ラビット族のムキムキマッチョのふたなり女王を討伐セヨ 作:江戸枕
淫魔と呼ばれる種族がいる。
男の淫魔はインキュバス、女の淫魔はサキュバスと呼ばれており、長らく男女間での対立があったが、インサキュ大戦と呼ばれる戦いを経て和解。
淫魔の王アレクが善政を敷き、淫魔一族には長い平和が訪れていた。
※
淫魔城の地下深く。
地下牢に通じる階段を緊張した面持ちでサキュバスのユーリは進んでいた。
彼女がもつ盆には今日の食事と、『手紙』が添えられていた。
今から彼女が向かうのは地下牢獄の中でも最下層に位置する別名煉獄。
この世とあの世の狭間。重罪人を捉えておく牢屋である。
そこには善王アレクの息子、狂王『アイオス』が捉えられていた。
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アイオスは父であるアレクと似て聡明であった。
誰もが淫魔の国の次期王はアイオスであると疑わなかった。
しかし、アイオスの素顔を国民が知った時、国に戦慄が走った。
アイオスはある日、クーデターを起こす。
自らの持つ催淫術『テンプテーション』を発動し、国中のサキュバスを我が物にしようとしたのだ。
彼のとんでもない精力は国中を覆い、多くのサキュバスが彼の虜となり大混乱を招いた。
性のスペシャリストである王直属サキュバス兵団までもが生娘のようにイキ狂わされ続けた。
クーデターは王アレク率いる軍がアイオスを打ちのめし鎮圧し、アイオスは地下牢深くに捉えられることとなった。
王アレクは言った。
決してアイオスを外に出してはならない。
老いた私では一対一ではもう奴には叶わない。
アイオスこそが最強のインキュバスだ。
ヤツが再び解き放たれれば世界に悲劇が起こる。
※
ユーリが牢の前にたどり着く。
牢屋の鉄格子の奥には1人の男がベッドのふちに座っていた。
デカい、2メートルはある。更に筋骨も発達している。目つきは鋭く、無精髭と伸びっぱなしの髪が野生味は野生の獣を思わせる。
これが…アイオス王子…
ユーリは唾を飲んだ。
大丈夫、特殊な魔法術で彼の力は抑えられているはず…
「こちらに食事と…あとこちらは王からの手紙です」
そう言って盆を鉄格子の端にある受取口に入れる。
アイオスは気だるそうに立つと、のそのそと盆を受け取った。
そして食事ではなく、手紙を手に取り読む。
読み進めるにつれ、アイオスの口角がにんやりと上がっていく。
ゴゴゴゴゴッッッ!!!!
アイオスの周りに妖気が漂い出す。
ユーリは呆気に取られ動くこともできない。
そんな!!!彼の力は押さえられているはず…
抑えてこの『色気』なの!!!???
「親父も面白いことを考えやがる!!!なるほど…受けて立つぜ!!!ラビット族の女王とやらのところに行ってやる!!!」
アイオスが叫ぶと同時に自らの気を思いっきり解き放つ。
その瞬間、ユーリは絶頂し気を失った。