 

 何だ、これ。

 

 俺は必死になって身体を動かそうとした。

 

 すると、どこからか慌てた声が聞こえてきた。

 

「Oh, he's awake!」

 

 ……英語?

 

 続いて別の声が聞こえた。

 

「He's looking around.」

 

 何を言っているのか。

 

 いや。

 

 分かる。

 

 全部ではない。

 

 けれど、意味は理解できる。

 

 英語だ。

 

 俺は前世で英語を使う機会があった。

 

 仕事の関係で、メールを書いたり、資料を読んだり、海外の人間と簡単な会話をしたりすることもあった。

 

 だが、英語が得意だったわけではない。

 

 少なくとも、今聞こえている英語をここまで自然に理解できるほどではなかった。

 

「……どういうことだ?」

 

 そう思った。

 

 その瞬間。

 

 視界の端に、奇妙なものが浮かんだ。

 

 透明な画面。

 

 まるでゲームのウインドウのようなものだった。

 

 俺は思わず目を疑った。

 

 だが、目を閉じても消えない。

 

 意識を向けると、その画面ははっきりと見えた。

 

【SYSTEM INITIALIZED】

 

 その文字の下に、いくつかの項目が表示される。

 

【NAME】

 

 神崎 蓮

 

【AGE】

 

 0

 

【LEVEL】

 

 1

 

【EXP】

 

 0 / 100

 

「……は?」

 

 思わず声が漏れた。

 

 だが、自分の耳に届いたのは、

 

「……あぅ」

 

 という赤ん坊の声だけだった。

 

 赤ん坊。

 

 その言葉が頭に浮かんだ瞬間、俺はようやく周囲を見た。

 

 ぼやけた視界。

 

 白い天井。

 

 医療設備。

 

 そして、自分を覗き込んでいる女性。

 

 金色に近い髪。

 

 涙を浮かべた青い瞳。

 

 女性は俺を見ると、嬉しそうに笑った。

 

「Oh, my baby……」

 

 そして、俺の身体をそっと抱き上げる。

 

 小さい。

 

 あまりにも小さい。

 

 女性の腕の中にすっぽり収まってしまう。

 

 俺は自分の手を見た。

 

 小さな指。

 

 細い腕。

 

 どう考えても、大人の身体ではない。

 

 ――俺は赤ん坊になっていた。

 

「……嘘だろ」

 

 頭の中だけで呟く。

 

 前世の記憶はある。

 

 会社員だった自分。

 

 妻。

 

 二人の子供。

 

 崩れていった人生。

 

 最後に感じた暗闇。

 

 その全てが、はっきり残っている。

 

 ならば。

 

「俺……死んだのか?」

 

 答えは返ってこない。

 

 代わりに、先ほどの女性の後ろから一人の男性が現れた。

 

 黒い髪。

 

 日本人らしい顔立ち。

 

 スーツを着ている。

 

 その男性は、女性の腕の中にいる俺を見つめていた。

 

 そして、ゆっくりと笑った。

 

「蓮」

 

 その声を聞いた瞬間、不思議な感覚がした。

 

 名前。

 

 それが自分の名前なのだと理解できる。

 

 男性は女性の肩に手を置いた。

 

「俺たちの息子だ」

 

 女性が嬉しそうに頷く。

 

「ええ。蓮よ」

 

 俺は二人を見た。

 

 この二人が、俺の両親なのだろう。

 

 頭では理解できても、感情が追いつかない。

 

 前世では三十五年以上生きた。

 

 結婚もして、子供もいた。

 

 それなのに今の俺は、誰かに抱き上げてもらわなければ何もできない。

 

 混乱して当然だった。

 

 だが、その混乱の中で、俺はもう一度、目の前の画面を見た。

 

【STATUS】

 

【HP】10

【MP】10

【STR】1

【VIT】1

【AGI】1

【INT】10

【WIS】10

【LUK】10

 

 さらに下へ視線を向ける。

 

【ABILITY】

 

【鑑定 Lv.1】

【経験値バフ Lv.1】

【未来操作 Lv.1】

【語学能力 Lv.1】

 

「…………」

 

 言葉が出なかった。

 

 いや。

 

 出せない。

 

 身体が赤ん坊なのだから。

 

 それでも頭の中では、猛烈な勢いで考えが巡っていた。

 

 鑑定。

 

 経験値バフ。

 

 未来操作。

 

 語学能力。

 

 どれも聞き覚えのないものだ。

 

 ゲームなら何度も見たような単語。

 

 だが、これはゲームではない。

 

 俺は現実に生まれ変わっている。

 

 そして、俺だけがこの画面を見ることができるらしい。

 

 試しに、視線を両親へ向ける。

 

 すると、画面の一部が変化した。

 

【鑑定 Lv.1】

 

 神崎 恒一

 年齢:32歳

 種族:人間

 職業:銀行役員

 

 さらに母親へ。

 

【鑑定 Lv.1】

 

 エミリー・神崎

 年齢:30歳

 種族:人間

 職業:主婦

 

「……本当に見える」

 

 まだ完全には理解できない。

 

 だが、一つだけ分かった。

 

 これは夢ではない。

 

 俺は、本当に別の人生を始めたのだ。

 

 しかも、前世の記憶を持ったまま。

 

 父親は日本人。

 

 母親はアメリカ生まれ。

 

 そして俺はアメリカで生まれた。

 

 周囲から聞こえてくる言葉も英語だ。

 

 おそらく、ここがこれから俺の生きる場所になる。

 

 不思議なことに、先ほどまで聞き取れていた英語の意味が、少しずつ頭に馴染んでいく。

 

 まるで、知らない言葉が自分の中へ吸収されていくようだった。

 

 これも能力なのだろうか。

 

【語学能力 Lv.1】

 

 そう考えると、妙に納得できる。

 

 前世の俺は、日本語なら何も考えずに使えた。

 

 生まれてからずっと使い続けた言葉なのだから当然だ。

 

 一方で英語は違う。

 

 仕事で必要になったから身につけただけ。

 

 金融関係の専門用語やビジネスメールならある程度分かる。

 

 だが、日常会話やスラングまで完璧だったわけではない。

 

 その穴を、この能力が埋めてくれているのかもしれない。

 

 まだ何も分からない。

 

 この能力がどこまで使えるのかも。

 

 経験値とは何なのか。

 

 未来操作とは何なのか。

 

 レベルを上げればどうなるのか。

 

 分からないことだらけだ。

 

 けれど。

 

 前世とは決定的に違うものが一つある。

 

 俺には、もう一度人生がある。

 

 しかも今度は、自分だけが使える力まである。

 

 前世の人生を思い出す。

 

 順調だった。

 

 幸せだった。

 

 それでも、最後には何もかも失った。

 

 だからこそ、今度は違う。

 

 金が欲しい。

 

 知識が欲しい。

 

 能力が欲しい。

 

 自由が欲しい。

 

 成功したい。

 

 そして何より――。

 

 自分が大切だと思ったものを、二度と簡単には失いたくない。

 

 まだ何もできない。

 

 歩くことすらできない。

 

 言葉を話すこともできない。

 

 そんな赤ん坊だ。

 

 だが、焦る必要はない。

 

 幸いなことに、俺には時間がある。

 

 前世では三十五歳から先の人生を失った。

 

 今度は、生まれたばかりだ。

 

 これから何十年という時間がある。

 

 その時間を使って、この能力を理解する。

 

 経験値を稼ぐ。

 

 レベルを上げる。

 

 そして――。

 

「今度こそ、自分の人生を自分で選ぶ」

 

 声にはならない。

 

 ただ、心の中ではっきりと呟いた。

 

 俺は神崎蓮。

 

 今日、生まれたばかりの赤ん坊だ。

 

 そして。

 

 ここから俺の二度目の人生が始まる。

 

 前世では手に入れられなかったものも。

 

 前世では守れなかったものも。

 

 今度は、自分の手で掴んでみせる。

 

 そのためにまずは――。

 

 **この身体で、どうやって経験値を稼ぐかを考えよう。**

 




設定の荒さにはまあつぶってください。今後の展開に盛り込んで欲しい提案があればよかったらコメントに書き込んでください。
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