エロリハビリの為に色々書き散らかす所 作:流離亭翡翠庵
このお話は江戸時代の吉原遊郭をモデルにしたフィクションです。
言葉使いは当世風となっておりますので、雰囲気でお楽しみ下さい。
【廓(くるわ)言葉覚書】
禿(かむろ) 遊女見習いの15歳程度までの少女
新造(しんぞう) 禿を卒業した若い遊女。下級遊女。
花魁(おいらん) 上級遊女。
廻し方 二階廻し、男性スタッフで客と遊女のつなぎなど世話をするマネージャー職
遣手(やりて) 遊女の世話役兼監視役、年老いたまま廓に残った遊女がつく
廻し 一晩で女郎に複数の客をとらせる行為
突き出し 禿を卒業して新造になるお披露目のこと
水揚げ 初体験のこと。未通あげが訛ったとも言われる
この見世は廻しをやるのか。
ハズレを引いたな、と思いながら廓で出される、さして美味くもない酒を呑む。
久方ぶりの江土入府。
熱い銭湯で旅の垢を落とし、博打で作った泡銭を懐に、物見高く芳原に繰り出す。
とうとう太夫が居なくなった聞いてがっかりしつつも今夜の相手を探すことにした。
当然大見世や中見世は敷居が高い、手頃な小見世を見繕い登楼したはいいが。
周囲から、男女の交わりの音が漏れてき始めて一刻ばり、一向に見初めたはずの女郎は顔すら出さない。
廻しを食らったのは何年ぶりだろうか?売れっ子の女郎や、阿漕な商売をしている見世では、ままあることだ。
しかし回ってくればいいが、女郎がやってこないこともあるのだ。
ふられる。という奴である。
お世辞にも褒められた行為ではないが、それで怒るのを「野暮」と言って痩せ我慢するのが江土っ子の「粋」。らしい…
売れ残りでもいいから、代わりを当て上がってくれないものか、というのが男の素直な心情であった。
一見の客が後回しになるのは致し方ない、が花魁を指名したわけでもないのにこの扱いはいささか…
次はこの見世には来ないぞ、そう決め杯を干す。
艶めいた声に混じって男の怒声と何が割れる音が聞こえた。
どうやらお仲間の堪忍袋の緒が切れたようだ。
気持ちは分からんでもないが……
「ぬしさん、お酒を」
女郎ではなく一寸前にやってきた少女、禿が震える声で話しかけて酌をしようとする。
可哀想にすっかり怯えている。
以前にも同じようなことがあって男に怒られたか。
或いは、ちょっかいでもかけられたのか。
突き出し前の禿に手を出そうものなら、男衆に袋叩きにされて、最悪お歯黒溝に浮かぶことなる。
とはいえ、禿の身体をまさぐったり、苛つく一物を手や口で鎮めさせるくらいは、こういう見世だ、見て見ぬふりをするだろう。
この禿の縮こまった様子はどうもそういう目にあった気配がする。
いや
あるいはそう振る舞うことで、男の同情を買いやり過ごそうとしているのか。
幼くとも苦界の女なのだ、そんな匂いを男は少女から感じ取った。
どちらにせよ、哀れな話である。そう思いながら、女を買いにここに来ている己が何を言うかーーああ、まったく不味い酒だな。
「ぬしさん?」
お食べ、と懐から金平糖の入った巾着を少女に手渡す。
「そこの」
障子戸を開けて、そこで控えていた廻し方の若いのに声をかける。
「なにか腹にたまるものと、もう少し上等な酒を頼む」
そう言い、多めに駄賃を渡す。
「あの、旦那すいやせん」
「構わん」
どうやら男が遊び慣れていると分かり廻し方は黙って頷くと下がっていった。
「おのし、名前は?」
「おうめといいます…あっ」
「ああ、無理にありんす、などと言わんで良いよ」
芳原の独特な言い回しは、売られた女の素性をわからなくするためのものだという。
折角大枚を叩いて見初めた花魁が、田舎の百姓の娘。では夢が無い。
男どもの夢、いや業の深さ。あるいは人の醜さ。
どうにも気に入らない。
「あい」
「うめ、梅の花か、可愛らしい、おのしに似合いだな」
「うめは桜の方が好きです」
「はは、さようか。わしは桜好かん、直ぐに散ってしまうからな」
「はぁ…」
江戸っ子は桜を好む、ぱっと咲いてはぱっと散る、その儚さ、潔さを良しとする。
男はその潔さも儚さも、生き急ぐ人のようで嫌いだった。
「ぬしさまは、梅は好きでありいすか?」
「そうだな、冬に咲く花は好きだ、それに匂いが良い」
「あい」
何やら顔赤くしてうめは男から貰った金平糖を頬張る。
そうこうしているうちに食事と酒運ばれてきた。
「旦那、その」
「来ないのだろう」
構わん構わん。男そう言う。駄賃に渡した以上の馳走…と言っても廓で出てくる料理はたかが知れているが…と大分飲める味になった酒で察した。
「かたじけねぇ、旦那。次はあっしにこの勝蔵にまず声をかけてくだせぇ」
「ああ、頼むよ」
どうやら上客と判断されたらしい。
妙に義理堅い男だな。など思っていると、並べられた馳走におうめが釘付けになっていた。
「おい、おうめ」
「あいっ!」
「旦那のお相手、頼んだぞ」
「あい……」
無邪気な食い気に染まっていた、花の笑顔みるみる萎れていく。
全く我ながら度し難い。
「食ってよいぞ」
「ほんと!」
目を輝かせ、次の瞬間ポン顔を赤くしたうめは小鳥の
囀るような声で、よいのでありいすか、と言い直したが、遠慮するな。と返すと、最初は恐る恐る、そのうちパクパクと食べ始める。
飢えることはなかろうが、廓の食糧事情は貧しい、育ち盛りの禿はいつでも腹を空かしているもので、うめもご多分に漏れずそのようだった。
喜色満面で蒲鉾を頬張るうめの笑顔を肴に男は杯を重ねた。
「ぬしさまは、なんでうめに良くしてくれるのでありいすか?」
すっかり平らげてから、はたと我に返ったのか、もじもじしながらうめが問うてくる。
「後の花魁を餌付けしておこうという魂胆かもしれぬぞ」
「……」
軽い冗談つもりだったが、男は後悔した。
無邪気な光たたえていたうめの瞳が、すっと少女から大人になち。
分かって入るのだろう、苦界というものが。
「まぁそういう男もいるのでな、気をつけることだ」
「あい…」
ごまかすように、ポンポンと頭を叩いてやると、若干不服そうながらうめは納得したようだった。
腹いっぱい食べたせいか、梅の目つきがトロンとし始めたている、眠いのだろう。
「寝るか」
「……」
「どうした?」
うめは帯を解き、打ち掛けを脱ぎすてると、寝間着姿になる、緋色の湯文字は遊女の証だ……幼い顔立ちに似合わぬ、丸み帯びた肢体(からだ)。
女の匂いがした。
またか。いかん、厄介なことなったぞ。
「ぬしさまも脱いでくなんし」
「何を言っておるのだ」
「あねさまの代わりに今宵はうめがお相手しなんす」
天井を仰ぐ。ああやらかした。
優しくしすぎたな…
年上の世慣れた男に優しくされ。
そして童のようにあしらわれたのが、幼くとも芳原の女子心に火を着けてしまったか
そういえば、パクパクと食べる合間に何杯か酒も飲んでいた。
酔っ払っているのだろう。
とはいえ男としては困ることだった。
子供を抱く趣味はないし、面倒はごめんだ。
「よしよし、どうやら半分夢の中のようだな」
うまく宥めて寝かしつけるか、そう決める。
「……お脱がし、しなんす」
据わった目でうめが男の服に手を伸ばしてくる。
これこれ、と乱暴にならないように腕を掴み、諌めるが聞く様子はない。
やれ、まいったな。そう男が思った所で、障子戸が開いた。
騒ぎを察した廻し方か。と見やるが、そこに座っていたのは遣手らしい老女だ。
「おお、丁度よい、おうめが酔うてしまったようでな」
「酔うてなどおりんせん」
「ほほ、さようでござんすか」
「さようて、おのし何を」
「今宵、山瀬はこちらには参れませんので、どうぞ、そのままおうめに相手させてくなんし」
呑気なと続けようとした男の言葉遮るように、遣手が言い放つ。
山瀬というのは今日買ったはずの女郎の名前だろうか。
問題はそこではない。
「おのし、何を言うておるのだ?」
まだ禿のうめに相手をさせろ、など。
むちゃくちゃだ、突き出しや水揚げは廓にも遊女にとっても大事な儀式だ、金もかかる。
「ほほ、ぬしさんなら上手くやりなんしょ。どうぞ
おしげりなんし」
そう言い捨てて遣手は去っていった。
「なんなんじゃ、この見世は……」
男は呆然としてぼやく。
「まったく」
やけくそ気味に酒をあおり、覚悟を決めた。
♡
「ばあさん、大丈夫なのか?」
「あの、ぬしさんなら大丈夫さ」
「……なんで言い切れんだ」
「あたしが禿だった頃ね、あたしのあねさまが入れ込んでた。間夫にそっくりだからさ」
「はぁ?」
「あたしにも優しくしてくれたもんさ、色々とね」
とうとう婆さんボケたか?と廻し方は顔をしかめたが、遣手はまるで少女時代に戻ったように、ふっと遠い目をして笑った。
「廓にゃ、そういうモンがたまに紛れ込んでくるのさ」
♡
「ぬしさま、うめではだめですか?」
「……まぁ据え膳食わぬはなんとやら、というしな」
開き直った男は、おいでとうめを呼ぶ。
あらたまって男が受け入れてくれると、うめは急に恥ずかしそうにもじもじし始めた。
これはなかなか傾城の素質があるな、と男は感心する。
「夜は冷える、ほれおいで」
男が布団をかぶるとおずおずとうめが這い寄ってきて、布団の中に入る。
「ぬくたいの、うめは」
体温の高い禿を抱くと、実に心地よい。そのままちゅっと唇をついばむ。
うめの顔に酒とは別の朱色に染まる。
初心な反応だ、まだ手ほどきもろくにしてないないのか、それともふりか。
まぁどちらでもよいか、とうめの身体を後ろから抱きつくように密着させ、湯文字の裾から手を差し込む。
「やっ」
幼気な顔に反して、うめの胸はまろみを帯び豊かであった。
ふにふにと羽二重を弄ぶと、ぴくんぴくんと小刻みにうめの身体が震える。
「ぬしさま、はずかしい、はずかしいでありいすよ……あっ!」
山頂の可愛らしい蕾に男の指がかかると、小さな喘ぎと共にひときわ大きくうめの身体が跳ねた。
「気持ち良かったか?」
ふるふるとうめが首をふる。
小さな遊女の必死の矜持を踏みにじるように、男の両手がうめの乳房を責め始めた。
まだ青さの残る果実を傷めぬよう慎重に、絶妙な具合で撫で、捏ね、揉む。
その度にうめが「あっ」「やっ」と可愛らしい喘ぎもらす。
最初は必死に耐えていたが執拗な男の手技に屈し、ひんひんと甘い声をあげ始めた。
「ぬしさま、ぬしさまぁ……いじわる、いじわる、やだぁ……」
「まったく、この程度で鳴いていては遊女は務まらんぞ」
そう言い、男の指が胸から下腹部を這い、秘所へと至る。
うめがきつく股を閉じて男の指を拒む。
「なんじゃ、今宵はうめが相手をしてくれるのだろう?」
半泣きでふるふるとうめが首をふる。だが今更やめるつもりもない。
ぴたりと閉じた貝の合わせ目を男の指が優しくなぞる。
くちゅ、と乳房への愛撫で湿り気を帯び始めていた秘裂が小さな音をたてた。
乳首をこりこりといじりながら、天岩戸を愛撫し、男の唇がうめの耳をぺろりと舐める。
熟練の遊女ならいざしらず、おぼこ娘の初夜に男の愛撫が刺激が強すぎた。
きつく口を結びながら、うめが強く身体を強張らせると、軽めの絶頂が襲ってくる。
一旦愛撫を止めてそっとうめを抱きし、その絶頂を受け止めやる男。
涙とよだれをこぼし、ようやく絶頂をやりすごしたうめが呼吸を再開すると、甘い吐息が男の鼻腔をくすぐった。
「ぬしさまぁ、うめ、うめ、気をやってしまいましたぁ、ごめんなさぁい」
「よいよい、うめがきもちよくなってくれて、わしも嬉しいよ」
よしよしと慰めてやるとうめがきゅっと抱きついてくる。
「やめておくか?」
「……それはいやでありいす」
「さようか、ではまぁ仕方ないな」
「ぬしさま?んっ…んん……ちゅっ…ああっぬしさまぁ」
男がうめの唇を奪うと舌が歯列を割って少女の口内を犯す、とろとろと、唾液のようなな何かがうめの口内に注ぎ込まれる。
こくこくと、まるで天井の甘露のように甘いそれをうめは飲み下す。
「ぬしさぁ……からだが、からだがあついです……おなか、おまたがじんじんする」
男は優しい笑みを浮かべて、もう一度うめの唇を奪う。
もっと、もっと飲みたい、男の口内から注がれる何を求めるように、うめは二度目の接吻に溺れる。
淫らな水音だけが耳朶をうち、何も考えられなくなっていく。
男がそっとうめの脚を割ると、もはやうめは抵抗しないかった、その力もなかった。
鎌首をもたげた男の肉蛇が秘蜜に濡れる女陰にあてがわれる。
「ぬしさ…まぁ……あつい、ぬしさまのまら、あついよぉ」
うずく二枚貝を鎮めて欲しいとうめが腰をくねらせ挿入をねだる。
「痛いよりはいいかと思うたが、すまぬな」
「?」
つぷり、と蜜口が割られれ剛直がゆっくりと蜜壺へと沈んでいく。
「あーっ、あつい、あついのはいってきたぁ、ぬしさまぁ、ぬしさまぁ」
しっかりと脚を広げさせ、男は一気に腰を進めた、ぶつり、と何かが切れ、まだ固い肉を押し広げて奥へと至る。
「ひうっ……いたいっ」
「よしよし、よく頑張ったな」
どれだけ蕩けようと、破瓜の痛みはうめに小さな悲鳴をあげさせた。
ぎちぎちと締め付け来る肉壺は痛いばかりでさして気持ちよくもない、男は動かぬように注意しがら、うめを抱きしてあやしてやる。
「ぬしさぁ……いたい、おまた、びりびりします、いたいよぉ」
「初めてとはそういうものだ、一度抜くか?」
「やだぁ……おまた、いたいけど、じんじんしないの、ぬいちゃやだぁ」
「やれやれ」
男は少しずつだがこしを揺らして刺激を与えてやる。
痛みと快楽が交互にうめを襲う、ぱちっぱちっと強い刺激が意識を襲い、理性を白濁させていく。
やがて媚肉の硬さがとれ、とろとろと分泌された秘蜜が結合部から垂れはじめる。
頃合い、と見て、男が肉棒をゆっくり引いて、ゆっくり入れるを繰り返しはじめる。
「あんっ!やぁっ!すごいっ!ぬしさまっ!のまら!きもちいいの!おかひくなっちゃうの!」
徐々に速さを増す腰の動きに合わせてうめが鳴く。
愛らしい鳴き声に男も満足したのか、かわいいなうめは、と耳をよせて囁くと、よけいにうめの興奮がつのる。
「らめっ、うめ、また、また、あぁっ!」
二度目の、そして初体験の絶頂がうめを襲う。おおきく背中を弓のようにしならせ、びくん!びくん!と絶頂の痙攣を受け流すが、到底流しきれず、うめは意識を手放した。
♡
翌朝
うめが目を覚ますと既に男は居なかった。
夢のような一夜だった。
いや夢だったのかもしれない。
確かに交わった記憶はあるが、身体にはその感覚が残っていない。
「ああ、うめ、ゆうべはかんにんね」
「あねさま、おからだは大丈夫ですか?」
「……なんだいうめ、あんたまさか昨日のぬしさんに」
姉女郎何か言おうとするが、うめはすました顔でなんにもありんせん。
と楽しげに笑って言ったのだった……