第一話 仲良し三人組がラブラブハーレムになる時‐鈴視点‐
鈴は、自分の頬がどれくらい赤くなっているのか、自分では分からなかった。
分かるのは、心臓がドッドッと耳のすぐ後ろで鳴っていること。指先が、少しだけ震えていること。そして、目の前の二人の顔がやけに、やけに近いということだ。
(な、なんであたし、こんなに緊張してるのよ……)
おかしい。おかしすぎる。
だって、あたしは凰鈴音。中国から転校してきて、初対面で一夏の顔面にグーパンチをかました女。気が強いと言われて育ってきた自負がある。なのに今、その一夏と、祐作と三人で向かい合っているだけで、喉の奥がキュッと締まって声が出そうで出ない。
原因は、分かっている。
一週間前から、あたしはおかしかった。
一夏と祐作が、他の女子と笑っているのを見るたび、胸の真ん中がギュッと痛んで。二人が並んで歩いているのを見るたび、自分がそこにいないことが無性に寂しくて。夜、布団の中で二人の顔が交互に浮かんできて、眠れなくなって。
それが、恋だと気付いた瞬間あたしは自分のバカさ加減に頭を抱えた。
(どっちよ。あたし、どっちが好きなのよ)
一夏の、飄々とした笑顔。祐作の柔らかい垂れ目。どちらも頭から離れない。どちらも失いたくない。
まず、羽山祐作。
一見すると華奢な男の子――いや、女の子と見まごうばかりの可愛らしい顔立ちなのだ。癖っ毛のハネた黒髪ショートヘアに、夜の闇をそのまま瞳に閉じ込めたような黒い目。それがどういうわけか、いつも困ったみたいに優しげに垂れているのである。
(あの垂れ目がズルいのよ。絶対ズルい。)
思わず鈴は心の中で悪態をつく。
性格は、温厚で謙虚。口癖になっているらしい丁寧語のおかげで、初対面の人間にはいつも敬語で接しているように見える。まぁ、そのおかげでわたしも変に身構えずに接する事が出来たんだけど。
やや効率厨気味で日和見主義。自分のことはあまり話さないからミステリアスで秘かに人気がある。でも、興味のある分野――例えば現国や英語になると、途端に学年トップレベルの成績を叩き出す。それ以外は平均点をキープするという、ある意味で非常にムラのある優等生だ。腹立つ。
何より恐ろしいのはその物覚えの良さ。以前本人に聞いたら「初めての事でも、頭の中で考え、何度か繰り返すの」と言い、ホントにあっという間にコツを掴んでしまう。まるでスポンジが水を吸うように。
そして、小学校からの幼馴染である一夏の、いわば「影の参謀」。
人の感情の機微に疎い一夏の代わりに、周囲の空気を察し、どう振る舞えばいいかを一夏に伝授する。おかげで一夏は小学校も中学もモテモテ。今更だけど余計な事をと思う。
腹黒いと言おうか、友人思いと言おうか。実家が三百年を超える旧家で、和服が普段着という変わり種だが、外出時は普通に洋服を着るあたり、常識人の仮面を被っているとも言える。
(ああ、もう。思い出すだけで腹が立ってくるわ。あの天然ジゴロ)
次に、織斑一夏。
おとなしい黒髪ショートヘアに、灰色の瞳。千冬さん譲りの端正な顔立ちに加え、しっかりと鍛えられた体格は、見ているだけで安心する厚みがある。
性格は、飄々として掴みどころがない。直情的になりやすい面もあり、幼少期から「誰かを守ること」に強烈な憧れを抱いている。だが、それに拘るあまり自身の実力を弁えない無謀な行動に出ることもしばしば。まるで正義の味方ごっこを未だに卒業できていないみたいに。
(でも、そこがバカみたいで……ちょっと、好き)
異性をときめかせる天然ジゴロな言動が相まって、多くの女子から好意を寄せられているのに、本人は周囲が呆れるほどの鈍感ぶりを発揮する。鈍感にも程がある。鈍感魔王とでも呼んでやりたい。
祐作とは相互理解が深い大親友同士で、察しの良いわりに行動に移さない祐作の手を引っ張り、共に行動する、まさに二人は互いに足りない部分を補い合っている。
(あんたたちねぇ……あたしをどうするつもりなのよ)
一夏は守ってくれる。強くて、まっすぐで、時々バカで。
祐作は支えてくれる。優しくて、聡明で、時々腹黒で。
どちらも失いたくない。どちらも大切だ。
(……あぁもう! 選べない!)
ギュッと胸が締め付けられた。
(……あたし、本当にバカだわ)
答えは出ない。でも、この二人と一緒にいたい。それは、絶対に譲れないことなのだ。
そんなあたしの様子を、祐作は一発で見抜いた。
「リン、何か悩んでるでしょ」
そう言われた時あたしは心臓が止まるかと思った。祐作は昔からそうだ。あたしが何も言わなくても、表情の奥の奥まで読んでくる。一夏はというと、隣で「え、何かあったのか?」と本気で首を傾げていた。この差である。
そして今日祐作が「話し合えば解決する」と言い切って、あたしを一夏の家まで連れてきた。一夏の両親はいない。姉の千冬も、ここ数日は仕事で帰らない。だから、誰にも邪魔されない。祐作のこういうところは、効率的というか抜け目がないというか……いや、本当にありがたい。
「リン、正直に言って。俺と一夏どっちが好き?」
祐作が静かに言った。あたしは、喉がカラカラになるのを感じた。
(ずるい。そんな、まっすぐ聞かれたら……)
逃げ場なんて、ない。
「……わかんない」
絞り出すように言った。声が、思ったより小さかった。自分でも情けないと思う。でも、本当のことだった。
「どっちも、好き。どっちも嫌いになりたくない。……こんなの、わがままって分かってる」
言い終わると同時に涙がポロッとこぼれた。あたしは、自分でもびっくりして慌てて袖で拭った。
ふいに「なら、両方でいいんじゃないか?」と一夏が、あっけらかんと言った。まるで「今日の晩飯はカレーでいいか」みたいな、そのくらいの気軽さで。
「は……?」
あたしの口から、間抜けな声が出た。
「いや、だって、鈴がどっちも好きならどっちも鈴のこと好きでいればいいんだろ? 俺も祐作も、別に鈴を独り占めしたいわけじゃないし」
「おい一夏。勝手に話を進るな」
祐作が、珍しく焦ったように口を挟んだ。あたしは、頭の中がハテナマークでいっぱいになっていた。
(え? え? 両方? 両方って、どういうことよ?)
「僕も」と祐作が続けた。「リンのことは好きだよ。ずっと前から。……小学校の時から、ずっと」
その言葉が、あたしの胸にストンと落ちた。ずっと前から。ずっと。
祐作は、昔からそうだった。あたしが一夏にグーパンチをかました時も、真っ先に仲裁に入ってくれた。あたしが中国に帰ることになった時も、誰より早くあたしの寂しさに気付いてくれた。あたしが悩んでいる時は、いつも言葉にしない部分まで拾い上げてくれる。
そして、一夏。
「俺も、鈴のこと好きだぞ。小五の時からずっと。あのパンチ、今でも忘れられないくらい印象に残ってる」
「……それ、褒めてるの?」
「おう、褒めてる褒めてる」
一夏は、にこっと笑った。この天然ジゴロめ。あたしの理性が、ガリガリと削られていく音が聞こえるようだった。
あたしは、しばらく黙って二人の顔を見比べた。一夏の、少しだけ困ったようなでも真っ直ぐな灰色の瞳。祐作の、優しくてどこか切なげな黒い瞳。
ああ、もう、ダメだ。
この二人に、こんな顔をされてこんなことを言われて、断れるわけがない。それに正直に言えば、あたしの体の奥の方がジンジンと熱くなっている。一週間、ずっと我慢してきたものが堰を切ったように溢れ出そうとしている。
「……ずるい」
あたしは、小さく呟いた。
「二人とも、ずるい。そんなの反則でしょ」
祐作が、ふっと笑った。安心したように、肩の力を抜いて。
「じゃあ、決まりだね」
「ああ。決まりだな」
一夏が、あっさりと頷いた。
あまりにもあっさりしすぎていて、あたしは逆に拍子抜けした。普通、こういうのは、もっとこう……葛藤とか、迷いとかそういうものがあるんじゃないのか。なんでこの二人は、こんなに自然にあたしを「両方の彼女」にしようとしているんだ。
(……あ、これ、祐作が仕組んだな)
ピンときた。祐作は、最初からこうするつもりだったんだ。あたしの悩みを見抜いた時点で、答えを用意していた。あたしがどっちか一人を選ぶんじゃなくて、二人と付き合う道を。だから「話し合えば解決する」なんて言い切ったんだ。
本当に、この幼馴染は人が悪い。人が悪いけど、優しい。ずる賢いけどあたしのことを、誰よりも考えてくれている。
「……祐作、あんた、最初からこうするつもりだったでしょ」
「まさか」と祐作は、しれっと答えた。「僕はただ、リンの気持ちを尊重しただけだよ」
「嘘つき」
あたしは、ぷくっと頬を膨らませた。でも、本当は嬉しかった。こんなにあたしのことを分かってくれる人が、二人もいることが。
その時、一夏がすっと近づいてきた。
「なあ、鈴」
あたしの手を、そっと握る。一夏の手は大きくて、温かかった。
「俺も祐作も、鈴のことは絶対に悲しませない。約束する」
「僕からも」と祐作が、反対側から手を握った。「リンが寂しくないように、僕たちがいるから」
左右から、二人の温もりに包まれる。あたしの胸の奥で、あたたかいものがじんわりと広がっていく。あの一週間の重りが、跡形もなく消え去っていく。
「……バカ」
あたしは、俯いて、小さく言った。
「二人とも、バカ。あたしのことそんなに大事にしてくれて……バカみたい」
涙が、またこぼれた。でもさっきとは違う。嬉しくて、あったかくて仕方のない涙だった。
そして、あたしは顔を上げて二人を交互に見た。
「……あたしも、二人のこと、大事にする。ずっとずっと、一緒にいる」
その言葉に、一夏がにっと笑って祐作がふわりと微笑んだ。あたしは、その二つの笑顔に心臓をぎゅっと掴まれた。
(ああ、もう、この二人には一生勝てないな)
そう思った瞬間一夏が、あたしの頬に手を添えた。
「じゃあ、改めて……鈴」
一夏の顔が、近づいてくる。あたしは目を閉じようとして――でも、祐作の視線が気になって横目で見てしまう。
「リン、僕もいるよ」
祐作が、くすっと笑った。
「三人で、これから始めよう」
あたしは、こくんと頷いた。心臓が壊れそうなくらい鳴っている。でも、怖くない。だって二人がいるから。
「……うん」
小さく答えたその声はちゃんと、二人に届いた。
* * *
「それで、実際どうするんだ?」
一夏が首を傾げた。あたしも、正直同じことを思っていた。
付き合う、と言った。両方と。そう決めた。でも、その「付き合う」という具体的な中身がまだ何も決まっていない。
「その前に」祐作が静かに言った。「リン、一つ確認させて」
「何よ」
祐作の目が、ふと真剣になった。垂れ目が細められて、夜色の瞳があたしを捉える。
「僕と一夏のこと、本当に両方好きだよね?」
「当たり前でしょ。今さら何よ」
あたしは少しムッとして答えた。祐作は、それを聞いてふっと安堵したように笑った。
「よかった。じゃあ、順番に確認しようか。一夏、先に」
「え? 俺?」
「リンの唇、奪っていいよ。初めてのキス」
「は!?」
あたしの声が裏返った。祐作は涼しい顔で続けた。
「両方と付き合うなら、両方のキスが必要でしょ。順番にやっていけばいい。まずは一夏から」
「いや、祐作、お前ちょっと待て」一夏が慌てた。「いきなりすぎないか?」
「何言ってるの。さっき両方好きって言ったんだから、リンにとっても嬉しいはずだよね?」
「嬉、しい……?」
あたしの声が、震えた。嬉しい。確かに嬉しい。でも恥ずかしい。心臓が破裂しそうだ。
「あたしの意思は無視!?」
あたしは叫んだが、顔が熱い。体の奥がジンジンと熱くなっている。否定できない。嬉しいのだ。二人のキスが。両方欲しいと思ってしまう自分がいる。
(あたし、そんなに淫乱だったの……?)
思考がゲシュタルト崩壊を起こしかけたその時、一夏がそっとあたしの顎に指をかけた。
「鈴、目、閉じて」
優しい声だった。あたしは、素直に目を閉じた。
* * *
唇に、触れた。
柔らかくて、温かい感触。一夏の唇が、あたしの唇を優しく包み込む。
(これが、ファーストキス……)
頭の中が真っ白になった。一夏の匂いが、鼻をくすぐる。石鹸と、ほんの少しの汗の匂い。それが、たまらなく心地よかった。
「ん……」
鼻から抜ける声が漏れた。あたしは自分でも驚いた。こんな声、出したことがない。でも、一夏の唇があたしの下唇を軽く啄むように吸った瞬間、腰がガクンと揺れた。
「ふ、ぁ……」
唇が離れた。銀色の糸が、つぅっと引いて、切れる。
あたしは、はぁはぁと息を吐いた。唇が、ジンジンと熱を持っている。これがキス。ファーストキス。
「……おい、一夏。結構大胆じゃないか」
祐作が、呆れたように言った。でも、その声が少しだけ震えている気がした。
「ん? だって鈴、可愛かったから」
一夏が、にへらっと笑った。この、天然ジゴロめ。あたしの理性を削る音が、またガリガリと聞こえる。
「次は僕の番だね」
祐作が、すっと近づいてきた。垂れ目が、優しく細められる。
「リン、こっち向いて」
あたしは、潤んだ目で祐作を見た。祐作の黒い瞳が、あたしを映している。夜色のその瞳に、あたしの顔が映っている。
(ああ、だめだ。この目に見つめられたら、何も言えなくなる)
「目、閉じててもいいよ」
祐作の声が、耳元に落ちた。あたしは、また素直に目を閉じた。
* * *
二つ目のキスは、一夏とは違った。
一夏が優しく包み込むキスなら、祐作のは確かめるようなキスだった。祐作の唇が、あたしの唇に触れるか触れないかの距離で一度止まる。息がかかる。その瞬間、心臓がキュンと鳴った。
そして、触れた。
一夏より少しだけ薄い唇が、あたしの唇に重なる。
「んっ……」
祐作の手が、あたしの頬を包み込んだ。一夏の手より少し細くて、でもしっかりしている手。その手が、あたしの頬をそっと撫でる。
(これ、祐作のキス……)
一夏とは違う感触。一夏とは違う匂い。一夏とは違う温度。でも、同じくらい好きだと思ってしまう。
「んん……っ」
祐作の舌が、あたしの唇をなぞった。びくりと体が跳ねる。祐作は、あたしの驚いた反応を感じ取ったのか、ふっと唇を離した。
「ごめん、辛くなかった?」
「……バカ」
あたしは、俯いた。顔が、沸騰しそうに熱い。
「あたしのこと、いじめるの楽しんでるでしょ……」
「楽しんでないよ」と祐作は、真面目な顔で言った。
「でも、リンの色んな顔が見たい」
「それ、同じこと言ってるだけじゃないの!」
あたしは叫んだ。でも、声が嬉しそうに震えている自分に気付いて、さらに恥ずかしくなった。
「おいおい、二人とも。まだ先は長いんだから、ペース配分考えろよ」
一夏が、けらけらと笑った。
「先って、何の先よ!?」
「え、だってこれから付き合うんだから、キスだけじゃ終わらないだろ?」
一夏が、しれっと言い放った。あたしの顔が、瞬時にボッと燃え上がった。
(このバカ一夏、何を想像してるのよ!)
「一夏、言葉に気をつけて。リンが卒倒しかねない」
「祐作、お前も言えばいいだろ?どっちみちする気だって」
「僕は言わなくても分かってるからいいんだよ」
祐作が、ふにゃりと笑った。その笑顔が、あたしの胸をまたキュンと鳴らす。
ああ、もう、本当にだめだ。
この二人には、一生勝てない。
「……あたし、帰る!」
あたしは立ち上がった。でも、座ったままの一夏と祐作より少し高い位置に自分の顔があるだけで、有利な状況は何一つ作れていない。むしろ立ち上がったことで二人に見下ろされる形になって、足元がふらついた。
「待てよ鈴。逃げるのか?」
「逃げないわよ! ただ、これ以上ここにいたらあたしの心臓が持たないだけ!」
「じゃあ、座れよ」
「……う」
一夏に先手を打たれた。あたしは、ドスンと座り直した。
(くそぅ、この幼馴染二人は、あたしを宇宙料理にする気か)
「宇宙料理じゃなくて、ハーレムだよ、リン」
祐作が、あたしの心を読んだように言った。
「……読心術でも使えるのあんたは!?」
「使えないよ。でもリンのことは分かるんだ。昔から」
祐作が、静かに笑った。
あたしは、また小さく「バカ」と呟いて、二人の肩にそっと額を預けた。
左に一夏。右に祐作。二人の体温が、あたしの頬に伝わる。
(……あったかい)
怖かったのは、一人になることだった。
どちらかを選んで、もう一人を失うことだった。でも、二人がそれを許してくれた。いや、二人がそれを選んでくれた。
「……ありがとう」
あたしは、二人の肩に額を擦り付けながら、小さく言った。
「大好き。二人とも、大好き」
その言葉に、二人が同時にあたしの頭を撫でた。
大きい手と、少し細い手。二つの温もりが、あたしの頭を包む。
あたしは、目を閉じて、その温もりに浸った。
(……これで、いいんだ。あたしたちは、三人でいいんだ)
そう思った瞬間、一夏の手が、あたしのツインテールをそっと解き始めた。
「な、何するのよ」
「似合ってるけど、解いた方が可愛いと思っただけ」
「……バカ」
あたしは、抵抗しなかった。解けていく髪が、肩にかかる。祐作の手が解けた髪をすくい上げて耳元にそっと触れた。
「リンの髪は柔らかいね」
「あたしの髪のこと何年見てるのよ」
あたしは軽く睨んでみたけれど顔が緩んでしまってまともに睨めなかった。
「見てるだけじゃなくて触るのは初めてだよ」
「……そりゃそうだけど」
祐作の指が耳たぶを軽く摘む。ビクンと体が跳ねた。
「あたしの耳そんなに弱くないわよ」
「嘘だな。今ビクッてした」
一夏がくすくす笑った。祐作が耳元に唇を寄せる。
「リンのこともっと知りたいな」
「あたしのことなんて全部知ってるでしょ」
「知ってることと触れることは違うよ」
祐作の声が耳をくすぐった。ゾクゾクする。あたしは自分の体がまた熱くなり始めたことに気付いた。
(……この二人のペースに乗せられてる。でも)
嫌じゃない。むしろもっと触れられたい。もっと知りたい。二人のことを。
「リン」一夏があたしの右手を取った。「俺たちが鈴を絶対幸せにするから」
「……最初からそのつもりでしょ」
あたしは一夏の手を握り返した。祐作があたしの左手を取る。
「僕たちがいるから寂しくなんてさせない」
「……もう寂しくなんてないわよ」
あたしは祐作の手も握り返した。三人の手が繋がれた。温かい。心臓がまたドッグドッグ鳴っている。
「ねえ」とあたしは言った。「あたしも二人のこと幸せにするから」
「もちろん」一夏が即答した。
「当然」と祐作も即答した。
あたしは二人の手をぎゅっと握った。
「……約束よ」
「約束だ」
二人が同時に答えた。あたしは嬉しくなって二人の手に自分の額を押し付けた。
(あたしは世界で一番幸せな女かもしれない)
そう思った瞬間祐作の手があたしの服のボタンに伸びた。
「わっ何するの!」
「邪魔かな」
「邪魔って何が!」
「リンの服」
「なんであたしの服が邪魔なのよ!」
「脱がせやすいから」
祐作がしれっと言った。あたしは顔を真っ赤にした。
「あんたねえ! いきなり何てこと言うのよ!」
「いきなりじゃないよ。付き合ってるんだから当たり前でしょ」
祐作がふにゃりと笑った。その笑顔が憎たらしくて可愛くてしょうがない。
「祐作の言う通りだぞ鈴。俺たち鈴のこと全部知りたいんだ」
一夏も同意した。この天然ジゴロめ。
「全部ってどこまでよ!」
「全部」一夏が即答した。「鈴の全部」
「……バカ」
あたしは二人の手を振りほどいて胸の前で組み合わせた。心臓がうるさい。体の奥がまたジンジンと熱くなっている。
(本当にこの二人はあたしを夢中にさせる気だ)
でも否定はしない。むしろ期待している自分がいる。
「……あたしが脱いだら二人も脱ぐの?」
「もちろん」と祐作が即答した。
「俺も」と一夏も即答した。
あたしは深呼吸をした。心臓の音を落ち着かせようとしてもドックドックとうるさいままだ。
(いいのよ。これは二人との約束なんだから)
あたしは震える手で服のボタンに手をかけた。
(あたしは二人が好き。二人もあたしが好き。なら見せてもいい。全部)
一つずつボタンを外していく。二人の視線があたしの指先に集中しているのが分かる。熱い。恥ずかしい。でも心地よい。
(あああたしは本当にバカだわ。でも後戻りできない)
全てのボタンを外して服を肩から滑り落とす。ブラウスがハラリと床に落ちた。残ったのは白いブラジャーとスカートだけ。
「……何よ見ないでよ」
あたしは顔を背けて言った。
「見るよ」と祐作が即答した。
「俺も見るぞ」と一夏も即答した。
あたしは二人を睨んだ。でも顔が熱くてまともに睨めない。
「…ぬ…脱ぐわよ。あんたたちも脱ぐの」
「了解」と祐作が服を脱ぎ始めた。
「おう」と一夏も服を脱ぎ始めた。
二人の服が床に落ちていく。鍛えられた体が露わになる。一夏の引き締まった筋肉と祐作のしなやかな筋肉。どちらも目のやり場に困るほど魅力的だ。
(あたしの彼氏たちってなんでこんなにスタイルいいのよ)
あたしはスカートのファスナーを下ろした。スカートが足元に落ちる。残ったのはブラジャーとショーツだけ。
「……次はあんたたちよ」
あたしは二人を交互に見た。二人は下着姿になっていた。二人の下着の前がぽっこりと盛り上がっているのが見えた。
(……大きい)
あたしは生唾を飲み込んだ。これから自分の体にそれが入るのかと思うと体の奥がまたキュンとした。
「リン」祐作が手を伸ばした。「僕が脱がしてもいい?」
「……あたしが脱ぐわよ」
あたしは祐作の手を払いのけた。でも祐作は諦めなかった。
「じゃあ僕が見てもいい?」
「……好きにしなさいよ」
あたしは背中を向けた。ブラジャーのホックに手をかける。指が震える。
(いいのよ。これは二人との約束なんだから)
ホックを外した。ブラジャーがハラリと落ちる。小さな胸が露わになる。あたしは振り返ることができなかった。
「リンこっち向いて」一夏が言った。
「……バカ」
あたしはゆっくりと振り返った。顔が沸騰しそうに熱い。
一夏と祐作の視線があたしの胸に注がれる。
「……何よ。貧乳で悪かったわね」
「可愛いよ」と一夏が即答した。
「僕も好きだよ」と祐作も即答した。
あたしは呆気にとられた。まさか即答されるとは思っていなかったからだ。
「……嘘つき」
「嘘じゃないよ」祐作が近づいてきた。「リンの胸は可愛い。僕が保証する」
「俺も保証する」一夏も近づいてきた。「鈴の胸最高だぞ」
あたしは泣きそうになった。二人の言葉が染み込んでいく。
(……本当にこの二人はあたしを夢中にさせる気だ)
「……バカ」
あたしは小さく呟いた。でもその声は嬉しさで震えていた。
「じゃあ証明してみてよ」
「証明?」
「あたしの胸が可愛いって証明してよ」
あたしは二人に挑むように言った。二人は顔を見合わせてふっと笑った。
「喜んで」と祐作が言った。
「俺も」と一夏が言った。
二人が同時にあたしの胸に手を伸ばした。
* * *
両手のひらで包み込まれた。
一夏の大きくて温かい手と祐作の少し細くて器用な手が左右の胸をそれぞれ包み込んでいる。
「んっ……」
声が漏れた。胸に触れられただけなのに体の奥がキュンとした。
「可愛い」と一夏が言った。「すごく可愛い」
「そうだね」と祐作が同意した。「僕の手にすっぽり収まるくらい可愛い」
あたしは顔を真っ赤にした。
「そんなこと言わないでよ」
「事実だもん」と一夏が胸を優しく揉んだ。
「んんっ……」
声がまた漏れた。一夏の手つきは優しくて丁寧だ。まるで大切な宝物を扱うみたいに。
「リンの胸は柔らかいね」祐作が胸の先端を指でつまんだ。
「ひゃっ!?」
電気が走ったような刺激に体が跳ねた。
「だめそこは……」
「ここは?」祐作が再び指でつまんだ。
「んっ……だめ……」
頭がぼんやりしてくる。二人の手があたしの胸を弄るたびに体の奥が熱くなっていく。
(……これダメ。このままじゃイッちゃう)
「一夏もやってみて」祐作が言った。
「おう」一夏が胸の先端を指でつまんだ。
「あっんんっ!」
強い刺激に声が裏返った。一夏は祐作より力が強い。その分刺激も強い。
「鈴の胸可愛すぎる」一夏が夢中で胸を弄る。
「んっあっだめ一夏強い」
あたしは一夏の肩にしがみついた。足の力が抜けていく。
「一夏リンが崩れちゃうよ」祐作があたしの腰を支えた。
「悪い悪い」一夏は手を止めずに言った。
「手を止めてないじゃない!」
あたしは抗議したけれど声に力が入らない。
「リンも座った方がいいよ」祐作があたしを畳に座らせた。
「ええもう立ってられないわよ」
あたしは畳の上にドサッと座った。二人も座る。あたしは二人に挟まれる形になった。
「ねえリン」祐作があたしの耳元に囁いた。「気持ちいい?」
「……バカ」
あたしは小さく答えた。でも体は正直だ。胸の先端はツンと硬くなっているし体の奥は濡れてきている。
「正直に言ってよ」祐作が胸の先端を指で転がした。
「んっ…きもちいい」
あたしは観念して言った。
「僕と一夏に胸を触られて気持ちいい?」
「……いいわよ!」
あたしは叫んだ。
「あたしの胸二人に触られて気持ちいい! 満足!?」
二人が顔を見合わせてふっと笑った。
「満足」と祐作が言った。
「俺も満足」と一夏が言った。
あたしは二人を交互に睨んだ。
「あんたたちねえあたしをからかって楽しんでるでしょ」
「楽しんでないよ」
祐作があたしの耳元を這うように指でなぞった。
「リンの気持ちいい顔が見たいだけ」
「あっ」
耳への刺激に体が震えた。
「祐作あたしの耳そんなに弱くないって言ったでしょ」
「嘘だね」祐作が耳に息を吹きかけた。
「んっ」
背筋がゾクゾクした。
「ほらビクビクしてる」祐作が耳元に唇を寄せた。
「リンのここ可愛い」
「バカ」
あたしは祐作の頭を押しのけた。でも心臓がうるさい。体の奥が濡れてきているのが自分でも分かる。
「じゃあ次は鈴の番だ」一夏が言った。
「あたしの番?」
「俺と祐作のこと気持ちよくさせてよ」
一夏があたしの手を取って自分の下着の上から隆起に導いた。
(大きい)
あたしは生唾を飲み込んだ。下着の上からでも硬くて熱くなっているのが分かる。
「鈴触って」一夏が言った。
「……バカ」
あたしは震える手で下着の中に手を入れた。
(硬い)
直接触るとさらに硬くて熱かった。一夏のがあたしの手の中でドクンと脈打つ。
「んっ」
一夏が小さく息を吐いた。
「鈴の手温かい」
「……あたしの手じゃなくても温かいでしょ」
あたしは一夏のを握った。硬くて太い。手の中で脈打つ感触がたまらなく心地よい。
「リン僕のも触って」
祐作があたしのもう片方の手を取って自分の下着の中に導いた。
(二つ同時に)
あたしは頭が沸騰しそうになった。両手で二人のを握る。一夏のは太くて力強い。祐作のは少し細長くてしなやかだ。どちらも硬くて熱くてあたしの手の中で脈打っている。
(これがあたしの彼氏たち)
あたしは二人のを交互に見た。一夏の灰色の瞳と祐作の黒い瞳があたしを見つめている。
「動かして」一夏が言った。
「……バカ」
あたしは両手で二人のを扱き始めた。
* * *
「んっ鈴上手だぞ」
「リン僕のも上手だね」
二人が同時に喘いだ。あたしは二人のを同時に扱きながら二人の顔を交互に見た。
(……これあたし本当にやってるんだわ)
夢みたいだ。でも手の中の熱さと硬さがこれが現実だと告げている。
「あたしが二人を気持ちよくさせてるのよ」
あたしは少し誇らしくなった。二人のがあたしの手の中でビクビクと震えている。
「鈴もう少しきつく握って」一夏が言った。
「バカそんな強く握ったら壊れるでしょ」
「大丈夫だから」
一夏があたしの手の上から自分の手を重ねて握り方を調整した。あたしの手が一夏ので包まれる。一夏の手は大きくて温かい。
「こうだぞ」一夏があたしの手を動かした。
「んっ」
一夏のがあたしの手の中でさらに硬くなった。
「リン僕のもお願い」祐作が言った。
「バカ自分で動かしなさいよ」
あたしは言ったけれど既に祐作のも扱いていた。二人のを同時に扱くのは意外と難しい。でも不思議と楽しかった。
「んっリン上手だね」祐作が喘いだ。
「当然でしょ」
あたしは少しだけ得意になった。二人のがあたしの手の中でドクンドクンと脈打っている。先走りが溢れて手がヌルヌルになってきた。
「鈴もうすぐイキそうだ」一夏が言った。
「リン僕ももう限界」
二人が同時に言った。あたしは二人のをきつく握った。
「出していいわよ」
あたしの言葉と同時に二人が達した。
「くっ鈴!」
「リン!」
熱い液体があたしの手に吹き出した。ドクドクと溢れ出す精液。あたしはびっくりして目を丸くした。
(こんなに出るの!?)
量が半端じゃない。あたしの手だけじゃなく腕にまで飛び散った。白濁とした液体があたしの肌を汚していく。
「……すごい」
あたしは呆然と呟いた。二人のはまだビクビクと震えて精液を吐き出し続けている。
「ごめん鈴汚しちゃって」一夏が言った。
「大丈夫よ」
あたしは二人の精液で汚れた自分の手を見た。白濁とした液体が糸を引いている。なんだかいやらしい。でも嫌じゃなかった。むしろ嬉しかった。二人に汚されたことが。
(……あたしって本当に淫乱ね)
自分の変態性に呆れつつも口元が緩むのを止められなかった。
「リン拭くよ」祐作がティッシュを取り出した。
「自分でするわよ」
あたしはティッシュを受け取って手を拭いた。白濁とした液体がティッシュに吸い取られていく。
「ねえ二人とも」あたしは言った。「あたしのこと本当に好き?」
「好きだぞ」と一夏が即答した。
「好きだよ」と祐作も即答した。
あたしは嬉しくなって二人にキスをした。左に一夏右に祐作。交互に唇を重ねる。
(大好き。二人とも大好き)
キスをするたびに胸の奥がキュンとした。体の奥がまた熱くなっていく。
「じゃあ次は最後だね」祐作が言った。
「最後?」
「リンの一番大事なところ」
祐作の視線があたしの股間に向けられた。あたしは顔を真っ赤にした。
「あたしの……そこ……」
「うん」祐作が頷いた。「リンの初めてをもらっていい?」
「……バカ」
あたしは小さく呟いた。でも否定はしなかった。むしろ期待している自分がいる。
(これであたしは二人のものになるんだ)
体の奥がジンジンと熱くなっている。もう我慢できない。
「いいわよ」
あたしは覚悟を決めて言った。
「二人にもらって。あたしの初めて」
その言葉に二人が顔を見合わせてふっと笑った。
「じゃあ僕から」祐作が言った。「一夏は後で」
「ええなぜ俺じゃないんだ」一夏が抗議した。
「僕の方が手慣れてるから」祐作がしれっと言った。
一夏はジト目で言った。「お前…手慣れてるとか言って鈴の処女が欲しいだけだろ」
祐作が目を逸らす。「…当然でしょ」
一夏は拳を出して言った「じゃあジャンケンだ。恨みっこなし」
「よし、じゃあジャンケンな」
祐作はあっさりと頷いた。こういうところで変にこだわらないのが祐作である。彼の中ではすでに「どちらが先でも最終的に二人とも鈴と結ばれる」という結論が出ているのだろう。だから先か後か、程度の違いでしかない。
(……ほんと、効率厨め)
あたしは心の中で呟いた。でもその合理主義に救われているのも事実で、だから文句は言えない。
一夏と祐作が向かい合う。二人の顔は妙に真剣だ。まるで全国大会の決勝でも迎えるかのような、そんな気迫が漂っている。
(あんたら、あたしの初めてを懸けてなんでガチでジャンケンしてるのよ。もうちょっと…こう、雰囲気ってものがあるでしょ)
心の中でツッコミを入れつつも、あたしは自分の胸が高鳴るのを止められなかった。どちらが勝つのか。どちらが先にあたしを抱くのか。その結果次第で、あたしの初めての記憶の相手が決まる。それ以前に、二人が本気で争っている。わたしの処女を奪い合ってる。その事実が嬉しくてしょうがない。
「最初はグー」
一夏が右手を握る。祐作も同じく右手を握った。
「「じゃんけん――」」
声が重なる。
「「ぽん!」」
一夏はチョキを出した。祐作はパーを出した。
「……俺の勝ちだな」
一夏が、小さく笑った。灰色の瞳にほんの少しだけ熱が灯っている。祐作は自分の手を見つめて、ふっと肩を落とした。
「負けちゃったよ。仕方ないね」
「祐作、あんたわざと負けたでしょ」
あたしは疑いの目を向けた。祐作は首を横に振る。
「まさか。僕だってリンの初めてが欲しかったよ。でも、負けたものは負けたんだ。潔く受け入れる」
「……ほんとに?」
「ほんとに」
祐作はふにゃりと笑った。その笑顔があまりにも自然で、あたしはそれ以上追及できなかった。でも、あたしには分かる。祐作は一夏に花を持たせたのだ。一夏が昔から「誰かを守りたい」と願っていたことを、祐作は誰よりも知っているから。
(ほんと、この幼馴染は人が良すぎるのよ)
あたしは小さく息を吐いた。そして、一夏に向き直る。
「……じゃあ、一夏。お願い」
一夏はこくりと頷いた。その仕草が妙に大人びていて、あたしの心臓がぎゅっと掴まれた。
「鈴、痛かったら言えよ。無理はするな」
「……うん」
あたしは畳の上に横たわった。冷たい畳の感触が背中に伝わる。でも体の内側は燃えるように熱い。一夏が上に覆いかぶさってくる。彼の影があたしを包み込んだ。
祐作が横に座って、あたしの手を握った。
「リン、大丈夫だから。僕がついてる」
「……祐作」
「痛みは最初だけだから。ゆっくりやってもらって」
祐作の声は、驚くほど穏やかだった。まるで自分が抱かれるわけでもないのに、あたしの痛みを先回りして和らげようとしてくれている。
(……なんであんたがそんな顔するのよ)
あたしは祐作の手をきゅっと握り返した。
一夏の手があたしのショーツに触れる。ゆっくりと下ろされていく。露出したあたしの一番大事な場所に、冷たい空気が触れた。
「……んっ」
一夏の指が、あたしのそこに触れる。優しく、確かめるように。
「鈴、濡れてる」
「……ばか」
言わないでよ。そんなこと。
一夏の指がゆっくりとあたしの中を割り開く。異物感に、あたしは思わず体を硬くした。
「力抜いて、リン」
祐作が耳元で囁く。その声に、あたしは少しずつ肩の力を抜いていく。
一夏が体を起こして、自分の下着を脱ぎ捨てた。露わになった彼のものは、さっき手で触れたときよりもずっと大きく見えた。あたしの体の奥が、きゅうっと締まる。
(あれが、入るの……?)
「いくぞ、鈴」
一夏の声が、少しだけ震えていた。彼も緊張しているのだ。それが分かると、あたしの緊張も少しだけ和らいだ。
「……うん」
あたしは目を閉じた。祐作の手が、あたしの手をぎゅっと握る。その温もりだけを頼りに、あたしは深く息を吸った。
一夏の先端が、あたしの入り口に触れる。熱くて、硬くて大きい。ゆっくりと、彼が腰を進める。
「……っ、ぁ……」
押し広げられる感覚。体の中に、異物が侵入してくる。痛い。でも、痛みだけじゃない。体の奥がじんじんと痺れるような感覚もある。
「鈴、大丈夫か」
「……だ、大丈夫」
嘘だった。痛い。でも一夏が心配そうな顔をしているから、あたしは平気なふりをした。
一夏がさらに腰を進める。あたしの中を、彼のものが少しずつ埋めていく。
「……んっ……ぁっ……」
「リン、息吐いて。ゆっくり」
祐作の声に合わせて、あたしは息を吐いた。その瞬間、一夏が一気に腰を進めた。
「っ!!」
声にならない声が、喉の奥で詰まった。何かがぶちっと切れる感触。体の中を、痛みが貫く。
(……痛い、痛い、痛い)
でも、それ以上に。
(……一夏が、入ってる)
あたしの中で、一夏が確かに息づいている。その事実が、あたしの胸をいっぱいにした。
「……鈴」
一夏の声が、耳元で聞こえた。彼も息を荒くしている。
「リンの初めての男は、俺だからな。祐作じゃなくて俺だからな」
一夏の声が、少し掠れていた。耳元で聞こえるその言葉は、無自覚な独占欲そのものだった。
(……一夏)
痛みで涙目になりながら、あたしは彼の顔を見上げた。灰色の瞳があたしをじっと見つめている。その瞳に映っているのはあたしだけ。他の誰でもない、あたしだけ。
「……バカ」
あたしは震える声で言った。
「そんなの分かってるわよ。あたしの初めては一夏なんだから」
言った瞬間、一夏の顔がぱあっと明るくなった。子供みたいな無邪気な笑顔。その笑顔があたしの胸をぎゅっと掴む。
(ああ本当にこのバカ一夏。無自覚なジゴロめ)
でも、その無自覚さがたまらなく愛おしい。
「……ズルいよ一夏」
横から祐作の声が聞こえた。少しだけ拗ねたような声。
「僕だってリンの初めてが欲しかったのに」
祐作の手があたしの手をきゅっと握る。その手が少しだけ震えているのが分かった。
「仕方ないでしょ」とあたしは言った。「ジャンケンで負けたんだから」
「それは分かってるけど……」
祐作はふてくされたように顔を背けた。でもすぐにこちらを向いてふにゃりと笑った。
「まあいいや。リンのアナルは僕がもらうから」
「なっ!?」
あたしの顔が瞬時に沸騰した。
「あんたねえ! そういうことはもっとこう雰囲気ってものがあるでしょ!」
「今十分雰囲気出てるでしょ」祐作がしれっと言った。「リンの一夏に抱かれてる顔最高に可愛いし」
「バカ! バカ祐作!」
あたしは祐作の手を振りほどこうとしたけれど、彼は離してくれなかった。それどころかさらに強く握ってきた。
「リン」と祐作が言った。「一夏のこと感じていいんだよ。僕が見てるから」
その言葉があたしの体の芯に響いた。
(……この二人は本当にあたしを夢中にさせる気だ)
一夏が腰を動かし始める。ゆっくりと慎重に。あたしの反応を見ながら動きを調整していく。
「んっ……あっ……」
痛みの中に別の感覚が混じり始めた。体の奥がじんじんと痺れるような感覚。何かが溶けていくような感覚。
「鈴気持ちいいか?」一夏が聞いた。
「……わかんない」
正直に答えた。痛いのか気持ちいいのか自分でも分からない。でも体は正直だ。一夏の動きに合わせて声が漏れる。
「んっあっ一夏……」
「鈴……」
一夏の顔が近づいてくる。彼があたしにキスをした。唇を重ねて舌を絡める。一夏の唾液があたしの口の中に流れ込んでくる。
「んっ……ふっ……」
キスされながら貫かれる感覚。頭がぼんやりしてくる。体の奥がさらに熱くなる。
(……あたし本当に一夏とやってるんだ)
夢みたいだ。でも体の中の熱さと硬さがこれが現実だと告げている。
「鈴の中すごく気持ちいい」一夏が唇を離して言った。「温かくて狭くて……最高だ」
「……バカ」あたしは顔を赤くして言った。「そんなこと言わないでよ」
「事実だもん」一夏がにへらっと笑った。「鈴の中最高」
あたしはもう何も言えなくなった。ただ一夏の動きに身を任せるしかない。
「リン」祐作が耳元で囁いた。「一夏に気持ちいいって言ってあげて」
「……バカ」
「言って」
祐作に促されてあたしは覚悟を決めた。
「きもちいい……一夏のお、おちん、ちん…気持ちいい」
その言葉を聞いて一夏の動きが少し激しくなった。
「鈴……俺も気持ちいい……鈴と一つになれて嬉しい」
一夏の言葉が胸に染みる。体の奥がさらに熱くなる。
(あたしも嬉しい。一夏と一つになれて嬉しい)
痛みはもうほとんど消えていた。代わりに強烈な快感が体を駆け巡る。
「あっんっ一夏もっと……」
あたしは無意識に一夏祐作と握り合うの手に力が入る。一夏が喘ぎながら腰を振る。
「鈴好きだ……大好きだ……」
「あたしも……あたしも好き……」
二人の声が重なる。体が熱くて溶けてしまいそうだ。
(もうだめ……何かが来る……)
体の奥がきゅうっと締まる。今まで感じたことのない感覚が迫ってくる。
「一夏何か来る……あたし変になりそう……」
「俺も……鈴俺も限界だ……」
一夏の動きがさらに激しくなる。
「一緒に行こう鈴」
一夏の声と共にあたしは頂点に達した。
「あっあああっ!」
体が弓なりに反る。頭の中が真っ白になった。同時に一夏も達した。私の中から引き抜かれた一夏のおちんちんから熱い液体があたしのお腹にぶちまけられる。
「くっ鈴!」
ドクドクと溢れ出す精液。あたしのお腹が白濁とした液体で汚されていく。
「はぁ……はぁ……」
あたしは荒い息を吐いた。体がぴくぴくと震えている。
(これが……絶頂……)
夢みたいだった。でもお腹にぶちまけられた精液の熱さと匂いがこれが現実だと告げている。
「鈴大丈夫か?」一夏が心配そうに聞いた。
「……大丈夫よ」
あたしは微笑んだ。体はまだ震えているけれど心は満たされていた。
「ありがとう一夏。大好き」
「俺も大好きだ鈴」
一夏があたしにキスをした。優しくて温かいキス。
(あたしは世界で一番幸せな女かもしれない)
そう思った瞬間祐作の手があたしの手をきゅっと握った。
「お疲れ様リン」と祐作が言った。「でもまだ終わってないよ」
祐作の声が少し低かった。あたしはびくりとした。
(そうだわ。まだ祐作がいる)
祐作の手があたしの体を撫でる。一夏とは違う触れ方。丁寧で確かめるような触れ方。
「次は僕の番だね」
祐作の目が暗く光った。あたしの体がまた熱くなり始めた。
(この二人は本当にあたしを夢中にさせる気だ)
でも否定はしない。むしろ期待している自分がいる。
「……バカ」
あたしは小さく呟いた。
「次はあたしの後ろをもらうんでしょ」
祐作がふにゃりと笑った。
「そうだよ。リンのアナルは僕のもの」
その言葉にあたしの体が震えた。恐怖と期待が入り混じった震え。
(あたしの後ろに祐作が入るの……?)
想像しただけで体の奥がきゅうっと締まる。
「リン大丈夫だから」祐作が言った。「ゆっくりやるから」
祐作の手があたしの体を優しく撫でる。その手つきがあまりにも優しくて涙が出そうになった。
(この二人は本当にあたしを大事にしてくれる)
あたしは深呼吸をした。
「……お願い祐作。優しくして」
祐作が頷いた。
「任せて」
「リン、体勢を変えるね」
祐作の声と共に、あたしは一夏から引き離された。名残惜しさを感じる暇もなく、祐作の手があたしの腰を掴んで反らせる。
「えっ、あ……」
あたしは一夏に凭れ掛かるような四つん這いの格好になった。お尻が高く突き出される形になって、顔がカッと熱くなる。
(なんて恥ずかしい格好なのよ……!)
でも、すぐ目の前に迫った一夏の顔が、あたしの羞恥を吹き飛ばした。
「鈴」
一夏があたしの両手を包み込んだ。彼の大きな手のひらがあたしの手を優しく握り、指と指が絡められる。
「俺がついてるからな」
ただそれだけの言葉。でも、一夏の体温と指の力強さが、痛みに怯えるあたしの心をふんわりと包み込んでくれた。
「……一夏」
あたしは縋るように一夏の手を握り返した。ぎゅっと。指が白くなるくらい強く。
その時、お尻にひんやりとした感触が走った。
「ひゃっ!?」
祐作の手だ。あたしのお尻を、優しく撫で回している。その指先が割れ目に触れるたび、背筋がゾクリと震える。
「リン、力を抜いてね」
祐作の声が背後から降ってくる。優しくて、穏やかで。でもその中に隠しきれない熱っぽさが混じっているのが分かった。
ふと、濡れた感触が股間を滑った。
「あっ……」
祐作の硬いものが、あたしの濡れた割れ目に押し当てられる。一夏に出された精液とあたしの愛液でぐちゃぐちゃになったそこを、祐作のがゆっくりと往復する。
「んっ、くっ……」
ぬるぬるとした感触。摩擦がない分、滑らかだけど、その分鮮明に祐作の形と熱さが伝わってくる。頭の先から爪先まで痺れるような感覚。
(祐作のおちんちんがあたしのところを擦ってる……)
背徳感と恥ずかしさで息が上がる。
「リン、すごく濡れてるね。……すごくいやらしい音がする」
祐作が耳元で囁くように言った。その言葉に顔がボッと燃え上がる。
「言わないでよ! バカ!」
「ごめんごめん。……でも、これで入りやすくなるから」
そう言うと祐作は、先端をあたしの一番奥の入り口――誰も入ったことのない場所に当てた。
「……いくよ、リン」
その声にあたしは強く目を閉じた。一夏の手を握る力が限界まで強まる。
「……っ!」
ゆっくりと押し込まれる感覚。異物が筋を通って侵入してくる感覚。焼けるような痛みが走ったわけじゃない。もっとこう……魂が裏返るような感覚。
「あっあぁっ……!」
声にならない声が漏れる。体が勝手に逃げようとしてピクンピクンと跳ねる。
「ダメだよリン。逃げないで」
祐作の手が腰を掴んで固定する。でもその力は決して乱暴じゃなくてあたしが傷つかないように支えているのが分かった。
「っく……いたっ……変な感じ……」
「最初だけだから。すぐによくなるから」
一夏があたしの手にキスをした。
「鈴頑張れ。俺もついてるから」
一夏の声。一夏の体温。一夏の匂い。それらがあたしを現実に繋ぎ止めてくれる。
(そうだわ。あたしは二人に愛されてるんだもの)
祐作がさらに奥へと進む。肉壁を掻き分けながら彼のものがあたしの最奥を侵食していく。
「んんっ! ふぅっ……!」
痛い。苦しい。でも不思議と嫌じゃなかった。むしろ嬉しかった。祐作があたしの中に入ってきている。あたしと一つになろうとしている。その事実があたしの胸をいっぱいにした。
「リンの中……すごく熱いよ。きついよ……」
祐作の声も苦しそうだった。あたしがきついように彼も苦しいんだ。
「全部入ったよ……」
祐作が最奥まで到達した瞬間あたしの体がビクンと跳ねた。
「ぁっ……!」
痛みとは違う電流のようなものが体を駆け抜けた。
「動くよリン」
祐作がゆっくりと腰を引いてまた押し込む。その動きに合わせてあたしの体が揺れる。
「んっあっあぁっ!」
痛みの中に確かな快感が混じり始めた。前とは違う場所からの刺激。体の奥底を掻き回されるような感覚。
「リン可愛い。すごく可愛いよ」
祐作が背中にキスを落とす。その唇の熱さにまた体が震えた。
「祐作……あたし……変になりそう……」
「変になっていいよ。僕たちがついてるから」
一夏の手があたしの手をさらに強く握る。その温もりだけを頼りにあたしは快感の波に身を任せた。
(あたしは二人のもの。二人に愛されるあたし)
前も後ろも二人で愛される。そんなことはもうどうでもよかった。ただ二人に愛されているという事実だけがあたしの中で膨らんでいく。
「んっあっもっと……祐作もっと……!」
「リン……!」
祐作の動きが速くなる。ズンズンと激しく腰を打ち付ける音が部屋に響く。
「鈴俺も……俺も見てるからな」
一夏の熱い視線を感じる。見られているという羞恥心がさらにあたしを煽った。
「一夏……祐作……大好きっ! 大好きぃっ!」
叫んだ瞬間体の中で何かが弾けた。
「ぁぁぁぁっ!!」
強烈な快感が体を貫く。頭の中が真っ白になった。
「リンッ!」
祐作も同時に達した。あたしの中に熱い液体が注ぎ込まれる。ドクドクと脈打つように溢れ出す祐作の熱。
(祐作があたしの中に出してる……)
その事実にまた別の快感が押し寄せてきた。
三人の荒い息遣いだけが部屋に響く。
あたしは一夏の手を握ったまま畳に崩れ落ちた。体中がふにゃふにゃで指一本動かせない。でも心は満たされていた。
(あたしは世界で一番幸せな女かもしれない)
そう思いながらあたしはゆっくりと目を閉じた。二人の温もりと愛に包まれて眠りにつこうとしていた。
(これからもずっと三人一緒だよね……)
その誓いだけが胸の中で静かに燃えていた。
「終わった……」
あたしは畳に崩れ落ちたまま、そう思っていた。
体は鉛のように重くて指一本動かせない。でも心は綿菓子みたいにふわふわで幸せだった。
一夏に貫かれて祐作にも貫かれて。あたしの初めては二人で埋め尽くされた。これでおしまい。もう身も心も二人のものだわ。
そう思っていたのに。
「リン、まだだよ」
一夏の声が耳元で聞こえたかと思うとあたしの体がふわりと浮き上がった。
「えっ?」
一夏の手があたしの腰を掴んで態勢を変える。引き起こされて向きを変えられる。視界に映ったのは祐作の顔。
「祐作……?」
何が起きているのか理解する前にあたしは祐作に向き直らされていた。そして後ろから一夏に抱き締められる。
「一夏? 何を……」
背中に一夏の広い胸が密着する。彼の心臓の音がドックドックと背中に伝わってきた。
「まだ足りないよ鈴」
一夏の声が少し低かった。耳元で囁かれると背筋がゾクゾクする。
「えっちょっ待って一夏あたしもう……ひゃっ!?」
お尻に硬いものが押し当てられた。さっきまで祐作が入っていた場所に一夏のが。
「いっ一夏そこは……!」
「さっき祐作が入ってたんだろ? 俺も入りたい」
一夏はそう言うと躊躇なく腰を進めた。
「あぁぁっ!!」
焼けるような痛みが走る。でもさっき祐作が入っていたおかげか抵抗は少なかった。むしろ祐作の名残が潤滑油になって一夏を受け入れていく。
「くっ鈴きつい……!」
一夏が苦しそうな声を漏らす。あたしの中を一夏の太いものが埋め尽くしていく。
(一夏があたしの後ろに入ってる……!)
事実を理解した瞬間頭が沸騰しそうになった。
でもそれ以上に驚くことが起きた。
「リン僕も忘れないで」
目の前の祐作があたしの足を開かせたのだ。
「えっ祐作まさか……!」
祐作があたしの一番熱くなっている場所に先端を押し当てる。
「うん。僕もリンの中に入りたい」
そう言うと祐作も躊躇なく腰を進めた。
「ああぁぁっ!!」
前にも後ろにも侵入してくる感覚。二人同時にあたしを貫いていく。
「いっ一夏っ!祐作っ!」
あたしは本能的に目の前の祐作に縋り付いた。両腕を祐作の首に回してしがみ付く。祐作の肩に顔を埋める。
(二人同時なんて無理よ……!)
でも体は拒絶しなかった。むしろ二人を歓迎するように内壁が蠢く。
「リン……!」
「鈴……!」
二人の声が重なる。二人の熱があたしの中で交差する。
前と後ろ同時に二人が入っている。あたしの体は二人の熱で満たされた。
(これ……どうなってるのよ……)
理解不能の状況。でも一つだけ分かることがある。
(すごい……二人に愛されてるって実感する……)
前から祐作が動く。後ろから一夏が動く。その交互のリズムがあたしの体を波に乗せた。
「あっあっあっあっ……!」
声が止まらない。二人の動きに合わせて体が揺れる。
「んっリン……!」
一夏の手が後ろからあたしのお尻を開いた。さらなる深みへと到達しようとする意図が伝わってくる。
「くっ鈴の中すごいよ……!」
祐作の手が一夏の手の上から重なった。二人の手が重なってあたしの小さな胸を包み込む。
「んっ!? ぁあ!」
二人の手の温もりに包まれてあたしは目を閉じた。
あたしは、ようやく理解した。
二人があたしの彼氏になってくれたんじゃない。
あたしが、二人の彼女になったのだ。
そう——所有物として。
「あっ、あっ、あっ……!」
前と後ろ。祐作と一夏。二人のリズムが、あたしの体を波に乗せた。
言葉もない。合図もない。なのに、二人の動きは完璧に同期している。
ズン、と祐作が奥を突く。ズン、と一夏が後ろを満たす。その交互のリズムが、鈴の体を波に乗せた。
(なんで……なんでこんなに息が合うのよ)
あたしは祐作の背中に手を回した。ぎゅっと、爪を立てる。
二人はまるで最初からこうするために生まれてきたみたいに、あたしの体を二人で共有している。
タイミングを合わせて同時に腰を引いた——かと思うと、今度は同時に奥まで突き上げられた。
「ひゃっ——!?」
体が宙に浮きそうになる。前と後ろから同時に攻められて、あたしの体は逃げ場を失った。
逃げられない。逃げる場所なんてどこにもない。
(あ……そうか)
その時、あたしは腑に落ちた。
あたしが二人のどちらかを選べなかったのは、運命のいたずらなんかじゃない。
あたしが、二人のものになるためだったんだ。
一夏のもので祐作のもの。二人の所有物。
「んっ、あっ、んっ……!」
二人のリズムが変わった。今度は交互。祐作が引く時に一夏が突く。一夏が引く時に祐作が突く。
文字通り、二人に弄ばれている。
(あたし……二人のおもちゃになってる)
その考えが頭の中をよぎった瞬間、体の奥がきゅうっと締まった。
嫌じゃない。むしろ——嬉しい。
「あっ、あたし……二人の……っ」
声にならない声が漏れる。
祐作の手が、あたしの頬に触れた。ひんやりとしていて、でも温かい。
「リン……僕たちのリン……」
その丁寧さが、あたしの胸を締め付けた。痛いけど、嬉しい。痛いからこそ、実感がある。
一夏の手が、あたしの腰に回った。大きな手。安心する力強さ。
「鈴……!」
その時、一夏の手が後ろからあたしのお尻を開いた。
祐作の手が、一夏の手の上から重なった。
二人の手が重なって、あたしの小さな胸を包み込む。
「……んっ……」
両手の手のひらで包み込まれた。
一夏の大きくて温かい手と祐作の少し細くて器用な手が、左右の胸をそれぞれ包み込んでいる。
前と後ろ、同時に二人が入っている。あたしの体は、二人の熱で満たされた。
(あたしは二人のもの。二人に愛されるあたし)
その事実が、あたしの胸の奥でじんわりと広がっていく。
「…リン。可愛い。もっと感じて」
祐作の声が、耳元で聞こえた。安心したような、でもどこか切ない声。
あたしは、目を閉じた。
(これでいいんだ。あたしは二人のものなんだから)
そう思った瞬間、二人が同時に動いた。
ズン、と祐作が奥を突く。ズン、と一夏が後ろを満たす。
「あっ——!」
体が跳ねた。二人の熱があたしの中で交差する。
「あたし……二人の……っ」
あたしは小さく呟いた。
「二人のもの……っ」
その言葉を聞いて、二人が同時にあたしを抱きしめた。
「そうだよリン」
祐作の声が、耳元に落ちた。
「リンは僕たちのものだよ」
「鈴は俺たちの彼女だぞ」
一夏の声が、背中から響いた。
「「(俺/僕)たち以外の男にはもう触れさせない」」
二人の声が重なる。
あたしの体は、二人の熱で満たされた。
(あたしは世界で一番幸せな女かもしれない)
そう思った瞬間、体の奥で何かが弾けた。
「ぁぁっ——!!」
頭の中が真っ白になった。
前と後ろ、同時に二人が奥まで突き上げる。
「リン——!」
「鈴——!」
二人の声が重なって、あたしの名前を呼ぶ。
あたしは、その声に包まれて、溶けていった。
* * *
はぁ、はぁ、はぁ。
荒い息遣いだけが、一夏の部屋に響いていた。
あたしは二人の間に挟まれたまま、動けなかった。体が綿菓子みたいにふにゃふにゃで、指一本動かせない。お腹の中にある二本の熱い棒とどくどくと流し込まれる熱い液体をただ感じてる。
(……これが、あたしの初恋の結末なのね)
ゆっくりと目を開けると、右に一夏、左に祐作がいた。二人とも満足そうな顔をして、あたしの体を撫でている。
「リン」
祐作が、あたしの解けた髪をすくい上げた。
「大丈夫?」
「……バカ」
あたしは小さく呟いた。それ以外、言葉が出てこなかった。
「鈴、水持ってくる」
一夏が立ち上がって、キッチンへ向かった。裸のまま。
(……ちょっと待って。あたし、さっき自分が二人の所有物になったって思ったわよね)
冷静になってみると、とんでもないことを認識した気がする。
(所有物って……あたし、何認識してるのよ)
でも、体は正直だ。二人の体温が左右から伝わってきて、あたしはそれがたまらなく心地よかった。
「リン」
祐作が、あたしの耳元に囁いた。
「何考えてるの?」
「……別に」
「嘘だね。リンの顔、赤くなってるよ」
「……バカ」
あたしは祐作の胸に顔を埋めた。
(あたしは、本当に二人のものになっちゃったんだわ)
その事実が、あたしの胸の奥でじんわりと広がっていく。
怖くない。むしろ、安心する。
だって、二人がいるから。
賢者タイムで読み切った人へ。どんな部分が癖に刺さりました?
でも感想とかよりお気に入りにしてくれる方が嬉しいので、感想が面倒な人は、お気に入りにしてくれると嬉しいです。
現在はまだプロローグです。本編は学園編が始まってから。それまでは導入の為の犠牲と作者のお気に入りのキャラとエッチしているだけになります。
本編で、こんなシチュエーションで子作りしてる女の子の姿が見たいというのがあれば全部読んだ詳しい感想と一緒により詳しく書いてくれたら可能であれば採用します。
例えば「箒と一夏が寮で一緒になった時に、一夏が箒をシャワー室へ押し倒して処女を奪う」みたいな。
評価点数投票。感想投稿。お気に入り。全部メンドクサイって思う人用の、作者のモチベーション維持向上の一票
-
……フッ……燃え尽きたぜ。出し切った……
-
うぉおおお!まだだ!まだ抜けるぞ!
-
もっとだ、もっと犯せ!女を堕とせ!
-
物足りない。まだ我慢できる。
-
だめだ。解釈違い過ぎて抜けない。
-
モジガヨメナイ(.。o○)