原作知識持ち男の娘による転スラ世界のハーレム生活 作:カチコミ侍ニン任にん
どうも、『カチコミ侍ニン任にん』です。
完成していたので投稿させていただきます。本当なら『pixiv』の方と同じ日に投稿しようとしたのですが、うっかりのせいでこんなにも間が出来てしまいました。申し訳ありません。
それと、今回の話はエロ要素が少ないので、そのことをご了承の上お読みくださることお願いいたします。
また、この作品は一人称視点での話であるため、その点もご了承ください。
話が長くなってすみません。それでは本編へどうぞ!
僕の名前は、『シノ・カローナ・リオット=テンペスト』。
………
……
…
「ごめんってばー!」
「……」
「ベティ~! 機嫌を直してよ~」
「ふんっかしら!」
——自身の可愛い【契約精霊】である『ベアトリス』の機嫌を直すのに必死な転生者だ。
んじゅぽっ❤ ぐじゅるるるるっ❤ れりゅれろろっ❤
「んんぅ……?」
僕はチンポから伝わってくる温かい何かに包まれる感覚によって目を覚ました。
目を開けると、視界には何度も使用していることですっかり慣れ親しんだ光景である寝室の天井が入り込む。
そうして視線をこの感覚の発生地であるチンポへと向けると、そこに映ったのは僕のよく知る女性がフェラをしている姿だった。
「ぐぢゅぼぽっ❤ ぐちゅぶぷぷぷっ❤ んぢゅるるるるっ❤」
「……おはよう。シエル」
「ぐぢゅるるるっ❤ ——んあぁ…❤ おはようございます❤ 愛しの旦那(シノ)様❤」
僕が声をかけて挨拶を口にすると、起きた事に気付いたシエルがチンポから口を離して妖艶な笑みを浮かべたまま挨拶を返してくれた。
シエルはリムルの分身を使用して表に出ているためにその容姿は似ているが、決定的に違う所もある。
それは……‶雰囲気″だ。シエルは元々スキル宿る人格のためか、リムル以上に冷静で思慮深いのだ。そのせいで大人と言うかミステリアスと言うのか、上手く言えないがリムにはない雰囲気がシエルにはあるんだ。
しかも普段は無表情と言っても過言ではないシエルの笑みというのは強力で、何度も見てはいるけど僕もそのギャップには未だに慣れきらずドキッとしてしまう。
「っ……。起きてたんだね」
「夫より早く起きておくのが、妻の務めだと知りましたので❤」
「そんな知識何処で得たのさ?」
「主(マスター)の記憶からです♪ 旦那様のお嫁さんになってから、色々とお調べになっていたようですので❤」
「そうなんだ……(僕のために、リムル……っ。今度、その調べた知識で色々としてもらおうっと♪)」
わざわざ僕のために調べてくれたことが嬉しく思うと同時に、それを発揮させてあげるための時間を作ってあげられなかったことに申し訳なさを感じた。そのため今度時間が出来た際には、謝罪といってはなんだけど存分その知識を発揮してもらおうと僕は心に決めた。
そんなことを考えていると、再びチンポから快感が伝わって来た。そこへ視線を向けると、シエルが竿を握って慣れた手つきでシコシコ扱いていた。
「ふふふっ❤ 本当に旦那様は絶倫です❤ 私たちであんなにも搾り摂ったというのにっ❤」
「す、スキルの所為だから…っ。仕方、ないじゃん……っ」
「勿論それもありますが…それを抜きにしても、です❤ 旦那様自体も相当の性豪ですよ❤ 転生する前から大変だったと、ヒナタ殿が仰っていましたよ? 毎晩腰が痛くて仕方がなかった、と♪」
「な……っ!?(ヒナタぁ!? 何話してるのぉ!!)」
僕はシエルの口から発せられた言葉に絶句してしまった。僕自身性豪である自覚は多少はあるが、それを周りに知られてしまうことが良いかと言われると普通に恥ずかしいため止めて欲しい。
「ち、因みに…それって、あと誰が知ってるの……?」
「旦那様がお抱きになった方は全員知っていますよ?」
「……(ヒナタ~~~!? 何てことを~っ!?)」
何とか広がる前に止めないといけないと思ったが、既にお嫁さんや雌奴隷(オナホ)のみんなにはバレてしまっていたようで、僕は今更どうにもならないことを理解させられてしまった。
僕は心の中で、後日ヒナタと‶O・HA・NA・SI″をしなければならないと、強く決意した。
因みに、これが実は僕が怒ることを見越して『お仕置きセックス』をしてもらおうとヒナタが画策していたことだと知るのは、彼女の計画通り『わからせセックス』をした後のことであるのは、余談である。
僕がそんなことを決意していると
「そんなに気にすることでしょうか? 旦那様が強き雄であることは誇るべき事であり、恥じることはないと思われますが?」
「う~ん……なんというか……。合ってるんだけど、違ってるというか……」
「?」
「と、とにかく! その話はもうお終い! いいね!?」
「…旦那様がお望みとあらば」
そう返答をしてくれたことに僕は少々ホッとした。少なくともこれで、シエル越しで話しが広がることはないから。
そしてその話が一段落着くと、そんな風に話をしている間にもシエルが手コキを続けていたため、僕のチンポはもう射精寸前まで追い込まれていた。
「——それよりも、旦那様❤ ‶こちら″はどういたしますか?」
「くっ……!」
「このまま手でイキますか? それとも、胸? 口? 膣内? どこにお出しになられますか❤」
「し、シエル……!」
シエルから魅力的過ぎる問いに少々悩みながらも、僕はどこに射精するかを決めた。しかし、僕の思考を読んでいたのか、僕が口にするよりも前にシエルは僕が望む行動をしてくれた。
「——畏まりました❤ それでは……胸でイカせてあげますね❤」
——むにゅん❤
シエルはチンポから一旦手を放すと、その胸部装甲で僕のを包み込んだ。リムルよりはサイズは小さいと言っても、世間的には十分巨乳の分類に入る(というか、シオンやリムルが爆乳過ぎるだけ)ため、挟むことなど造作もなく僕のチンポから彼女のおっぱいの柔らかい感触が伝わってきた。だが、僕のチンポだって世間的には規格外のサイズのため、覆いきれずに亀頭部や竿の一部がはみ出ている。
そんな包み切れないチンポを前に、シエルは怯えるどころかより瞳を色欲に染めながら艶めかしく唾を飲み込み笑みを浮かべている。その表情は普段からは想像できないほどエロくて興奮してしまう。
にゅぱんっ❤ ぐにゅにゅっ❤ ぬぱんっ❤
「んあぁ~❤ どうですか? 主と練習していたのですが、上手く出来ているでしょうか?」
「う……っ!!(ぼ、僕の弱点を的確に……!? まだ、経験が数回しかしてないのにこの上達具合…っ。シエル、恐ろしい娘……!!)」
少々冗談を交えながらも、上達速度が異常に早いシエルに僕は驚愕してしまう。正直言って最高の一言に限る。というか、最高以上に僕に表現のしようがない。こういう時、自分自身のボキャブラリーの低さに呆れてしまう。
「凄く、気持ちいいよ……っ」
「それなら良かったです❤ ふふふっ❤ チンポが震えていますよ❤ もう、射精しそうなのですね❤ どうぞ、遠慮なく❤ 旦那様の欲情を、私にぶちまけてください❤」
「んぐ……っ!? し、シエル……!」
妖艶な笑みを浮かべつつ、パイズリの扱く速度を上げていった。フェラチオと手コキ
「ぐぅぅぅ……! で、射精(で)る……っ!!」
ビュルル!! ビュビュピュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!!!
「んんぅ…❤❤❤(なんて、大量…っ❤❤❤ 流石は、旦那様❤❤❤)」
鈴口から続々とザーメンが飛び出していき、シエルの美しい顔と青髪が僕の白濁色によって染められていった。そうして射精が終わった頃には、シエルの顔と髪はザーメンによって半分以上が汚されており、あまりの量に顔で受け止め切れずに重力で零れ落ちたことでザーメンの汚染は胸や腕にまで広がっていた。
「こんなに、出すだなんて❤❤❤」
「ご、ごめん……」
「ふふふっ❤❤❤ 謝ることなんてありません❤❤❤ 私は嬉しいです❤❤❤ だってこれは、それだけ旦那様に悦んでいただけた証拠なのですから❤❤❤」
僕は咄嗟に謝ったが、シエルはそんなこと言わなくていいと言い、嬉しそうに微笑みながらそう告げた。そして、指でザーメンを拭い取ってそれを眼前まで持って行きその粘度を確かめるように遊んだ後に、おもむろに口へと運びしっかりと咀嚼した上で飲み込んだ。
「んむっ……くちゅ……っ❤❤❤ ——んごくっ❤❤❤ はぁ~…っ❤❤❤ 相変わらず、旦那様の精液は濃くて美味しいですっ❤❤❤」
うっとりとした表情でそう評すると、それを皮切りにシエルは指で拭っては口に運び飲み込むと言った動作を繰り返していった。
その様子はとても扇情的であり、見ているだけでも僕の欲情を刺激してきている。だが、それを見ていて‶とある願望″が僕の中に生まれた。
すると、チンポに付着した以外の全てのザーメンを飲み切ったタイミングで、シエルはその動作を止めた。そして、僕の方へと顔を向けると、まるで『全てわかってますよ❤』と言わんばかりの笑みを向けた後に、ザーメンに汚れたチンポへと視線を戻して顔を近づけるとそれを躊躇せずに咥え込んだ。
「は~むっ❤❤❤ ぐぶぢゅるるるるるっ❤❤❤ ぶぐりゅりゅりゅっ❤❤❤」
「シエ…ル……っ!!」
チンポを咥えたシエルは、視線を僕へと向けたまま口を窄めてピッタリと吸い付いたまま頭を前後させ始めた。それは所謂『ひょっとこフェラ』というものであり、非常に整っているシエルの顔が今はチンポに激しく吸い付いていることで歪んでいる。
だが、それこそ正に僕が望んでいたものだった。シエルがザーメンを啜り取っていく様を見て思ったのだ。上品かつ扇情的に飲み込む様子を見ていて楽しいが、どうせなら‶もっと下品に飲み込む様子も見てみたい″、と。
そんな僕の歪んだ欲望にシエルはきっちりと叶えてくれた。今のシエルの様はお世辞にも上品とは言えず、顔を歪めるのを気にせずにわざとらしく啜り取る音を出しているそれは、正に‶下品に飲んで欲しい″というのを正確に捉えていた。
「ぶぢゅるるるるるっ❤❤❤ む゙ぢゅぼぼぽぽぽっ❤❤❤(全く、下品な私を見たいだなんて仕方のない旦那様です❤❤❤ まぁ、そういうどうしょうもない所も愛おしいのですが❤❤❤)」
「くっ……!? し、シエルぅ……!」
「(ふふふっ❤❤❤ チンポが膨らんで、震えてきている…❤❤❤ さっき射精したばかりなのに、また射精しそうなのですね❤❤❤ いいですよ❤❤❤ 私の口内に、お出しくださいっ❤❤❤) ぶぢゅぼぽぽっ❤❤❤ ぐじゅぶじゅじゅじゅっ❤❤❤」
「うぅぅぅっ!?」
僕はあくまでこれはお掃除フェラだと分かっているのに、端正な顔を歪めてでも必死にチンポを咥えてザーメンを啜り取っていく姿に欲望が刺激されてしまい、さっき出したばかりだというのに僕の射精欲は限界まで高まっていた。
それを察してか、シエルがしょうがないなと言わんばかりの笑みを浮かべると、より激しくチンポを攻め立てた。
射精欲が限界に達していてシエルからの攻めに耐えられるわけもなく、僕はせめてもの抵抗として両手で彼女の頭をがっしりと掴みチンポを根元まで差し込んだ状態で固定してから射精した。
ピュルルルルルルルルルルルッ!! ドピュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!!
「ん゙んんんっ!!!?❤❤❤」
シエルの喉奥にて射精したことでザーメンが直接食道を通って彼女の胃へとどんどん送られていく。僕の大量のザーメンが放出されたことでシエルは反射的にそれから逃れようと頭を離そうとしたが、頭をがっしりと掴んでいたことでそれは叶わず続々とザーメンを飲まされることとなる。
「ん゙ごごっ!?❤❤❤ お゙も゙ごごっ!?❤❤❤(全部、飲み込めということですね…❤❤❤ 畏まり、ましたっ❤❤❤ 旦那様のザーメン、全て…飲み込ませていただきますっ❤❤❤)」
どうやら僕の考えを察したシエルは、頭を動かすのを止めると反射を必死に抑えながら自らも積極的に僕のザーメンを呑み込んでいった。
そうして1分ほどが過ぎ、ようやく僕の射精が治まった。だけど、射精が終わってもシエルが僕のチンポから口を離すことはなく、喉奥まで犯された状態のまま舌を動かしてチンポに舐めまわし始める。
どうやらチンポに付着したザーメンまで飲み込むつもりの様で、舌をピッタリと密着させて蛇の様に這わせながらザーメンを飲み込んでいった。そして、それすら終わったことでようやくシエルは口を離したことで、僕は彼女からチンポを取り出した。
隅々まで舐め取ってくれたおかげで、僕のチンポはシエルの唾液によりコーティングされていた。
「んあぁぁ……っ❤❤❤ げほ……っ❤❤❤ お゙ほ……っ❤❤❤ はぁ……❤❤❤ はぁ……❤❤❤ ……全て、飲ませてもらいましたぁ❤❤❤」
「はぁ……はぁ……っ。凄く、気持ち良かったぁ……」
「(うふふふ❤❤❤ 旦那様ったら、可愛いんですから❤❤❤) 疲れてしまいましたか? よしよし♪」
起きて直ぐにこれだけ気持ちいい奉仕を受けたことで、僕は肩で息をするほど精神的に疲れてしまっていた。
すると、シエルは僕の様子を見て微笑みを浮かべると、近づいてきてそっと抱きしめるとまるで子供をあやす母親の様に僕の頭を撫で始めたのだ。
シエルと僕の容姿から客観的に見れば微笑ましい光景に見えるのかもしれないが、僕からしてみれば子ども扱いされた様に感じて少々不満に思う。
特にシエルの僕を見つめる視線が、母性に溢れていることが感じられてその思いをより強くしている。
「も~。子ども扱いは止めてくれよ~」
「ふふふっ❤❤❤ すみません❤❤❤ あまりにも旦那様が可愛らしいもので❤❤❤ つい❤❤❤」
「……」
僕が不満を口にしたことでシエルはそのことについて謝るが、それすらもどこか僕のことを軽んじられているように感じられた。
そのため僕は、シエルに対して‶立場をわからせなければならない″という想いが強くなった。
ただ口での勝負では勝てないのは分かりきっていたため、僕が自分が有利になる勝負を仕掛けた。
「……シエル」
「? ——んむっ!?❤❤❤」
僕は不意打ちの先制攻撃のために、なにも告げずにシエルの唇を奪った。
‶とあるスキル″を使用しながら、ね♪
「んむろっ❤❤❤(こ、これは……っ!?❤❤❤) ————んむぅぅぅぅぅっ!?❤❤❤」
ぷしゅっ❤❤❤ ぷしゅしゅしゅっ❤❤❤
そうすると直ぐにスキルの効果が出たようで、シエルはキスしたまま何度も甘イキを繰り返した。それから逃れようと僕から離れようとするが、そうさせないように背中に手を回してがっしりとホールドして逃がさない。
そうしている間にもシエルは何度もイキ続け、暫くして僕から口を離した時には頬を上気させて息を荒くしていた。
「はぁ…❤❤❤ はぁ…❤❤❤ 旦那…様ぁ……❤❤❤」
「シエルがいけないんだよ? 僕を子供扱いするんだからさ。だから……——お嫁さん(シエル)の立場ってものを教えてあげるね♪」
僕が使用したのは『究極能力/アルティメットスキル』である【性欲之王/アフロディーテ】だ。これは性を司るスキルなのだが、それに含まれる数ある能力の内の一つにセックスした相手に『淫紋を付与する』というものがあるんだけど、僕が使用したのはそれを発動させたものだ。
淫紋を付与しても普段はそれは見えないようになっているのだが、僕が発動させることでそれが可視化させる。僕はお嫁さんや雌奴隷(オナホ)には全員それを付与している。‶僕の女″という印のためにだ。
現に僕がスキルを発動させたことで、臍の下……丁度子宮がある辺りにハートマークに周りに紫陽花の刺繍が入った模様が浮かび上がり、スキルよって薄ピンク色に光っている。
シエルが何度も甘イキしていたのもこれが原因で、感度を上げていたことでキスだけでもそうなったというわけだ。
「だ、旦那さ——ああっ❤❤❤」
シエルは何か言おうとしたようだけど、僕はそれを無視して彼女をベッドに押し倒した。触れるだけでも甘い声を漏らしているシエルの頬を撫でながら、僕はあくどい笑みを浮かべて彼女にとってある意味地獄であり天国の様な言葉を告げた。
「あははは♪ たっぷりと教えてあげるよ、シエル♪ 骨の髄まで、ね♪」
「っ❤❤❤」
それを聞いたシエルは、恐怖と期待が交じり合った目をしながら僕を見つめている。
そんなシエルに僕は覆いかぶさると、朝にも関わらず昨夜に劣らないセックスを開始した。
——2時間後。
場所は移って、リムル庵の中にある大広間。本来ならそこは、リムルと彼女の配下たちや僕たちみたいな来客が食事を楽しめるために作られた場所であり、実際この場には人数分の料理が載せられたお膳が鳴らえられている。
しかし、それを手にする者はこの部屋の中には1人としていない。なぜなら……
………
……
…
「え、えっと…ベティー?」
「……」
「も、申し訳ありませんでしたァァァ!!」
「……ふんっ」
——僕の大切な契約精霊である『ベアトリス』ことベティーが、凄く機嫌を悪くした状態で座っており、そのすぐ横で僕が土下座をしているからだ。
「どうか許してよ~、ベティー」
「知らないかしら!」
「お願いだよ~!」
「ふんっ!」
僕は必死になってベティーに謝り倒しているが、彼女はそれでも怒りが全く収まっていないようで顔を背けている。
「え、えーっと、ベアトリス。シノも反省してるんだしそのくらいで…」
「お前のスキルが元凶だというのに、口を挟むんじゃないかしら」
「……ごめんなさい」
「リムルぅ…!?」
優しいリムルが俺をかばうために間に入ってきてくれたが、ベティーからの言葉に一刀両断されてすぐさま引っ込んでしまった。
そう、ベティーが怒っている原因は僕とシエルにあるのだ。その原因と言うのは……——朝食に遅れたこと!
『それだけで?』って思うかもしれないけど、ベティーにとっては大事な事なのだ。というのも、僕って一応魔王の一人であり人類や国家と魔王たちとの橋渡し的な役割が与えられているんだけど、当たり前であるが当然忙しい。国家間の友好を深める会談は勿論のこと、土地や人種問題、金銭問題などと話し合う内容は多岐にわたる上に、それ以外でも様々な用事や個人的な用事と、意外にもやることがいっぱいあるんだ。
じゃあなんでこんなのんびりしているのかって言うと、『分身』のスキルを使用することによって分身によほどの内容でない限りは任せていることで、こうして本体である僕はのんびりとした生活をすることが出来ている。
——しかし、だ。それを用いてもやることが多い上に、あまり表に顔を出しすぎるのもそれはそれで魔王としての威厳だとかの関係でよくないと言われたことで、僕一人で仕事をこなすのは困難である。
ではどうするのかと言うと、ベティーや僕のお嫁さんたち、配下の子たちが僕の‶代理″として顔を出しているのだ。
もうここまで言えば分かると思うが、ベティーがここまで怒っていることにも少し関わっている。
なんでかと言うと、ベティーはつい昨日までヨウムのところと表向きは敵対する魔王の‶代理″という体で、かの国まで会談のために何日も滞在していたのだ。そしてその間当然僕とも会ってない(因みに、定期連絡はしていた)わけで、今日は数日ぶりの再会となるわけだ。
そしてベティーは僕と一緒に朝食を摂ることを楽しみにしていたのを、僕が1時間以上も遅刻したことでそれを台無しにされてしまったというわけだ。それも、遅れた原因が、シエルと朝からセックスをしていたというふざけたものであったこともあり、こんなにもベティーが怒ってしまっているというわけだ。
僕は一度土下座を止めて身体を起こすと、ベティーがそっぽを向いている方へと移動して彼女の眼を見つめながら真剣に謝罪をした。
「本当に、ごめんね。ベティー」
「……私は楽しみにしてたのよ。それを……よりにもよって女と乳繰り合って遅れたなんて許せるはずもないかしら!」
「本っ当にごめんなさい!!」
僕が再び土下座をするが、それでも尚もベティーの怒りは収まってないようでどんどんと怒りの言葉が降り注いでくる。
「ベティーがシノのために頑張っている時に、シノは他の女とイチャイチャしてたなんて……!!」
「はい……返す言葉もありません……」
「シノはベティーの契約者としての自覚がないかしら!」
「本っっっ当に、申し訳ありませんっ!!」
「謝って済む問題じゃないのよ!!」
「わかってる! だから、必ず埋め合わせはするよ! ベティーの‶どんなお願い″でも聞くよ! これは絶対に守る!!」
僕が誠意を込めてそう言うと、ベティーはビクッと身体をさせて怒りの言葉が止む。
僕が恐る恐る顔を上げると、先程よりは怒りが治まっているベティーが僕へと顔を戻すと、確認するように言葉を告げて来る。
「……本当かしら?」
「! うん! 本当だよ!?」
「……そんなこと言って、またすっぽかすんじゃないかしら?」
「そんなことない! これは必ずベティーを優先する! 絶対に!!」
「……ベティーは、約束を破られるのは嫌いなのよ」
「…うん。知ってるよ。よ~く、ね」
「……はぁ~…。本当に、シノはどうしょうもない契約者なのよ」
ベティーは溜め息を吐いた。しかし、その表情には先程までの怒りの感情がなくなっていて、それを確認した僕は内心ホッとしつつも話を続けていく。
「! そ、それじゃあ……!」
「……特別に、許してあげるかしら。でも! 約束かしら! 今度の薬味はベティーと図書館デートをするのよ! いいかしら!?」
「!! ——うん!! 約束する!! 絶対に守るよ!!」
「…………じゃあ、ベティーは許してあげるかしら。ベティーの心の広さに感謝するのよ!」
「うん! ありがとうね、ベティー!」
「ちょ、ちょっと!? いきなり抱き着くんじゃないかしらー!?」
僕がベティーに嬉しさのあまり抱き着くと、ベティーは口では嫌そうに言いつつも実際に引きはがしたりすることはないことからも、内心では満更でもないことを察することが出来、そんな彼女の様子も可愛らしくてより僕は抱きしめるのに力がこもってしまう。
そんな風にベティーに抱き着いていると、部屋に『パンッ!』と乾いた音が響いた。音の発生源に顔を向けると、そこには手を叩いた後のリムルの姿があって、その表情は僕とベティーの件が無事に終わったことに安堵しているのがわかるものであった。
「さて! それじゃあ2人の痴話喧嘩も終わったことだし! ちょっと遅くなったけど、朝食にしよう!」
「うん! さっ、ベティー! 一緒に食べよう♪」
「……今日はシノの膝に座って食べていいかしら?」
「うん! 勿論だよ!」
僕は座布団が敷かれている自分の指定席に胡坐で座ると、ベティーはその上に座った。普通であれば行儀が悪いと思うのかもしれないが、ここにいる皆はそんな光景に慣れているのでそんなことは言わずにスルーしてくれている。
そうして全員が席に座ると、僕の隣(僕とリムルは上座)に座っているリムルが、音頭をとってみんなもそれに追随して言葉を発する。
「皆座ったね? それじゃあ……いただきます!」
「「「「「「いただきます(かしら)!」」」」」」
そうして僕たちは、遅らせながらも朝食を楽しんでいったのだった。
——ベティーの名前は、『ベアトリス』なのよ。
………
……
…
「それじゃあ、行ってきます!」
「気を付けて行ってくるのよ」
「うん!」
——愛しの契約者であるシノを見送る、シノの契約精霊かしら。
シノとシノの女達との朝食をベティーは、魔王の仕事として『神聖法皇国ルべリオス』に向かうシノの見送りに館の外へ出ているのよ。
その隣には護衛兼従者として、人間の小娘である『アリューシア・シトラス』がいる。まぁ、ベティーと比べたら足元にも及ばない強さの小娘ではあるけれど、シノの従者としては最低限の能力はあると言えるかしら。
そんな小娘は、ベティーに対して頭を下げて挨拶をしてくる。
「それでは行ってまいります。ベアトリス様」
「……わかっていると思うけれど、シノに何かあったら——」
「命を懸けて私が縦となり、お守りいたします。何としてでも……!!」
「…わかってるならいいかしら」
頭を上げた小娘の表情は真剣そのものであり、能力を使うまでもなくその言葉が嘘偽りないものだとわかるかしら。
まぁ、覚悟はあるようなので少しは安心してやってもいいかしら。
「も~! ベティーってば心配し過ぎだよ! それとアリューシアも! 命を懸けるだなんて軽々しく言わない事! わかった?」
「…はい。畏まりました、シノ様」
「うん! わかったならいいよ♪」
アリューシアの小娘はわかったとは言っているけれど、その表情は絶対心の中ではわかっていないことは丸わかりかしら。
……でも、ベティーはそのことをシアには告げない。確かにこの小娘のことも嫌いではないかしら。しかし…………ベティーの最優先は‶シノ″なのだから、そのために使える‶駒″をわざわざ減らすようなことは言わないかしら。
「それじゃあ、そろそろ行くね」
「本当に、気を付けて行ってくるのよ。無事に帰って来るかしら」
「うん! 任せて♪」
そう言い終わると、シノはスキルを発動させて小娘と一緒に転移していった。
ベティーは愛しのシノがいなくなったことに少し…本当に少しだけ寂しく思いながらも、それを押し殺して館へ戻ろうとした正にその時、覚えのある気配がベティーの背後に現れた。
「——何の用かしら」
「はっ。‶例の件″についてのご報告です」
「! …それじゃあ、捕らえたかしら?」
「はい。例のゴミは、いつもの空間へ移動させておきました」
「そうかしら」
ベティーは背後にいる女——『マブイ』からの報告を聞き、館へ戻るのを止めてスキルを発動させて空間移動のための『門/ゲート』を目の前に開いた。
ベティーがそこに入ると、後ろのマブイもそれに続いて中へと入った。
そうして出たのは‶とあるため″に作成された結界空間であり、そこにはマブイの部下である女達と‶件のゴミ″が縛られて転がっていた。
「コレがそうかしら?」
「はい」
ベティーからの問いに、マブイは短くもはっきりと答えた。ベティーは確認を終えると、改めてそのゴミへと視線を向けた。どうやらベティーが来る前から女達は仕事をしていたようで、このゴミの状態がそれを物語っていた。
「——いつまでも寝腐ってるんじゃないのよ」
ゴスッ!
「おぐっ!?」
ベティーがそれのお腹を‶軽く″蹴ると、それは汚い声を出してひっくり返ると咳き込み始めた。この程度で咳き込むだなんて、何て脆弱な奴かしら。
「げほ……! げほ……! ——ごふ……っ!?」
「いい加減やかましいかしら。さっさと止めるのよ」
ベティーが頭を側面から踏みつけたことでようやく咳き込むのを止めたそれが、今の置かれている状況を理解してかベティーに対して命乞いを始めた。
「ぐぐ……っ!? た、頼む…! 許して、くれぇ……っ!!」
「……」
「やったことについては、謝る…! 詫びも……ぐふ…っ! はぁ……っ。しっかりと…する…!」
「……」
「お、俺も、雇われただけなんだ……!? だから、たす——」
「——黙るかしら」
ベギッ!!
「ぐぼぉ!?」
ベティーは喧しく騒ぎ立てるそれの顔面を容赦なく踏みつけたのよ。どうやらそれで花が折れたみたいで、ベティーの靴にそれの汚らしい血が着いてしまった。
でも、そんなことも見越して予め汚れてもいい靴へと吐き替えていたので問題ないかしら。もしもこれがシノから送られた靴であったら、ベティーは目の前のコレに対してなにをするのかわからないかしら。
そうして踏みつけたことで喋るのは止まったものの、未だに喋りそうな気配が感じられたためベティーは黙るまで徹底的に踏みつけ続けたのよ。こんな奴の言葉を少しでも聞きたくなかったから。
そして、ベティーの行動を止める者はこの部屋には存在しなかったかしら。だからベティーは、徹底的に踏みつけを行っていった。
ガスッ!!
「ごぶも゙っ!?」
「……」
ゴスッ!!
「ぶべごっ!?」
「……」
ゴスッ!! ベゴンッ!!
「や、やめ…——べぐっ!?」
「……」
ゴスッ!! ドゴッ!! バキッ!!
「ぐっ!? うぅ……っ」
「……」
バゴンッ!!
「ぁ……」
「……」
何十回も踏みつけてようやくそれは黙ったことで、ベティーはそれの頭から足をどかした。それの顔は原型を留めていなかったが、ベティーにとってはどうでもいいことなので無視した。
それにしても、本当に‶コレ″がシノたちと同じ『人間』なのかしら? あまりにも弱すぎて怒りを通り越して呆れてしまうのよ。
「……許して欲しい? 何を世迷言を言っているのかしら?」
「っ……」
「お前がベティーのシノに貶めようとした時点で、お前に生きるなんて選択肢はないかしら。ベティーにとってシノは唯一の契約者なのよ。そんな大切なシノにお前は手を出そうとした」
「ぅ……」
「——そんなお前に、何でベティーが慈悲を与えないといけないのかしら? これだからバカは嫌いなのよ。低俗過ぎて頭の中がスカスカなのかしら? 理解できないのよ」
「ぉ……」
「まぁ、安心するといいかしら。ゴミなお前でも、色々と使い道はあるのよ。だから……——殺してあげないかしら」
「っ…………!?」
これはシノから学んだこと。資源は最大限活用するという考え。
ただ殺すだけでは活用法が限られてくるけど、生かしておけば様々なことに使える。流石はベティーのシノかしら。
そう思うと本当に、これがあの可愛くてカッコいいシノと同じ『人間』だなんて想像できないかしら。まだ豚や虫の方がマシなのよ。
「お前にはこれから、たくさんの生き地獄を味わってもらうかしら。何度も何度も死にたくなると思うけど、死は与えてやらないかしら。お前には、死は贅沢過ぎるかしら」
「ぁ…………」
「たっぷりと後悔するといいかしら。一体誰に手を出してしまったのかということを」
「………!!」
「……後は頼んだのよ」
「はっ!」
「「「はっ!」」」
ベティーはマブイたちにそう告げると、ベティーは踵を返して出口へと向かっていく。後ろから‶ゴミ″の声にならない叫び声が聞こえて来たけど、一切を無視したのよ。
だって————
………
……
…
「——ベティーのシノに手を出す奴は、誰であろうと容赦しないかしら……!!」
————シノこそが、ベティーの‶生きる意味″なのだから。
『簡易設定』
◎シノの契約精霊
『ベアトリス』
~闇の精霊。『Re:ゼロから始める異世界生活』に登場する『ベアトリス』と同じ容姿・性格。原作の何百年も前に転生したとある転生者(女性)が長い年月をかけて自力で作った人工精霊(完成時、転生者は50歳)であり、転生者が生きている間は作った結界空間の中にて2人で慎ましくも本に囲われながら幸せに生きて来た。しかし、転生者は人間であったため、60歳を超えてからはベアトリスの手を借りていてもベッドで寝ている時間が徐々に増えていった。そうして80歳を迎えとうとう一日のほとんどをベッド上にて過ごすこととなって自身の死期を悟った転生者は、自分は長くないためここから出ていくようベアトリスに告げた。しかし、彼女は聞き入れずにここに残ると断固として誇示した。説得は無理だと悟った転生者は、せめて自分の後を追わないよう『自殺をしないこと』・『いずれお前の‶運命の人″が来るから、それまでここで待つこと』・『‶運命の人″が現れたら、その者について行くこと』という【契約】を彼女に課した。そうして【契約】を結んでから僅か数日後に転生者が亡くなってしまう。転生者が死んでからは、言いつけ通り‶運命の人″を待っているが、転生者が作った結界空間があるのは誰からの干渉を受けないために常人には到達できない場所に作られているため、結界空間をそもそも見つける人がいないためにベアトリスは数百年に渡って孤独な時を過ごすこととなる。
そうして数百年がたったある日、偶々通りかかったオリ主が結界空間を発見し休憩のために中へと入ったことで、ベアトリスとオリ主は出会うこととなる。オリ主は結界空間の本に興味を示し、読ませてもらうことをお願いしベアトリスは嫌そうにしつつも転生者からお客さんには危害を加えないようにと教えられており、オリ主から悪意を感じなかったため渋々ながらそれを許した。最初の内は数百年も孤独に過ごしたことで心が荒んでたベアトリスは、オリ主に対して心を開かなかった。しかし、何日、何週間、何カ月と一緒に過ごしていく内に、オリ主の優しさに触れていったことでだんだんと心を開いていき、オリ主が自分の‶運命の人″なんだと思うようになる。しかし、そうなると自分はこの空間から出ていかなくなるため、そう思わないように自身の心に蓋を閉める。実は、数百年もたったことで結界空間は脆弱となっており、ベアトリスが魔力を与えないと半日と経たずに崩壊してしまう。そのためベアトリスは、転生者との思い出が詰まったこの場所を失うのを恐れ、自身の感情に蓋をしてしまう。しかし、それを見抜いたオリ主により、最終的には自分の‶運命の人″と認め、オリ主について行くことになる。だが、ベアトリスの大切な場所を守りたいと思ったオリ主は、収納能力をもって結界空間ごと収容してしまう。収納している間は時が止まっているため、これにより崩壊することがなくいつでもどこでも結界内へと入ることが出来るようになり、嬉しさのあまりベアトリスはオリ主に抱き着き涙を流す。この際に女としてもオリ主に惚れることとなる。普段はツンツンしているもののオリ主のことを溺愛しており、オリ主に害をなす者は誰であろうと一切の容赦なく皆殺しにすることを心に決めている。
いかがだったでしょうか? 今回はどちらかというと、ベアトリスの紹介回でした。
私個人として、ベアトリスがかなり好きなキャラですので登場させていただきました。また、『アリューシア・シトラス』と『マブイ』も、クロスオーバーキャラなのですが、まだ大まかな設定も定まっていないので、ここには載っておりません。期待していた方は、申し訳ありません。
それと、まだ一話しか投稿していないのに感想や高評価を頂けて嬉しい限りです。投稿意欲の励みになります…!
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それでは皆さん、また会いましょう。さようなら!!