※この作品はR-18です。

通っていた学校が奴隷養成所だった   作:dddddddd

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19.筆記試験

 実技試験が終わって下の階に移動すると、筆記試験会場の教室があった。入ると、机で試験中の生徒たちが何人もいたが、なぜか空気感は緩い。

 

「空いている机で試験を受けてください。制限時間は20分です」

 

 試験官の先生はそう言いながら、冊子とマークシートを渡してきた。

 

「奴隷用はこっちです」

 

 まなみにも、同じく冊子とマークシートが渡される。なんと、筆記試験はまなみも受けるようだ。

 

 少し驚いたが、試験中に私語は厳禁だ。僕たちは黙って空いている机に向かった。

 

 一体、どんな問題が出るのか。僕はドキドキしながら冊子の1ページ目を開く。

 

 ……なんだこれ。

 

 冊子に書いてあったのは、テストと言うよりは性格診断だった。「とても当てはまる」から「まったく当てはまらない」の間のグラデーションで答えていくタイプのやつだ。

 

 これなら試験と言いつつ、緩い空気なのも頷ける。僕は改めて問題に目を向けた。

 

 まずは、「主人としての心構え」という題目だった。

 

 たとえば、「奴隷は主人の言うことはなんでも聞くべきだ」、「言うことを聞かせるためなら多少痛めつけても構わない」なんて質問もある。

 

 正直同意しがたい内容だったが、全部「まったく当てはまらない」にするのは学校の奴隷制度の否定とも捉えられかねない。

 

 とはいえ同意したくない内容ばかりだったし、「あまり当てはまらない」くらいにしておくことにする。

 

 続いて、「奴隷への評価」。

 

 たとえば、「奴隷は自分の言うことをよく聞いてくれる」、「奴隷の容姿を気に入っている」といったものだ。

 

 ここに関しては迷わず「とても当てはまる」だ。まなみほど素晴らしい奴隷は、他にいないと思う。

 

 ただ一点、「奴隷は自分を好いていると思う」、これだけは少し違う。

 

 まなみが僕についてきてくれるのは、立場上仕方がないという面が大きいと思う。これだけは「あまり当てはまらない」でいい。

 

 その次は、「主人としての能力」だ。

 

 たとえば、「自分はうまく奴隷を扱えていると思う」、「状況に応じて適切な命令ができる」といった、自己評価を測るような質問だ。

 

 はっきり言って自信はまったくないが、この回答が先生たちに評価されると考えると、あまり弱気に答えるのもどうかと思う。

 

 ということで、「どちらかといえば当てはまらない」くらいにしておく。

 

 こんな感じで、僕は続く問題に答えていった。分量は多いが、悩むような質問はないのでサクサク進む。どちらかというと、マークシートにマークする方が大変だった。

 

 すべて答え終えて席を立つと、ちょうどまなみも立ち上がった。二人並んで回答を提出し、教室を後にする。

 

 今日の試験はこれが最終科目だから、担任からはその場解散でいいとあらかじめ言われている。奴隷学の試験はこういう形式なので、終わる時間がバラけるからだろう。

 

 とにもかくにも、これで試験はすべて終了だ。最後の奴隷学の試験は予想外の内容だったが、それでも試験が終わった後の爽快感は何物にも代えがたい。

 

 僕は足取り軽く、昇降口に向かって歩き出した。

 

「ちょ、ちょっと待って」

 

 背後からまなみの声が聞こえて、振り返る。まなみはまだ教室の扉のすぐ近くにいた。わずかに足を震わせている。思い当たる理由は、一つしかない。

 

「……もしかして、ちょっと激しすぎた?」

「そういうのじゃないから」

「手、貸そうか?」

「平気だから」

 

 まなみは頬を赤く染めながら目を逸らした。

 

 僕はそんなまなみの姿に、思わず頬が緩んでしまう。せっかくの試験終わりだ。のんびり帰るのも悪くない。僕はまなみに歩調を合わせ、ゆっくりと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 中間試験から数日後。

 

「これから、成績表を配ります」

 

 担任の言葉に、教室内に緊張が走る。

 

 各科目の結果は、すでにそれぞれの授業で返却済みだった。どれも平均点は超えていたので、一安心といったところだ。

 

 今日配布されるのは、合計点数と学年順位だ。そして何と言っても、奴隷学の結果はまだ知らされていない。このタイミングで通知されるに違いない。

 

 順番に名前が呼ばれ、成績表を受け取っていく。僕はドキドキという心臓の音を聞きながら、自分の名前が呼ばれるのを待つ。

 

「小森」

 

 名前を呼ばれて、担任の元へと向かう。手渡された成績表の中身は見ないようにして、自分の席へと戻る。

 

 席について、震える手で成績表を開いた。

 

 学年順位は、176人中42位。僕にしてはかなりの高順位だ。

 

 真ん中近辺をうろついていることが多かったから、かなり意外な結果と言える。

 

 そして、僕は成績表に目を走らせた。奴隷学の点数は……。

 

 あった。

 

 奴隷学:96点(学年順位:1位)

 

 ……。

 

 …………え?

 

 

 

 

 

 僕は困惑した。なぜこんな結果になったのか、さっぱり分からない。

 

 僕はただ好きなようにセックスしただけだし、筆記試験でも思うように答えただけだ。

 

 それが、学年一位だなんて。今までの人生で取ったことのない高順位である。

 

「それでは、配布した成績表についてですが……」

 

 担任の声に、僕は顔を上げた。気づけば、全員分の成績表の配布が終わったようだ。

 

「奴隷学の試験は、実技と筆記の内容を総合的に評価しました」

 

 まあ、それはそうなんだろうけど……それで、僕が学年一位になる理由がまったく思い当たらない。 

 

「ちなみに、今回の奴隷学の試験で30点を下回った者からは、奴隷を没収します」

 

 ……え?

 

 想像もしていなかった言葉に、僕は固まった。

 

 まったく、寝耳に水の事実である。まなみが僕のものでなくなる可能性なんて、思いもしなかった。

 

 教室内もざわついている。30点というのがどれほどの点数なのかは分からないが、下回ったら問答無用で没収なのだ。

 

「そんな!」

 

 そう言って立ち上がったのは隣の席の津田君だ。前嶋君もそれに続く。様子を見るに、二人は30点を下回ったということのようだ。

 

 他にも抗議の声を上げるクラスメートが何人もいる。……もしかして、想像以上に30点未満の人って多いのだろうか?

 

 そんな中、担任は抗議の声にも全く動じない。

 

「説明は以上です」

 

 それだけ言い残して、担任は颯爽と教室を出て行ってしまった。

 

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