レイプから始まる異世界生活 私は「犯られ戻り」で異世界を生きていく 作:みなぽん
天童昴(てんどう・すばる)
十八歳。黒髪のショートカット。小柄で細身だが、弓道の有段者で、神社の境内を走り回り、祭りの準備や薪割り、掃除などを手伝って育ったため、体幹が強く運動神経もいい。性格は快活、行動的、好奇心旺盛。異世界に転生時に権能を特殊な授かる。それは「犯られ戻り」男に犯されると一定のタイミングで
過去の時間に戻ることができる。
アルキュオネー=ヴァル=ルシリオン 種族 人間
二つ名 傲慢(プライド)のアル
ドルガルド連邦に滅ぼされたルシリオン王国の第三王女
金色の髪とサフィアの瞳を持つ、美貌の聖騎士。お嬢様言葉が堅苦しい印象を与えるが、高貴な誇りゆえ。昴からアル姉と慕われ懐かれるお姉様
•武器:光翼剣《ルクス・レギナ》
「聖騎士の力は心の中に宿るもの、気高い心で自らに誇りが持てる生き方をするのです。」
「私は昴のお姉ちゃんでナイトですから❤️」
アリステラ・エーレクトラー 聖導女
大陸で大きな勢力をもつリーキスト教団の聖導女。心優しい彼女は、自らの意思で孤児たちをあつめ
孤児院で世話をしている。子供たちのためであれば、どんな犠牲も厭わない彼女周囲の汚れた男たちから
時に利用され、時に虐げられる。しかし彼女の清い心はくじける事は無い。
アルキュオネー様、昴様と相手には尊称をつけて話す。
「可愛い子供達のためなら私はどんな屈辱や痛みにも絶えてみせます」
「慈悲深き地母神よ!傷つきしものに癒しの光を」
大陸の地図
⭐️新たなる絆
「えっ? わたくしもですか?」
アリステラは目を丸くした。デルムの宿屋の一室で、昴とアルキュオネーに向かい合っている。
「もちろんよ」昴が頷いた。「アリステラさんは聖導女でしょ? 回復魔法も攻撃魔法も使える。わたしたちには必要な人だよ」
「しかしわたくしは……戦い方は知りません」アリステラは俯いた。「クッキーを焼くことはできますが、剣を持ったこともありません」
「回復役がいれば劇的に生存率が上がります」アルキュオネーが言った。「わたくしは前衛。昴は後衛。その間を埋める中衛が必要なのです。アリステラ殿、あなたの力が必要です」
「アル姉の言う通りだよ」昴はアリステラの手を握った。「三人でパーティーを組もう。一緒に冒険者やろう」
アリステラは二人の顔を見た。真っ直ぐな瞳。揺るがない信頼。
「……はい」彼女は微笑んだ。「やります。二人のお役に立てるなら」
こうして三つの星が集まった。剣と弓と杖。前衛と後衛と中衛。三人のパーティーが誕生した。
三人が選んだ初仕事は「霊樹の迷宮」の攻略だった。
「植物系の魔物が多いダンジョンです」アルキュオネーが説明した。「聖属性が有効ですからアリステラ殿の出番があるでしょう」
「聖属性……そうですね」アリステラは杖を握りしめた。「やってみます」
デルムの郊外にある丘陵地帯。苔むした石の入り口から地下へと続く階段。三人は装備を整え迷宮へと足を踏み入れた。
薄暗い地下通路には発光する苔がびっしりと生え淡い緑色の光が道を照らしている。湿った空気と土の匂い。
「気をつけて」アルキュオネーが先頭に立った。「わたくしが先行します。昴は後方から援護を。アリステラ殿は二人の中間で」
「了解」昴は和弓を構えた。「アル姉行って」
三人は慎重に進んだ。
最初の敵は現れた。
「マンドラゴラだ!」アルキュオネーが叫んだ。
地面から引き抜かれたような植物の魔物たち。根が足のように蠢き口から悲鳴のような声を上げる。十体ほどの群れ。
「悲鳴に気をつけて! 聞くと麻痺する!」アルキュオネーが警告した。
「わたしがやる!」昴は即座に矢を番えた。「耳を塞いで!」
昴は耳栓用の蝋を素早く詰めた。アルキュオネーとアリステラも同様にした。
矢が放たれた。一射。マンドラゴラの一体の頭部を射抜く。二射。三射。三体が倒れた。
残りの七体が一斉に襲いかかってきた。
「来なさい!」アルキュオネーは光翼剣を抜いた。「ルクス・レギナ!」
白い光が走った。一閃。二閃。三閃。マンドラゴラたちが次々と両断された。
「すごい……」アリステラは息を呑んだ。
「まだです!」アルキュオネーが叫んだ。「後ろからも!」
背後から別の魔物が現れた。蔦のような植物の魔物。ヴァインプラントだ。
「昴!」
「見えてる!」
昴は振り返り矢を放った。二体のヴァインプラントの核を射抜く。
しかし三体目がアリステラに向かってきた。
「きゃっ!」
蔦がアリステラに巻き付こうとした。
「プロテクション!」
アリステラは咄嗟に杖を掲げた。白い光の障壁が彼女を包み蔦を弾き飛ばした。
「やった……」アリステラは自分の手を見た。「わたくしにも……できた……」
「アリステラ殿!」アルキュオネーが駆け寄った。「大丈夫ですか?」
「はい! 大丈夫です!」アリステラは笑顔で答えた。「わたくしにもできました!」
「いい動きだったよ」昴が駆け寄った。「アリステラさんやるね!」
三人は顔を見合わせて笑った。
迷宮の最深部に到着した。
広い空洞。中央に一本の巨大な木が聳えている。しかし木ではない。魔物だ。
「霊樹の守人……トレントロードですね」アルキュオネーが呟いた。
巨大な樹木のような魔物。幹には不気味な顔があり枝からは無数の蔦が垂れ下がっている。根は巨大な足のように蠢いている。
「気をつけて」アルキュオネーが剣を構えた。「こいつは強い」
トレントロードが動いた。
無数の蔦が鞭のようにしなり三人に襲いかかってきた。
「避けて!」昴が叫んだ。
三人は左右に散った。だが蔦の数が多すぎる。
「くっ!」アルキュオネーの剣が蔦を切り裂く。しかし切っても切っても次々と襲ってくる。
「アル姉!」
昴は矢を放ち蔦を射抜く。しかし本体へのダメージには至らない。
トレントロードの蔦が三方向から同時に襲いかかってきた。
「アル姉!」
「アリステラ殿!」
アルキュオネーは光翼剣で蔦を斬り裂いた。だが切っても切っても次から次へと生えてくる。本体である巨木から無数の蔦が枝分かれし、際限なく伸びてくるのだ。
「くっ、数が多すぎます!」
昴は矢を放ち続けた。一本、二本、三本。蔦の核を射抜くたびに蔦は枯れる。だが本体が生み出す速度の方が速い。
「きゃっ!」
アリステラの足に蔦が巻き付いた。
「アリステラさん!」
昴が駆けようとした。だがその瞬間、昴の左手首にも蔦が巻き付いた。粘つく液体が肌に触れた。
「なっ、何これ…ぬるぬるする…」
樹液だった。蔦の表面から分泌された粘液。昴の手首に絡みついた蔦から、黄色い樹液が滴り落ちていた。
「熱い…」
樹液が肌に染み込む感覚。熱かった。そして——痒かった。体の奥が疼くような感覚。
「昴! その樹液は——」アルキュオネーが叫んだ。「催淫作用があります! 触れてはいけません!」
だが遅かった。
アルキュオネーの脚にも蔦が巻き付いた。鎧の隙間から滑り込み、直接肌に触れた。樹液が白い肌に広がった。
「あっ…!」
アルキュオネーの声が変わった。聖騎士の凛とした声が、甘く歪んだ。
「いけない…この樹液は…体が…熱く…」
三人の体に変化が現れた。
アリステラが最初だった。聖導女の白い修道服に樹液が染み込み、布が透けて肌が見えた。乳首の色が浮き上がるほどに。アリステラの頬が紅潮した。
「いや…何ですかこの感覚…体が熱い…芯から…」
アリステラの足から力が抜けた。膝が折れ、石の床に崩れ落ちた。
「アリステラ殿!」アルキュオネーが手を伸ばそうとした。だが彼女自身の体も揺らいでいた。鎧の下の肌が熱く火照り、腹の底から疼きが込み上げてくる。
「くっ…わたくしは…聖騎士として…この程度の…」
言葉が途切れた。蔦がアルキュオネーの腰に巻き付き、鎧の留め具を外し始めた。金属が石床に落ちる音が響いた。
「だめ…鎧が…!」
昴もまた抵抗していた。だが樹液の効果は凄まじかった。体の芯が溶けるように熱く、脚の間が濡れていくのがわかった。
「こんなの…媚薬みたい…いや、媚薬そのものだ…」
弓を持つ手が震えた。矢を番えようとしたが指に力が入らない。弓が手から滑り落ちた。
「わたしの弓…」
蔦が三人を捕らえた。
「コルルルルルゥオウ」
トレントロードが吠えた。空洞全体が震えるほどの低い唸り声。それと共に、巨木の幹に無数の穴が開いた。その穴から、白濁した樹液が噴き出した。
「何あれ…」
昴は目を見開いた。白濁した樹液が雨のように降り注いできた。
「避けて!」アルキュオネーが叫んだ。だが蔦に拘束された三人は動けなかった。
白濁液が三人の体に降り注いだ。
昴の髪に。顔に。服に。白い粘液がべったりと張り付いた。
「うっ…くさい…甘い匂い…」
樹液の匂いは甘かった。花蜜のように甘く、脳を蕁麻疹させるような甘さ。吸い込むだけで体の芯が疼いた。
アリステラの修道服が樹液を吸って重くなった。白い布が透明になり、下の肌が丸見えになった。小さな胸の形。桜色の乳首。全てが樹液の膜越しに見えた。
「いやぁ…見ないで…見ないでください…」アリステラは身を捩った。だが蔦が手脚を拘束し、逃げ場がない。
アルキュオネーの鎧の隙間から樹液が浸入した。肌の上を滑り落ち、胸の谷間を伝い、腹を流れ、下着の中にまで染み込んだ。
「くっ…こんな屈辱…!」
樹液が肌に染み込むたびに、体の熱が増した。粘膜が疼く。理性が溶ける。
トレントロードの蔦が動いた。
最初は服を剥いだ。
昴の服が蔦に食い破られた。和弓使いの引き締まった体が露わになった。小ぶりな胸。引き締まった腹。樹液が白い肌を光らせた。
「いやっ…裸にしないで…!」
アリステラの修道服が裂かれた。白い布が細切れになり石床に落ちた。聖導女の裸体が晒された。細い肩。小さな胸。薄い腹。樹液が聖なる肌を汚した。
「神様…なぜ…」
アルキュオネーの鎧が蔦に外された。残っていた下着も引き裂かれた。聖騎士の白い裸体。金色の髪が樹液で濡れ、肌に張り付いた。形の良い胸。くびれた腰。聖騎士の鍛えた筋肉の上に樹液が光った。
「わたくしを…汚すな…!」
三人の裸体が、トレントロードの蔦に吊るされた。手脚を広げられ、空中に固定された。蜘蛛の巣に捕らわれた蝶のように。
そして蔦が、体の奥へと侵入してきた。
最初の蔦が昴の脚の間に滑り込んできた。
「だめっ!」
ぬるぬるした蔦が秘所をなぞった。樹液の粘液が濡れた粘膜に混じり合った。催淫作用のある樹液が直接秘所に触れた瞬間、昴の体が跳ねた。
「あっ…! 何これ…熱い…熱いよ…」
今まで感じたことのない熱だった。路地裏やダンジョンの男たちに犯されたときとは違う。植物の粘液が粘膜に染み込み、神経を直接刺激する。快楽の神経を。
「だめ…感じてる…植物に感じてる…!」
蔦が秘所の中にゆっくりと挿入された。太さは指一本ほど。ぬるぬるとした表面が粘膜を擦り、樹液を塗り込みながら奥へと進んだ。
「あっ、あっ、あぁっ…!」
昴の声が高くなった。蔦が動き始めた。ゆっくりと、しかし確実に。出し入れを繰り返すたびに、樹液が粘膜に染み込み、感度を高めていく。
「やだ…やだ…気持ちいい…植物なのに気持ちいい…!」
昴の理性が溶けていった。催淫樹液の効果は絶大だった。体は正直に反応し、秘所から蜜が溢れた。樹液と混じり合い、白濁した液体が太ももを伝った。
別の蔦が昴の胸に巻き付いた。小さな膨らみを締め付け、先端の蕾を擦った。樹液が乳首に塗られ、敏感な蕾が硬く尖った。
「あっ…そこ…だめ…両方…両方だめ…!」
前後から同時に刺激され、昴の体が弓なりに反った。蔦の動きが速くなった。秘所の中を掻き回し、胸の蕾を転がす。
「あっ、あっ、あっ、あぁぁっ——!」
昴の体が痙攣した。絶頂だった。植物の蔦に犯されて絶頂した。屈辱と快楽が入り混じり、昴の目から涙がこぼれた。
「やだ…こんなのやだ…植物に犯されてイッちゃうなんて…!」
だが蔦は止まらなかった。絶頂後の敏感な体を追い打つように、動き続けた。別の蔦が尻の穴に触れた。
「そこはだめっ! そこは——」
蔦が後庭に侵入した。前と後ろ、同時に犯される。二つの穴を蔦が出入りし、樹液を塗り込んでいく。
「あっ、あっ、いやっ、だめっ、二つ同時はだめぇっ——!」
昴の意識が白く霞んだ。
アリステラもまた、蔦に犯されていた。
聖導女の清らかな体が、植物の蔦に汚されていた。秘所に一本。胸に二本。口に一本。四本の蔦が同時にアリステラの体を愛撫していた。
「んっ…ぐっ…んぅっ…」
口に挿入された蔦が樹液を吐き出した。甘い粘液が喉に流し込み、アリステラは飲み込まされた。
「んっ…んっ…甘い…甘い…」
樹液を飲み込むたびに、体の熱が増した。下腹部が燃えるように熱い。秘所の疼きが止まらない。
口から蔦が抜かれた。唾液と樹液の混じった糸が引いた。
「あぁっ…神様…わたくしは…汚されています…聖なる体が…植物に…」
秘所の蔦が動きを速めた。聖導女の清い粘膜を、植物の粘液が塗り込んでいく。催淫効果で膣壁が収縮し、蔦を締め付ける。
「あっ、あっ、あっ…! だめです…感じています…神に仕える体が…植物に感じています…!」
アリステラの目から涙が流れた。信仰と快楽の狭間で、アリステラは苦しんだ。神に仕える体が、植物の蔦に屈服している。背徳感が快楽を増幅させた。
「あぁぁっ…! いやです…いやなのに…気持ちいいです…!」
胸の蔦が乳首を摘まんだ。樹液を塗り込まれた蕾が肥大化し、敏感になりすぎた。少しの刺激でも電流が走る。
「ひっ!? そこ…だめです…敏感すぎます…!」
アリステラの体が痙攣した。絶頂だった。聖導女が植物に犯されて絶頂した。
「いやぁぁ…! 神様…ごめんなさい…ごめんなさい…!」
アリステラは泣きながら絶頂の波に飲み込まれた。
アルキュオネーも抵抗していた。三人の中で最も強く、最も理性が強かった。だが——
「わたくしは…負けません…聖騎士として…この程度の…」
言葉が途切れた。二本の蔦が同時に秘所と後庭に侵入した。
「あぁっ——!」
聖騎士の声が響いた。凛とした声が、快感に歪んだ。
「だめっ…二本同時は…!」
蔦が動き始めた。前と後ろ、交互に、時に同時に。樹液が粘膜に塗り込まれ、感度が跳ね上がる。
「くっ…うっ…わたくしは…聖騎士…アルキュオネー・ヴァル・ルシリオン…屈しない…屈し…」
別の蔦が胸に巻き付いた。形の良い膨らみを締め付け、乳首を擦った。樹液が乳首に塗られ、蕾が硬く尖った。
「あっ…! そこ…!」
三方向からの刺激。秘所。後庭。胸。同時に、容赦なく。
「あっ、あっ、あぁっ…! だめ…わたくしは…だめ…!」
アルキュオネーの理性が砕けた。聖騎士の誇りが、催淫樹液の前に溶けた。
「あぁぁっ…! いや…いやです…お父様…ごめんなさい…わたくしは…植物に…!」
アルキュオネーの体が痙攣した。聖騎士が植物に犯されて絶頂した。
「いやぁぁ——!」
三人の声が空洞に響いた。聖騎士と聖導女と弓使い。三人の少女が、植物の蔦に犯され、絶頂させられた。
「コルルルルルゥオウ」トレントロードは止まらなかった。
白濁した樹液が、三人の体に再び降り注いだ。髪に。顔に。胸に。腹に。秘所に。白い肌が白濁液で汚されていく。
蔦が再び動き始めた。絶頂後の敏感な体を、休むことなく責め続ける。
「あっ、あっ、まだだめ…! さっきイッたばかりなのに…!」
昴の体が再び波に飲み込まれた。二度目の絶頂。
「いやぁ…! もう許して…!」
アリステラの体も再び痙攣した。二度目。
「神様…もうだめです…!」
アルキュオネーの体も震えた。二度目。
「くっ…あぁぁ…!」
三度目。四度目。五度目。
白濁液が何度も降り注ぎ、蔦が何度も出入りを繰り返す。三人の体は樹液にまみれ、秘所からは白濁液と愛液の混じった液体が溢れ続けた。
昴の意識が白く霞んでいった。
(また…犯されてる…植物に…)
路地裏の男たち。ダンジョンのガルドたち。傭兵たち。そして今は植物の蔦。
(いつも…わたしは犯される側…)
屈辱と快楽が混じり合う。体は快楽に溺れ、心は底で冷えている。
(でも…今回も戻れる…)
「犯られ戻り」の権能。男に犯されると過去に戻る。だが——
(発動しない…植物じゃ発動しない…)
昴は絶望した。植物に犯されては「犯られ戻り」は発動しない。このまま犯され続けるしかないのか。
(でも…あと少し…あと少しで発動するはず…)
権能の発動条件は「男に犯されること」だった。だが発動のタイミングは一定ではない。今回は——
(あとどれくらい…あとどれくらいで…)
六度目の絶頂が来た。体が痙攣し、意識が白くなる。
(アル姉…アリステラさん…ごめん…助けられなくて…)
七度目。
(ごめん…)
八度目。
(ごめ…)
九度目——
意識が完全に白くなった。
三人はボロボロだった。
体中が樹液まみれ。秘所から白濁液が溢れ、太ももを伝って石床に溜まっている。胸には蔦の跡が赤く残り、乳首は腫れ上がっていた。目は虚ろで、意識は朦朧としていた。
アリステラは泣いていた。声が出ないほど弱々しく。「神様…ごめんなさい…」と唇だけが動いていた。
アルキュオネーは歯を食いしばっていた。聖騎士の最後の矜持として、声を出さないように耐えていた。だが体は正直だった。秘所は蔦を受け入れ、愛液を溢れさせ、何度も絶頂していた。
昴は——
(発動して…お願い…発動して…)
十度目の絶態が来た。体が痙攣し、意識が——弾けた。
世界が反転した。
「昴? どうしました顔色が悪いですよ」
アルキュオネーの声。ベッドの上。宿屋の部屋。窓の外にはデルムの朝の光。
戻った。
昴は即座に起き上がった。
「アル姉! アリステラさん! 聞いて!」
昴は霊樹の迷宮のことを話した。トレントロードの蔦。催淫樹液。三人が犯されること。ただし「犯られ戻り」の権能については言わなかった。「直感のようなもの」と誤魔化した。
「催淫樹液…! それは危険です」アルキュオネーは目を細めた。「霊樹の守人は樹液で獲物を動けなくし、養分として吸収するのです。三人とも裸にされ、樹液を塗り込まれれば抵抗できなくなる」
「じゃあどうするの」アリステラが不安そうに聞いた。
「火炎です」昴は言った。「樹液は可燃性です。火で蔦を焼けば勝てる」
「火炎…」アルキュオネーは頷いた。「なるほど。火炎魔法の巻物を用意しましょう。それと油を。蔦に油をかけ火で焼けば」
「はい! アリステラさんの聖属性魔法でも火炎系は使えますよね」
「はい。基本的な火炎術ならできます」
「よし。三人在分の火炎の巻物と油を用意しよう。それと——」
昴は一つ提案をした。「アル姉は前衛で蔦を切り裂く。アリステラさんは中衛で火炎術と回復。わたしは後衛で火炎矢と援護。これでいこう」
「了解しました」アルキュオネーが頷いた。
「はい!」アリステラも力強く頷いた。
霊樹の迷宮。最深部。
トレントロードの空洞に再び足を踏み入れた三人は、前回とは全く違った装備で現れた。
アルキュオネーは鎧の隙間に油浸しの布を詰み込み、光翼剣には火炎付与の魔法をかけていた。昴は矢先に油を塗り、火打石を腰にぶら下げていた。アリステラは火炎術の詠唱を終え、杖を構えていた。
「来たか」「コルルルルルゥオウ」
トレントロードが動いた。無数の蔦が襲いかかってくる。
「今度は違う!」昴が叫んだ。「アリステラさん!」
「はい! 火炎術——!」
アリステラの杖から火炎が放たれた。炎の塊がトレントロードの蔦に直撃した。油を塗られた蔦は一瞬で燃え上がった。
「ギャァァァァ——!」
トレントロードが悲鳴を上げた。植物の悲鳴。蔦が燃え、枯れ、灰になっていく。
「アル姉!」
「ええ! 光翼剣——!」
アルキュオネーが飛び込んだ。炎上する蔦の間を縫い、本体へと突進した。光翼剣が炎を纏い、光の軌跡を描いた。
「ルクス・レギナ——!」
一閃。炎を纏った刃がトレントロードの幹を斬り裂いた。樹液が噴き出すが、それもまた燃え上がった。
「昴!」
「見えてる!」
昴の火炎矢が放たれた。矢に火が点き、トレントロードの根元に突き刺さった。油が引火し、根から炎が上がった。
「ギャァァァコルルルルルゥオウ」——!」
トレントロードがのたうち回った。空洞全体が震える。蔦が燃え、枝が燃え、幹が燃えた。
「アリステラさん! 最後!」
「はい! 慈悲深き地母神よ! 穢れしものを焼き払え! 聖火!」
アリステラの杖から聖なる炎が放たれた。白い炎がトレントロードを包み込んだ。聖属性の火炎。植物系魔物にとって最も致命的な属性。
「ギャァァァァァァコルルルルルゥオウ」——!!」
トレントロードの悲鳴が空洞に響き渡った。幹が裂け、根が千切れ、蔦が灰になった。巨木がゆっくりと傾き——倒れた。
地響きが収まった後、空洞には静寂が戻った。
三人は立ち尽くしていた。
「勝った…」アリステラが呟いた。「わたくしたち、勝ったんです」
「はい」アルキュオネーは剣を納めた。「いい連携でした。三人の力が合わさって勝てたのです」
「アリステラさんの火炎術が決め手だったよ」昴が笑った。「聖属性の火炎なんてすごいね」
「いえ、アルキュオネー様の剣がなければ近づけませんでしたし、昴様の火炎矢が根元を弱らせてくれたからです」アリステラは首を振った。「三人の力です」
三人は顔を見合わせて笑った。最深部の静寂の中で、三つの笑い声が響いた。
三人は迷宮を出た。夕暮れの光が丘陵を照らしていた。三人の影が長く伸び、一つに重なった。
剣と弓と杖。前衛と後衛と中衛。聖騎士と弓使いと聖導女。三人の力が合わされば、どんな困難も越えられる。そう信じられた日だった。
⭐️白銀の処刑人
ルシリオン王国が滅びてから、半年が過ぎていた。
かつて国境を示していた石碑は倒され、街道沿いに掲げられていた王家の紋章は削り取られていた。城壁を飾っていた白い旗は焼かれ、代わりに掲げられたのは、ドルガルド連邦の紋章。
国が滅びるというのは、城が落ちることではない。
そこに暮らしていた人間たちが、昨日まで当然だったものを、一つずつ奪われていくことなのだ。
名前を。故郷を。家族を。そして最後には、自分が何者だったのかという記憶さえも。
それでも、ルシリオン王家の血を引く者が一人だけ生きていた。
第三王女。アルキュオネー=ヴァル=ルシリオン。
彼女は冒険者として、森の中を歩いていた。
金色の髪は旅の埃に汚れ、かつて王宮の大広間で身につけていた豪奢な衣装も今はない。
それでも、その歩き方だけは変わらなかった。
背筋は伸びている。顔を伏せない。疲れていても、膝をつかない。
彼女の後ろを歩いていた少女が、ふと足を止めた。
「……アル姉」天童昴だった。
黒髪のショートカット。
小柄で細身の身体には、弓と矢筒がある。
異世界に転生してまだ長くはない。それでも、神社の境内を走り回り、薪を割り、祭りの準備を手伝いながら育った身体は、見た目以上に強かった。
何より彼女には、危険を感じ取ったときに迷わず動く快活さがあった。
「どうしました、昴?」アルキュオネーが
「誰かが私たちをを追ってきてる」
その声を聞いたアリステラ・エーレクトラーが立ち止まった。
リーキスト教団の聖導女。孤児たちを守るためなら、自分自身が傷つくことさえ厭わない女性だった。
彼女は森の奥へ目を向けた。風が止んでいる。鳥の声もない。
森全体が、何かを待っているようだった。
「……人数は?」
「分からない。でも、かなりいる」昴は立ち上がった。
その顔から、いつもの明るさが消えていた。
「アル姉。たぶん、普通の人じゃない」
「ええ」アルキュオネーは剣の柄に手を置いた。
「そのようですわね」声は静かだった。
恐怖はない。いや、恐怖がないわけではない。ただ、それを表に出さないだけだ。
「どうやら私に用があるみたいですね。二人とも、ここから先は――」
「嫌」昴が即答した。
「……まだ最後まで言っていませんわ」
「どうせ『私を置いて逃げてください。アル姉、そういうところあるよね」でしょ?」
アルキュオネーは黙った。
昴は弓を手に取った。
「私はアル姉を置いて逃げたりしない」
アルキュオネーは、何かを言おうとしてやめた。
そして、ごく小さく笑った。
「……相手はドルガルドの手のものですよっ怖くないのですか?本当に、あなたには敵いませんわね」
そのときだった。森の奥で枝が折れた。
アルキュオネーが剣を抜く。光翼剣《ルクス・レギナ》。
失われた王国の最後の聖剣が、木漏れ日の中でまばゆく輝いた。
森から男たちが現れた。
黒い装束。顔を隠す布。正規装備ではない。剣、短剣、弩、毒矢。
捕縛用の鎖まで携えている。人を殺すために訓練された者たち。
そして、その後ろから一人の女が姿を現した。白銀の髪、氷のような青い瞳。
黒と銀の軍装。細身の身体には、無駄のない戦士の鍛錬が刻まれている。
彼女だけは、武器を抜いていなかった。
それなのに。昴は、その女が一番危険だと直感した。
「……アルキュオネー=ヴァル=ルシリオン」
女が口を開いた。
「ドルガルド連邦軍、特殊執行部隊。メローペ・ヴァイス」
冷たい声だった。
「あなたを処刑する」
アルキュオネーは剣を構えた。
「随分と簡潔ですこと」
「必要なことしか言わない主義だ」
「それは結構」
アルキュオネーが光翼剣《ルクス・レギナ》を振るい、アリステラが聖光を放ち、昴が矢を射続けても、敵の数は減らなかった。
そして何より、メローペ・ヴァイスが強かった。
人間離れした強さではない。長年、命を奪うためだけに鍛え上げられた人間の強さだった。
「アル姉!」昴の矢が一人の暗殺者を地面へ縫い止める。
アルキュオネーが振り返った。
「昴、下がりなさい!」
「嫌!」
その瞬間、背後から影が迫った。昴は気づいただが、遅かった。
黒い布が口元を覆う。
身体から力が抜けていく。
「昴!」アルキュオネーの叫び声。
「アルキュオネー、今のあなたの最大の弱点はこの子娘のようね」
それが聞こえたのを最後に、世界が暗くなった。
⭐️拉致
目を覚ましたとき、昴は冷たい石床の上にいた。両手を拘束されている。
打ち捨てられた廃屋 周囲には男たち。
そして、その中央に隊長らしき男が立っていた。
「目が覚めたか」男の名はアギル。
ドルガルド連邦特殊執行部隊の隊長だった。
「……アル姉は?」
アギルは鼻で笑った。
「お前は自分の立場が分かっていない」彼は一枚の紙を取り出した。
そこにはアルキュオネーの似顔絵と、王女の身柄にかけられた賞金が記されていた。
「お前を餌にすれば、あの女は必ず来る」
昴はそこで初めて気づいた。これは罠だ。
自分は最初から、アルキュオネーをおびき出すために生かされていた。
やがてアルキュオネーは来た。罠だと分かっていて。
それでも。アリステラと共に。
「昴!」外から聞こえた声に、昴は顔を上げた。
「アル姉!」アルキュオネーは剣を抜いた。
「昴❤️必ず迎えに来ますと言ったでしょう」
アリステラも隣に立つ。
「もう大丈夫ですよ、昴さん」
その瞬間、暗殺者たちが現れる。
メローペも、その奥に立っていた。
「…取り囲んで撃ち殺せ!」
暗殺者たちが、一斉に矢や投石や目潰しを打ち込む
アルキュオネーは聖剣を構えた。懸命に叩き落とすが、何本かの矢が刺さり。
大きな石が彼女の頭にぶち当たった。
「メローペ 卑怯な、、」
「アルキュオネー=ヴァル=ルシリオン」
二人の視線が交差する。
「今度こそ終わりだ」激闘が始まった。
アルキュオネーは強かった。
アリステラも最後まで戦った。
昴は拘束されたまま、必死に叫んだ。
「アル姉! 逃げて!」
メローペの剣が閃いた。アルキュオネーの聖剣が弾き飛ばされる。
アリステラが彼女を庇う。聖光が爆発する。
だが、敵は多すぎた。突き出された槍が、彼女の小さな体を貫いた。
そして、天高く突き上げ!アリステラが血を吐き絶命する
アルキュオネーも傷つき、立っているのがやっとになる。
「もうやめて!」昴が叫ぶ。
「私ならどうなってもいい! だからアル姉を――」
それが最後だった。
メローペの剣が、アルキュオネーの首を刎ねた!
美しい金色の髪が空をまった。
首から上のないアルキュオネーが倒れた。
「アル姉――!」
昴の絶叫が廃屋を震わせる。
「ククク、お前のアル姉が死んだぞ。すぐに仲間のところに送ってやるからな。」
アギルは昴おの体に手を伸ばした。殺戮の後の男たちは激しく興奮し股間を硬くしていた。
「アギル隊長、殺す前に楽しみましょうよ」
「そうだな 死体凌辱よりは生きたままレイプの方が楽しいからな」
男たちは昴の衣服を乱暴に引き裂き始めた。「いや……助けてアル姉……アリステラさん……」
「アハハ、泣き叫ぶ美少女って本当にいいよな」
「俺、胸が好きなんだよね。まだ成長途中だけど、これから大きくなりそうな予感がするな」
「お前は胸フェチなのか?俺は脚派だな。ほら、見てみろよ。この細くて長い脚。最高だぜ」
男たちは昴を弄びながら、欲望を満たそうとしていた。
「アギル隊長、もう我慢できないので先にヤッてしまいますよ」
男の一人が昴のスカートを捲りあげて太腿から尻にかけて撫で回す。
「おい、この女、まだ毛も生えてないぞ!完璧なパイパンだな!」
「マジかよ!ツルツルなのか!最高じゃないか!」
「早く脱がせようぜ!この綺麗なパイパンマンコを堪能したい!」
男たちは昴の衣服を剥ぎ取り、それぞれ好みの部位を攻め始めた
男たちの荒い手が、昴の引き締まった肢体を弄び始めた。
「アル姉……アリステラさん……」
昴の瞳から涙が止めどなく溢れる。最愛の姉のような存在が首を刎ねられ、優しい聖導女が槍で貫かれて血の海に倒れている光景が、網膜に焼き付いて離れない。その極限の絶望の中で、男たちの欲望は最高潮に達していた。
粗暴な指が昴の唇を無遠慮に這い、強引に口をこじ開けて生温かい舌をねじ込んでくる。別の男はまだ発育途上の小ぶりな胸の先端を指で摘み上げ、無慈悲な力で捏ね回した。
「い、や……っ! 離して……!」
悲鳴は、屈辱と恐怖で震えるだけの声になった。
男たちの手は昴の身体を余すところなく蹂躙する。無防備に晒された臀部を乱暴に掴み、狭窄の括約肌へと太い指を強引にねじ込む者。そして、まだ産毛のようなものしかない無毛の秘所を無理やり割り広げ、濡れた音を立てながら内部を弄る者。
乳首も、唇も、尻の穴も、おまんこも、全てが男たちの暴力的な欲望に晒され、無慈悲に撫で回され、こじ開けられていく。
「さて、仕上げといこうか」
アギルが薄紫色の液体が入った小瓶を傾ける。鼻をつく甘い匂い。それはドルガルドの暗部で扱われる、強力な催淫剤だった。
「んぐっ……! う、うぅ……!」
液体は無理やり昴の喉に流し込まれた。飲み込むしかない。毒のような甘味が食道を焼き、胃の底から妖しい熱を全身に奔らせていく。
「いやだ……体が……熱い……」
絶望的な拒絶とは裏腹に、昴の身体は赤く火照り始めた。粘膜が熱を持ち、秘所からは男たちの指とは無関係に、ねっとりとした愛液が溢れ出す。無理矢理発情させられた肉体は、主人の意思を嘲笑うかのように、猛烈な快楽の波を生み出し始めた。
「あっ……うぅ、うそ……こんな……」
ふやけた秘所が痙攣し、自らの意思では閉じられないほどの熱を放出する。心は悲鳴を上げているのに、体は男たちの愛撫を甘んじて受け入れようとしていた。
「よし、発情しやがった。じゃあぶち込むぞ」
男の一人が昴の細い両脚を強引に開かせ、獰猛にそそり立った楔を無防備な秘所に押し当てる。
「いやぁっ……! 来るな……! アル姉ぇ……!」
絶望の底での侵犯。男の熱が昴の最奥を力任せにこじ開ける。裂けるような痛みと、媚薬による異常な感度が混ざり合い、昴の理性を粉々に砕いた。
「あ、あぐっ……! あ、あぁぁぁっ……!!」
「こいつ、自分から腰を振ってやがるぜ」
「いやぁ、ああああっ、あああっーーーーーーーーー!」
「ケツ穴は俺のもんだ」
別の男が昴の痙攣する尻の窄まりに容赦なく己を突き立てる。前後の穴を同時に蹂躙され、昴の身体はまるで操り人形のように男たちの手で弄ばれた。
「ひぎぃっ……! や、やめ……て…あぁっ……!」
「お前の姉ちゃんはもう逝っちまったんだよ!」
男の嘲笑とともに、昴の腹の奥で熱いものが弾けた。体内に撒き散らされる粘ついた感触。屈辱と絶望の中で、昴の意識は白濁した熱に飲まれていく。
「あ……ああ……アル姉……助けて……ああ……」
「へへっ、こいつまだまだ締まってやがる」
「次は俺だ」
男たちは欲望に忠実だった。昴を輪姦し続ける。
「いや……もう……やめて……ああっ……!」
昴の声はもはやか細い悲鳴に変わっていた。アルキュオネーとアリステラの亡骸が目に入るたびに、昴の心は崩壊していく。
「アル姉……アリステラさん……ごめん……なさい……」
昴の瞳から大粒の涙が流れ落ちる。
「うるせえ! もっと鳴け!」
男の一人が昴の乳房を力いっぱい握りつぶす。
「ひぎぃっ……!」
「ケツ穴も忘れんなよ」
別の男が尻穴を乱暴に犯し始める。
「ああっ……やめ……て…ああっ……!」
「もっと泣け! 喚け! お前の声が最高なんだよ!」
男たちは昴を玩具のように弄び続けた。発情した身体は男たちの暴力に反応してしまう。
「いや……いやぁ……! ああっ……!」
昴は犯され続ける。
突然、彼女の上で腰を振っていた男が吹き飛んだ。
「我らはドルガルドの始末屋だが、軍人だ。鬼畜のような真似をするんじゃない人、こいつだけでも生きたまま逃がしてやれ。」メローぺが割って入った。
「偉そうに知ったことかよ!死ぬまで犯してやるぜ!」
「ッ!」
メローペは一瞬で動いた。白銀の髪が閃光のように翻り、彼女の右手が前に出た男の顔面を掴んだ。
骨が砕ける音。男は声を上げる間もなく、後ろの壁に叩きつけられた。
「私は恥知らずが大嫌いだ!」
「ひっ……!」
残りの男たちの笑みが凍りつく。
「おいおい雪女!舐めたまねさらしてるんじゃねーぞ」アギルが彼女を後ろから押さえつけた。
「おい、みんなこの生意気な雪族にわからせてやれ!」
アギルの号令と共に、男たちは一匹の狼に群がる野犬のようにメローペへと殺到した。
「離しなさい! この低俗な豚どもが!」
メローペが氷のような声を荒げ、間近に迫った男の腕を極めて投げ飛ばそうとした。しかし、背後からアギルが彼女の両腕を無理やりねじり上げ、粗岩のような体格で動きを封じる。
「おっと、そうはいかねえよ、雪女。お前のその綺麗な顔も、冷たい目も、今から俺たちでたっぷりと温めてやる」
「くっ……!」
メローペの圧倒的な武力は、多勢に無勢という卑劣な状況と、拘束という不正な手段によって封じられた。男たちの苛烈な制裁が始まった。
最初に狙われたのは、彼女の誇り高き軍装だった。黒と銀の軍服の留め具が乱暴に引きちぎられ、バリバリという布が裂ける乾燥した音が廃屋に響き渡る。白銀の髪を誰かが力任せに掴み、彼女の頭を無理やり後ろへと仰け反らせた。
「いっ……! 痛い……! やめ……!」
普段は鉄壁の冷静さを保っている彼女の顔が、苦痛と屈辱に歪む。男たちの粘つく視線と、酒と血の臭いが染み付いた荒い息が、メローペの白く滑らかな肌に吹きかけられる。軍服の下に隠されていた無駄のない戦士の肢体が、薄汚れた男たちの目の前に次々と晒されていった。
「見ろよ、この肌の白さは! 雪族ってのは本当に真っ白なんだな!」
「まるで人形みたいだぜ。なぁ、この冷たい女が俺たちに喘ぎ声を上げる姿を見たいと思わねえか?」
男たちは手に持っていた剣の柄や鞭の鞘でメローペの肢体をなぞり、抵抗する彼女の脚を蹴り飛ばして地面へと跪かせた。屈辱的な姿勢で組み敷かれた白銀の処刑人は、凍り付いたような瞳で男たちを睨みつけるが、その瞳の端には初めて見せる恐怖の色が滲んでいた。
「さあ、生意気な口をどうやって使わせてやるか……」
アギルが下卑た笑い声を上げ、ズボンの前を寛げながらメローペの顎を強引に掴んだ。男たちの手が彼女の体を弄り、蹂躙していく。
その凄惨で狂乱的な光景を、拘束されたままの昴は虚ろな目で見つめていた。
(アル姉……アリステラさん……)
視界の端には、首を刎ねられたまま転がるアルキュオネーの亡骸。槍で貫かれ、血の海に沈むアリステラの体。そして、自分を犯し尽くした後、今度はかつての敵であるメローペを犯そうと歓喜する男たちの狂態。
「メローぺのおまんこあったけぇ!」
アギルがえぐるように腰を振る。
「んーー!んっ!んっ!」
「メローぺしゃぶれ!!」
彼女の小さな口元に竿を押し付ける
「ああ、こいつは名器だ」
「ごえっおげぇええ、この下衆!下衆どもが!」
メローペは屈辱と怒りに震えていた。目の前で、任務を果たした末路がこれだというのか。
「ごの下衆が! うぇぇぇ!」
口内を男の逸物が抉る。
「そんなにうまいなら男汁をくれてやるぜ」
ドビュドビュドビュ彼女の口の中に男が射精した。
「お前ら本国に帰ったら、軍法会議にかけてやる!」にらむメローぺ。
「ひひひ残念だったなぁ。メローぺ、お前はこの人が終わったら俺たちに処分される予定だったんだよ。ドルガルド陛下のご命令だ。お前の出身のエルデ村が1ヵ月前に反乱を起こして皆殺しにされたんだよ。お前はその最後の生き残りってわけだ。復讐なんか企むといけねぇからなあ。今日ここで使い捨てにするつもりだったんだ。」アギルは皇帝の命令書を彼女に見せつけて彼女の首を絞めながら彼女の中に射精した。
ドビュドビュドビュドビュドビュドビュドビュ
「ひひひぃ射精つっ!氷の女もこうなりゃただのおまんこだよなぁ 」
アギルは、部下にもメローぺをリンチレイプするように命じた。
彼女はこの廃墟で殺害され遺棄されることになっていたのだ。まさに冥途の土産のレイプに彼女の軍服は見るも無残に引き裂かれた。
「ぐほっ、おえぇぇぇ」
メローぺの小さな口から男の精液が溢れ出す。
「クックックック、クックックックいい気味だぜぇ!エースだからっていい気になりやがって」「雪族が皆殺しにされていたとも知らずに馬鹿な奴だぜ」
男達が白濁とした欲望の証をメローぺにぶちまけた。
「クッ……あぁっ……!」
メローぺは苦悶の表情で喘ぎ、身体をのけ反らせる。
「おお……これは素晴らしい……」男が恍惚とした表情でメローぺを見つめる。
「ほら、媚薬を死ぬほど飲ませてやるよ。もっと感じろよ」別の男が彼女の乳房を揉みしだきながら耳元で囁く。
「嫌だっ……そんなことっ……」メローぺが顔を歪めながらも抵抗しようとするが力が入らない様子だ。
「無駄だよ、抵抗しても無意味だってわかってるだろう」
「よし、こいつを三つ同時に使ってやろうぜ」
アギルの号令が、廃屋の冷たい空気を震わせた。
メローペの白銀の髪は汗と樹液と精液で濡れそぼり、氷のような青い瞳は屈辱と怒りで燃え上がっていた。しかし、その瞳の奥には、確かな恐怖の色が滲んでいた。多勢に無勢。武器を奪われ、拘束され、かつての部下たちに見捨てられた彼女に、今の状況を覆す術はない。
「口は俺がいただ」アギルがメローペの顎を強引に掴み、無理やり顔を上げさせた。「ほら、ちゃんと咥えろ」
「ぐっ……! んっ……!」
太い楔がメローペの小さな口内をこじ開ける。舌の上に男の熱が乗せられ、喉の奥まで侵入してくる。嘔吐感が込み上げたが、頭を掴まれ逃げ場はない。
「下は俺だ」別の男がメローペの細い両脚を強引に開かせた。「雪族のおまんこ、本当はあったけぇな」
「やめ……! んっ……!」
口を塞がれたまま、メローペの秘所に男の指がねじ込まれた。催淫剤の効果で熱を持ち始めた粘膜が、嫌悪とは裏腹に男の指を受け入れてしまう。
「おっ、出されたまくって濡れてやがる。雪女も発情するんだな」
「嘘……! こんな……!」
口の男が腰を振り始める。喉の奥を突かれ、言葉にならぬ悲鳴が漏れた。
「ケツは俺のもんだ」三番目の男が背後に回った。
メローペの引き締まった臀部が乱暴に掴まれ、窄まりに熱い先端が押し当てられた。
「いっ……! そこは……だめぇっ……!」
三つの穴が同時に犯された。
三方向から容赦なく貫かれ、メローペの体は男たちの手で弄ばれた。
「んっ……! んぐっ……! うぅっ……!」
声にならぬ悲鳴が漏れる。口の男が喉の奥で射精し、白濁液が鼻腔に逆流した。
「あぐっ……! うぇっ……!」
「ほら、全部飲み込め」
「いやぁ……! だめ……! 同時は……だめぇっ……!」
下の男が腰を打ち付け始めた。秘所の中を太い楔がかき回し、催淫剤で肥大化した感度が快楽の神経を焼き尽くしていく。
「あっ、あっ、あぁっ……! だめ……! 感じてる……! 感じちゃ……!」
「ケツ穴も忘れんなよ」
背後の男が一気に腰を沈めた。腸内を蹂躙する異物感に、メローペの体が弓なりに反った。
「ひぎぃっ……! あぁぁっ……! 両方……両方だめぇっ……!」
前と後ろ。交互に。時に同時に。二つの穴を出入りする男たちのリズムが、メローペの理性を粉々に砕いていく。
口の男が再び硬度を取り戻し、今度は頬を膨らませて咥えさせた。三穴同時の責めが続く。
「んっ……! んぐっ……! うぅっ……! あっ……! あぁっ……!」
口と下と後ろ。三つの穴から同時に快楽の波が押し寄せ、メローペの体は痙攣し始めた。
「ほら、イッちまった。雪女がイッちまったぞ」
「嘘……! こんな……! ひどい……!」
男たちの嘲笑が廃屋に響く。
メローペの体が波打った。三つの穴が同時に収縮し、男たちを締め付ける。
「くっ……! きつい……!」
「名器だこいつ……!」
三つの穴から同時に精液が注ぎ込まれた。口。秘所。後庭。白濁液が三方向からメローペの体を満たし、溢れ出した。
「あぁぁぁっ……! いやぁぁ……! だめぇぇ……! 全部……全部の中に……!」
メローペの体が痙攣した。三穴同時の絶頂。
白銀の髪が振り乱され、氷のような瞳から涙がこぼれた。処刑人の誇りも、雪族の誇りも、三つの穴を同時に犯されることで完全に砕け散った。
「次は俺だ」「俺もだ」「まだ終わらねえよ」
男たちは列をなした。三穴は休むことなく犯され続けた。
あぶれた男たちは、スバルの上にもしかかる。昴は虚ろな目で見ていた。
「イキながらあの世に行きやがれ!」
やがて男達はメローぺに短刀を突き刺し殺害した。
視界の端には、首を刎ねられたアルキュオネーの亡骸。血の海に沈むアリステラの体。痙攣するメローぺの死体
(わたしも……このまま……犯され続けて殺されるの…)
だが、ふいに昴の体の奥で、何かが弾けた。
「犯られ戻り」の権能。
男に犯される。何度も。何度も。限界を超えて犯され続ける。
発動条件が満ちたのだ!
世界が、反転した。
「昴? どうしました顔色が悪いですよ」
アルキュオネーの声。場所は、彼らの襲撃を受ける。30分前の草むらの上だ。
生きてる。アル姉も。アリステラさんも。
戻った。涙が溢れた。
「アル姉……!」
「どうしました? 昴?」
昴はアルキュオネーに抱きついた。生きてる。温かい。本物だ。
「……よかった……」
「昴? 泣いてるのですか?」
「うん…… ちょっと……怖い夢を見た」
アリステラが心配そうに駆け寄った。「昴様、大丈夫ですか?」
「うん……大丈夫…… もう大丈夫」
昴は涙を拭いた。
⭐️予知夢
「予知夢……ですか?」
アルキュオネーが眉をひそめた。
三人は草むらに腰を下ろしていた。昴は膝を抱え、声を震わせながら語った。
「うん。夢を見たんだ。この先で私たちは、暗殺者に襲撃されて、私はやつらに廃屋に連れていかれて—私を取り戻しに来た—アル姉の首が刎ねられて、アリステラさんが槍で貫かれて……」
言葉が詰まった。涙が溢れた。
「わたしも犯されて、全員殺された」
アリステラが胸の前で手を組んだ。「それは……神のお告げのようなものなのでしょうか」
「かもしれない」昴は涙を拭った。「でも、全部詳細すぎた。敵の人数、装備、罠の仕組み。敵の名前まで全部が現実になりそうな精度だった」
アルキュオネーは腕を組み、目を閉じた。聖騎士として戦場を経験した者だけが持つ、沈黙の思考。数秒後、青い瞳が開かれた。
「信じます」
短かった。
「昴が嘘をつく人でないことは知っています。それに——直感というものは存在します。戦場では何度も命を救われました」
「アルキュオネー様……」アリステラが安心したように呟いた。
「ただ」アルキュオネーは指を立てた。「一つだけ不可解な点があります。敵の隊長はわたくしの名を知っていた。つまりドルガルド連邦はわたくしを狙っている。しかし——」
「昴様とわたくしのことは知らない?」
「その通りです。アリステラ殿。彼らの標的はあくまでわたくし。二人は巻き込まれただけ」
昴は顔を上げた。「なら、そこを突ける」
「どう突くのですか」
「アル姉は隠れる。わたしたちが先に動く」
アルキュオネーは首を傾げた。「具体的には?」
昴は立ち上がった。涙は乾いていた。代わりに、あの快活な光が瞳に戻っていた。
「わたしが囮になる」
⭐️林檎売りの少女
襲撃班がいる街道筋に一人の少女が歩いていた。
篮を手に持っている。中には赤い林檎が並んでいる。
少女は——昴だった。
黒髪のショートカットはそのままだったが、頭に白い布を巻き、粗末な麻の服を着ていた。顔に泥を薄く塗り、頬を赤く塗った。弓と矢筒は宿屋に置いてきた。代わりに篮を持っている。
(変装なんて初めてだけど……)
市場の人混みに紛れながら、昴は目標を探した。
アギル。ドルガルド連邦特殊執行部隊の隊長。予知夢で見た顔は、今でも網膜に焼き付いている。あの鼻で笑う顔。薄い唇。粗岩のような体格。
(いた)
市場の端、木陰のベンチに男が座っていた。革の鎧を纏い、腰には剣。しかし乍装は外している。一般兵に見せかけているが、座り方から訓練された人間だとわかる。
周囲には十人ほどの部下が散っている。
(こいつは知らない。わたしの顔もアリステラさんの顔も)
アギルの任務はアルキュオネーの殺害。昴とアリステラの存在は把握されていない。
(ここが勝負どころだ)
昴は深呼吸をした。そして——少女の笑顔を作った。
「林檎はいかがですか! 今朝摘んだばかりの甘い林檎です!」
声を張り上げた。市場の喧騒に紛れるかと思いきや、意外と通る声だった。
神社で祭りの呼び込みを手伝っていた経験が活きる。
ベンチのアギルが顔を上げた。
(見た)
昴はわざとアギルの前を通り過ぎようとした。そして——足を挫いたふりをして、篮を落とした。
「きゃっ!」
林檎が石畳に転がった。
「ああっ、ごめんなさい!」
昴はしゃがみ込み、転がった林檎を拾い始めた。一つがアギルの足元に転がった。
「あの……すみません……」
昴が上目遣いでアギルを見た。
アギルは林檎を拾い、昴に手渡した。太い指。掌のタコ。
「気をつけろよ、嬢ちゃん」
「ありがとうございます……」
昴は林檎を受け取り、小さく微笑んだ。そして——一瞬だけ、目を細めた。
(この男だ。間違いない。予知夢と同じ顔。同じ声。同じ匂い)
「あの……この林檎、一つどうですか? お礼です」
アギルは林檎を受け取った。「悪いな」
「いえ……あの、私、この辺りの者じゃなくて。道に迷っちゃって……」
「迷った?」
「はい。おじいちゃんと市場に来たんですけど、はぐれちゃって……」
嘘はすらすら出た。不思議なほどに。
アギルは林檎を齧った。「どこから来た」
「森の方の村からです」
「ほう」
「あの……もしご存知でしたら、宿屋の場所を教えていただけませんか? おじいちゃんが待ってるんです」
アギルは昴を眺めた。小柄。細身。林檎売りの粗末な服。泥のついた顔。怯えた目。
男の目が、昴の体を舐めるように動いた。
(見てる……予知夢と同じ目だ。男が女を見る目)
昴はわざとらしく俯いた。「あの……?」
「……宿屋か。俺が案内してやるよ」
(かかった)
アギルは立ち上がった。部下に目配せをした。「俺は少し離れる。お前たちはここで待て」
部下たちは頷いた。
昴はアギルの後ろを歩いた。市場を出て、路地に入った。
「あの、宿屋はこっちですか?」
「ああ。近道だ」
路地は狭く、日当たりが悪い。人はいない。
昴は周囲を確認した。部下はついてきていない。
(今だ)
「あの……」
昴は立ち止まり、アギルの袖を引いた。
「何だ」
「……怖いんです。一人で」
上目遣い。震える声。少し体を寄せる。
アギルは立ち止まった。昴を見下ろした。その目が変わった。獲物を見つけた目。
「怖いのか」
「はい……誰かと一緒にいたくて……」
アギルの手が昴の腰に回った。太く、荒い手。
「俺でいいのか」
「……はい」
嘘だった。全部嘘だった。心の中は氷のように冷えている。
だが——体は正直に動いた。昴はアギルの首に腕を回した。
「こっちに……草むらがあります……誰も来ないところ……」
アギルは喉で笑った。「いい嬢ちゃんだ」
路地の先、廃屋の裏手に雑草の生い茂った空地があった。人目につかない。
デルムの郊外によくある放置地だ。
(アリステラさん、今だよ)
昴は心の中で念じた。
アリステラは動いていた。
昴がアギルを誘い出している間に、アリステラは別の動きをしていた。アルキュオネーが事前に調べていた——アギルの部下が市場近くの廃屋を臨時の詰め所にしていることを。
アルキュオネーはこう言った。「敵の本隊はまだ到着していない。アギルは先遣隊だ。命令書はアギルが持っているはず。だがアギル自身は動かない。部下が動く。アギルが市場に出るということは、廃屋には数人しか残っていない」
作戦は単純だった。アギルを市場から引き離し、その間に廃屋の命令書を奪い偽物とすり替える。
アリステラは修道服を着ていた。リーキスト教団の聖導女としての姿。これは変装ではない。本物だ。
廃屋の前に立った。胸の前で手を組み、静かに扉を開けた。
「慈悲深き地母神の御名において」
中にいた男たちが振り向いた。三人。剣を置いている。
「何だ、お前は」
「わたくしはリーキスト教団の聖導女アリステラ・エーレクトラーと申します。この地域の孤児院の巡回をしておりまして……」
男たちは顔を見合わせた。「今は忙しい。出て行け」
「まあ、それは申し訳ありません。ですが——」
アリステラは微笑んだ。柔らかく、温和に。そして男たちの目を見た。
「何かお困りではありませんか? お顔が疲れていらっしゃる」
男の一人が顔を赤くした。聖導女の微笑みは、男たちの警戒を解くには十分だった。
「……別に困ってない」
「そうですか。では水とパンだけでも差し上げます。わたくしの荷物の中にありますので——」
アリステラは荷物を解いた。その動作の中で、さりげなく廃屋の中を見渡した。
(命令書は——)
机の上。革の袋の中。鍵はかかっていない。
「……パン、もらうか」
「はい、どうぞ」
アリステラはパンを差し出した。男が受け取った瞬間——
「あっ!」
アリステラがわざと水の入った壺を倒した。水が床に広がった。
「ああっ、ごめんなさい! すぐに拭きます!」
アリステラは慌てたふりをして布を取り出し、床を拭き始めた。男たちも手伝った。
その隙に——アリステラの手が机の上の革袋に伸びた。
(あった)
革袋の中に、羊皮紙が入っていた。皇帝の署名と封蝋。アリステラはすばやく手の中の偽物とすり替えた。偽物は昴が宿屋で書いたものだ。内容は似せてあるが、関鍵な部分が違う——メローペ・ヴァイスの処分命令が削除され、代わりに「任務完了後、速やかに本国へ帰還せよ」と書かれている。
(すり替え完了)
アリステラは布を畳み、立ち上がった。
「ご迷惑をおかけしました。では失礼いたします」
男たちはパンを齧りながら、もうアリステラを見ていなかった。
アリステラは廃屋を出た後、別の動きをした。
メローペ・ヴァイスへの接触だ。
アルキュオネーが調べていた。メローペはアギルの部隊とは別行動をとっている。
彼女は単独行動を好む。
デルムの郊外にある古い井戸のそばで、よく一人で過ごすという。
アリステラは井戸のそばに立っていた。
夕暮れが近かった。赤い光が丘陵を染めている。
足音がした。
白銀の髪。氷のような青い瞳。黒と銀の軍装。
メローペ・ヴァイスが立っていた。
「……誰だ」
冷たい声だった。
「わたくしはリーキスト教団の聖導女アリステラ・エーレクトラーと申します」
「聖導女? わたしに何の用だ」
アリステラは一歩近づいた。「お伝えしたいことがあります。あなたに関する——いえ、あなたの家族に関する」
メローペの瞳が揺れた。一瞬だけ。すぐに戻った。
「話せ」
「ここではありません。もう少し人目のないところへ」
二人は井戸から離れ、丘陵の陰に移動した。
アリステラは話した。
「あなたの部隊の隊長アギルが持っている皇帝の命令書。わたくしはそれを見ました」
「……命令書を?」
「はい。そこには二つの命令が書かれていました。一つはアルキュオネー=ヴァル=ルシリオンの処刑。もう一つは——」
アリステラは一息入れた。
「メローペ・ヴァイスの処分」
沈黙が降りた。
「……何だと」
「あなたはこの任務の後、部隊によって処分される予定でした。理由は——エルデ村の出身だからです」
メローペの顔から血の気が引いた。
「エルデ村が……一月前に反乱を起こし、皆殺しにされた。あなたは最後の生き残り。復讐を企てる可能性があるとして、本国から処分命令が出ていた」
「嘘だ」
「嘘ではありません。わたくしがすり替えた命令書は、今ここにあります」
アリステラは懐から羊皮紙を取り出した。メローペの手に渡した。
メローペは読んだ。読み終えた後、羊皮紙を握りつぶした。
「母さんと……妹……」
膝が折れた。白銀の処刑人が、草の上に膝をついた。
「皆殺し……? エルデ村が……? あの小さな村が……?」
「はい」
「母さんは……足が悪かった。歩けなかった。妹は……まだ十歳だった……」
声が震えていた。氷のような瞳が、溶けていく。
「何も……知らされてなかった。言うことを聞いていれば、一族のものの安全は保障すると言われて……」
アリステラはメローペの隣に座った。聖導女の手が、白銀の髪にそっと触れた。
「あなたは利用されていたのです。最後まで利用されて、最後は捨てられる予定だった」
「……なぜ……なぜ教えてくれた」
「あなたが助かるためです」
メローペが顔を上げた。涙で濡れた瞳が、アリステラを見た。
「わたくしたちの仲間になりませんか。」
「……仲間? わたしは処刑人だ。お前たちの敵だ」
「でしたら、今ここでわたくしを殺せばいい。わたくしは逃げません」
アリステラは目を閉じた。メローペの手が剣の柄に伸びた。だが——引かない。
「……なぜ殺さない」
「あなたは殺したくない。殺す必要がない人を殺したくないのです」
沈黙が長く続いた。
風が吹いた。白銀の髪が揺れた。
「……わかった」
メローペが立ち上がった。涙を拭い、剣を納めた。
「お前たちに乗る。ただし——条件がある」
「何でしょう」
「アギルの首はわたしが取る。あの男の首は、わたしが跳ねる」
⭐️決戦の宵
廃屋に灯りが灯った。
アギルが戻ってきた。昴との「散歩」を終えて、上機嫌で。
「隊長、お帰りなさい」
「ああ。少し気分転換してきた」
彼は昴の体を堪能し最高の気分だった。
部下たちがニヤニヤと笑った。
アギルは机に座る。まさか命令書が盗まれていると気づくはずもない。
外で、昴が見ていた。廃屋の窓の陰から、中の様子を窥っていた。
アルキュオネーは廃屋の裏手に潛んでいた。光翼剣《ルクス・レギナ》を抜いている。刃は光を放たず、闇に溶け込んでいた。
アリステラは丘陵の陰で杖を構えていた。聖光の詠唱を胸の中で始めていた。
そして——メローペは、廃屋の中にいた。
いつも通り、部隊の一員として。アギルの右腕として。
「メローペ。夜襲の準備をしろ。アルキュオネー=ヴァル=ルシリオンが近くにいる。今夜仕留める」
「はい」
メローペは頷いた。いつも通りの冷たい声で。
だが、その手は——剣の柄を握っていた。白銀の髪が、灯りに照らされて輝いた。
夜が来た。
廃屋の周囲に闇が広がった。月は出ていない。星の光だけが丘陵を照らしている。
「今だ」
昴の合図だった。弓を構えた矢先に油を塗り、火打石で火をつけた。火炎矢。三本。
一本目が廃屋の屋根に突き刺さった。油が引火し、屋根が燃え上がった。
「襲撃だ!」
中から男たちが飛び出してきた。
「アルキュオネー=ヴァル=ルシリオン! 私の方から会いに来てやったぞ」
アルキュオネーが叫んだ。
光翼剣《ルクス・レギナ》。
白い光の軌跡が闇を切り裂いた。アルキュオネーが飛び出した。
「かかってきなさいドルガルドの犬たち」
「やっぱり来たか! 全員殺せ!」
暗殺者たちが一斉に襲いかかった。
だが——今回は違った。
「プロテクション!」
アリステラの聖光が炸裂した。白い障壁がアルキュオネーの前に展開し、矢と投石を弾き飛ばした。
「支援も頼むよアリステラ!」
「はい! 慈悲深き地母神よ! 戦う力を!」
アルキュオネーの身体に白い光が降り注いだ。気力、体力が充実する。
「ありがたい! ルクス・レギナ!」
光翼剣が閃いた。一閃。二閃。暗殺者たちが次々と斬り倒された。
昴の火炎矢が闇を裂く。暗殺者の胸を射抜く。
「アル姉! 右から三人!」
「見えています!」
アルキュオネーが回転し、三方向からの攻撃を一閃で弾き返した。
「クッ……この女!」
アギルが剣を構えた。「全員かかれ! 数で押せ!」
暗殺者たちが殺到した。十人。予知夢と同じ数だ。
だが——今回は違う。今回は準備がある。連携がある。そして——
「メローペ! 何をしてる! お前も戦え!」
アギルが叫んだ。
メローペは動かなかった。
「メローペ! 聞こえないのか!」
アギルが振り返った。
その瞬間——メローペが動いた。
白銀の髪が閃光のように翻った。氷のような青い瞳が、アギルの背中を捉えた。剣を抜いた。一歩踏み出した。
「メローペ? 何を——」
アギルが振り返ろうとした。だが、遅かった。
メローペの剣が、アギルの首を——跳ねた。
白銀の刃が闇を切り裂き、アギルの首が空中に飛んだ。太い首から血が噴き出し、廃屋の壁を赤く染めた。首は転がり、石床で止まった。目はまだ開いていた。信じられないという表情を浮かべたまま。
「隊長——!」
残りの暗殺者たちが凍りついた。
「何だ……? 何故……?」
メローペは血のついた剣を振った。血飛沫が草に落ちた。
「あの男は、わたしを殺すつもりだった。ドルガルドはわたしの母と妹のいた村を皆殺しにした。そしてわたしも、任務が終われば処分される予定だった」
冷たい声だった。だが、その声には——怒りが燃えていた。
暗殺者たちの顔が歪んだ。恐怖と混乱。隊長を失い、指揮系統が崩壊した。
メローぺが飛び込んだ。暗殺者たちを切り裂いていく。
「白き殺戮者の剣 絶刀 雪月花!」
一閃。二閃。三閃。四人が倒れた。
白銀の刃が踊る。アギルの部下たち——かつての同僚たち——を次々と斬り倒していく。
「裏切り者! 裏切り者だ!」
「裏切り? 」メローペは笑った。氷のような笑みだった。「裏切るも何も、最初から忠誠など誓っていない。わたしは利用されていただけだ」
昴の矢が放たれた。残りの暗殺者を射抜く。
「アリステラさん! 聖光を!」
「はい! 慈悲深き地母神よ! 穢れし闇を照らせ! 聖光!」
白い光が廃屋を包み込んだ。暗闇に隠れていた暗殺者たちが光に晒され、逃げ場を失った。
アルキュオネーの剣が走った。メローペの剣が走った。昴の矢が走った。
三分後、廃屋には静寂が戻った。
⭐️四つの星
廃屋の前で、四人が立っていた。
月光が雲の間から漏れ、四人を照らした。
アルキュオネーは血のついた剣を拭い、鞘に納めた。金色の髪が月光に輝いた。
昴は弓を下ろし、矢筒を背に回した。黒髪が夜風に揺れた。
アリステラは杖を持ち、胸の前で手を組んだ。
そして——メローペ。
白銀の髪は血と汗で濡れていた。氷のような瞳は、まだ冷たかった。だが、その瞳の奥に——何かが変わっていた。
「メローペ・ヴァイス」
アルキュオネーが口を開いた。
「あなたはわたくしを処刑するために来た。そして——部下を裏切り、隊長の首を跳ねた」
「……ああ」
「一つだけ聞きたい」
「何だ」
「あなたはこれから、どうするのですか」
メローペは黙った。
月が雲に隠れた。闇が四人を包んだ。
「……帰る場所がない」
声は小さかった。処刑人の声とは思えないほど。
「村は燃えた。母も妹も、、死んだ。国はわたしを殺すつもりだった。帰る場所など——どこにもない」
沈黙が降りた。
昴が一歩前に出た。
「ないなら、作ればいい」
メローペが顔を上げた。
「わたしたちにもないんだ。アル姉の国は滅んでる。アリステラさんの孤児院はまだ再建できてない。わたしは異世界から来て、帰る場所がない」昴がいう
「メローぺさん」
アリステラは手を差し出した。
「ないなら、一緒に作りませんか帰る場所を」
メローペはアリステラの手を見た。小さく、細い手。
「…私はお前たちを殺そうとしたら、奴らの仲間なのに、おかしなやつだ」
メローペは——初めて、笑った。かすかに。氷が解けるように。
⭐️アリステラの教会
アリステラの孤児院はデルムの外れ、小高い丘の上にあった。かつてはリーキスト教団の巡礼宿だった建物を改修したもので、壁はところどころ剥がれ屋根には雨漏りの跡があった。それでも窓辺には花が飾られ、扉には子供たちが描いた絵が貼られていた。
メローペはその扉の前に立っていた。白銀の髪は風に流れ、黒と銀の軍装はすでに脱いでいる。代わりに着ているのは、アリステラが用意した簡素な旅装だった。剣だけは手放さなかった。白銀の鞘に収められた細身の長剣。それが彼女のすべてだった。
「本当にここに置いてもらうのか」
メローペは呟いた。誰に言うでもなく。
「わたしは人を殺してきた。こんな穏やかな場所にいて良い人間じゃない」
扉を開けると、子供たちの声が溢れ出した。
「あっ! アリステラお姉ちゃん!」
「知らないお姉ちゃん来た!」
子供たちが駆け寄ってきた。みんな十歳前後。孤児院に預けられている戦災孤児たちだ。
「お姉ちゃんもここに住むの?」
「剣持ってる! かっこいい!」
「お姉ちゃんも遊んでくれる?」
メローペはたじろいだ。子供の扱いなど知らない。ましてや自分に向けられる無邪気な笑顔など、初めてだった。
「わたしは……」
「メローペ様!」
アリステラが奥から現れた。修道服の袖を捲り、エプロンをつけている。どうやら料理中だったらしい。
「いらっしゃいませ。待っていましたよ」
「アリステラ……この子たちは」
「孤児院の子供たちです。戦争で家族を失った子たちばかり」
メローペの胸が痛んだ。戦争で家族を失った。自分と同じだ。
「みんな、この人はメローペ様。今日からこの孤児院で一緒に暮らすことになりました」
「よろしくおねがいします!」
子供たちが一斉に頭を下げた。メローペは慌てた。こんな歓迎を受けたことがない。
「あ、ああ……よろしく」
ぎこちない返事だった。だが子供たちは気にしない。一人がメローペの手を引いた。
「お姉ちゃん、こっち! 部屋を見せてあげる!」
「おい、引っ張るな……!」
メローペは子供たちに引きずられるようにして奥へ消えた。アリステラはその背中を見送りながら、微笑んだ。
「よかった……」
メローペが孤児院に来てから三日が過ぎた。
彼女は慣れない環境に戸惑いながらも、少しずつ子供たちと打ち解けていった。相変わらず無表情で、声も冷たい。だが子供たちはそんなメローペを気に入った。
「メローペお姉ちゃんは強くてかっこいい!」
「剣の稽古つけてくれるんだって!」
「今日は何して遊ぶ?」
メローペは戸惑いながらも子供たちの相手をした。剣の稽古と称して木の棒で遊んだり、薪割りを手伝ったり掃除をしたり。
「メローペ様、少し休んでください」
アリステラがお茶を持ってきた。
「……すまない。慣れないことをして疲れた」
「ふふ。でも、楽しそうでしたよ」
メローペは顔を背けた。「別に。子供は嫌いじゃない。ただ、どう接していいかわからないだけだ」
「それで十分です。子供たちはメローペ様が好きですよ」
メローペは黙って茶を飲んだ。温かかった。こんなに穏やかな時間は、いつ以来だろう。
ふいに「アリステラ様! 新しい子が来ました!」
修道女の一人が駆け込んできた。慌てた様子だった。
「雪族の子供たちです。三日前にデルムの外れで保護されて……」
「雪族?」
メローペの手が止まった。
「はい。ドルガルド連邦に虐殺されたエルデ村の生き残りだそうです。村が焼かれて、森をさまよっていたところを……」
メローペは立ち上がった。心臓が早鐘を打っていた。
「エルデ村……?」
「はい。三人の子供たちで、一番年上の子は十二歳くらいで……」
メローペは走った。アリステラも追った。
玄関の前に、三人の子供たちが立っていた。みんな雪族の特徴である白い髪と青い瞳。痩せて、服はボロボロで怯えたように身を寄せ合っていた。
その中の一人——一番小さな少女が、メローペを見た。
「……お姉ちゃん?」
メローペは立ち止まった。息が止まった。
「ペリーヌ……?」
少女は十歳。白銀の髪。氷のような青い瞳。痩せていたが、面影は確かにあった。
「ペリーヌ! お姉ちゃん!」
少女が駆け出した。メローペは膝をついた。少女が飛び込んできた。抱きしめた。細い。小さな体。温かい。生きている。
「ペリーヌ……ペリーヌ……!」
メローペの声が震えた。涙が溢れた。処刑人が、人を殺めてきた白銀の処刑人が、声を上げて泣いた。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん……!」
ペリーヌも泣いていた。妹も泣いていた。二人は抱き合って泣いた。
「死んだと……思ってた……村が焼かれて……みんな殺されて……」
「森に隠れてたの。お母さんが……お母さんが私を隠して……それで……」
「母さんは……?」
ペリーヌは首を振った。涙でぐしゃぐしゃの顔で。
「お母さんは……私たちを逃がして…ドルガルドの兵隊に囲まれて、…それで……家の中でいじめられて、、朝になったら死んでたの」
メローペは妹を強く抱きしめた。母は死んだ。だが、妹は生きている。妹だけは生きている。
「ごめん……ごめんペリーヌ……わたしは……何も知らなくて……」
「お姉ちゃんは悪くない! お姉ちゃんは村を出てたから!」
「でも……わたしは……ドルガルドのために戦ってた……村のみんなを殺した国のために……」
「お姉ちゃんは村のためにやりたくないことをいっぱいやらされてたって知ってるよ!エルデ村の誇り、ヴァルキューレの騎士なのに」
ペリーヌは姉の顔を見上げた。涙で濡れた青い瞳が、まっすぐにメローペを見た。
「お姉ちゃんは生きててくれた。それだけでいいの」
メローペは言葉を失った。妹の言葉が、胸に突き刺さった。生きていてくれた。それだけでいい。
「ペリーヌ……」
アリステラがそっと近づいた。
「メローペ様……」
メローペは妹を抱きしめたまま、アリステラを見上げた。涙で濡れた顔。だが、その目には——決意の光が宿っていた。
⭐️剣の誓い
その夜、子供たちが眠った後。
メローペはアリステラの部屋を訪ねた。
「アリステラ様」
「メローペ様。どうされました?」
メローペは部屋の中央で膝をついた。白銀の長剣を両手で捧げ持った。
「この剣を、あなたに捧げます」
アリステラは目を丸くした。
「何を……?」
「わたしはあなたに命を救われた。そして、妹の命も救われた。あの日あなたが命令書のことを教えてくれなければ、わたしはアギルに殺されていた。ペリーヌも、きっと誰かに殺されていた」
「それは……わたくしがしたことではなく……」
「いいえ。あなたが動いてくれなければ、何も変わらなかった。だからこの剣をあなたに捧げます。わたしの命は、あなたのものです」
メローペは深く頭を下げた。
「わたしは殺し屋です。人を殺めてきた。そんな女の剣の誓いなど、迷惑だと思います。ですが——受け取っていただきたい」
沈黙が降りた。
アリステラはメローペの前に歩み寄り、膝をついた。そして剣を持つメローペの手に、そっと自分の手を重ねた。
「メローペ様」
「はい」
「わたくしは聖導女です。ですが、決して清らかな人間ではありません。汚れた男たちに利用され、虐げられてきました。あなたと同じです。穢れた人間です」
メローペが顔を上げた。アリステラの目には、涙が浮かんでいた。
「そんなわたくしでよろしければ——喜んで、あなたの誓いを受けます」
「アリステラ様……」
「メローペ様。わたくしはあなたを信じます。あなたの剣を信じます。そして——あなたの心を信じます」
メローペは涙を流した。今日何度目かの涙だった。だが、この涙は——温かかった。
「ありがとう……ございます……」
アリステラは微笑んだ。聖母のような微笑みだった。
「これからも、一緒に戦いましょう。子供たちのために。そして——私たち自身のために」
メローペは頷いた。
「はい」
その夜、孤児院の屋根の下で一つの誓いが交わされた。白銀の処刑人の剣は、聖導女の手に渡った。そして——新たな絆が生まれた。
⭐️昴とアルキュオネー
翌朝。
昴とアルキュオネーが孤児院を訪ねてきた。
「メローペさん! ペリーヌちゃんに会ったって本当!?」
昴が駆け込んできた。アルキュオネーがその後ろから歩いてくる。
「ああ。本当だ」
メローペは短く答えた。だが、その顔には——確かな安らぎがあった。
「よかった……本当によかった……」
昴は涙ぐんだ。アルキュオネーも微笑んだ。
「メローペ殿。よかったですわね」
「……ああ。ありがとう」
メローペは素っ気なく答えたが、その声は温かかった。
「メローペさん、これからどうするの?」
昴が聞いた。
「アリステラ様に剣を捧げた。だから——ここにいる。子供たちを守る。それと——」
メローペは昴を見た。
「お前たちのパーティーにも協力する。わたしの剣が必要なら、いつでも言ってくれ」
「本当!?」
「ああ。——」
メローペは少し笑った。かすかに。
「お前たちが死なないように、ちゃんと守ってやる。お前たちはわたしの恩人だ。恩を仇で返すような真似はしない」
昴は嬉しそうに笑った。
「よろしくね、メローペさん!」
「……メローペでいい」
「え?」
「さん付けは堅苦しい。メローペでいい」
昴は笑った。
「わかった! メローペ!」
アルキュオネーも近づいた。
「メローペ殿。これからよろしくお願いしますわ」
「ああ。よろしく」
アルキュオネーはメローペの手を取った。白銀の処刑人の手。戦いで鍛えられた手。
「あなたの剣、頼りにしています」
「……ああ」
メローペは短く答えた。だが、その手は——強く握り返された。
孤児院の庭に、子供たちの声が響いた。ペリーヌが走り回っている。他の子供たちも一緒だ。
昴が笑った。アルキュオネーが微笑んだ。アリステラが手を振った。メローペは——その光景を見つめていた。
(これが……わたしの帰る場所)
風が吹いた。白銀の髪が揺れた。雪解けの朝の光が、四人を照らしていた。