雨で湿ったスラムの腐臭と、澱んだ脂の匂いが、肺の奥にへばりついて離れなかった。
「……ヒバナ。本当にいいのか」
俺の掠れた声に、彼女はきょとんとした表情を浮かべた。
「いいのかって、何がです? アタシは多機能サポート機体ですよ。リュージさんたちの生活費をこのスラムで稼ぐためなら、この機体を使うのが一番手っ取り早いです! それに……アタシの内部炉、ホムラ先輩の余剰排熱だけじゃなくて、生体魔力炉としても優秀なんですから。男たちの精液に含まれる魔力、全部燃料に変えてみせます!」
元気よく腕を突き上げ、ヒバナは元気いっぱいのポーズをとる。
その無邪気さが、今の俺にはたまらなく残酷だった。
心まで傷ついたホムラとヒカリを一日でも休ませてあげたいという俺の頼みを、ヒバナは快く快諾してくれた。
つまり。
……今夜ほかの男に貸し出されるのは、この機械の少女だった。
湿った土埃と腐肉の臭いが立ち込めるスラムの裏路地で、俺は壁の亀裂に背を預けていた。
傾いた粗末な木造小屋の奥、天幕一枚で仕切られた薄暗がりに、三人の男と一体のアンドロイドがいる。間仕切りの隙間から漏れ出る鈍い油灯の光が、泥で汚れた板張りの床を頼りなげに照らしていた。
ヒバナは、俺が指示した通りにそこにいた。白と黒のツートーンに切り揃えられた短い髪をわずかに揺らし、琥珀色の瞳で無表情に男たちを見上げている。白いタンクトップから覗く健康的な腹と、小柄な背丈には不釣り合いなほど豊かな胸。黒いミニスカートの裾から伸びる太ももは、人間の肉と寸分違わぬ滑らかな張りを保っていた。
「おいおい、本当に動く人形なのかよこいつは。肌なんてそこらの売春婦よりよっぽどすべすべしてやがるぞ」
薄汚れた革鎧を羽織った探索者崩れの男が、卑俗な笑みを浮かべながらヒバナの顎を無造作に指先で押し上げた。爪の間に黒い垢を詰まらせた指が、白磁のような頬を撫で回す。
「はい。私は自立型多機能サポート機体、ヒバナです! 人型生体との接触および三大欲求の解消と慰安機能を含む……つまり、人を気持ちよくするのが得意です!」
淀みのない、拍子抜けするほど朗らかな体育会系の声が返る。
男たちが顔を見合わせ、下卑た歓声をあげた。
「おい、聞いたかよ。慰安機能だってよ!」
「旦那、本当に一人銀貨一枚でこいつを好きにしていいんだな? 壊れても文句は言わねえぜ」
薄暗がりの外に立つ俺へと、男の濁った視線が向けられる。
俺の喉の奥に、苦い灰のようなものが張り付いた。体内の生体魔脈は一本残らず焼き切れ、腹の底には冷たい空洞が広がっている。俺自身は男としての機能を完全に失い、この人形の肌一つ満足に味わうことすらできない役立たずだ。それでも今日を生き延びるパンと水を得るためには、道具を他人に貸し出して端金を毟り取るしかない。
「……好きにしろ。頑丈にできている。ただし外装の致命的な破壊だけは避けてもらおうか」
無愛想を装った低い声で告げると、男たちは待ってましたとばかりに下品な喉鳴らしを響かせた。
「ヒバナ、相手をしてやれ。それがお前の仕事だ」
「了解です、リュージさん! 稼働命令を受領、男性慰安プロセスへ移行します!」
ヒバナは微塵のためらいもなく、直立不動の姿勢から器用に両足を揃えて膝を折った。その屈託のなさが、かえって俺の胸を鈍く抉る。
最初に前に出たのは、酒臭い息を吐き散らす巨漢だった。泥にまみれたズボンの前紐を乱暴に引き解き、赤黒く充血した肉塊を露出させる。スラムの男特有の、汗と尿の混じった饐えた臭いが天幕の隙間からこちらまで漂ってきた。
「ほらよ、まずは口からだ。機械仕掛けの口ん中がどんなもんか味見させてもらおうじゃねえか」
男が骨太な手でヒバナの後頭部を鷲掴みにし、荒っぽく己の股間へと引き寄せる。
ヒバナは何の抵抗も見せず、素直に小さな唇を割った。白く小ぶりな歯並びの奥から、湿り気を帯びた桃色の舌が滑り出る。機械の構造物であるはずのその口腔は、生体粘膜と全く見分けがつかない瑞々しさで男の亀頭を迎え入れた。
「……ッ、うお……っ、なんだこれ……めちゃくちゃ温けえぞ……!」
男の喉から掠れた嬌声が漏れる。
ヒバナは大きな胸を男の膝に押し当てながら、器用に舌を絡め始めた。両手で男の太ももをしっかりと支え、首を前後に揺らす。ジュル、クチュ、と粘つく唾液の音が板張りの床に反響した。琥珀色の瞳は瞬きもせず、ただ淡々と、しかし機械ならではの精密さで男の敏感な雁首を舐め削っている。
「あっ、くそ、舌の動きがやべえ……! 裏筋を吸い上げながら、喉の奥で締め付けてきやがる……!」
「おいおい、抜け駆けはずるいぜ。俺たちにも触らせろよ」
残る二人の男がたまらずヒバナの背後に回り込んだ。
一人がヒバナの白いタンクトップの裾を無造作に掴み、一気に鎖骨の上まで捲り上げる。露わになった乳房は、小柄な胴体には余るほどの質量を持っていた。豊かに実った白い果実の先端には、初々しい薄紅色の乳首が上を向いて鎮座している。
「ひゃあ、とんでもねえ乳だ……! 張りがあって、まるで生きている娘の肌そのものじゃねえか」
男は汚れた両手でその双丘を鷲掴みにし、指がめり込むほど強く揉みしだいた。ヒバナの口は先客のモノを咥え込んだままであるため、喉の奥からくぐもった「ん、んぐっ……」という湿った吐息だけが漏れる。
揉まれるたびに、豊かな胸肉が指の隙間からこぼれ落ち、波打つように弾んだ。男が指先で尖った乳頭を摘み、クリクリと捻り回すと、ヒバナの背中が小さく震えた。擬似的な快感伝達回路が刺激を拾い上げているのか、それとも単なる反射行動なのか、彼女の透き通るような白い肌が、わずかに桜色の熱を帯び始めていく。
「後ろもたまんねえぞ、この尻を見ろよ!」
もう一人の痩せた男が、黒いミニスカートを乱暴に捲り上げた。
目の前に現れたのは、肉づきの良い丸みを帯びた尻だった。下着など最初から身につけていない。薄暗がりの中に、陶器のような白い臀部と、その割れ目の奥に隠された秘肉がくっきりと浮かび上がった。
「うへえ、濡れてやがる……。機械のくせに、もうオメコを濡らしてんぞ!」
男の卑しい指が、割れ目の中心へと這い寄る。
濡れた小陰唇を押し広げると、そこにはすでに透明な愛液が溢れ、太ももの内側へと一筋の艶やかな線を描いていた。男の指がぬちりと浅く差し入れられると、ヒバナの腰骨がピクリと跳ねる。
「ん……む、ふ……っ!」
口内を満たす肉棒に邪魔されながらも、ヒバナは鼻から甘い呼気を洩らした。
壁の隙間からその光景を見つめる俺の指先は、冷たく強張っていた。下腹部には何の熱も湧かない。ただ、頭蓋の奥だけが焼けるように熱く、苛立ちと惨めさが胸の裏側を逆撫でする。俺が一度も触れたことのないその柔らかい肉体を、名も知らぬスラムのチンピラどもが土足で踏みにじり、己の欲望のままに弄んでいる。
俺にはそれを見つめることしかできなかった。
「おい、もう我慢できねえ! 口はそこまでだ、奥を使わせろ!」
口を使わせていた巨漢が、堪えきれなくなったようにヒバナの後頭部を引き剥がした。
ボフッ、と湿った音を立てて解放された男の先端からは、ヒバナの唾液と男自身の先走りが混ざり合い、銀色の糸を引いて垂れ落ちる。ヒバナは唇の端を赤く上気させ、顎に垂れた粘液を舌先で器用に拭いながら、乱れた呼吸を整えることもなく言った。
「フェラチオはもうおしまいですか? おまんこへの挿入準備は、すでに完了しています……。み、未使用の封切り、どうぞお願いしますっ!」
「へっ、聞き分けのいい人形だぜ。四つん這いになれ!」
男の怒鳴り声に応じ、ヒバナは自ら両手と両膝を床についた。
突き出された豊満な尻が、薄暗い灯火を浴びて艶めかしく揺れる。太ももの付け根はぐっしょりと蜜に濡れ、小さく口を開けた秘裂が、男の視線を挑発するようにひくひくと蠢いていた。
「後ろからぶち込んでやる!」
巨漢がヒバナの豊かな腰骨を両手で万力のように締め上げ、己の怒張した先端を秘所の入り口に押し当てた。
ぐちゅり、と鈍い水音が響く。
「……あ、っ……! い、痛っ、はじめてのおちんちん……進入、です……っ!」
ヒバナの張りのある声が、初めてわずかに掠れた。
赤い血が一筋、ヒバナの秘部から垂れ落ちた。
男は腰をぐっと押し込み、太い肉塊を一気にその小さな体内へと沈めていく。生体模倣組織で作られた肉壁は極めて緻密で、異物の侵入に対して強烈な弾力で吸い付いた。内壁のひだが男の反り返った雁首を幾重にも締め上げ、ぎっちりと隙間なく密着する。
「ぐ、おおっ……! きっつ……! なんだこの締まりは、吸い付いて離さねえぞ……!」
男が脂汗を浮かべながら唸り声をあげる。
根元まで埋め込まれた瞬間、ヒバナは小さな顎を跳ね上げ、背中を弓なりに反らせた。タンクトップから溢れ出た大きな胸が、激しく上下に揺れる。
「あ、は……っ! おちんちんが一番奥に……っ、お……おまんこ、が……っ!」
「うるせえ、動くぞ!」
巨漢はヒバナの細い腰を掴んだまま、無遠慮に腰を引き、そして打ち付けた。
パンッ、と肉と肉が激突する乾いた音が小屋の中に響き渡る。
続いて、ぐちゅ、ずぶり、ぐちゅり、と粘膜が擦れ合う濃密な水音が支配した。男がピストンを繰り返すたびに、ヒバナの白く豊かな尻肉が波打ち、男の逞しい太ももに激しく叩きつけられる。結合部からは泡立った白い愛液が押し出され、太ももを伝ってボロ板の床へと滴り落ちていく。
「あ、っ! ん、く……っ、あ、あぁ……っ!」
ヒバナの口から、もはや報告ではない、生々しい喘ぎ声が漏れ始めた。
機械仕掛けの頭脳がどれほど冷静に状況を処理しようと、その肉体は人間の最も鋭敏な快感機構を忠実に再現している。
激しく擦り上げられるGスポットの刺激、子宮口を模した最深部を乱暴に小突かれる衝撃が、神経パルスとなって彼女の全身を駆け巡っていた。
「おい、こっちも空いてんだろ! 口を遊ばせてんじゃねえよ!」
横で待たされていたもう一人の男が、ヒバナの前に回り込み、己のものを顔の前に突き出した。
「ん、む……っ! ふ、ぐぅ……っ!」
ヒバナは喘ぎ声を遮られる形で、再び男の太いモノを口腔に受け入れた。
前後を同時に塞がれた彼女の体は、二つの暴力的な肉の塊によって激しく揺さぶられる。前から喉の奥まで突き立てられ、後ろからは子宮を突き破らんばかりの勢いで腰を打ち据えられる。
その光景は、あまりにも残酷で、そして狂おしいほどに扇情的一面を晒していた。
ヒバナの琥珀色の瞳は涙の膜で潤み、焦点が定まらなくなっている。白い首筋には青い血管が微かに浮き上がり、捲り上げられたタンクトップの下で、大きな乳房が無防備に揺れ惑う。
残った三番目の男が、その揺れる胸肉にしゃぶりついた。
「じゅる、ちゅぷっ……! ふう、乳首がコリコリに硬くなってやがるぞ……!」
男は片方の乳首を口に含んで強く吸い上げ、もう片方を乱暴に指で抓り上げた。
前、後、そして胸。
全身の性感帯をスラムの男たちの濁った欲望で蹂躙されながら、ヒバナの腰は無意識のうちに後ろの男の律動に合わせて蠢き始めていた。
機械ゆえの従順さなのか、それとも設計された機能が男を喜ばせるために最適化された動きを選んでいるのか。彼女の締め付けは一段と強まり、内部のひだが男のペニスを絡め取って離さない。
「くそっ、この人形、中がうねってやがる……! 勝手に俺のモノを搾り取りに来てやがるぞ……!」
「ん、ぐ……っ、んんーーッ! ふーっ、ん……っ!」
口内を満たすモノに呻きを封じられながら、ヒバナの指先が床の木肌に深く食い込んだ。短い爪が削り取られそうなほど強く床を掻きむしり、豊満な尻が小刻みに痙攣する。
「おいおい、人形のくせにイキかけてんのかよ!」
「たまんねえな、中に全部出してやる!」
後ろの男が腰の動きを極限まで速めた。
ドスッ、ドスッ、と重たい打撃音が連続し、ヒバナの小柄な体が跳ねる。
「あ、ぐ……っ! ん、んんううーーッ!」
限界に達した巨漢が、獣のような咆哮とともにヒバナの腰を強く引き寄せ、最奥に亀頭を突き刺した。
ビクビクと波打つ男の肉茎から、濃密な白濁液が大量に放たれる。
ヒバナの体内に、他人の男の熱い種が、容赦なく注ぎ込まれていく。
その生体エネルギーの奔流を感知したのか、ヒバナの背中が反り、琥珀色の瞳が白濁しそうになるほど見開かれた。
「ふーっ……! ふーっ……!」
男が荒い息を吐きながらペニスを引き抜くと、ずぶり、という音とともに、広がったヒバナの膣口から溢れんばかりの精液がどっと逆流した。白濁した液体が太ももを真っ白に汚し、床板に水たまりを作る。
だが、男たちの欲望はそれだけでは終わらなかった。
「おい、次は俺だ!」
「俺に口に出させろ!」
口を犯していた男が腰を突き出し、ヒバナの喉奥へと白濁液をぶちまけた。ヒバナは咽びながらも、喉を上下させてそれを嚥下し、口元から溢れ出た飛沫が顎から胸へと伝い落ちる。
そして三人目の男が、まだ精液塗れで緩みきっていないヒバナの秘所へと、自らのペニスを強引に宛てがった。
「まだまだ終わらせねえぞ、人形さんよ!」
ぐちゅり、と前の男の精液を潤滑油にして、新たな肉棒がヒバナの奥深くへと滑り込んでいく。
「あ……っ! な、何本ものぉ……っ、あ、あぁぁんッ!」
ヒバナの甲高い悲鳴のような嬌声が、夜のスラムの闇へと溶けていった。
俺はただ、暗がりの中で拳を握り締め、ヒバナを見つめることしかできなかった。俺の知らない熱が、俺の届かない快楽が、目の前で使い捨ての道具として浪費されていく。
その光景を脳裏に焼き付けながら、俺は冷え切った自身の股間に手をやり、ただ暗い吐息を落とした。
三番目の男が、前の男が注ぎ込んだばかりの濁った白濁液を掻き分けるようにして、己の肉棒をヒバナの狭小な奥へ捩じり込んでいく。
ぐちゅ、じゅぷ、と泡立つ汚らわしい音が、夜気で冷え切った小屋の中に響き渡った。
「あ、ぐ……ッ! ん、あぁぁ……ッ!」
ヒバナの背中がびくりと跳ね上がった。四つん這いに突っ張った細い両腕が、耐えかねたように震えている。
すでに一度限界まで押し広げられた膣内は、先客の粘つく体液と彼女自身の生体潤滑液でぐしょ濡れに満たされていた。そこへ新たにねじ込まれた太い異物は、熱を帯びた内壁を乱暴に擦り上げ、最奥の子宮口模倣組織を容赦なく小突き回す。
「ひゃあ、前の奴のザーメンが溢れてぬるぬるだぜ! 人形のくせに、男の汁を吸って締まりが良くなってんじゃねえか!」
男は卑しい歓声をあげながら、ヒバナの肉づきの良い臀部を平手で叩いた。
バチン、と肌を打つ赤い鬱血痕が、白い尻肉の上に鮮やかに浮かび上がる。叩かれた衝撃で豊かな肉がぶるんと波打ち、結合部から白い泡がぷつぷつと吹きこぼれた。
「ひゃ、ん……っ! た、叩かないでください……っ! おちんちんの、径が……さっきより、太……っ、ふ、あぁあッ!」
ヒバナの報告は、次第に言葉の形を失いかけていた。
感情を交えない無機質な声で処理しようと抗いながらも、喉から零れ出るのは切迫した牝の喘ぎだ。男が骨太な腰を打ち付けるたびに、捲り上げられたタンクトップの裾からこぼれそうな大ぶりの乳房が、前後に激しく揺さぶられる。汗で濡れそぼった二つの頂は、冷たい空気に晒されながら固く尖り、擦れ合う布地すら快感に変えてしまっているようだった。
「おいおい、さっき中に出したばっかりなのによ、もう次の男のモノを喜んで吸い付いてやがるぞ」
最初に中出しを終えた巨漢が、下帯をだらしなく垂らしたまま、ヒバナの脇腹に屈み込んだ。男の太い指が、激しく上下するヒバナの脇腹から肋骨を撫で上げ、激震する乳房の根元を鷲掴みにする。
「ん、むぅ……っ! お、胸……っ、触ら、れて……っ!」
「胸だけじゃねえぞ、こっちの穴も空いてんだろ」
口の中へ大量にするように射精した二番目の男が、床に膝をつき、ヒバナの顔面を強引に引き寄せた。男の指が、精液と涎でべとべとに汚れたヒバナの顎を掴み、まだ開いたままの小さな唇に、生臭い先端を無理やりねじ込む。
「ふぐっ……! んん……っ、じゅる……っ!」
喉の奥深くまで突き刺された肉棒に、ヒバナの琥珀色の瞳が大きく見開かれ、涙がぼろぼろと零れ落ちた。
前後を塞がれ、口内を塞がれ、両の乳房を泥塗れの指先で捏ね繰り回される。
機械仕掛けの肉体は、設計された三大欲求の解消機能と生体模倣システムに従い、与えられるあらゆる刺激を逃さず吸収してしまっていた。男たちの生々しい体熱が、彼女の冷たい内部構造をじわじわと侵食していく。
板張りの床に擦り付けられたヒバナの膝が、激しいピストンに耐えかねてずるずると後退しかける。だが、後ろの男はその逃げ場を許さず、細い腰骨を爪が食い込むほど強く掴んで引き戻した。
「逃げるなよ、人形! ほら、もっと腰を振れ! 客を喜ばせるのがお前の仕事だろ!」
ガツン、と下腹部を叩きつけるような激しい抽送が再開される。
ずちゅ、ぬちゅ、ぐちゅり。
先ほどの男の白濁液と、新たに擦り合わされる肉塊が混ざり合い、もはや水音というよりは泥濘を踏み荒らすような湿った音が室内に充満していた。ヒバナの秘裂は限界まで引き伸ばされ、男の反り返った雁首が引き抜かれるたびに、裏返った桃色の粘膜がズルズルと外へ引きずり出されては、再び奥深くへと押し込まれる。
「んーッ! んぐ、ふ……っ、んんぅーーッ!」
口を塞がれたままのヒバナが、激しく頭を振った。
ツートーンの短い髪が乱れ、汗ばんだ額にへばりつく。彼女の腰が、男の突き出しに合わせてかすかに迎えにいくような動きを見せ始めていた。男の汚れた手袋がその反応を見逃さず、彼女の陰核のあたりを無造作に擦り上げる。
「見ろよ! 口では苦しそうな声出してんのに、下のお口はもっと奥まで欲しがって腰をくねらせてやがる!」
「うひゃひゃ、名器だなこいつは! 道具のくせに、並の女よりよっぽど締まりがいいじゃねえか!」
男たちの下劣な嘲笑が、小屋の薄い板壁を震わせる。
そのすべてが、間仕切りの向こうで息を殺す俺の鼓膜に突き刺さった。
俺の指先は、懐の中で冷え切っていた。
助けに入ることもできず、止めさせることもできない。男たちの荒い息遣いと、ヒバナが漏らす咽び泣くような湿った喘ぎ声を聞きながら、俺はただ立ち尽くしていた。もし俺が男としての機能を保っていたなら、あるいは俺の魔脈が焼け焦げていなければ、この娘をこんな掃き溜めで見知らぬチンピラどもに差し出すことなどなかったはずだ。
俺が抱くことの叶わない体を、名前も知らぬ屑どもが飽くまで貪り尽くしている。
その事実が、胸の奥底に鉛のような重みと、泥水のような暗い劣等感を沈殿させていく。
「おい、行くぞ……! 俺の全部、吸い取れッ!」
後ろの男が獣のように腰を早めた。
パンパンパンパン、と連続して肉が弾ける乾いた音が響き、ヒバナの身体がガクガクと小刻みに跳ね上がる。
「んぐぅーーッ! ん、んんーーッ!」
最後の一撃が、ヒバナの最も深い場所へと打ち込まれた。
男が身震いとともに腰を押し付け、ヒバナの腹の奥へと熱い精液を叩きつける。どく、どくと男の腰が脈打つたびに、ヒバナの背中が痙攣したように弓なりに反り、爪が木床を激しく引っ掻いた。
同時に、口を塞いでいた男も限界を迎えたらしく、彼女の喉奥めがけて濁った飛沫を勢いよくぶちまけた。
「ごふっ……! けほっ、んぐ……っ!」
喉を直接焼かれるような感覚にヒバナが咽び、口端から溢れ出した白い液が、顎を伝って豊かな胸の谷間へと一筋の濁流となって垂れていく。
男たちが次々と腰を引くと、ヒバナの身体は糸の切れた人形のように、泥の混じった床板の上へ力なく崩れ落ちた。
二つの肉棒が引き抜かれた後の光景は、目を背けたくなるほど無残で、そして悍ましいほどに肉感的だった。
乱暴に押し広げられたヒバナの秘所からは、二人分の混ざり合った白濁液が、抑えきれずにどろりと溢れ出していた。太ももの内側から膝の裏まで、男たちの放った精液と愛液が混ざり合い、ぬらぬらとした艶を帯びてべっとりと塗りたくられている。
捲り上がったタンクトップの下、汗に塗れた豊かな乳房は激しく上下し、その谷間にも男たちの放った白い飛沫が乾きかけの膜を作っていた。
「ふーっ……! ふーっ……! は、あ……っ」
ヒバナは床に頬を押し付けたまま、浅く短い呼吸を繰り返していた。
琥珀色の瞳は焦点が定まらず、うっすらと涙を湛えて虚空を見つめている。だが、その肌は男たちから注ぎ込まれた生体エネルギーを吸い上げたためか、まるで生きている人間のように微かな湯気を立ち上らせ、桃色に上気していた。
「へっ、上等な玩具だったぜ」
「おい旦那、銀貨一枚分、きっちり楽しませてもらったぜ。また溜まったら使わせてくれや」
男たちは下卑た笑いを残し、適当にズボンの前を合わせると、それぞれが床に銀貨を一枚放り投げて小屋の出口へと消えていった。
奴らに銀貨以上の蓄えがなく、俺には今日と明日を生きるための金が必要だった。
重い足音が遠ざかり、スラムの淀んだ静寂が戻ってくる。
俺はゆっくりと間仕切りの天幕をくぐり、泥の床に落ちた冷たい銀貨を拾い上げた。
わずかな重み。これが、ヒバナが男三人に全身を犯されて得た、俺たちの明日の命の値段だ。
「……ヒバナ」
低く呼びかけると、床に倒れ伏していた身体がピクリと反応した。
彼女はぐらりと頭を持ち上げ、白濁液に汚れた顔をこちらへ向けた。口元を拭うこともせず、焦点の合いきらない琥珀色の瞳で俺を見上げ、それでもいつものように胸を張ろうとして、途中で力が抜けたように肩を揺らす。
「りゅ、リュージ……さん……っ」
「動くな。無理に起き上がる必要はない」
「い、いえ……っ! 任務、完了……しました……っ! 生体魔力、および……体液の、吸収……炉の稼働率、問題……ありません……っ!」
強がりながらも、ヒバナの声はかすれ、掠れた息が漏れる。
俺は膝をつき、腰に下げていたボロ布を取り出した。
男たちの生臭い臭いが鼻をつく。ヒバナの太ももにべったりとこびりついた白濁の塊を、布で慎重に拭い取る。布がすぐにぬめるほど、彼女の体内には大量の他人の精液が注ぎ込まれていた。拭っても拭っても、秘裂の隙間から新たな白い液がぷつりと零れ落ちてくる。
「……すまなかった。頼まなけりゃあ、良かった」
自然と、そんな言葉が口から零れ落ちていた。
なら、ホムラとヒカリをさらに傷付けるというのか。
使いこなせない道具の管理人気取りで、自分では何もできないくせに、彼女たちに泥を啜らせて生きている。その醜悪な自己嫌悪が、胸の奥で黒く渦巻いていた。
だが、ヒバナは白濁液で汚れた小さな手で、俺の泥に汚れた手首をそっと握り返してきた。
その手のひらは、男たちの体温を吸い込んで、驚くほど熱かった。
「謝らないで、ください……」
ヒバナは俺の手に、自らの小さな手を重ねた。
その瞳には、恨みも軽蔑もなかった。ただ、自らの機能を果たし、役に立てたことへの純粋な誇りと、主に対する敬愛だけが揺らめいていた。
「アタシは……道具ですから。リュージさんが使えないなら……他人に使わせて、リュージさんが生き残るための燃料にすればいいんです。……でもね、リュージさん古代機械は、主人の言うことなら、本当に何でも聞くわけじゃないんですよ……」
ヒバナは俺の手を、自らの膨らんだ胸へと導いた。
ドクン、ドクンと、人間の心臓と全く同じリズムで、熱魔変換炉が脈打っている。
「ホムラ先輩にすら恥ずかしくて秘密ですけど……。アタシは、あなたの波長をスキャンしたから再起動したんです。アタシを動かす一番大切な命令は……リュージさんの声じゃなきゃ、ダメなんです。……だから、これからも……アタシを、いっぱい使ってくださいね……?」
熱い吐息とともに紡がれたその言葉が、俺の死んだ下腹部ではなく、魂の奥底を激しく抉り取った。
俺は何も言えず、ただ男たちの残滓で汚れた彼女の体を、無言で拭い続けた。
同じ世界観でのTSモノの設定の草案を見直し中です。 参考までにどれが好みか教えてください。
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