鋼鉄のグリプス ~悪党貴族の孕ませハーレム日記~【パイロット版】 作:種をまく者
「知ってるんです。先生が俺にこうやって男女のことを教えてくれたのは、先生の意思じゃないってこと」
俺の言葉に、目の前の女教師は明らかに不安そうな顔をしていた。
「……どうしてそうお考えに?」
一度口にした言葉は、引っ込められない。
ドロシィの肉体だけでなく心も手に入れるためには、この賭けに勝たねばならない。
「先生が悲しそうにしているからです」
「違うんです。申し上げた通り、これは行為によって感情が昂ってしまっただけで……」
ドロシィは取り繕うように笑って見せ、指先で涙をぬぐった。
「教育長の命令ですか?」
教育長とは、俺の教育に関して諸事を取り仕切っている古参家庭教師のことだ。
「違います。若様、どうか……」
「じゃあ、考えられるのは侍女長か、あとは――――」
侍女長を始め、俺に性指導をするようドロシィに命令する可能性のある人物の名前をいくつか挙げてみた。
プルティータの名前が出た時にドロシィはぴくりと反応したが、俺は気付かないフリをした。
まどろっこしいが、推論を「かすらせる」ことである種のリアリティが出るはずだ。
当然、俺はドロシィを脅したのがプルティータだと知っている。
脅迫する一部始終を真隣の部屋で盗み見ていたのだから。
だが、あの日二人の間で行われた交渉の内実まで知っていたとなると、ドロシィの中で俺の好感度が致命的なまでに下がってしまうだろう。
いくら自分に好意を持っているとしても、プルティータのあの脅しを見た上でドロシィを抱いたのだとしたら、共犯者に等しい。まあ実際そうなんだけど。
リスクを取ってでも、ドロシィの認識が「この少年は、自分と寝るように私が誰かから命令されたのだと私の態度から察している」という形になるよう調整しておきたい。
細かい辻褄合わせは後でプルティータに協力させればどうとでもなる。
全てがバレる危険性もあるにはあるが、あえて踏み込むことでドロシィの心を手に入れてみせる。
「それは……私からは何も言えません」
女教師は困ったように視線を彷徨わせた。
「まさか父上の命令ですか? もしそうなら俺が父上に抗議します」
「違います!」
グリプス家全体を巻き込んだ大事になることを恐れたのか、ドロシィが血相を変えた。
「どうか……どうかそれについてこれ以上お話しするはご勘弁くださいませ」
「……やっぱり今晩のことは誰かに言われてのことなんですね」
俺の問いかけにドロシィは何も答えなかった。
何をどこまで話していいものか、迷っているのだろう。
彼女の隣に座り直した。
俺達二人はベッドの上で同じ方向を向く形で体育座りをしている。
「途中から、薄々そんな気がしてました。でも、先生とこうなれると思うと……なんて言うか、舞い上がってしまって」
俺は前を向いてつぶやくように言った。
ドロシィが俺の顔を見ているのがわかった。
「先生の気持ちも考えずに、ごめんなさい。自分からやめるよう言うべきでした。今まで授業で何度も相手の気持ちを想像しなさいって言われてたのに……俺はダメな生徒ですね」
「若様……」
「実を言うと、少し前に侍女の一人と、その……こういうことになったんです」
もじもじ恥ずかしがりながら言った。
我ながらクサい演技だったが、12歳の男子ならこうした話題で恥ずかしがるのは自然なことだろう。
「でも、俺に経験がなかったから……」
そこで言葉を切った。
まるで、童貞が初めてのセックスが上手くいかなかったことで落ち込んでいるかのように。
実際はキーラとちゃんとセックスできたし、めちゃくちゃ気持ちよかったけど。
「先生も知ってる通り、うちの家は特殊でしょう? だからその後で周囲から内容をあれこれ聞かれて……上達するようちゃんと誰かに教えてもらえって言われたんです。その時真っ先に浮かんだのが……先生でした」
ここまではギリギリ嘘は言っていない。
真実と嘘の絶妙なブレンドが、望むものをもたらしてくれるはず。
「だから、先生が食事に誘ってくれた時は嬉しかったんです。まさか、今日のうちに先生とこうなれるとは思っていなかったですけど」
これは真っ赤な嘘。こうなるとわかっていた。そのために来た。
ドロシィは優しく笑っていた。
「若様はお優しいですね。こんなおばさんに気を遣ってくださって」
「先生はおばさんじゃないです。気を遣ってもいないし、先生は……とても、その……綺麗な大人の女性で……本当に魅力的です」
あえてたどたどしく言った。
「だから先生とこうなって俺はすごく幸せですけど、もし先生が嫌なら命令した人に言って無理強いするのはやめさせます。先生がその人とどんな約束をしたとしても、守る必要なんてありません。俺から言って破棄してもらいます」
「若様、それは……」
ドロシィの顔を見た。明らかに困惑している。
約束を破棄させる。
まるで、ドロシィの娘たちに高い教育を受けさせる契約までなくなってしまいそうに聞こえていることだろう。
せっかく俺に抱かれたというのに。
動揺しているドロシィの手を握った。
「先生に命令したのが誰だろうが、俺が必ず先生を守ります」
「若様……」
「相手が教育長だろうが、父上だろうが、先生を悲しませる人間は俺が許しません」
ドロシィの目を見て言いながら、俺は全身に魔力を漲らせた。
その魔力を少しずつ放出することによって空気が震え始める。
化粧台に置かれた小瓶の類いがカチャカチャと音を立てた。
「……!」
元々下級貴族家の出身であるドロシィは、ほんの僅かではあるが魔力を持っている。俺に比べれば取るに足らない魔力量だが、俺から漂う目に見えないオーラのような魔力は感じ取っているはずだ。
大貴族の直系男子、なおかつその最新世代の濃縮された魔力は、ドロシィからすれば途方もない渦潮のごとき圧力だと感じているに違いない。
「若様、お願いです。落ち着いてください……!」
ドロシィが懇願するように俺の手にしがみついた。
魔力の放出を少しずつ抑えていく。
さっき言ったことは、我ながら呆れるほど見事な議論のすり替えだった。
だが、貴族社会の複雑な人間関係は外からでは簡単に解きほぐせない。俺のマッチポンプ全開の怒りが芝居であることを、ドロシィは容易に見抜けないはずだ。
膨大な魔力による迫力と共に未熟な少年の情熱をぶつければ、きっと押し切れる。
部屋に静寂が戻り、ドロシィはほっとしているようだった。
あとは最後の仕上げだ。
「興奮してごめんなさい、先生」
一転してしおらしい顔をしてみせた。
「先生には、俺のことを嫌いにならないで欲しいんです」
ドロシィが優しい表情でゆっくりと首を振った。
「若様を嫌いになるわけないですよ」
「本当ですか……?」
「本当ですよ」
もう一押し。
「じゃあ、先生は……先生は俺のこと、どう思ってますか?」
「そんな……恐れ多いことです」
ドロシィは困ったような顔をしていたが、俺が何度もせがむと少しずつ胸中を打ち明け始めた。
「最初は……本当に私でいいんだろうかって、戸惑いがありました。若様が嫌だったわけじゃないんですよ? でも、私は年増ですし……若様の方がお嫌なんじゃないかと思って」
「そんなことないです」
「ありがとうございます。でも、私も一応女ですから、その……若様をお誘いして拒絶されたらどうしようって。もしそうなったら、恥ずかしくて今後のご指導だってどんな顔してすればいいんだろうって……ゆうべからそんなことばかり考えていました」
そう話すドロシィの横顔はとても自然なものに感じられた。
普段のように教師として気を張っているわけでも、大貴族の権力者に媚びているわけでもない。
生身の女としての本心を話しているように見えた。
少なくともプルティータの脅迫を受け入れる前には別の葛藤があったはずだが、ドロシィは今、その覚悟を決めた「後」の、女の心の機微について話している。
心の内の全てを打ち明けているわけではないだろう。
だが、少なくとも俺に嘘はついてはいない。そう感じた。
ドロシィの中にある誇りと優しさの一端に触れた気がして、たまらなく愛おしくなってきた。
「それじゃあ、その……もし先生さえよければ、これからも女の人のことを教えてくれませんか? 誰かに言われたからじゃなくて、俺のために」
ドロシィは答えなかった。
「俺は、先生のことが大好きなんです」
ドロシィが一瞬驚いた顔をして、それからふふっと笑った。
「嬉しいです。もう一度言って下さいますか?」
ドロシィの目を見て、静かに、言葉に力をこめて言った。
「先生が大好きです」
ドロシィが俺の目を見返しながら、深く息を吐き出した。
「どうしましょう。困りました」
「俺に好かれると、困りますか……?」
ドロシィが「違います」と言って首を振った。
「私は若様の先生なのに。私も若様のことがどんどん好きになってしまっています。教師失格ですね」
ドロシィは困ったような顔で微笑んだ。
たまらなくなって、思わずドロシィを抱きしめた。
そのまま覆いかぶさるように押し倒し、キスをした。
「んちゅ……はぁっ」
ドロシィは抵抗せず、受け入れてくれた。
「先生、大好きです」
「んん……もう。ふふっ」
何度もキスをしながら「好きだ」「先生が欲しい」と言い続けた。
いつしかドロシィの表情が変わり始め、彼女の両腕が俺の背中に回った。
舌と舌を絡ませ合い、ドロシィの大きな胸を揉みしだく。
この雌を完全に自分のものにしたいという欲求がどんどん高まってくる。
「あ……若様の、もう……」
気がつくと、俺の股間の「剣」はすっかり硬さを取り戻していた。
ドロシィの腹にこすりつけられていた先端から、透明な液体が垂れている。
「もう一度、致しますか……?」
優しく微笑みながら尋ねてくるドロシィは、まるで聖母のようだった。
「先生の顔を見ながらしたいです」
ドロシィが再び笑った。今度は少し恥ずかしそうな、淫らな笑みだった。
「私も若様のお顔を見ながらしたいです。対面位が好きな女性も多いんですよ」
ドロシィの股の間に膝立ちになり、美しい裸体を見下ろす。
後ろ姿も魅力的だったが、仰向けになったドロシィの肢体も実に見事だった。
ドロシィの胸はその重さから左右に流れてはいるが、メロンのような大きな膨らみは崩れていない。
胸の下あたりには、あばら骨の形がうっすら見えている。胸が大きくとも余計な脂肪はついていない。
くびれた腰から柔らかそうな腹まで繋がる、なめらかな肌のライン。
どれだけ見ても見飽きない肉体だった。
太ももを片方ずつ掴んで、股間を広げる。
手に太ももの肉の厚みと柔らかさが感じられ、その感触だけで興奮が高まってくる。
ドロシィの中心にある淫らな肉の亀裂が、甘い蜜をとろとろと吐き出している。
陰茎を筆のように持って、亀頭をあてがう。
慣らすように上下に動かすと、ドロシィが甘い声で鳴いた。
「はぁ……ッ」
肉の海の中に、俺の硬くなったものをゆっくりと沈めていく。
熱い。
女の膣の中は、さっきよりもずっと熱かった。
「ドロシィ先生……気持ちいいです……!」
「アーガスト様……私も気持ちいいですよ……♡」
互いに名前を呼び合い、気分を高めていく。
ゆっくりと腰を前後に動かしていく。
どろどろになったドロシィの媚肉の感触をペニス全体で感じる。
ため息が出るほど気持ちいい。
一度射精している分、さっきよりは長持ちしそうだった。
徐々に動きを大きく、早くしていく。
「あっ、あっ!」
女の身体全体が揺れ、大きな胸がぶるんぶるんと波打っている。
「あっ、あぁっ、んんぅっ♡」
ピストン運動を速めていくうちに、ドロシィの鳴き声が変化していることに気付いた。
快楽と罪悪感が混ざりあった先ほどの鳴き声とは異なる、甘い音色が感じられる。
「好きです。先生、大好きです」
「好きぃ……私も好きぃ……ッ♡」
見つめ合いながら激しく抽送を繰り返す。
ドロシィの美しい紫色の瞳。
互いの目から愛情が信号となって伝わり合う気がした。
「あッ! あンッ! んんッ♡」
腰を動かしながら顔をドロシィに近付ける。
ドロシィも首を伸ばし、キスをする。
舌を入れ、女の口の中をかき回した。ドロシィの唾液が甘かった。
女の全身から放たれる、むせ返るような雌の匂い。
陰茎を締め付けてくる膣は火傷しそうなほど熱い。
部屋にはドロシィの淫靡な鳴き声と、肉と肉がぶつかり合う音だけが聞こえる。
俺に貫かれて乱れる、どこまでも美しく淫らな女教師の熟した裸体。
五感全てを刺激してくるドロシィの雌性によって、射精感が込み上げてきた。
「もう、出そうです……!」
「いいですよ……♡ いっぱい、あッ、出して、くださいッ! あッ……♡」
ドロシィの長い脚が、俺の腰にからみついた。
脚で胴体ごと引き寄せられ、決して逃げられなくなる。
その瞬間、膣内がキュッと締まった。
ドビュッ! ドビュルルルッ! ドプッ、ビュルルルルッ!
孕め!
そう念じながら、女の子宮めがけて強かに射精した。
「あぁぁぁぁッ♡ あーッ♡ あああああぁぁぁ……♡」
ビュッ、ビュッ、ビュウウゥーッ!
全身を快感に包まれながら、一回目に劣らぬほど大量の精液をドロシィの腹の中に注ぎ込んだ。
びゅびゅッ……びゅッ……びゅ……。
長い射精が終わってから、ドロシィの上に倒れ込む。
二人とも呼吸が荒くなっており、胸を大きく上下させている。
下半身でドロシィと繋がったまま、手を握り合う。
「先生、気持ちよかったです……」
ドロシィが残ったもう片方の手を俺の後頭部にそっと置いた。
「私もです、若様」
もう一度キスをせがむと、ドロシィがチュッと軽いキスをした後にくすっと笑った。
少女のような笑顔だった。
この女はもう俺のものだ。
心も、身体も……。
女の肉に包まれ、頭を優しく撫でられているうちに、意識が遠のいていった。
次回更新は金曜日の朝の予定です。