行儀の良いふりはもうやめだ⋯⋯。
百八の煩悩を持つ雷斗だが、性交渉にあたっては意外と自分の性癖を押し付けず、ノーマルな内容のプレイに留まっていた。
キスやペッティングによる愛撫、フェラチオ、そして挿入。これが基本の流れであり、恋人とのセックスではなんら可笑しくない内容ではあるが。
しかし、メリナは小さな不満を抱えていた。
雷斗との行為そのものに不満はない。あるのは、その姿勢。
まだ数回程度しか体を重ねていないが、それでも数回も逢瀬を共にしたのに。未だ自分に遠慮しているのが気に食わなかった。
故に「雷斗の性癖ってなに?」なんて発言が飛ぶのも、もはや必然と言えるだろう。
「きゅ、急だな。どした?」
「特に深い意味はないけれど、気になって。雷斗ってまだ、私に遠慮してるでしょ」
「そりゃ、まあ⋯⋯」
ついこの前まで童貞だったし、何よりも恋人がいた例がない。
どこまで相手に寄りかかっていいのか測りかねているのが実際のところであるが、そんな男の子心を知らないメリナからすれば、まだ自分に遠慮してるのは少し寂しかったりする。
「雷斗のことをもっと知りたいの。差し当たって性癖から」
「そこから!?」
引き攣った顔の雷斗に向けて膝を詰めたメリナは、興味津々な様子で彼を見上げる。
そして、始まる質問タイム。
性の癖と書いて性癖。質問は終始性に関するもので、普通なら恥辱を感じるような内容も淡々と尋ねるその様は、まるで被験者から聞き取りを行う科学者のように事務的であった。
「──なるほど。まとめると雷斗は、赤ちゃんのように甘やかされる幼児プレイに興味がありつつもSよりM気があるから言葉責めが有効と。それでいて女の子を乱暴に扱いたくなる時もあるからSMプレイにも関心があるけど傷つけたくはない。それはそれとしてメイドが好き」
「⋯⋯」
真面目な表情で無地のスクロールに記載していくメリナとは裏腹に、ついに顔を手で覆ってしまう雷斗。
耳まで赤くなったその姿にゾクゾクしたものを感じるメリナは、早速雷斗から聞き出した情報の精査を始めた。
つまり、実践である。
「赤ちゃんのように甘やかされる幼児プレイ⋯⋯難しいわね。取りあえず甘やかせば良いのかしら」
服を脱ぎ、裸にローブというマニアックな格好になったメリナは、女の子座りになると自分の太ももを叩いた。
「膝枕してあげる。ほら、こっちにおいで」
恐る恐る頭を太ももに乗せる雷斗。慎ましやかな乳房越しにメリナと視線が絡む。
目尻を下げた彼女は「男の子といえば、おっぱいよね」と独り言ち、その穏やかな丘陵を近付けた。
「こ、この引力に、逆らえない」
雷斗の言葉通り桜色の乳首に目が奪われたかと思うと、自然と顔が引き寄せられていく。
磁力に引き寄せられるS極とN極のように、そこにあるのが当然と言わんばかりに乳首を口に含んだ。
まるで赤子のように無心で乳首をちゅぱちゅぱと吸い上げられ、メリナの中の母性がけたたましく刺激される。
乳首をつままれたり、吸われたり、転がされたりすると頭の奥が痺れ、セックスの時みたいな感覚が広がっていき呼吸が荒くなる。
「んっ⋯⋯」
「メリナマンマ、これだけじゃ少し物足りないです⋯⋯成長期なので⋯⋯」
「ママ⋯⋯ママ、ね⋯⋯」
白昼夢の中にいるようなふわふわした気分の中で、雷斗の両手は慎ましやかな乳房を捕らえた。
慎ましやかと表現しているが、その実掌から少しはみ出る程の大きさはある。
至福の時間はしばし続き、至近距離の効果もあってか口元が自ずと綻んだ。
「ふふっ、甘えたがり屋さんね。こっちの方をよしよしされたいのかしら?」
蠱惑的な笑みを浮かべたメリナの右手が雷斗の下半身に伸びる。
いつの間にか裸になっていた雷斗の息子は既に固くいきり立ち、メリナの拙い赤ちゃんプレイに喜びを見い出していた。
「元気におっき出来て偉いわね。雷斗のおちんぽ、男らしくて格好いいわよ」
「マンマの手、柔らかくて気持ち良い⋯⋯」
「そう? だったらもっとよしよししてあげないとね」
乳首を吸われていることもあって、メリナの下腹部がじんじんと熱くなり秘部から愛液が溢れ出る。
火照った体に任せて竿を握る指を優しく上下させると、雷斗の口から甘い声が漏れた。
「此処が良いのかしら?」
先走り汁のおかげで滑りが良く、手コキする度にクチュクチュと卑猥な水音が鳴る。
男の弱点を刺激される度に腰が浮き、乳首を吸う力が強まるのが楽しい。
「そ、そこヤバい、んあっ⋯⋯!」
「おっぱい飲んで良い子ね。そろそろ白いオシッコが出るかしら」
愛らしくおっぱいを飲む雷斗を見下ろすメリナの口角が妖しくつり上がり、手コキが段々と加速。
カリ首のくびれの部分を親指と中指で挟みながらシコシコ扱くと、鈴口からあふれ出したカウパー氏腺液が竿に垂れ、手のすべりを良くしていった。
「マンマ出ちゃうから! もうダメですって!」
「いいわよ我慢しないで。白いオシッコぴゅっぴゅってするところ、ママに見せて……!」
「あぁっ、出る……っ!」
ギュッと目を瞑りながらビクビクと痙攣する雷斗。同時に鈴口から噴き出した精液が勢いよく弧を描く。
あまりの量にびっくりしながらも、左手を器状にして精液を受け止めるメリナ。熱く煮えたぎった精子の熱に、下腹部の奥がジンと痺れた。
「んっ⋯⋯すごい、たくさん出たわね。格好良かったわよ」
左手についた精子の匂いを嗅ぐと、鼻の奥にツンとくる独特の香りがメリナの脳内をピンク色に染めていく。
「次はおっぱいで挟んであげる。……さっき出したばかりなのにまだまだ元気ね」
一発出しても尚衰える兆しを見せない剛直に舌なめずりするメリナ。寝ている雷斗に覆い被さるように馬乗りになると、自らの豊かな膨らみを持ち上げると、間に肉棒を挟み込んだ。
左右から圧をかけると柔らかな乳肉が隙間なく吸い付き、温かな快感が雷斗を襲う。
「はぁ、はぁ……っ。すご……っ」
「雷斗ったら、はしたない声。そんなにママの胸は良い?」
「すっごく気持ち良い……っ」
素直に肯定されるとメリナも嬉しくなり、双丘を寄せながら上下に動かす。
乳首の先端が擦れる度にゾクゾクとした快感が体中に走り、乳首がピンと勃起していく。
「マンマのおっぱい柔らかいし、ヌルヌルしてて……っ!」
「ママのおっぱいとおちんちんの間で、透明なオシッコが出ているわね」
溢れ出る我慢汁のおかげで滑りがよくなり、腰が自然と動き出す。
双丘に包まれた肉棒が愛液で濡れた蜜壺を幻視し、雷斗は興奮で呼吸が荒くなる。
「ふふっ、雷斗ってばエッチな子ね。でもそんな貴方も嫌いじゃないわ」
「うっ……!」
「先っぽからとってもエッチな匂いがする。私の手までベトベト……っ」
手のひらに垂れてきた先走り汁を塗り込むように鈴口を撫でると、雷斗の腰がビクンと跳ねた。
それに伴い乳房を大きく揺らしながら扱き上げると、パン生地を捏ねるように形を変えながら圧迫する。
「ふふっ、イっちゃいそうなの? いいわよ……? 白いオシッコぴゅっぴゅって出してみなさい」
「だ、出る……っ!」
ビクビクと腰が跳ねると同時に鈴口から勢いよく飛び出した精液が谷間に溜まっていく。
大量の精子でドロドロになった谷間を見つめながら、メリナはペロリと唇を舐めた。
「まだ足りないでしょう? 次はこっちに頂戴」
覆い被さるように馬乗りになったメリナは、剛直の先端を自らの秘裂にあてがうとゆっくりと腰を沈めた。
ずぶずぶと抵抗なく挿入され、子宮口まで貫かれる感覚に背筋がゾクゾクと震える。
「はぁ……っ、大きい……っ。奥まで届いてる……っ」
「マンマの中、すごく締まってて……っ」
「もう我慢できないわ……っ」
たまらず腰を振り始めるメリナ。結合部からグチュグチュと淫らな水音が響き渡り、それに伴い胸も揺れ動く。
肉壁がピストン運動に合わせてキュウキュウと締め付けられ、強烈な快楽に襲われた雷斗は顔を歪ませた。
「あっ、あんっ、いいっ」
「はぁ……っ。すごい締め付け……っ」
「んっ、もっと動いて……っ。ママのおまんこで、よしよししてあげるから……っ」
上下運動から前後のグラインドへと切り替わり、膣壁で肉棒を扱くように腰を振り続ける。
結合部からは愛液が飛び散り、二人の体を濡らしていった。
「すごい……っ。雷斗のおちんちん、ビクビクしてる……っ」
「くっ……!」
「はぁっ、私も気持ち良い……っ。一緒にイきましょう……っ!」
ラストスパートとばかりに腰の動きを加速させると、それに伴い胸もぶるんぶるんと激しく揺れ動く。
肉襞が吸い付くように締め付ける中、雷斗はメリナの細い腰を掴むと下から突き上げるように腰を動かした。
「あっ! それ、好き……っ! いいっ!」
「はぁ……っ。イクぞ……っ!」
「出してぇ……っ! 赤ちゃん妊娠しちゃうくらい奥で……っ!」
「うあぁっ!」
メリナの最奥で爆発した肉棒から大量の精液が注ぎ込まれ、膣内を満たしていく。
子宮口に叩きつけられる熱い飛沫に痙攣し、同時に絶頂を迎えたメリナは背中を弓なりに反らせながら嬌声を上げるのだった。
お決まりのピロートークタイム。
雷斗の逞しい胸板に頬を寄せたメリナは、今日の感想を尋ねた。
「幼児プレイってこんな感じ?」
「なんか違う気がする⋯⋯」
確かに台詞は甘やかすものだったし、プレイ内容もそれに準じたものだが、幼児プレイだったかと問われると首を傾げざるを得ない。
専らASMRのネタしか知らないが、それらのシチュエーションと比べると、やはりオギャリティが足りないように想えるのだ。
「オギャリティ?」
「まあ要するに、俺が心の底から赤ちゃんになりきれるかどうかってこと。完成度が高ければ高いほど、意識しなくても赤ちゃんになれます」
「⋯⋯それは、あなたの心構えの問題では?」
「うーん、ちょっと違うんだよなぁ」
眠りにつくまでの間、ASMRの名作“バブちゃんといっしょ〜ママにいっぱい甘えられるかな?〜”や”愛しの坊や〜ママの中に還ってらっしゃい〜“を題材にオギャリティのなんたるかを講義するのだった。