※この作品はR-18です。

魔防隊と改造人間   作:狭間正平

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第三話 ※

 魔防隊七番組が新たな任務に急行している最中のこと。

 

 日本列島の本土から離れた所にある一つの無人島。

 豊かな緑色の自然が覆い茂っており、尚且つ海岸には白い砂浜があるとされているその美しい島に住んでいる者は誰一人としておらず、ましてや態々船を使って行き来する者すらも居ない。

 

 それ故に人の姿が見られるのは絶対にあり得ないはずなのだが……。

 

 

「………」

 

 

 何故か人の姿が其処には在った。

 覆い茂っている雑木林の中にある長い林道の上をスキンヘッドの男性が自身の両手を背部の腰元辺りに組んだ状態で淡々と歩を進めている。

 

 如何にして人の姿があるのか。

 何故、明らかに人の手で造られたと思われる林道があるのか。

 

 それに加えて、その者は無人島には似つかわしくない服装を身に纏っていたというべきか、オーダースーツと思われる白い品物を見事に着こなしながら歩幅を乱すことなく革製の靴で一歩ずつ何処かへと向かっていた。

 

「………」

 

 表情を一切変えることなく、眉間に軽く皺を寄せたまま姿勢正しく歩き続ける。

傍から見れば、果たして本当に人間なのかと疑いたくなるほどの正確さが、ひしひしと感じられる。

 近年では人工知能のAI技術やロボット製作の技術などが発展していることもあり、ひょっとすると人間では無い可能性も否めなくも無いが……。

 

 

「……ふむ……」

 

 

 その予想は覆される事となる。

 というのも、その者がピタリと足を止めたかと思いきや、その場で軽く息継ぎをしたのである。

 同時に上半身が微かに動いたことから本物の人間であることだけは確かとなったが、だとすれば、また最初の疑問に戻される事となる。

 

 無人島であるはずの島に人間が存在している。

 ましてや彼は一体何の目的で島の中に居るのか。

 それらの疑問についての答えは………。

 

 

「………」

 

 

 彼のたった一つの行いによって導き出される事になる。

 不意に片足のつま先を軽く動かしてから地面の上を二回ほど踏む。

 

 と、次の瞬間。

 

 突如として轟音とも言うべき駆動音が響き渡ると共にそれなりの揺れが沸き起こる。

 かと思いきや、今度は彼の目の前にある地面の一部が徐々にせり上がり始め、人工的に造られていた偽物の土や砂利などでカモフラージュされていた何かが下からゆっくりと姿を現し始める。

 

 見たところ一種のエレベーターであることが窺えるが、それに対し、彼は一度も動揺することなくその場に佇みながら只管上がり切るのを待ち続ける。

 

(……もう少し改良の余地を考えねばな)

 

 上がりきるまでの間は、約1~2分ほど。

 それまでの間は特に何もすることがないため、もう少し早く動かせるよう何とかならないものかと考える彼であったが、目の前に現れた扉が自動的に左右に開かれたことをきっかけにその思慮をすぐに放棄させる。

 

 でもって、開かれた扉の中へ誘われるように入るや否や、開かれていた扉が閉ざされた後に今度はゆっくりと地面の下へと降りていき、やがて元の景色へと戻る。

 

「………」

 

 一方で扉の中に入った彼はというと密室の中に閉じ込められたまま暫しの静けさを味わっていた。

 天井の照明器具によって照らされている電子表示の階数は、企業ビルで言う地下二階にまで既に到達していながらも、まだ目的地となる場所には辿り着かずにいる。

 

「………」

 

 背筋を伸ばしたまま凛とした佇まいを維持させる。

 彼なりのポリシーなのか、はたまた信念とでも言うべきなのか。

 兎にも角にも、小さな駆動音のみが木霊するエレベーターの中で同じ姿勢を保ち続ける彼であったが………漸く目的地の階に到着したのか、先程まで聞こえていた駆動音が聞こえなくなった後に閉ざされていた扉が再び開かれる。

 

 

「お帰りなさいませ。西明寺様」

 

 

 すると扉が開かれた途端、予め待機していたのか。

 白衣を身に纏った科学者と思ぼしき初老の男性が綺麗なまでのお辞儀を致す。

 どうやら出迎えとして赴いていたらしく、自身の腰をほぼ直角に曲げたままの状態で深々と頭を下げ続ける。

 

「良い。頭を上げろ」

「かしこまりました」

 

 故に、彼がその科学者に楽にしろとの命令を下す。

 外見からして科学者の方が年上だと思われるが、この場合は圧倒的に彼の方が立場が上なのか。

 エレベーターの中から出てきた彼の後に続き、窓が一切ない廊下の中を歩み始める。

 

「実験の方はどうだ?」

「概ね順調に進んでおります。私共が開発したものとの相性が中々に良いようで……」

 

 廊下の奥へと進む度に、周囲の景色が変わっていく。

 余程、広い造りとなっているのだろうか。

 道中、分かれ道や複数の部屋の扉などが見受けられる中、彼らは迷うことなく足を動かし続ける。

 

『お帰りなさいませ。西明寺様』

『お帰りなさいませ』

「うむ」

 

 すれ違い様に黒いガスマスクに白いラインが所々施されている黒の作業服を身に纏っている下っ端の構成員と思しき者たちが、彼の姿を見かける度に進めていた作業を一度中断させたのちに次々と首を垂れる。

 上下関係が明白とも言える光景が広がりつつあったが、それとは別に足を動かし続けていた彼らはというと……。

 

「開けろ」

 

「はい。ただいま」

 

 動かしていた足を止め、頑丈な造りかつひと際大きな扉の前に立つなり、科学者が扉の隣の壁に埋め込まれているセキュリティパネルを操作する。

 

 関係者以外立ち入りが禁止とされているのか。

 何重にも掛かっているロックを手際よく解除させるなり、目の前にある扉が重厚な音を轟かせながらゆっくりと左右に開かれていく。

 

「………」

 

 開かれた扉の中へと入り、科学者も後に続く。

 すると開かれていた扉は自動的に閉まっていき、再び頑丈そうな施錠が成される。

 その際、室内の照明は点いておらず、完全な暗闇へと化したが……。

 

 

《システム起動確認》

 

 

 何処からともなく機械的な音声が鳴り響き始めると共に、暗かった空間を無数の照明器具が照らし始めていく。

 おかげで彼らが居る部屋の内装が明確に判明するようになり、尚且つ元より設置されていた幾つものモニター画面付きの高性能のコンピューターや音声機器などが次々と起動し始める。

 

 彼らが足を運んだ先は、何かしらの実験室なのか。

 部屋の隅の方にはいくつもの書類が並べられている棚がある他、前面の壁が一面中曇りガラスとなっていた。

 

「では、実験の方を見せてもらおうか」

「かしこまりました」

 

 そんな中、科学者が空いている椅子へと座り込むなり、後ろに立ち尽くしている彼のために慣れた手つきで目の前にあるコンピューターのキーボードを使って操作をする。

 と、次の瞬間―――

 

 

《あ゛っ゛!?♡あ゛っ゛!?♡あ゛っ゛!?♡あ゛っ゛!?♡》

 

《や゛め゛っ!!………や゛め゛ろ゛よ゛ぉぉお゛お゛!?!?♡》

 

《ぢ、ぢぐじょう!!……ぢぐじょう゛っ!!♡》

 

 

 一面中曇りガラスであったものが鮮明に透明化され、尚且つその向こう側の景色が広がると共に音声機器から雄叫びとも言える無数の女性たちによる悲痛な声が炸裂する。

 

《あ゛ぁ!?♡あ゛ぁ!?♡お、おじりぃ!♡お尻がぁぁあああっ!♡》

 

《も、もう……ゆるじでぐれぇぇぇえええッ!!?♡♡♡》

 

 物が何一つなく、全体的に広々としていて殺風景とも言える真っ白な空間のなか、それぞれ体中から大量の汗を垂れ流している屈強な女性たちが何度も何度も口から悲鳴のような声を出す。

 

 それもそのはず密室に閉じ込められている彼女達はいま、全員が真っ裸の状態となっている他、成す術なく得体の知れない何かによって数えきれないほどの強姦を受け続けていたのだ。

 

《だっ、だれかぁ!?♡たっ……だずげでぇぇぇ!?!?♡》

 

 一般男性と比べて、かなり鍛えていたのが一目で見て分かるほどの筋肉質な肉体。

 その所々には殴られたかのような痣の跡や幾つものひっかき傷などが刻まれており、今までどのような扱いを受けていたのかが良く窺える。

 それでも尚、科学者の背後からガラスの向こう側の様子を見物していた彼はというと、表情を一切変えることなく質問を零す。

 

「あの女どもは、これまでの実験体と比べて保てるのであろうな?」

「ご安心ください。あの女どもは米国支部の連中が態々こちらまで連れてきてくれた逸材なので、そう簡単には壊れません」

「ほぅ?……続けろ」

「はい。あの女どもは全員、前の実験体と同じく桃を食している異能力者となりますが、元々はならず者の傭兵部隊に所属していた者たちでして……まぁ、それもあってか私どもが開発した、あやつらによる並大抵の強姦では壊れないほどの頑丈な肉体を持ち合わせております」

 

 日本から遠く離れた地から連れてこられた逸材。

 否、正しくは誘拐されてしまった、ならず者の女傭兵たちと言うべきであろう。

 

 そんな彼女たちがどのような経緯で誘拐され、このような場所に連れてこられたのかは定かではないが……少なくとも彼女達には、人権等という言葉は一切通用しない立場に居る事だけは間違いないと見受けられる。

 

《あ゛ぁ!?♡も、もう……やべでぐれぇぇえッ!!♡》

《だ、だれかぁぁ!♡だれが……だずげでぇぇぇええッ!!?♡♡♡》

《しぬぅ!♡じにだくなぃぃいいいいいッ!!!♡》

 

 彼女達の身に降りかかる強姦は、既に数時間以上にも及んでいる。

 そのうえ先程も少し述べたが、相手は単なる普通の男などではなく、異形な生命体と言わんばかりの怪物………否、この場合は怪人と言った方が正しいのであろう。

 

 それぞれが人の肉体に模した体つきでありながらも、ある者は全身が緑色で鱗が纏わり付いている他、長い尻尾に魚眼とも言える形状の赤い目玉を持つ蜥蜴らしき姿となっており、またある者は大柄な体格で出っ張った腹が特徴的だが、顔や手足の造りが豚に酷似しているなど………まさに異形とも言える容姿となっていた。

 

 他にも全身が黒光りする体表で覆われた者や、醜悪な顔立ちでネズミのような体毛を生やしている小柄な者など、その種類は様々となっている。

 

《お゛っ゛!?♡お゛っ゛!?♡》

《ぢぐじょぉ!?♡ぢぐじょぉぉおおッ!!♡♡♡》

 

 そんな異形な怪人たちに強姦されている彼女たちはというと、全員が汗でびしょ濡れにしながら必死に抵抗している様が見受けられるが、哀しいことに彼女たちがこの地獄のような環境から抜け出すことは到底不可能に等しいと言わざるを得ないだろう。

 

 何故なら彼女達の首元には特殊な首輪が嵌められており、何かしらの能力を発動させようものなら、その度に首輪の内側から強力な麻酔薬が投入され、意識を絶たれてしまう羽目になってしまうのだ。

 

 しかも、それが何度も続いた際には怪人の手によって特別な懲罰室へと連れていかれてしまい、其処で死よりも恐ろしい拷問を何時間にも及んで受けさせられてしまうため……。

 

《お゛っ!?♡あ゛ぁ!?♡》

 

《も、もう……やめでぐだざいぃいッ!!♡♡♡》

 

 否が応でも能力の使用を躊躇ってしまう。

 いや、一度でもそんな経験を味わってしまえば、誰だってそうなってしまうのは当然の摂理であろう。

 

「ふむ……確かに中々の肉体を持ち合わせているな。今回の実験体どもは」

 

 ある女傭兵はガタイの良い怪人によって身体を軽々と持ち上げられてしまったまま緩くなってしまっている己の秘所に剛直かつ大きな肉棒が下から何度も突かれるたびに、腹部の皮膚が伸びたり縮んだりする。

 

 その度に白目を向きながら口元から涎や唾などを吐き出し、嗚咽とも捉えかねない喘ぎ声を喚き散らす。

 

 また、別の女傭兵に限っては白い壁に両手を着けたまま丸みを帯びているお尻を突き出している状態で、何度も何度も後ろから無数のイボイボが纏わりついている生殖器を秘所に出し入れされているため、今までにない快楽が全身を襲い……。

 

 

《あ゛っ!?♡んほぉお゛ぉッ!!♡♡♡》

 

《いぐいぐいぐぅぅううッ!♡♡♡》

 

 

 もう何度目かも分からない絶頂を向かえてしまったのか。

 行為の最中、何人かの女傭兵たちがほぼ一斉に秘所から愛液と思わしき透明な液体を吹き出してしまう。

 

 ある意味、地獄絵図とも捉えかねない惨状となりつつあったが、その間にも別室から事の様子を眺めていた彼らはというと引き続き淡々とした会話を交わし続けていた。

 

「女が礎となる世界……か。そんなものは所詮、眉唾物にしか過ぎぬ」

「全くもって同感です。そもそも今の女たちがこの世の優位に立てれるのは、桃という存在があるからこそのものですからね。それが無くなれば、世の女たちは忽ち元の鞘に戻るしかありませんからね」

「あぁ……だが魔都という異界が出現したことにより、我々の科学の発展が著しく向上したのもまた事実」

「えぇ、そうです。そのおかげで私共が切磋琢磨に開発した新たなる改造人間たちが生まれた訳ですからね」

「例え男といえども、我々の科学力を持ってしまえば、桃の力を手にすることなど造作もない」

「但し、その代わりとして元の人間に戻ることは不可能となりますが……ね」

 

 ガラスの向こう側に居る怪人たち。

 

 その者たちは皆、元々は何処にでも居る普通の一般男性であったのだが、彼らの下に強制的に連れてこられて以来、勝手に骨や筋肉、あるいは臓器や細胞、血液等といったあらゆるものを全て造り替えられてしまっただけでなく、密かに回収された桃と特殊な化学薬によって調合された薬品を投与されたのちに異形な姿に変えられてしまったという経緯を持つ。

 

 それに加え脳改造手術まで行われてしまっていることから、結果として彼らの従順な下僕と化してしまっている。

 

「今回のゲノムタイプとの相性は順調そうだな」

「ウェポンタイプと比べたら些か不安でしたが……御覧の通りの有様となっておりますからね」

「桃の恩恵を受けた女との交合……それにより生まれてくる新たな生命体は、我らの手で更に改良させる」

「そうすれば、更なる強力な生命体……否、最強の新人類ともいえる改造生命体が誕生する………いやはや、西明寺様のご意向は実に素晴らしいものですな」

「そして……我々を裏切り、これまで幾多にも渡る我らの世界征服の野望を悉く台無しにさせた奴らへの復讐も、これで果たせるというものだ」

「同感です。今となっては、奴らは我々にとって非常に厄介な存在へと成り果ててしまいましたからね」

 

 彼らを裏切ったという謎の存在。

 それも会話の内容からして一人だけではないのか。

 複数人の裏切り者たちに対する憎しみを募らせるかの如く、オーダースーツを着込んでいる彼が自ずと眼つきを鋭くさせる。

 

「“立花 猛”………そして“十文字 隼人”」

「………」

「特にあの二人に関しては、何としてでもこの世から抹消せねばならない」

「………」

「このまま実験の様子を観察しろ。私は、少し休む」

「承知しました。我が組織……“幻影團”の首領………“西明寺 斎”様の御心のままに」

 

 座っていた椅子から立ち上がり、その場で振り返ってから自身の胸元に片手を添えつつ彼に向けて軽くお辞儀を致す。

 それに対し、西明寺という名の彼は踵を返し、姿勢正しく背筋を伸ばしたまま部屋から出ていく。

 

 嬌声とも言える女傭兵たちの野太い喘ぎ声を耳にしながら……。

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