ぬちゃっ、ぬちゃっ、ぐぽっ、ぐちゃっ……
無人の寂れた駅で粘液が絡まる音が響く。
絶え間なく響くその音は、駅の休憩所から発せられていた。
休憩所で絡み合う二人の男女。
少女を男が壁に押し付けて荒々しいセックスが行われていた。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ
「ハァ、ハァ……りせ、もう……出そうだ」
「いいよ。好きにして……おじさん♡」
りせと呼ばれた少女の許しを得た男は腰の速度をヒートアップさせていく。
そして、少女が一際大きな嬌声を上げたところで男は肉棒を根元まで押し込み、震えた。
膣奥に射精を果たした男はぐったりと床に横たわる。
男を労わるように身体を寄せる少女に、男は頭を撫でながら、冷静になった頭でふと思い返す。
男が少女とこのような関係となったことを、そしてこれまでのことを……。
「よしっ、ハム子完凸! 武器凸もしたし、これで最強PT組めるな」
俺は嬉しさのあまり飛び上がる。
「ペルソナ5X」というペルソナのソシャゲで限定ガチャ且つ現時点最強キャラを上限まで強化したのだ。
俺の名前は茂部成雄(もぶ なりお)。年齢は33。失業し、無職となったことで日夜ゲームに明けこむ日々を送っている。
誇れることは、いい大学を出て大手企業に就職したことだろうか。もっとも、今では無職生活2年目のダメ人間となってしまったが。
ペルソナシリーズは16歳の時に3のポータブルを遊んだことで嵌った。そこから4もやり込んだが、受験によってゲームからは暫く離れていた。
しかし、失業したことで5シリーズを狂ったように遊び、今ではすっかりと重度のペルソナフリークだ。
部屋を見渡せば、ペルソナシリーズのキャラのフィギュアやグッズが並んでいる。その多くが、煽情的な服装と表情をした女性キャラばかりなのは男の性(さが)かもしれない。
「イベント周回も終えたし、ゆっくりするか……」
「ペルソナ4Rは2月か。早く発売しないかな……うん?」
スマホを片手に持ち、攻略サイトや公式サイトを見ながらベッドに横になっていた俺は、ふと画面に違和感を覚えた。
画面に大きな目とそれを囲う蛇のマークが描かれたアプリがホームに追加されている。
「これってイセカイナビ!? いや、デザインからするとヰセカイナビ……か?」
「どっちにしろ何でこんなアプリが……」
興味半分、不安半分にアプリ情報を調べようと長押しすると、突如としてアプリが起動する。
「うおっ、何だ!?」
視界が揺れる。
身体の平衡感覚が失われ、俺の意識は次第に遠のいていった。
「んっ……んんっ……」
頬を伝わる微かな風の感触に、目覚めた俺は重い瞼を開く。
冷たい床に仰向けに倒れていた俺は、起き上がり、状況を確認した。
暗い中でも赤く発光し、周囲の様子が分かる地下鉄のホームを思わせる周囲の光景に、俺は既視感を無意識に感じながら恐怖を覚える。
「えっ……なっ、何だよ!? ここは!」
怯えながら後退る俺は、背後にいる何者かにぶつかった。
それは、真っ黒な影。無機質で不気味な仮面をつけた質量を持つ大きな影であった。
影は俺に向かって大きく振りかぶる。慌ててこけたことが功を奏し、俺はその攻撃を躱すことができた。
しかし、向けられた明確な敵意と殺意を込めた攻撃は俺に現実的な脅威を実感する。
「ひっ、やっ、やめろ……」
影は俺の制止など意に介さず、ゆっくりと近づいてくる。
俺は逃げるために立ち上がろうとするが、先ほど足を挫いたせいで痛みで走れる状況にはなかった。
(俺は、死ぬのか?! こんな訳も分からない状況で、得たいの知れない化け物に……)
(嵌められて自主退職に追い込まれて、周りは結婚する中でまともな交際も出来ず、やり込んだゲームも放置したままで……)
(ふざけるな……ふざけるな、ふざけるな! ふざけるな!! ふざけるな!!!)
歯ぎしりをするとともに、手に力が籠り、心に炎が宿る。
そこで、脳裏に声が響いた。
『力が欲しいか? 誰にも侵害されず、自由気ままに生きる力が』
(ああ、欲しい!)
『ならば応えよ。我は汝……』
「汝は、我!!」
誘われるがままに、俺は仮面を脱ぎ棄てる。
『我の名は"スルタン"。情欲と征服を統べる力の象徴なり!』
そこからの俺は無我夢中であまり覚えていない。
気が付くと、目の前にいた影は無惨にも散っていた。
そして、俺の近くにいる具現化したもう一人の俺。
漆黒のマントに、金色と黒が混じった服装の高級な重厚感と傲慢さを醸し出したそのペルソナを眺めながら、俺は思った。
「ペルソナじゃねえか!!」
冷静になり、何度も状況を確認した俺は、ここがペルソナの世界だと確信した。
まず、俺が目覚めた場所は明らかにメメントスだった。ゲームで何度も潜った場所だ。その光景は調べなくても脳裏に焼き付いている。
メメントスを徘徊するシャドウに俺は襲われたのだ。意識を失っている間に襲われなかったのは幸運だったのかもしれない。
次に、俺が覚醒したペルソナは"スルタン"。属性は呪怨。恐らく戦闘で使ったスキルはエイハだったのだろう。
また戦闘をする前にメメントスを抜け出したので、うろ覚えでの記憶になるが。
俺はシャドウに遭遇する前に、最低限の状況確認を終えてスマホのヰセカイナビを起動した。
すると、周囲が揺らめくと同時に俺は現実世界へと戻っていた。
いつの間にか渋谷の路地に立っていた俺は、急いで雑司ヶ谷にある自分の住んでいるアパートへと向かった。
「四軒茶屋……? 三軒茶屋じゃなく?」
「えっ!? りせちー!? 嘘だろ、凄え可愛い……」
途中、駅名がペルソナに登場する駅名に変わっていたり、スマホで検索すると実在のアイドルとして久慈川りせが存在していたりと衝撃の事実に俺は啞然としたが、メメントスに入り、シャドウに遭遇した俺は、驚きながらもどこか納得するところがあった。
ヰセカイナビでメメントスにだけではなく、ペルソナ世界へと転移してしまったのではないか。そうなると俺の住んでいた部屋は存在するのか? いやそもそも俺はこの世界に存在していないのではないか……。
そんな不安に苛まれながら、俺は帰宅の間にここがペルソナの世界であるという事実を受け止めていた。
俺の不安をよそに、辿り着いた場所には確かにアパートと借りた部屋が存在していた。
借主も俺のようで、部屋には俺の私物があったが、ペルソナシリーズに関連した全ての物がなくなっていた。
やり込んだゲームも、数十万もの大金で購入したプレミア物のフィギュアも全てが……。
「クソッ! 俺の無職生活で築いた何もかもが消えちまった!!」
「ちくしょう! 何がペルソナ世界だ!」
「世の中クソだな!!」
当然ながらガチャに金をつぎ込みまくっていたペルソナ5Xもこの世には存在しない。
俺は絶望のあまり、膝をつき床を叩く。
ひとしきり絶望した俺は、ふとスマホを手に取り、ヰセカイナビを起動した。
ナビを起動したら今度は現実の俺の部屋に戻っているかもしれない。
そんな一縷の希望にかけたのだ。
だが、その希望は呆気なく打ち砕かれる。視界が開けると、そこはやはり先ほど来たメメントスであった。
「ハァ……何でこんなことになったんだか……」
「生きる楽しみが奪われちまった……」
「代わりにのめり込めるものがあればな……例えば、りせちーみたいな可愛い子と付き合えるとか……」
悲観した俺の背後にペルソナ"スルタン"が現れる。
スルタンが両手を掲げると影が集まる。集まった影に鎖を繋ぎ、黒い粘液状の何かを流し込んだ。
すると、影は発光し始める。発光が収まると、そこには一人の少女がいた。
その少女はペルソナ4に登場し、この世界で実際にアイドルとして活動しているりせちーこと久慈川りせであった。
「やっほー! りせだよ!」
りせは明るい笑顔を俺に向けてくる。
彼女が突然現れたことに、そして俺に好意的に接してくる様子に、俺の思考は固まる。
「あれ? おじさんがあたしを呼んだんだよね? 何でそんなボーっとしてるの?」
「おじっ!? えっ、あっ……」
顔を近づけ、可愛らしく首を傾げるりせの様子に挙動不審となって後退る俺。
おじさんと呼ばれたのも少しショックだったが、彼女の年齢からしたら俺はおじさんか……。
いや、待てよ!? 俺が調べたりせちーは確か22歳だったはずだ。
だが、目の前にいる彼女は高校生くらいに見える。確か、スマホで見た16歳頃のりせちーがこのくらいの容姿だったはずだ。
何故こんなに若いんだ?
「もしかして~~おじさんって呼ばれたのショックだった?」
「でも~、あたしからしたら、お兄さんにしてはちょっと上過ぎって感じだし~」
ああ、釘〇ボイスの生のりせちーは最高だ……。
ころころ笑うりせの姿に、俺は抱いていた疑問を全て投げ捨て浸った。
「むー、おじさん、りせに出会って何もないの? 生のりせちーだよ! ねえ!」
ぷりぷりと怒るりせの顔も可愛いな、と癒されていると、彼女の八十稲羽の制服越しからでも分かる胸の膨らみやスカートから顕わになった健康的なで煽情的な生足に視線が移る。
ごくりと思わず生唾を飲んだ俺の視線に気づいたのか、りせは小悪魔的な笑みを浮かべた。
「ふーん、おじさん、りせをエッチな目で見てるんだ~♡」
「うっ、そりゃ……仕方ないだろ。りせみたいな女子高生とこんな距離で話したことないし……」
りせのフィギュアをいくつも買っていた俺にとって、生のりせは刺激的過ぎた。
そりゃ当然エロい目で見るし、見ない男なんていないだろう。
「アハハ、おじさんきょどり過ぎ~。りせのこと好きなら好きって言えばいいじゃん」
りせの態度に、俺は彼女の手を掴んで迫る。
こんな誰もいない場所で大人の俺を揶揄ったんだ。少しばかり怖がらせてやろう、くらいの気持ちだった。
「いいよ、おじさん♡ りせとしたいんだよね?」
しかし、予想に反してりせは乗り気で、俺は困惑すると同時に欲望の炎が燃え上がる。
りせに直接触れたことでペルソナのスルタンが俺に囁き、目の前のりせがどういった存在なのかを薄っすらと俺は認識した。
このりせは本物のりせではない。俺の欲望の象徴たるスルタンがメメントスのシャドウを使って生み出した認知存在だ。
ならば、俺がどうしようと彼女は受け入れてくれる。りせに欲望を吐き出せる。
ちょうど、すぐ傍には駅の休憩場がある。
俺はりせの手を引き、休憩場へと連れ込んだ。
「いやん♡」
りせをベンチに座らせて胸を掴むと、りせは嬉しそうに返す。
認知上の存在だるはずなのに、その感触は本物そのもので、俺の興奮は増していく。
「やーん、おじさん手つきいやらしすぎ~。ってか、がっつきすぎ?」
りせの胸を、腰を、足を撫でる度に、りせは蠱惑的な反応を見せる。
その反応が俺の嗜虐心と性的欲求を高ぶらせ、更にりせを求めていった。
「ハァ、りせ……可愛いし、すっごくエロい」
「あん♡」
りせの服を脱がし、その肌を舐めてりせの喘ぎ声を楽しむ事に、俺の股間は怒張し、痛いくらいに盛り上がっていた。
りせがそれを見て、ズボン越しから俺の肉棒を撫でる。
そろそろ、と機を見計らった俺はその怒張を顕わにした。
「やだ~可愛い~♡」
りせが指でつんつんと肉棒を突きながら笑う。
怒張した俺の肉棒は、皮がカリの大半を覆っている。所謂、仮性包茎だ。
「もしかして~おじさんってドーテー?」
「どどど、童貞じゃないわい!」
慌てたせいで余計怪しくなってしまった。
この歳まで異性とまともな交際経験はない俺にその言葉は効く。
風俗には2回行ったが、どちらも妖怪を引いた上に性交できずに終わった俺は確かに童貞だ。
だが、俺にだってプライドはある。
くすくすと揶揄うりせに、俺は半起ちになってしまった肉棒を向ける。
「りせ、舐めろ」
「もう、ごういーん。ふふっ、でも、いいよ。ドーテーおじさん♡」
俺の肉棒を手に取るりせ。感触を楽しむように擦りながら舌先で皮に隠れた亀頭を舐める。
「うっ……」
「あっつくて硬い。おちんちんってこんな感じなんだ?」
「でも、隠れちゃってるよね。あーんっ」
唇を狭めてパクっとカリ先を咥えるりせ。そこから口を前に動かし、皮をゆっくりと剥いていく。
「うおっ!」
亀頭が露出したことでりせの口内を直接感じ、その強い刺激に思わず声が漏れる。
その反応が面白いのか、りせは舌を使って積極的に俺の肉棒を攻めてきた。
刺激に腰を引けながらも、俺はりせの頭を掴み、りせのフェラを堪能する。
「いいぞ、りせ。もっと深く咥えて……動くんだ」
あ~、りせちーの喉と舌は最高だ……。
ペニスを咥えるりせの普段は見せない下品な顔と、俺の物をフェラしているという事実に酔いしれながら、俺は気持ちよくなるためだけにりせに指示する。
自分の手でオナニーするのとは異なる、他人に、それもアイドルの美少女の口で抜いてもらう高揚感。
射精欲が閾値を超えるのにそこまで時間はかからなかった。
俺はりせの頭を強引に引き寄せる。そして、腰を打ち付けて根元まで飲み込ませて吐精した。
「ゲホゲホッ!」
咳き込み、精液を吐き出すりせを見て、俺は申し訳なさとそれ以上の嗜虐心と征服欲が燃え上がる。
目の前のりせが認知存在だからこそ、俺の欲望を受け入れてくれるのだ。
俺はりせの口元を拭くと、そのままりせをベンチの背もたれに押し付ける。
「りせ、エッチしたい。いいよな?」
問いかけるが拒絶されても止まる気はない。
俺は既にりせのスカートへと手を伸ばしていた。
「おじさん必死過ぎ~。ふふっ、いいよ♡」
りせはスカートのホックを外し、手際良く脱いで俺を誘惑する。
俺は無防備となったりせのショーツをゆっくりと脱がし、その秘部を露わにした。
毛が薄く整えられている恥丘は、アイドルらしい手入れの行き届きを感じさせ、隙間なく閉ざされた陰部に男の情欲が駆り立てられる。
口内で果てた肉棒は、りせの披裂に再び硬さを取り戻していた。
入れたい。
俺の脳内はその欲望で埋め尽くされていた。
「うんっ、くっ……」
しかし、女のおマンコなどに触れたことのない俺に正しい挿入など初見で出来るはずもなく。
見かねたりせが披裂を開き、俺の肉棒に手を添えて穴の位置まで誘導する。
「こーこっ♡」
りせの優しさを受け入れながら、俺は入り口に接触した亀頭を進ませていく。
狭い、熱い、でも、なんだこの感触は。
柔らかい粘膜に覆われて締め付けられている。
刺激が強すぎて、痛いのか気持ちいいのか分からない。
りせの中へと進む度に、初めての感触に頭が支配され、与えられる感覚のままに腰が勝手に動いていた。
りせの最奥へと何とか到達した頃には、俺は完全に口元から涎を垂らしながら腰砕けとなっていた。
そんな俺の頬に、りせは手を添えてそっとキスをする。
「ふふっ、ドーテー卒業おめでとう♡ おじさん♡」
りせからの初めてのキスに、俺は全てを受け入れられた気がした。
そして、それとは対照的に強く締め付けてくるりせの膣内の気持ちよさに耐えきれず、膣内の最奥に埋まったまま肉棒は射精した。
その後、結局俺は二回戦、三回戦と続けざまにりせと交わった。
最後はりせを抱えながら壁に押し付けて荒々しいセックスを繰り広げていた。
精魂尽き果て、休憩所に横たわる俺に、りせは付き添ってくれた。
認知存在って凄いな。こんなの味わったら病みつきになる。
暫く休んだ後、俺はヰセカイナビを起動させる。
現実へと戻った俺の傍には、りせはいなかった。
当然、本人ではないと理解していたが、こうして現実にいない事実を突きつけられると心に来るものがある。
「……明日、また起動すればいいか」
気持ちを切り替え、周囲の状況を確認する。やはり、部屋から移動しているようだ。
現実世界へと戻った、ということはなく、ペルソナ世界のままである。
しかし、俺にはもう絶望はなかった。
現実では出来ない楽しみが出来たからだ。
意気揚々と帰路へとつく。
その様子を見つめる何者かがいたことに俺は気づかないまま。
「ホホゥ、あの男……欲望を『持っている』な」
建物の屋根に一羽のフクロウが佇んでいる。
その瞳は、ペルソナに覚醒したばかりの一人の男をじっと追っていた。
認知世界ってエロい小説にぴったりな設定ですね。
主人公は足立みたいに鬱屈してます。作者がモデルではありません。
ペルソナ5Xのキャラも今後出していく予定です。
もし気になった方は5Xを遊んでみてください(ダイマ)。
コメント歓迎しております。