確かにニコはSRT特殊学園のエリートであるとはいえ、その肉付きと柔らかな触り心地はなんてことのない、ありふれた十七歳の少女のそれそのものだった。
甘えるという行為にも限度があったのかもしれない。
心音がはっきりと聞こえるほどの、収まり心地の良い胸元。
彼女を離した時の制服越しに感じられた細い両腕の感触。
時刻は決まって当番の生徒が帰ってしまった後の夕暮れ時だった。
ニコが許してくれるから。そんな言葉を免罪符に、私の気持ちや判断能力を幼児退行でもさせるかのように鈍らせてしまっていた。
「こちらの不満も解消されますか……?」
夕日がD.U.がの街並みの向こうへと沈んでいくように、私の理性もニコの包容力という名の底なし沼へと沈んでいるみたいだった。
子どもの頭を撫でるかのように触れてくるニコの優しい手付きが、雌としての艶めかしい手付きとして、私がふいに見せてしまった下腹部の膨らみをなぞる。
彼女の好意を無碍にする訳にもいかないだろう。
そう建前を一つ置くことで安心感を得た私はニコと……
──目の下のクマが酷いことをニコに指摘され、宿直室に連れられた私はベッドに横たわるように言われた私は、天井を見上げるように身体を柔らかな感触に身体を預けていた。
「もう……最後に寝たのはいつですか? 深いクマが出来ていますよ? ここの所、ずっと起きていらっしゃいますよね?」
「うっ……い、色々立て込んでいたからね……最後に寝たのは……二日前? あ、いや……三日前、かも……?」
見ている景色があまり変わらない日が続くと、重ねていった日数の感覚も怪しくなっていく。
当番の生徒が変わり変わりに来てくれていたのもあって、代り映えのない日々と言ってしまうと、あまりにも贅沢すぎるものの、執務室に籠りっぱなしの日が続いているのもあって、パッと彼女の問い掛けに答えるには、少しの時間を有した上でも間違えてしまい、ニコに半ば窘めるような不安げな顔をさせ、ため息を吐かせてしまっていた。
「これ以上はダメです。身体、壊しちゃいますよ? 時間になりましたら起こしますから、今は休みましょう?」
宿直室に連れられる前、私の散らかったデスクをニコはてきぱきと片付けてくれていた。仕事が終わることは殆どないけど、一度切り上げるタイミングとしては確かに丁度良かった。
ベッドの横に椅子を移したニコが隣に座っていて、天井を今も見上げている私の視界の隅で、彼女が今隣にいるのだと視線を逸らさなくても分かりやすいように、桜色の髪の頭頂部と、長い狐耳が時折ふわりと風に靡くように柔らかく揺れているのが見えた。
彼女のいる方に顔を向けると、カーテンを開けたままなのもあって、D.U.の街並みとして並んだビルがポツポツと、窓の下から顔を出しているような光景が目に映った。
陽は傾き始め、薄橙色の日差しが気持ちよく射し込んでいた。
今日の当番の子が帰ってから思っていたよりも時間が経っていたらしい。
夕方の傾き出した鋭い日差しが目に刺さり、思わず顔を顰める
「あ、眩しいですよね……? カーテン閉めましょうか?」
「えっ、ううん、大丈夫だよ」
普段寝ない時間なのもあって眠れるかは分からなかったけど、こうして日が当たる中、ベッドに横になるのも悪い気はしなかった。ただ、この一時を終えてしまえば、まだ手を付けていない仕事が待ち受けていることを思うと──
「あ──またお仕事のことを考えていますね?」
「……バレた?」
「ふふ、はい。バレバレです……大丈夫ですよ、時間になったら起こしますから、今はお仕事のことは考えず目を閉じてゆっくり休んでください。残りのお仕事は私も手伝いますから」
「ありがとう……」
ニコには隠し事は難しいかもしれない。
寝不足でクマが出来ているとサインを出してしまっているのも、外に目を向けて日差しで目が眩んでいるのも、自覚できるほどの露骨に顔に出てしまっていたらから気づかれたのだろうけど、この後の仕事のことを億劫に感じているのも見抜かれるのは、いくら何でも顔に出しすぎているかもしれない。
「ねえ、ニコ? 私ってそんなに顔に出やすい……?」
「ふふっ、そうですね。今日は特に分かりやすいです」
「本当? 今、何を考えてると思う?」
シャーレ館内はひと気がただでさえ無いというのに、そこから更に二人きりになれてしまっている狭い宿直室の中にいると、私たちだけの時間が流れているようにも感じられた。
傍から見ると、ニコが病人の見舞いに来ているような光景にも見えるかもしれない……あ、仮病。
まだ授業があるのに保健室のベッドで横になって休んでいるような感覚にも近いかもしれない。今の私は必要な休息を取るように促されているから半分体調不良のようなものかもしれないけど、まだ仕事が残っていることを置き換えると、仮病でいけないことをしているような、気まずい罪悪感が脳裏を過っていた。
「……そこまでは分からない?」
「えっと、そうですね……『サボって休んでるみたい』……そんな感じでしょうか?」
ニコのいない方へ顔を逸らした。
「先生?」
「……嘘ぉ」
冗談で言ってみたつもりが思いのほか当てられてしまった。
ニコは販売員に扮して聞き込みなども行っているのもあって、日頃から人の表情からある程度の感情は読めるようにでもなっているのだろうか。
それに加えて、今の私は本当に顔に出やすいのかもしれない。寝不足な分、考える余裕が無くて顔に出やすくなっているのかもしれない。
「ふふっ、当たっていましたか?」
「当たりすぎて今顔見られるの怖いかも……」
「大丈夫ですよ、そこまで明確には読めませんから」
「そう……? それなら……」
彼女の方を振り向き直すと、困ったように眉を下げていたニコが慰めるような。
「先生はサボっていませんよ。体調管理もお仕事の内です。みんな先生のことを心配しているんですから……それに今は二人きりですから、私にしか言えないようなことを、それこそ以前打ち明けていただいた不安や日々の愚痴のようなことでも、何でもいいですよ。先生の肩の荷が下りるような些細なことでもいいので、お手伝いさせてください」
振り向いてニコの顔を見ると、真っ直ぐな青い瞳がジッとこちらに向けて真剣な様子だった。
たまに、ニコがいいと言ってくれているからといって、少し甘えすぎているような気がするけど、少しだけ、打ち明けて大丈夫な気持ちを少しだけ、彼女の気持ちに答えられる程度に曝け出しているつもりだった。
「じゃあ……お言葉に甘えて、少しだけ寝ていいかな……?」
「はい、おやすみなさい。先生」
「おやすみ……」
──眠れないと思って目を瞑ると、一瞬にして耳から入ってくる情報がブツっと途絶えてしまい、彼女が子どもをあやすかのように小さく歌っていた鼻歌も、すぐに聞こえなくなっていた。
ニコが時折頭を撫でてくれていた、その指先の感触が徐々に下の方へと移っていく違和感で目を覚ましてしまった。
頭がぼんやりする。
寝ぼけているというより、今まで徹夜で麻痺していた疲労が軽い睡眠で自覚させるように脳に重たく圧し掛かってきているみたいだった。
窓側の方に椅子を置いて座っていたニコが、ベッドに腰を掛けてもの珍しそうに私の身体に指を這わせていた。
最早、排泄機能以外で使い道がないと思っていた部位が、生理現象によって血液が循環し、私が雄であるという象徴をニコに見せつけるような形で主張させてしまっていたのだった。
仕事用のスーツとして履いているスラックスが、動きづらく感じるほどパツパツに張り詰たテントの敏感な先を、ニコは優しく撫でるようにそこに触れた。
すぐ傍にいる生徒に見せつけるように膨らんだままの愚息。
「先生は男の人だから、こっちの方も溜まっているのかな……」
ニコはそれを物珍しそうにジッと見つめ、円を描くように指先で触れながら、小さく独り言ちていた。
、その敏感な先端に彼女は触れていた。
「に、ニコ……?」
「あ、おはようございます。先生……えっと……もしよければ……」
ドロりと蕩け切った理性が崩れ落ちていくかのように、傾き始めていた夕日はすっかりD.U.の街並みと重なるほど沈みかかっていて、部屋の中は橙色に見えるほど照らされていた。
「こちらの不満も、解消されますか……?」
ニコの表情が逆光のせいでよく見えない。
戸惑いを見せるような言葉を選んでいても、私を受け入れてくれるような母性的な声色はいつものままだった。
カーテンが開かれた宿直室。
寝ぼけ眼で潤んでいた瞳に浴びる強い日差しが、寝起きの視界を夢とさえ錯覚させていた。
ニコの桜色の髪は、まだ寝ぼけいる私の耳元で囁くために顔を傾けたのもあって、まとまった重みに形が崩れるように毛先がサラりと流れ落ちるその様子に指を通してみたくなるほど、一瞬しか目に映らなくともその滑らかな動きにさえ愛しさを感じてしまった。夕日の受け皿になるようにカーブを描く狐耳の表面が、輝く水面のように艶々として見えた。
役割を思い出した生殖本能ほど厄介な物はなかった。
彼女の母性に向けた童心からなのか、生徒を信用しているからこそ委ねている安心感からなのか、それとも……
ニコの優しい手付きが、まるで獲物を狙うかのような、艶やかで身を思わず捩らせてしまうようなそんな擽ったいなぞり方で今も円を描くように摩っていた。
逆光で眩しくて見えなくても、その息遣い、唇の動きまではっきりと音で感じ取れてしまうほど、空気の微かな流れさえ止まって感じるほど辺りはしんっと静まっているかのような錯覚さえあった。
私に声を掛けられるまでぼーっとした様子で、膨らんだ下腹部に気を取られていたのかもしれない。
物珍しそうに撫でる指先。
衣服越しに触れられる感触とはいえ、彼女のやさしさが今となっては快感を欲しがるためにあるような部位をただ悦ばせているような手付きで撫でられ、じわじわとその生殖本能を滾らせ始めるように燻らせていた。
目覚めたばかりのボヤけた視界。眩しさに加え、生理現象により余分に血が回り、おまけに今まで麻痺していたからどうにかなっていた疲労感が一気に圧し掛かっているのもあって、私はぼんやりとしたまま身体を起こすと、彼女の胸元に顔を埋める形で抱きしめていた。
「きゃっ……せ、先生……?」
ニコの胸は頬から耳までぴったりと彼女の身体に向けて横顔を付けられるほど慎ましやかで収まりの良い大きさをしていた。
SRT指定のセーラー服と下着に挟まれた成型カップによる厚みがある衣服越しからでも、彼女の心音が耳に伝わってきていた。
「うん……んぅ……っ、うん……」
それは相槌のような、無責任で適当な返事だった。
寝起きの赤子が母親の乳房を求めるかのような動きで、私はニコの胸部に顔を埋めていた。
「……っ、はい、分かりました……今脱ぎますね──」
何か間違った返事をしても、ニコなら受け入れてくれる。
楽観的で無責任な返事が、ただ下半身にとって都合のいい方へ物事を進めようと私から思考を奪っているように、頭に回る分の血液は下に流れ込み、硬さを保ったままだった。
一度息を長く吸ってゆっくりと深呼吸したニコの温かな息が耳を擽る。そして、耳元で聞こえるのは彼女がセーラー服のスカーフを解こうと緩める衣擦れの音。
そして、彼女の控えめな乳房を通して、頬を押し当てている方の耳に心音が伝わってきていた。ドクドクと激しく拍打つ鼓動が、私の鼓膜を震わせる。
ここまで身を委ねるのも、甘えてるうちに入るのだろうか。
好奇心や性的興奮よりも、無理強いによって緊張させてしまっているとも感じ取れる鼓動を耳にして、疲労と眠気に酔っていた理性が次第に戻り始め、彼女に邪な感情を向けていることへの罪悪感を自覚した。
「えっ、あ──ま、待って……! ニコ、これは違うからっ……!!」
自分から抱き着いておきながら、私の邪な希望に応えようとしてくれていたニコがスカーフを解こうとしていた手を止めて、彼女を引き離した。
その両腕はとても細く感じた。
子どもに邪な感情のまま欲求不満を晴らそうとした。
最低だけど、その事実を彼女の体に触れ、改めて意識させられて後一歩の所でハッとした私は、ニコの目をようやく見た。
「えっ──?」
引き離した彼女の顔は、夕日に当たって赤く染まって見えた。
そして、まるで期待を裏切られたと言わんばかりに、青い瞳をキュッと縮こまって驚いている様子だった。
「あ──ご、ごめん……! これ、生理現象だから……!」
「あはは……そうでしたか……私は、てっきり……」
「本当にそういうつもりじゃないから……」
そういうつもりだった。
下腹部を硬くするのは事故だったけど、本来の使い方が出来る相手がすぐそこにいると本能のまま彼女に身を委ねようとしていたのは、寝ぼけていたとはいえそこまで都合よく考えて動いたのは紛れもなく私の判断だった。
「ごめん……しばらく経てば収まるから……」
手の力が抜け、掴んでいたニコの制服の袖の表面をなぞるようにゆっくりと手を引いていくと、今度は彼女から右手を掴まれた。
「──っ、先生? 私にまた嘘ついていませんか?」
「そんな、嘘なんて……」
「……分かりました。えい──っ!」
「うわぁっ!?」
はしたない膨らみ覆い隠すように、ニコがスカートを広げて私の下腹部に乗る形で跨ってくるのだった。
タイツ越しのニコの柔尻が、その女性らしい体つきを強調するように丸みを帯びた輪郭が、突き立ての餅のようにふにゅっと形を崩して私の下腹部に圧し掛かった。
私が目を覚ますよりも前に、彼女はいつベッドに上がってもいいように靴を脱いでいたようだった。
私が強引に胸元に顔を埋めたのと同じように、今度はニコから手を強引に引かれて彼女の制服の中を弄るように手を入れさせられていた。
「私は最初から、そのつもりでしたよ……こうやって、先生に触れられても──んっ……♡ 触れられてもいいように……準備してましたから……」
制服の中に籠ったニコの温もりに包まれながら、胸部の控えめながらも微かに膨らんだ輪郭に触れた。
制服が捲れ上がったことで、くびれた細く引き締まったお腹と、一本の縦に伸びた臍の窪みがチラリと見え、ニコの体重で圧迫されたはしたない膨らみが、彼女を押し退けようとするようにドクっと跳ね、それは衣服越しに彼女の秘部に向けた必死なアピールのようにも見えた。
手に触れる下着の手触り。胸部の周りにぴったりと密着していて肌触りのいい感触、装飾等も無く、機能性を重視したスポーツブラのような物のように感じられた。
もっと触れたい。
そう考えるよりも先に手が動いていた。彼女の乳房を掴もうと親指をまんべんなく伸ばして、手のひらに手繰り寄せるように動かしていると、成型カップに包まれた瑞々しく柔らかな薄い乳肉がぷるぷると揺れる感触があった。
抑え込んだはずの衝動に再び火が付けられるように、私の胸の内で燻り出していた。
ついさっき、耳を直接当てて聞いていた激しい鼓動が、手のひらを通して伝わってくる。
触れる時間が長くなっていくにつれて、それが彼女から伝わってくると緊張感としての物なのか、ニコの女性的な感触を求めて興奮して落ち着きがなくなっていく自分の鼓動なのか、どちらの物なのか分からなくなっていく。
「ふふっ、いいですよ……もっと触ってください……」
ニコは私の左手首も掴むと、それを自分の頬に触れるように顔を寄せて、目を瞑り右頬で頬擦りして見せた。
下着越しに感じる瑞々しく揺れる魅惑的な感触と違い、しっとりと触れる柔らかな頬。制服の中に手を入れて感じる少し汗ばんだ肌と火照りを感じるものではなく、このまま手を離せば、すぐにでも忘れてしまいそうな、その場限りの微かな温もりを、手のひらに教えてくれているみたいに、ニコは頬擦りを繰り返していた。ニコ自身が緊張している訳ではないと、見せつけるかのように、普段立てている頭部に生えた狐耳を、横に伸ばすように耳を下げて、頬擦りする度に、柔らかくふわふわと揺れていた。
「はぁ、ぁっ……♡ ん、ちゅっ──ぅ……」
そして、うたた寝していたかのような夢見心地よさそうに青い瞳を蕩けさせ、うっとりとした様子で、私の親指の腹を見つめると、そのまま軽くキスをしてくるのだった。
「胸も……この唇も……先生に、捧げるつもりでしたから……」
「……っ」
私を見下ろしていたニコの目線が近づいてくる。
下腹部に跨られているだけであって、身体が起こせない訳ではなかった。
制服から引き抜いた右手が、すぐにニコの体温を忘れるように冷めていく。
引き離すために掴んだニコの女性らしい肉付きながら細い腕を掴むと、彼女の中で感じた温もりをまた欲して求めように、今度は彼女を私の胸に向かって抱き寄せた。
「きゃっ……あ、あはは……すっぽりと収まっちゃいました……」
胸が触れ合うほど密着すると、お互いの鼓動が同じリズムを刻み合わせようとするみたいに高鳴っていき、二人分の鼓動が抱き合っている身体の内からドクドクと鼓膜にまで伝わるほど大きく聞こえていた。
ニコが何か言葉を口にしようと、息を吸う時の背中の僅かな膨らむ感触さえ、余すことなく感じられる距離。
特殊部隊員としての彼女の身体が、今だけは抱き締めるためにあるんじゃないかと思えるほど、理想的な身体つきをしているのだと、下品かもしれないけど、そう感じてしまった。
「先生……」
「……うん?」
私の首に顔を埋めるように抱きしめていたニコが顔を起こし、私の目を見つめながら話そうと、顔を近づけてくる。
一言一言、口にする度にその艶やかな唇を湿らすように漏れるニコの吐息が、私の顎と下唇を擽る。
すぐに触れ合ってしまいそうな距離。
ニコの艶やかな唇が、私の唇を湿らせた。
お互いの唇に薄っすらと纏わせた唾液を吸い付き合わせるよう、チュッと心地いい水音を立てて、室内に落ちるニコと私の顔の影が重なっていた。
「んっ……ぅ……♡」
触れ合う角度を変える度に、ニコがくぐもった声を気持ちよさそうに漏らす。
薄目で彼女の様子をうかがうと、目を瞑って私たちの口が触れ合う感触を堪能しているようだった。そして、その細やか快感を素直に悦んでいるかのように、桜色の狐耳がまるで羽ばたくように時折ふわりと柔らかく揺れているのが、視界の隅に映り込んでいた。
「ん、ぷはっ──もっと、していいんですよ……?」
彼女はそう言うと、自身の後頭部に作っている小さなポニーテールを止めているリボンを解き、頭を軽く左右に振ろ、普段後ろに纏めていた横髪を揺さぶって広げていた。
乱れてもいい、そういう合図。
唇がすぐに触れそうな近い距離。
ベッドの横に置いたままの椅子にそのリボンを置くと、彼女はまた私の首に両腕を回して抱き付き上目遣いで見つめてくるのだった。
「ニコ……?」
すぐ目の前に彼女の瞳があり、青よりも濃く染まった瞳孔を見つめていると、なんだかそこへ向かって落ちていきそうな引力さえ感じた。包容力のある温かな眼差しを向けられ、そのまま引き込まれていくように、自然と顔が彼女に向かって近づけていた。
お互いの鼻と鼻が触れ合うほど距離まで近づくと、ニコが笑みを零し、その僅かな鼻息でさえ唇を擽った。
「先生のシたいように、シてください……♡」
もう一度お互いの唇が重なった。
今度はどちらから近づけたのか分からなかった。
私からしたのかもしれない。
触れ合った唇はすぐに離れて、ニコが蕩けたような薄目で見つめてきているのが見えると、私はそのまま彼女をベッドに押し倒した。
ついさっき、私を軽々と押し倒した彼女を、私の力でも難なく押し倒せてしまった。私の邪な欲求の捌け口として受け入れてくれているのだと、ニコが許してくれればくれるほど私の遠慮がなくなっていく。童心からの甘えと、種を残したがる本能に忠実になっているみたいだった。
ニコがベッドに倒れ込んで舞い上がった空気には、仄かに彼女の甘い香りが混ざっているように感じられた。
ショートボブヘアの丸みを帯びた髪型が、仰向けになって倒れたことで、白いシーツにいくつもの桜色の枝を伸ばすように乱れて広がっていた。
無遠慮な両手が痺れを切らして、ニコの温もりを求めるように制服の中へと潜り込ませると、興奮して熱を帯びた汗ばんでいる肌と、微かに籠った熱気が私の手のひらにじっとりと汗を滲ませた。
「んっ、ぁ……おっぱい、そんなに触りたかったんですね……どうぞ……」
ごそごそと私が制服の中で手を動かす度に、制服の裾を腕が持ち上げたり引っかかったりしているのを見て、ニコが下着を見せるように制服を両手で捲り上げて、その下着姿を見せてくれた。
手触りから分かっていた通り、下に着ていたのは黒色で無地のスポーツブラだった。
控えな大きさであっても、ニコの女性としての身体つきとして隠すべき部分を色付けるように覆っていた。その表面に触れると、セーラー服の中に手を入れさせられた時の温もりがまだ残っていた。
下着の下から指先を潜り込ませ、形を保つように覆っているカップを強引に持ち上げると、胸下に密着するように締め付けゴムが、コリッとした感触の突起に一度引っかかったことで、その瑞々しい魅惑的な膨らみが小さくも弾むようにあらわになった。
丸みを保っている色白で控えめな膨らみは豆乳で出来たプリンか杏仁豆腐のようで、その先端には小粒のさくらんぼのように愛らしくも母性的な突起がぷっくりと実っていた。髪色と同じ桜色のインクを一滴落としたかのように、乳輪まで淡く染まっていた。
ニコとの身長差もあって覆いかぶさったまま咥えづらかった私は彼女の隣に横たわり、捲り上げられた制服とブラジャーの下に潜り込むように顔を近づける。
「先生、息がかかって擽ったいです……まだ出ませんけど、咥えたいんですよね……?」
改めてそう口に出されて聞かれると、自分が恥じらいもかなぐり捨てて何をしようとしているのかを自覚させられて一瞬躊躇ってしまう。
躊躇う私に対して、ニコは左胸を寄せ集めるように胸を押し出すように両手で持って、桜色の先端を私の唇に押し当てるように差し出してくるのだった。
「どうぞ……私のでよければ、召し上がってください♡」
チラと上に視線を向けてみると、ニコの顔がさっきよりも頬を赤く染めていた。
ニコが寄せている乳房の膨らみに指を押し当てるとぷにっと柔らかく沈み、指先の力を抜いているのもあって微かな弾力感に押し返されてしまった。
「ひゃっ……ん……っ♡」
恐る恐る舌を伸ばして、乳首の窪みに舌先を押し当てると、甘い母乳が出ない代わりに、快感を堪えるようにじれったそうにニコが甘い声を吐息混じりに漏らし、身体を捩らせていた。
湿り気を帯びる先端と乳輪。
自分の荒い鼻息がかかる度に、彼女の体が汗ばんでいるのもあってニコの柔肌の匂いが微かに香る。
「んっ──♡」
片手を彼女の背中に回して抱き寄せると、私は彼女の乳首に吸い付き、ニコの体が一瞬強張ったと分かるようにビクッと肩が跳ね上がった。
乳房を向けてくれていたニコの手が、私の下腹部の膨らみへと向かっていき、撫でられると、まるでイタズラがバレたかのようにビクッと私の身体も同様に肩を震わせた。
ニコはもう片方の空いた手で、あやすように頭を撫でてくれていた。
彼女の乳房を赤子のように吸う情けない音を掻き消すように、下腹部からベルトが緩められ、ファスナーを下ろす金属音が耳に入る。自分の本能的な部分、それもすぐそこにある下半身から立てられている音にも関わらず、今はまるで遠くから聞こえるような他人事のようにも思えてしまっていた。
緩んだスラックスの中にニコの細指が差し込まれ、下着に手を掛けられると、ニコの手を払い除けるように本能的で醜い部分が勢いよく飛び出した。
ニコの身体に甘えている間、スラックスの中で圧迫され、焦らされ続け、自身の衣服による摩擦でさえ快感に感じていた愚息は、敏感な部分がうっすらと粘液にまみれていた。
「こんなに張り詰めて痛くないですか……? ──ふふっ、よしよし……大丈夫ですよ、こちらの溜まっている不満も、膿んでしまう前に出しちゃいましょう」
考えるよりも先にコクりと頷いた。
素直な童心は、邪な気持ちにまみれた本能にも素直だった。
ニコの左胸に吸い付いているのもあって、心臓と近いからか、引っ付けている鼻先や時折触れる頬に、早く高鳴る鼓動が伝わってきていた。そんな鼓動を耳にしながら聞こえるニコの声は、まるで子守歌のようにも思えるものとして耳に伝わってきていた。
ニコの色白の細指が、浅黒く太い肉棒を握り締めて、擦り上げると、人の皮膚が立てるとは思えないような粘液にまみれた粘つく水音をヌチッ、ネチッと立てて擦れ、私は腰を引き、上擦った声を漏らした。
「う、ぁ゛……」
「あっ、痛かったですか……?」
「違っ……だ、大丈夫だから……ニコの指が気持ちよくて……あっ、ぁ゛……そ、それ……良い……っ」
触れられるまでは赤子だった反応が、本能的な部分に触れられ情けない姿に戻された。
私の頭を撫でてくれている指と同じ形をした細指が、カリ首から亀頭に乗り上げる刺激に喘いでしまっていた。ぬるっと滑らかに擦り上げる刺激は、自慰行為による自分の指とは違った柔らかくてしなやかなニコの女性としての指に擦られる快感は数回擦り上げられるだけで、直ぐにでも果ててしまいそうなほど、粘ついた物が鈴口の近くまで込み上げる心地がした。
「ここ、亀頭を擦られるのが気持ちいいんですね……はい、分かりますよ? 声我慢されているみたいですけど、先生の息が──んっ……♡ あはは、また出てますよ……」
女性の中を引っ掻き回すように出来た亀頭の返し部分を磨くように、ニコは執拗にそこを親指で責めてくるのだった。
頭を撫でてくれている手のひらも、私が乳房から顔を離さないように押さえてるみたいだった。
一見、私がニコに甘えてしがみついているように見えて、ニコ自身も私に片手ではあるけど、私を抱き寄せて彼女の欲求を晴らしているようにも感じられた。
「息上がってきていますね……もう出そうですか? いいですよ、手で受け止めますから」
ニコが顔を上げ、私の耳の上になるべく近づけて吐息を「はぁ……」とかけてきたので、射精の予備動作のように震わせていた身体をよりビクッと震わせた。
「はぁー……ふふっ、遠慮なくどうぞ……♡ よし、よし……力んでいるおちんちんの中、緩めていっぱい出してください……」
そしてニコがもう一度、トドメと言わんばかりに「ふぅ……」と吐息を吹きかけてきたその時だった。
「んぅ……で、でるっ……うぅ──ッ!!」
──びゅぐッ……! びゅぅっ、びゅるっ……!
「ひゃっ──あはは……♡ 濃くて重たい……あ、零れちゃいそう……」
くぐもった声で喘いだのも束の間、ドロっとした白濁液を粗相をするようにニコの手のひらに漏らした。
果てる瞬間の頭がクラっとくるほどの快楽の波が、思考を真っ白に染め上げ、朦朧とした意識の中、ニコの胸を咥えていた。
「ぷはっ……はぁ……ぁ、に、ニコ……」
頭を撫でてくれていた彼女の手の力が緩み、私は顔を離すと、唾液がねとっとした糸を引き、ニコの左胸だけがぬらぬらとした跡で濡れていた。
唾液の糸から通して透かして見たベッドのシーツと、差し込んだ日差しの反射からか白く見えるそれは、疑似的にニコから母乳が滴った跡のようにも見えた。錯覚だというのに、それでもいつかは出るようになる身体の膨らみなんだと、果てたばかりの余韻でクラクラする思考を巡らせると、胸の内から熱い蒸気がふと沸き立つような情欲が溢れ、生殖本能が冷めさせることなく、精液にまみれて汚れた愚息が、興味を示すかのように膨張した長さを保ったままビクッと跳ねていた。
「沢山出されましたね」
「ごめん、私のせいでニコの手が……」
「あ──今、綺麗にしますから大丈夫です」
「綺麗に……?」
ニコは手酌から精液が零れないように気を付けながら体を起こすと、まるで盃からお屠蘇を飲むかのように、丁寧に手を唇に添えてゆっくりと口の中へと流し込んでいた。
胸を露出するように捲り上げられていたセーラー服が、幕を下ろすようにストンと、乳房に引っかかることなく元通りに体を隠していた。
手に絡み付いてる分の精液を、日頃手料理を作っている際に自分の手に付いた物を舐める時と同じ素振りでペロっと舐めていた。
「んっ……♡ んぐっ……れ、ぇ……っ♡ ん、ふふっ……」
ニコが舐めている最中、まだ口の中に残っているのか、舐め上げながら笑みを零す彼女の舌には、ドロッとした白濁液による生々しい艶めきがあった。
そして、目を細めて私を見つめる彼女は、色白の喉を私の方に向けて見せてくれた。
──ゴクッ……
反らされたニコの喉が鈍い喉音を立てて起伏して、私が吐き出した精液を飲み込んだのだった。
「見てください、あーん……♡ 飲んでしまいましたっ……」
精液が通った後とは思えないような綺麗な口を見せられた。
透明な唾液で潤った舌の表面。
思わず摘んで触れてしまいたくなるほどの嗜虐心を擽られるような、柔らかく血色の良いピンク色の舌。
私は片肘をつきながら身体を起こし、ニコの顎下に手を添えてこちらに顔を向かせた。
「えっ……せ、先生? まだ、キスはされない方が……んぅ──♡ ぇ……れぇ……ん、もうっ……♡」
ニコはそう言いながらも拒む訳ではなく、唇が触れ合うほどの距離にまで顔が近づくと、素直に舌をべぇっと出してくれていた。
舌先が触れ合い、ねっとりと唾液が混ぜ合うように、円を描くようにくるくると舌先を動かした。
お互い言葉を発さず静まり返った室内に、ひそひそと話し合うように唾液を小さく泡立てて練り合わせるような卑猥な水音を立てていた。
──くちゅっ……ねち、ぬち……
そして、ニコの唾液がじわじわと舌を通して私の舌に浸み込むように上っていき──
「ん゛──ぇ゛……っ!」
「んぅっ……ふふっ……」
「けほっ……けほっ……」
「だから言ったじゃないですか……」
眉間に皺を寄せ顰めてしまうほどの苦く、形容し難い味が私の口内の唾液を染め上げて、私は思わず噎せてしまった。
ニコが苦笑しながら、眉を『ハ』の字に下げてこちらの様子を見つめていた。
「ご、ごめん……これ、不味くなかった……?」
「先生のでしたら、私は大丈夫ですよ? 直接飲んでもいいくらいです……」
まだ柔らかくはあるものの、反り返ろうとドクドクと心臓のように小さく脈動している愚息の先端に、ニコの細い人差し指が押し当てられて、優しくトントンと叩くのだった。
「今日みたいに我慢できなくなったら、遠慮なく言ってくださいね♡」
あの日を境に私はデスクに赤いキャラメル箱を忍ばせるようになった。
それは、万が一の事を想定して買ったものだった。
だけど本当は、ニコとの関係を続けた末に起こりうる事への密かな期待してしまっているのも事実だった。節操のない浮かれた思春期のように、浮足立つ気持ちを胸の内に留めるつもりで、私は引き出しにしまい込んでいた。
「──これが先生の、おいなりさん……ぶよぶよしてる……あ、本当に玉みたいな筋が入ってるんだ……」
「ニコ、ま、待って……その触り方……あ、ぁ……ッ」
私が一息つく暇もない様子だと見かねると、ニコは私を宿直室に連れていき、人には言えないような欲求の捌け口に付き合ってくれるようになっていた。
乳児のように乳房に顔を埋めることを許してくれたり、時には彼女が私の胸に口づけするような愛撫をして、愚息を慰めてくれることもあった。
普段は生徒たちと顔を合わせたり、事務作業に追われる私の日々のスケジュールの合間に、人には言えないような発散する予定が挿し込まれるようになっていた。
今日も私はニコに連れられて宿直室で二人きりになると、下半身だけ露出する形で服を脱がされて仰向けになっていた。
睾丸を物珍しそうな目で見て、指先で撫でまわすように触れてくるのだった。ニコは初めて間近で目にする愚息と、ふやけてぶら下っている睾丸に夢中になっているようで、声をかけても興味津々な様子で手でマッサージするように拙い手付きで揉むように触れていた。
その手付きは、まだ力加減が分かっていないようなもので、ふやけた皮の中にある精巣をぐり、ぐりと掴んで転がしていた。
男の体の部位として弱い部分を握られる恐怖心が、私の両脚をビクビクと震わせていた。
もし、彼女が強く握ったり、潰したりしたら、どうなってしまうのか。
今までの人生経験で、ふいに股間をぶつけた時の衝撃と苦痛が、今起きている訳でもないにも関わらず、それに対して身構えようと力んでいるみたいだった。
「すごい、ちょっと萎んで硬くなってきてる……」
「に、ニコ……」
「え──あ……すみません……先生の、すごくかわいい形をされていたので……つい……このおいなりさんも、お口でシていいですか?」
「い、いいけど……もう少し優しく触ってほしいかも……一番敏感な所だから……」
「ありがとうございます……すんっ……はぁ、すんすん……」
今日一日中衣服の中に押し込められて蒸れた睾丸は、牡臭を漂わせているかのように僅かに熱を帯びていた。
ニコはそこのニオイを嗅ぐように勃起した愚息の付け根の下に顔を埋めて鼻を押し当てて、すーっと深呼吸すると、目を蕩けさせたように開き、うっとりとしたようにボーっとした様子でもう一度嗅いでいた。「はぁっ……」と息を吐く度に、彼女の大きな狐耳が羽ばたくようにふわりと柔らかく上下していた。そして、吐き出される吐息が睾丸を擽り、私は条件反射のように爪先をピンと伸ばしてその快感に身体を強張らせてしまっていた。
彼女は気が済むまでニオイを嗅ぎ終えると、「あー……」と小さく声を出しながらと口を開き睾丸に口をじわじわと近づけた。
「あー……むっ……♡」
「あ゛っ──うぐ、ぁ……ッ!」
そして、ついさっき手で確認していた精巣を、袋越しに片方を唇で甘噛みするようにパクっと咥えると、柔軟な皮が引き伸ばされてしまいそうなほど吸い付いてくるのだった。
「ちゅぅ、ぢゅるるッ……ちゅぅぅ……っ」
「ひ、ひぃ゛……ぁ゛……あぁ゛……」
「ちゅぱっ……あーむ……せんせぇ……きもひいいれふは……?」
「き、気持ちいい……気持ちいいけど、そんなに吸われると……はぅ、ぁ゛っ……」
ニコが咥えながら話した後、もう片方の精巣へと咥え直して口に唾液を沢山溜めてから、じゅるじゅると啜りながら問いかけてくるたびに、微かに動くニコの歯や、プルっとした艶のある唇がグニュッと軽く圧迫して、私の射精衝動をすぐに高めさせていた。
脱がされるまで下着の中で汗ばんで湿り気を感じていた睾丸は、すっかりニコの唾液でぐっしょりと濡れそぼり、唾液の生温かさにぐったりとふやけて柔らかくなってしまっていた。
ニコは時折、口に含まず、睾丸の皺を舌先でチロチロとなぞって擽ったり、何度も繰り返しキスをして、マーキングするような愛撫をしていた。
反り返った愚息に隠れて見えづらい彼女の表情を代弁するかのように、頭頂部に生えた長い狐耳がふわ、ふわと柔らかく羽ばたくように上下させていた。
私が乳房を咥えていた時にニコがしてくれてたように、愛撫してくれている彼女にお返ししようと、頭に手を伸ばすと、悦んで動かしていると思われる狐耳に思わず触れてしまった。
「れろっ、れぇ……ちゅ、ん──ひゃっ……♡」
「あっ、ご、ごめん……!」
ふかふかの耳毛が指に擦れ、こちらまで擽ったい感触がした。
「ぷは……せ、先生……耳は敏感ですから、今触られると疎かになってしまいますので……」
「気を付けるよ……こう……これでいい?」
「あ──ふふっ……あーむ……
「ニコ、咥えながら喋るのは……っ」
「ダメですか……? おちんちんの先から、また溢れ出しているので気持ちいいと思っていたんですけど……」
「気持ちいいんだけど……それ以上されると、今度はニコを汚しちゃうかもしれないから……」
「うーん……そうですね、ではこうしましょう……んしょっ……と……」
「あっ……」
勃起してだらだらと粘液を零し続ける愚息の目の前で、汚されてもいいと言わんばかりに、セーラー服を脱いで、スカートだけ身に付けたまま上半身裸になっていた。
スポブラを付けていたのは初めて処理してくれた日のような、その場の流れでシてもらう時くらいだった。ニコが事前に私があまり休めていないことを把握して来る日には、年相応の可愛げのあるデザインのブラジャーを付けてくることが殆どだった。
ブラジャーを外すために屈んだり、カップに乳首が擦れたりして、胸部に僅かな膨らみを見せる乳房がぷるん、ぷるんと、ニコが動く度に、その水まんじゅうのような瑞々しい膨らみが微かに揺れていた。
「あ、さっきよりも大きくなった……私の身体でここまで興奮されているんですね……ありがとうございます……ご期待に添えるよう、精一杯ご奉仕しますね……べ、ぇ……」
「ん、ぁ……! そ、それ……うぐっ──あ、ぁ……っ!」
反り返るほど張り詰めた肉棒の裏筋に、ニコが舌の表面をべったりと張り付けると、纏わり付いた粘液をゆっくりと拭っていくように、顔を上げて舌をカリ首の所まで這わせていた。
ニコの愛撫は、手淫でしてくれていた時には男性器の扱いには慣れていないような拙さがあったにも関わらず、私の反応からどうすれば気持ちよさそうな反応をするのか少しずつ理解していき、舌を使い始めようとした頃には、この短時間ですっかり上達しているようだった。
醜く浅黒い膨らみに隠れてしまっていたニコの顔が、亀頭まで舌をじわじわと滑らせていくと、とろんとした目で熱い視線を向けてくれている彼女と目が合った。
頬を紅潮させながら舌を出し、とろんと溶けた瞳が水色に見えるくらい潤ませていた。こちらの様子を伺うように見つめながら、男の醜い部分に舌を繰り返し這わすその顔が、妙に艶っぽく見えて、心臓が胸の中でドクンと大きく跳ねるのを感じた。
私は生唾を飲み、思わず目線を逸らした。
「べぇ……っ、あら……? 先生……?」
「あ、ううん……き、気にしないで……」
ふいに見せられる艶めかしい表情に一目惚れでもしたかのような、まるで初恋の子と目が合ったような緊張感が胸を苦しくしていた。
そんな思春期のようなピュアで青臭い感情が刺激されたような錯覚と同時に、その感情を代わりに発露するかのように躊躇する気のない大人としての醜い部分にさらに血液が流れ込んでいた。文字通り亀が首を伸ばすかのような動きでムクムクと亀頭がカリ首から首を伸ばすように長く膨張していた。
「わあ……まだ大きくなるんですね……それに、脈も打って……もう出てしまいそうですか?」
「う、うん……もう、出そう……」
彼女は竿が動かないようにギュッと握り、亀頭を包み込むようにぱっくりと咥えこんでしまった。
精液にまみれてベタつきのある敏感な粘膜が、ニコの温かい口の粘膜と一度密着し合うように引っ付きあって、また鈴口から次の射精のために向けた尿道を洗い流すための粘液がドロッと溢れ出した。
まるで大きな飴玉を口いっぱい頬張るようにニコは亀頭だけを咥え、カリ首に唇を引っかけるようにして咥えていた。
「じゃあっ……あーむ……んぅ、ひょっふぁい、れふ……」
「ひっ、ぁ……ま、また咥えながら……っ」
「ふふっ、
ニコはイタズラっぽくそういう愛撫をしているようだった。
亀頭を咥えられニコの舌先がぐいっと、鈴口の中に入ろうとするかのように突き立てられるだけで、意識が一瞬飛びそうになり、瞼の裏で明滅しているかのような刺激が脳を酔わせていた。
ニコは口内に溜めた唾液と我慢汁が混ざり合った粘液を、音を立てながら繰り返し啜り続けていた。
そんな気持ちのいい愛撫をしてくれているニコを褒めるように頭を撫でると、ニコも気持ちよさそうに目を細めていた。
「あ゛……ぁ、ぁっ……き、きもちいい……ごめん、ニコ……も、もう出る……ニコの口に……出そう、出る……っ……」
「えんう……らひへ、ふはふぁぃ……♡」
「はぁ、ぅ゛……ま、また……咥えながら……っ、あぁっ……ニコ、出すよ……」
「じゅるじゅるッ……♡ ふふっ、ろぉほ……♡」
「あ゛ぁ──っ……!」
「ん゛~~~──ぅ……っ♡」
「はぁ、はぁっ……ぁ゛……」
卑猥な飴玉を頬張って行われた愛撫を繰り返され、私はニコの口内を濯ぐことができるくらいドロっとした精液をドプドプと注ぎ込むほどの射精をした。
口から零さないように、ニコは亀頭を頬張ったまま、鼻で繰り返し息をして、口内に溜まった白濁液を分けて飲み込んでいた。
「ふぅ、ふぅ……ん゛っ♡ んく……っ♡ んぅ……」
ニコの口内を満たしていた精液がゆっくりと潮が引いていくかのように、飲み込む度に頬が一瞬キュッと締まり、果てたばかりの敏感な亀頭にピタっと張り付いてはすぐに引き剥がれるのもあって、その刺激で尿道に残った物を絶えずドクドクと注ぎ込んでいた。自慰行為でも出したことのないような長い射精に、眠気にも近い倦怠感で思考に靄がかかるほどぼんやりとした目で天井を眺めてしまっていた。
そして、精液を飲み終えたニコは、今度は精液で汚れた愚息の掃除をしようと、ゆっくりと口を引いて、先端にキスをするように咥えていた。
「ひぃ゛──ッ! ニコ、待って!」
「ちゅぅぅっ……♡ ふふ、お掃除がまだ残っていますので……まだまだ気持ちよくしますからね……」
チュッと粘つく水音を立ててニコは微かに唇を離すと、上唇だけ亀頭に付けたまま、上目遣いでそう言うのだった。一言、一言口にする度に敏感な亀頭に吐息がかかり、ニコの唇から逃れようとするかのように、愚息がビクッと反り返るように跳ね上がる。
「あ……ダメですよ、先生? まだ中が残ってますから……チュッ……ぢゅるるっ……♡」
「待っ──あぁ゛……ッ!!」
粘つく生温かさが尿道を満たし、鈴口からじわじわと滲み出ている。そこにキスしたニコは、頬を窄め尿道の中で溜まり、まるで太い糸のようになった粘液を、勢いよく引き抜くように吸いあげて、疑似的な射精を行わせるような強い快感を与えてくるのだった。
背筋を駆け抜けるようにゾワゾワとまるで寒気を感じたような身震いを起こし、ベッドがギシッと軋む音を立てるくらいに身体を震え上がらせた。まるで陸に打ち上げられた魚のように情けなく身体を跳ねさせてしまった。
普段のニコの優しく柔らかな声が出る喉からの物とは思えないような鈍い喉音を「ごきゅ、ぐきゅっ」と数回に分けて、鼻息を荒立てながら飲み込んでいた。
「ん゛ぅ──ふー……ふー……ん゛っ……ぷは……♡ ごちそうさまでした……」
夢でも見てるかのように思えるほど、視界が白く見えていた。
「先生、綺麗になりましたよ♡」
「はぁ……ぁ……あ、ありが、とう……」
まるで、好きな異性に気が済むまで遺伝子を注ぎ込んだ後、そのまま服上死でもしてもおかしくないようなほどの激しい交尾を終えたかのような満足感が心を満たしていた。
薄目でニコの方へ視線を向けると、彼女は自分の唇に付着したままだった白濁としたリップを人差し指で拭い、指先を咥えて綺麗にしていた。
そういった艶めかしい素振りが、私を魅了していた。