ラビット族のムキムキマッチョのふたなり女王を討伐セヨ 作:江戸枕
馬車が街道を走り、ラビット族の首都マフマフへと向かっていた。
馬車の中には棺があった。
死人は入っていない。
その代わり、異様な姿をした男が詰められている。
目隠し、両手足には手錠、更には猿轡もはめられている。どれもアイオスの性魔法を抑制する魔法器具であった。
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ラビット族から女王リリとの対決に関する『招待状』が届いた時、王アレクは悩んだ。
性を司る淫魔一族として、この対決を断るのは一族の恥。しかし、女王リリと対等に戦える男はアイオスのみ…
アレクは歯痒かった。もう少し若ければ…
自分の老いを憎んだが、賢王はすぐさま決断を下す。
アイオスを向かわせる。もしもリリに勝った場合、恩赦として地下牢から解放する。
しかし、負けた場合はその処遇の全てをラビット族に一任する。
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アイオスは棺の中で笑いが止まらなかった。
なるほど、どちらにしろ地下牢からは出れると言うわけだ。俺が断ることはない。しかし、あの親父がビビるとは…ラビット族の女王とはそんなにヤバいのか…?
この目で見てみたいもんだ…
※
馬車はマフマフのコロシアムまで突き進む。
棺の傾きと、人々の歓声を感じるとアイオスは血が湧くのを感じた。
棺が開けられ、強い日差しが中に差し込む。
従者として馬車に乗っていたサキュバスの1人がアイオスの目隠しをとろうとする、しかし、アイオスはまるで目が見えているかのように、彼女の手を掴むと、押し戻した。
手錠がいつのまにか外れている。足の鎖も…
サキュバスは戦慄し、半歩以上後退り、剣を抜こうとした。
「なんもしねえよ…臆病者どもめ…こんな拘束いつでも抜けれたんだ。親父のメンツの為にちと我慢してやったわけだ…感謝しろよな」
アイオスは大きく伸びをして辺りを見回した。
コロシアムの中央にはベッドがあるのみ。
観客たちは大歓声でアイオスを迎え入れている。
すぅーっと息を深く吸うと、アイオスは思いっきりハッッッ!!!と大声を上げた。
ビリビリと空気が振動するような凄まじい声だった。
「我が名は、淫魔族の王子アイオス!!!女王リリ!!!!ぶちのめしてやるから早く出てこい!!!」
あまりの迫力に観客は押し黙る。
静寂を破るように、拡声器でアナウンスされる。
『さぁ!!!今日我らが最強の女王に挑むのは、淫魔一族最強の王子。曰く、最恐最凶とも言われている、悪魔王子アイオス様だ!!!
前回のオーク一の英雄ヒユウ様が街ひとつを相手にしていたのならば、この人は国中の女を相手にしていた!!!さぁ、流石のリリ様も万事休すか!?』
「なははははっっっ!!!」
アイオスに負けるとも劣らない笑い声がコロシアムに響く。
見れば、アイオスの対角線から女が歩いてきた。
ゴツイくてデカくて…そしてとんでもない色気の女だった。
2人はコロシアムの中央で並ぶ。
身長も体格もほぼ同じ…果たして精力はどちらが上なのか!?