(昨日の事は全部悪い夢だったんだ。目が覚めたら、魔法少年とか妖精とか、何もない、平和な日常が始まるんだ…)
奈緒の目がパチリと開く。
「あ、起きたわね。早速朝練行く?」
胸の上に妖精が四つん這いで乗っていて、奈緒の顔を覗き込んでいた。
可愛い。可愛いけれど……
(あああああ~~~、夢じゃなかった…………あうぅぅ…)
がっくりと脱力して、目を閉じる奈緒。
「何?2度寝?せっかく起こしてあげたのにー」
「もう魔法少年なんかいやだ。お前なんかどっかいっちゃえ!」
奈緒が目の前の妖精ティーナに向けて怒鳴る。
「あら、いいの?あなたは私と契約したのよ?契約を反故にしたらどうなるか分かっているんでしょうね?」
しばらく考え込んでから、奈緒は尋ねる。
「…どうなるの?」
「まずあなたは、これから一生射精できなくなるわ。精液はドンドン作られるのに、射精できないのよ。普通の人間なら1週間もしない内に耐えきれなくなって狂ってしまうわ」
「な……、何それ…?」
「契約時の魔法によって、並外れた精力を手に入れた代償よ。違反したら射精の機能をOFFにされちゃうの」
「そんな事聞いてない!」
「あなたが聞き流してただけでしょ?」
「そんな事ない……」
恨みがましくティーナを見つめる奈緒。ここで怒りを爆発させる事ができない辺りが、彼の気弱さを示している。
「それより、契約で高まった精力はすごいでしょ?1日5回は楽勝で射精できるようになっているはずよ」
そう言われて、奈緒は自分のおちんちんがすっかり大きくなっている事に気付いた。
「な、なにこれ…?」
精通したばかりの奈緒は朝勃ちすら知らない。
だが一度意識してしまうと、もう抑える事ができない。
奈緒がモジモジと身体を動かしているのを見て、ティーナはあっさりと言った。
「さ、はやく変身しなさい。朝連の開始よ」
妖精の媚薬魔法で変身させられ、朝連が始まった。
朝練を終えて学校にやってきた奈緒、だが、魔女の気配を感じてすぐにティーナが現れた。
「奈緒!ミルキーナオに変身よ!」
「う、ううん、ちょっと待って」
せめて、トイレに移動してから…そう主張する前に、ティーナの媚薬魔法が唱えられた。
「あっっ!まってっっって、言ったのにぃぃぃ」
魔法を受けて、奈緒のおちんちんが一瞬で膨張し、激しい疼きに襲われる。
奈緒は必死に物陰に身を隠した。それが奈緒にできる精一杯で、あとはもう何も考えられない。
ズボンをパンツごと引き下ろし、膨張したおちんちんを引っ張り出す。
「んっ!ふぐっ!あうっ!」
「なあ、昨日のテレビみた?」
「ん、何の番組?」
「!?」
急に人の話し声が聞こえた。
声が近づいてくる…!
(まずい、どうしよう…?)
隠れてやり過ごそうと思ったが、媚薬魔法を受けたおちんちんは待ってくれない。無慈悲にオナニーの続きを要求する。
とても我慢できない…!
「んっ!んんっ!」
必死に声を押さえながら、急いで出してしまおうと、手の動きをさらに強める。腰もガクガク動く。
(出る…!出る!)
どぴゅん!どぴゅん!どぴゅん!
絶頂に達したものの、射精が終わるまで変身は完了しない。
通行人が、奈緒の目の前を通り過ぎた…
「ん?」
「どうした?」
「いや、なにか光ったような…」
「なんにもないぞ」
変身直後に奈緒は脱出に成功していた。
咄嗟に転移の魔法を唱えて校舎の外に移動したのだ。
「あ、ああああ…」
魔法の反動により、奈緒のおちんちんは限界まで膨張していた。
射精せずに済んだのが奇跡のようだ。
そのかわり、射精直前まで追い込まれたおちんちんを、持て余す事になった。
ブルブル震えながら、息を整えるまで奈緒は動けない。
「やったわね!転移魔法成功よ!この調子で魔女も倒してしまいましょう!!」
空気を読まない妖精が大声で叫んだ。
ミルキーナオに変身した奈緒は校舎内へ戻り、この間の魔女が居た、空っぽの教室に向かった。
すると、前回と全く同じ場所に、魔女ローズが立っていた。
「ふふ。待っていたわよ」
魔女のローズが最初から鞭を構えつつ言った。
アイドル歌手のような容姿なのに、獲物を狙うような妖しい瞳が、アンバランスさを感じさせる。
(そういえば、魔女って何なんだろう?)
奈緒は今更ながら思った。
ティーナは『魔法少年の敵』程度にしか教えてくれなかった。
「ねえ、魔女って何なの?本当に敵なの?」
奈緒はローズに向けて尋ねた。
「え?」
素人丸出しの質問に、呆れたような顔をして、ローズはどう答えようか思案した。
「そうねえ、魔法少年のあなたから見れば敵かしら?」
相手の言葉を肯定しつつ、次に否定の言葉を用意する。
「でも、私達からすれば、敵じゃないわ。ただの遊び相手。楽しいオモチャ」
「…オモチャ?」
「そうよ、だって実力が違い過ぎるじゃない。あなたは単に膨大な魔力を持った一般人。私達に美味しく食べられるための食材よ」 「食材…」
「そんな事ない!奈緒は魔法委員会に選ばれた人間よ!あなた達を倒せる存在よ!」
ティーナがむきになって反論する。
「あんなジジババの言う事なんて当てになるものですか。私達は人間界で自由に暮らすのよ。その途中でちょっと魔力を頂いても大した被害じゃないでしょ?」
「奈緒!無許可で魔法界から脱出した魔女はね、食事のために男の魔力を吸い尽くすの!元々魔力の少ないこの世界の住人から魔力を吸い尽くしたら…」
「…どうなるの?」
奈緒の頭に、干からびて死んでしまう…というイメージが湧いた。
「インポになっちゃうのよ…」
「え?」
知らない言葉だ。
「おちんちんが役に立たなくなって、一生子供が作れなくなるのよ!1人や2人じゃなく、1万人や10万人100万人とインポになれば、人類は緩やかに滅んじゃうのよ!」
「え、ええええ……?」
「だから、この世界に迷惑をかけさせないために、魔法委員会から私達が派遣されたの!魔法少年の魔法の中には、魔法界に強制送還させる魔法もあるのよ!」
「別に命を奪うわけじゃないし、1回で吸い尽くす事だってしないわよ。その位の節度はあるわ」
ローズは大したことじゃないと言いたげだ。
「節度を守るなら正式に手続きしなさい!不法出国は厳罰よ!」
「あー、はいはい。それはもう聞いたわよ」
ローズは手を振って、ティーナを追い払う。
「そういうわけで、ミルキーナオくん」
ローズは奈緒に顔を向けた。
「あなたは戦うの?戦わないの?」
「え…ええと…」
正直、戦う気が薄れていた。
魔女が悪い事をしているのは分かったが、わざわざ自分が戦う必要があるのか…
「戦わないなら、あなたのクラスの子を狙おうかしら?」
「え?」
「クラスのお友達の魔力を吸い尽くして、インポにしてあげましょか?」
「…なっ!?」
「一人ずつ、魔力を吸って、最後には学校の男子全員が…」
「やめてっ!!!」
「嫌なら私を止めてみなさい、あなたにできるかしら?」
「絶対止めてみせる!」
身近な人の危機を自覚して、初めて奈緒に闘志の火が灯った。
「じゃあ始めましょう」
楽しそうに奈緒を見つめる。
ローズの威圧感が上がり、戦闘状態になった。
「どう?少しは力の使い方を覚えた?」
ローズが尋ねると、ティーナがふんぞり返って答える。
「ふんだ!昨日とは違うわよ。奈緒にはたくさんの魔法を仕込んだんだから!」
「それは楽しみね」
そう言いながら、ローズはいきなり鞭を振り下ろした。
奈緒は大きなバリアを張って防ぐ。
「んあっ!」
甘い悲鳴が上がる。
魔法によるダメージはそのまま快感となっておちんちんに伝わる。この快感に屈して射精してしまえば、変身は解けてしまうのだ。
「奈緒!そんな大きなバリアを張っちゃダメだって言ったでしょ!」
「そんな事言ったって…」
昨日今日の練習は一通りの魔法を使っただけだ。実践練習は皆無。
ローズは2度3度と鞭を振り下ろす。その度に奈緒の口から甘い悲鳴が上がる。
あと一撃受ければ確実に射精してしまう……そう思った瞬間、それを察知したかのように攻撃がやんだ。
「はあ……はあ………」
床に崩れ落ちる奈緒。
「がっかりね。何も変わってないじゃないの」
ローズの言葉にティーナがムキになって反論する。
「そんな事ないわよ!奈緒は攻撃魔法を一杯覚えたんだから!あなたなんて一撃よ!」
「ふーん、それじゃあ、今度はあなたが攻撃してきなさいよ」
ローズは余裕の表情で奈緒を誘う。
腕を上げて、ホラホラという仕草で挑発する。
「奈緒!チャンスよ!ミルキーブレードで攻撃よ!」
奈緒は杖を呼び出し、その杖にすがって立ち上がる。股間には限界まで膨れ上がったおちんちんがビクビクと震えている。
奈緒が魔法を唱えると、杖の先から乳白色の刃が現れる。
「あくうぅ…」
刃が現れると同時におちんちんに断続的に鈍い刺激が走る。
「早くかかってきなさいよ」
ローズが誘う。
「いけーーっ!切り刻んじゃえーーーっ!」
ティーナが何も考えずに囃し立てる。
奈緒は杖を構えて、上段に斬りかかった。
ローズは軽くそれをかわす。
空ぶった刃はそのまま床にぶつかる。
「くうっ!」
小さな悲鳴が上がる。
ぶつけた時の反動を受けているようだ。
「はいはい、こっちよー」
ローズは攻撃を2度かわし、3度目をあえてかわさなかった。そのかわり、差し出した手の先からバリアを張る。
奈緒の張る、薄くて無駄に面積の広いバリアではなく、非常にコンパクトで硬質なバリア。そしてそこにミルキーブレードの刃が直撃した。
コキーーン!
「くあああああっ!!」
奈緒は杖を落としてその場に崩れ落ちた。
床にぶつけた時とは段違いの衝撃。
ローズのバリアは、奈緒の攻撃をそのまま跳ね返したのだ。
床の上に倒れた奈緒は身体を丸めて、びくっびくっと跳ねた後、変身が解けてしまった。今ので射精してしまったらしい。
「あら、もうちょっと持つかと思ったのに、あっけなかったわね」
「奈緒!もう一度変身よ!」
リィーナの媚薬魔法が奈緒に飛ぶ。だが、奈緒は何の反応も示さなかった。
「どうしたの?えい!えい!」
リィーナは2度3度と魔法を唱える。
「無駄無駄。だってこの子気絶してるもの。オナニーなんてできやしないわよ」
「それじゃあ!気付けにっ!」
別の魔法が奈緒に飛ぶ。
「ぎゃああああああああああっ!!!!」
奈緒が跳ね起き、股間を押さえて転げ回る。
トウガラシの魔法がかけられたのだ。
この魔法は激辛トウガラシをおちんちんに塗りたくられたのと同じ効果がある。それも外側だけでなく『内側』もである。
気絶した魔法少年もバッチリ目覚めさせる事ができる凶悪な魔法だ。
「あらあら、この子に一番のダメージを与えているのは、この妖精みたいね」
ローズは転げ回る奈緒を笑いながら見物した。
「アハハハハハハッ!ああ面白い!」
この2人の見世物は最高だと、ローズは思った。
「奈緒!変身よ!」
だが、トウガラシの刺激にのたうちまわっている奈緒にそんな余裕はあるはずがない。ただ悲鳴を上げて転げ回るのみである。
「あー……、出力が高すぎたかなー?」
この程度しか反省しない、ティーナであった。
「十分笑わせてもらったし、それじゃ続きは明日ね」
ローズは去っていった。
奈緒はこのあと十数分間も転げ回り、3度も媚薬魔法を受けていたがために、その間5回近くも射精をするはめになった。