風呂から上がった僕は、ベッドの上で落ち込んでいた。
本当なら、これからが本番だったはずなのだ。藍にフェラさせたり、パイズリさせたり、あるいはセックスだってお願いすれば、多分できた。
それが、全部パーだ。僕は小さく萎れてしまった自分の激弱チンポを恨んだ。
しかし、もう取り返しはつかない。時計を見ると、もう23時を過ぎている。
「……もう、寝るか」
僕はそう言いながら掛け布団を引き寄せた。ベッドの横では、藍がやはり裸のまま直立不動で待機している。
このまま何も言わなければ、朝までこのまま待機しているのだろうか。しかし、そこまで意地悪をする気にはなれない。
僕は身体をベッドの端に寄せて、空いたスペースをポンポンと叩いた。
「藍、一緒に寝よう」
「分かりました」
電気を消して、ベッドの中で藍と並んで横になる。
今日は五月にしては肌寒かった。僕は勇気を出して、藍のいる方に身体を寄せた。
藍と身体が密着する。僕と藍は、互いに横向きで向かい合っていた。暗闇に目が慣れてきて、藍の大きな胸が目の前にあることが分かる。
僕は無言で藍を抱き寄せた。藍は無抵抗だ。僕は藍の胸に顔を埋めた。顔に当たるやわらかい感触に、僕の脳内は幸福感に支配された。ずっとこの時間が続いてくれればいいのに。
しかし惜しむらくは、僕が今日の信じられない出来事の連続に、疲れ切っていたということだ。
気づけばあっという間に意識は遠くなり、僕は藍の胸に包まれながらいつの間にか眠りに落ちていた。
僕はハッと目を開けた。目の前には、藍の巨乳。窓の外は明るくなっていた。僕はゆっくりと身体を起こす。
藍はすでに起きていたようだ。僕が起きたのを見て、笑顔で挨拶してくる。
「ご主人様、おはようございます」
「おはよう」
時間が経って、僕の意識もはっきりしてきた。よく見ると、藍の胸は僕のよだれでベタベタだった。自分の顔が引きつっていくのが分かる。
「ご、ごめん」
しかし、藍は全く気にしていないという様子で微笑んでいる。
「いえ。ご主人様、ぐっすり眠っていましたよ」
「そ、そう…」
僕は恥ずかしくなって藍から目を逸らし、時計を見た。時刻は9時を回っている。ずいぶんぐっすりと眠ったものだ。
僕は藍に尋ねた。
「そろそろ、帰る時間かな?」
「ご主人様にはとくに時間は指定されていませんが……そうですね、もう帰ります」
「そうだね、それがいいよ」
僕と藍はベッドから出て着替えた。僕は出かける予定はとくになかったので、部屋着に着替えるだけだ。のんびり着替えながら、僕は藍の様子を眺めた。
藍は、玄関で服を着ていた。藍の裸体が順々に隠されていくのを見て、残念な気持ちが込み上げてくる。
藍は服をすべて着終わると、僕に向かって丁寧にお辞儀をした。
「ご主人様、昨晩はお世話になりました」
「い、いや、こちらこそ……」
冗談でもなんでもなく、藍にはお世話になりっぱなしだった。かなり好き勝手命令したし、情けないところもたくさん見せた。
しかし、そんな僕に対しても藍は満面の笑みを見せてくれる。
「では、ご主人様の元に帰ります。失礼いたします」
そう言い残し、藍は先輩の元へと帰っていった。僕は玄関のドアを閉めることなく、名残惜しい気分で藍を見送った。藍はご機嫌に歩いていくが、もうこちらを振り向くことはない。
僕は藍が見えなくなるまで、その後ろ姿を一心不乱に見つめていた。