「うっ……くぅ……!」
狭く薄暗い密室空間、ある男性の声に聞き耳を立てる。私はトリニティから少し離れた教会へと足を運び、シスターたちの手伝いに向かいました。
私に課された業務は懺悔室の聞き取り役。先日の手伝いから私も経験を積みたいと打診した所、快く承諾してくれました。それから定期的にこの教会へと赴き従事するようになったのです。
「気持ちいいですか?」
「はっ、はいっ……!すみませんっ……!こんな……!」
「構いませんよ。貴方にも幸せになって欲しいのですから」
シスターとしての経験を積みたい。それは嘘ではありません。ですが、本当の目的は別にある。その目的とは目の前にいる彼。マジックミラーが施された仕切り板を隔てた先にいる、今も性器を扱き快楽を享受している私たちの先生。彼を救う為に私は今日も頑張っているのです。
「あぅっ……!」
強烈な雄の匂いを撒き散らし、幸せそうな顔を浮かべている先生。誰にも見せられないその表情は私に意義を与えてくれる。
「っ…!ごめんっ……!ミカっ…!」
人間であれば抱く異性への情欲。大人である彼は抑制し、その欲望を生徒にぶつける事はありません。ですが、その欲望は彼にもありました。
だからこそ私が居る。その欲望の吐き口として立ち会い、明日への活力を見出させる。それこそが私に課された使命なのです。
「もぅ……!いくっ……!あぁ……!」
彼が呻き声を上げながらティッシュへと手を伸ばす。股間を押さえつけ、全身を痙攣させながら蹲る。彼が快楽に押し負け絶頂へと導かれたサイン。見慣れてきたはずなのに、この光景に私は思わず息を飲んでしまう。
「はぁ……、はぁ…………」
余韻に浸りながらも息を整えていく先生。次第に広がる精液の匂い、板を隔ててでも伝わってくるこの香りに、私の理性も溶かされていく。彼の荒い息遣いを隠れ蓑に深呼吸、私もこの雄臭い空気を深く味わってしまうのです。
「あ、ありがとう……ございました……」
「っ……♡すっきりとしましたか……♡」
「はぃ……、助かりました……気持ちよかったです……」
「それは良かったですっ……♡我慢出来なくなったら……♡またお越しください……♡」
そうして彼は懺悔室を後にする。シャーレへと帰っていく彼を影で見送った私はこの高揚感を抑えるべく、彼の放り捨てた専用のゴミ箱へと手を入れました。
「っ…♡何度嗅いでもっ♡すぅ……♡」
彼の痕跡を堪能しながら彼の味わった快楽を想像し、ただひたすらに貪る。彼の遺伝子を吸引し、時に舐めとり、その表情を思い出す。これが私の新しい日課なのです。
「はぁっ……♡先生……♡」
この誰にも言えない刺激的な体験は、私の世界を大きく変えてしまった。もう、前の生活から抜け出せない。けど、何故か、どこか満たされない。その理由も最近になり分かってくることがありました。
「今日は……、ミカ様で……」
彼は果てる瞬間、思い浮かべていた生徒の名前を口にします。私の知らない生徒もいれば、時に私の知っている生徒達も出てくる。ティーパーティーや救護騎士団、時には補習授業部の方々まで……。
「し、仕方ありませんよね……!あれだけ迫られていたんですから……。男性としてはやっぱり……」
けど、彼の口から私の名が出る事は、一度もなかった。彼は学園を問わず人気者で、沢山の生徒達からアピールをされている。私なんかでは彼の目には留められない。
「はぁ……、先生……」
だとしても、何故だか無性にやるせない。私の名を呼んで欲しい。私で幸福を噛み締めて欲しい。そんな独占欲にも似た思いが、虚しさで満たしていく。
「主よ、教えてください……。私では……、彼を……救えないのでしょうか……?」
私、伊落マリーでなくてもいい。私の全てを受け止めてくれという気はありません。けど、ほんの僅か、私の持つ何かで彼を救ってあげたかった。
************
「ごきげんよう、先生。本日はよろしくお願いします!」
「よろしくね、マリー」
優しく綺麗な声がオフィスを満たしていく。当番である伊落マリーがシャーレにまでやって来てくれた。
「それじゃあ行こうか」
「はい!」
今日はトリニティに用事がある。簡単な書類を崩した私は彼女を引き連れ、彼女が励む学園へと足を進めていた。
「あ、そうだ。マリー。これを受け取ってくれるかな?」
「先生?これは……」
「開けてみてよ」
私は兼ねてより準備していた、可愛らしく包装された紙袋をマリーに手渡す。紙袋を受け取ったマリーは不思議そうな表情で紙袋を剥がしていく。その中身を見た瞬間、彼女の表情はパッと明るくなり、こちらに視線を合わせてきた。
「先生、このハンカチ……!」
「うん。誕生日プレゼント。この前がそうだったよね?」
「覚えていてくれたんですか!?」
「勿論だよ。出来れば当日に渡したかったんだけど……」
私が手渡したのはマリーが好みそうな刺繍入りのハンカチ。袋からプレゼントを取り出したマリーは満面の笑みを浮かべてこちら見つめる。私の読みは当たり、気に入ってくれそうな反応を示してくれた。
「可愛い……!嬉しいです!」
「喜んでくれたのなら何よりだよ」
「大切にしますね!ありがとうございます!」
マリーの浮かべる可愛らしい笑顔に心が満たされていく。私はマリーが好きだ。手のかかる問題児達も好きではあるが、それとは違う魅力がある。素直で真面目で頑張り屋、そんなひたむきな彼女を見てると心が安らいでいく。
そして、そんな彼女の頭をつい撫でてしまいたくなる。
「せ、先生!?」
「あ、ごめん。嫌だったかな……?」
「い、いえ……!寧ろ……、もっと…………、して欲しい……です…………。誕生日……ですので……」
不思議な感覚だった。他の生徒になら感じてしまう情欲、それが彼女に対しては湧いてこない。勿論、心難しい思春期の女の子という認識は忘れてない。けどそれ以上に、純朴な彼女に惹かれている。私自身、心の安らぎを貰っていのかもしれない。
「誕生日だからね、特別だ!」
「ひゃっ!くすぐったいです!」
彼女の前でなら余計な煩悩に振り回されず、自然な自分を振る舞える。私は彼女と共にいられる時間が好きだった。
そうこうしている間にもトリニティに到着。午前はティーパーティーと打ち合わせ、私がトリニティにいる間、マリーには普段通り授業に出て貰う予定になっていた。
「そうそう、仕事の事なんだけど。お昼も開けてある?」
「はい。授業は午前までなので、問題ありません」
「なら良かった。午後に行く学校の近くに、新しく出来たレストランがあるみたいなんだ。行ってみようよ」
「いいのですか!?」
ランチの約束を交わして一度解散。マリーは浮足立った足取りで教室へと向かっていく。勉強と仕事、互いに励むべき課題に向けて、私たちは歩き出した。
「あの、すみません……片付けまで手伝って貰って……」
「別にいいよ。時間はまだあるからね」
私とマリーはトリニティの体育倉庫で機材の片付けを進めていた。思いの外、早く仕事を片付けられた私は彼女の励んでいる体育の授業を見学させてもらっていた。
マリーの班は片付け当番だったらしく、少しだけ居残りとなったのだが、彼女の班員は学食のランチデザート争奪戦へと行きたそうにしていた。そんな姿を目にした私は彼女達を先に帰し、空いた班員の穴埋めを承った。
「マリーも行ったりするの?デザート争奪戦」
「え、ええっと……、はぃ……。ときどき……」
「ほぉ、マリーのおすすめは何?」
「それは勿論……!」
談笑をしながらも片付けを進めていく。トリニティらしく物置倉庫も広いのだが、それ以上に機材も多い。収納が進む度に可動範囲が狭くなり、マリーとの距離も狭まりつつあった。
「っ……」
片付けの作業中、ある違和感に気付く。「マリーってこんなに色っぽかったっけ?」と感じ始めていた事に。
すれ違いざまに感じる汗の香り、妙に既視感のある、情欲を沸かせられる色香に顔を顰めてしまう。
「先生?どうかしましたか?」
「なんでもない!もうちょっとだね、頑張ろう!」
「はい!」
今の彼女は体操服。普段生活を共にするシスター姿の彼女とは違い、少女としての素肌を晒している。この姿を見るのは初めてではない。にも関わらず、彼女に対して感じたことも無かった欲が私の心を乱していく。
「はぁ……はぁ……」
神秘も持たない私が彼女ら基準の重い機材を運んでいるせいなのか、マリーから感じさせる色気に惑わされてるせいなのか、不自然なまでに息を上がらせている自分がいた。
「よいしょ……っと」
「っ……」
更に良くなかったのがこの環境だ。二人っきりのこの環境。他の生徒はみんな昼食に向けて走っている。誰も来るはずもないこの環境、今も色香を振りまく彼女に対して在らぬ妄想を抱いてしまう。
「マリー……、私は……」
もっとマリーを感じていたい。結ばれた髪の先に見える汗に湿らせたうなじ。屈んだ瞬間にうっすらと覗かせる彼女の下着。運動後に発せられる汗の香り。その全てが私を狂わせる。
そんな煩悩を振り払うため、私は自分の頬を全力で振り抜いた。
「先生!?どうされたんですか!?」
「あ、ごめん。驚かせちゃったね。蚊が見えたもんで……」
突然の奇行に困惑するマリー。私だって困惑している。マリーは情欲に振り回される私にとってのオアシスみたいな生徒。彼女に対しては清純な気持ちで接していられた。彼女に対してはそんな気持ちを向けたくない。マリーは良い子で真面目で、清純なシスターなのだから。
「これ完了ですね。ありがとうございます、先生」
「それじゃあ着替えて来なよ。まだ時間はあるから、シャワーでも浴びてゆっくりしてもいいからね」
「お心遣い感謝します。なるべく急ぎますので、待っていてください!」
片付けは終了し、満面の笑みで頭を下げ、更衣室へ駆けていくマリー。こんな優しい子を汚そうとしていた私を、ただただ呪った。
************
「さてと、そろそろお時間ですね……」
約束の日の懺悔室、私は彼の到来を待っていました。彼が欲情しやすいよう、換気はせず暑さに耐える。こっそりと持ち出した官能小説を読み耽り、気持ちを高める。全ては彼と過ごすひと時のために……。
そうして訪れる約束の時間。特殊なテンポで鳴り響くノック音。それが彼との時間が始まる合図でした。
「お待ちしておりました。どうぞ、お入りください」
「っ……、失礼します……」
いつも通り、弱々しい彼の姿が目に入る。彼はまた罪を犯した。彼にとって大切な生徒達を性的な目線を向けた罪悪感。この生活に慣れて尚聖人であるべきだと苦悩するその姿に、私は愛おしさを感じてしまう。
そんな彼を包むように、私は静かに語りかけるのです。
「今日は、如何なさいましたか?」
「はい……実は…………」
マジックミラー越しに映る彼を見つめる。息は既に荒くし、その股間は隆起させている。普段であれば謝罪の言葉と共に罪の告白を行う流れ。彼が誰で、どんな場面で、どんな視線を向けてしまったのかを語りながら、張り上がった性器を露わにする。そんな流れ。
「あ、あの……シスターさん……。非常に失礼な事をお聞きしますが、よろしいでしょうか?」
「はい……?どうかしましたか?」
けど、今日は何かが違う。もしかしたら私が伊落マリーだとバレてしまったのかもしれない。それは正直、よろしくない。この関係は私が彼と同じ『大人』だと思われてるからこそ成り立っている。それが偽りだと知られてしまえば、彼を更に傷付けてしまうことでしょう。
「シスターさんも、欲に流されたりする事はあるのでしょうか……?」
「私が……、ですか?」
「はい……。私のように……」
彼の質問からしてみると、まだバレていないのでしょう。安心した私は胸を撫で下ろし一呼吸。彼のもとに向き直りました。
「…………はい。私もまだ、誘惑に屈してしまう時もあります……」
「そうですか……」
「あの……、理由をお聞かせしてもよろしいでしょうか?」
「私の受け持つ生徒にはシスターを志す女の子がいます。一人前のシスターになりたいと誰にでも優しく、奉仕の心を絶やさない。私も尊敬する自慢の生徒です」
「シスター……ですか……」
「はい。私はその子が好きなのです。彼女の直向きに頑張る姿が、私に元気にくれるから」
彼が話したその生徒は私なのかもしれない。私はまだまだ半人前、自惚れである事は分かっています。だとしても、それが私であって欲しい。そんな願いの表れか、気付いた時には彼から貰ったハンカチを強く握り締めていました。
「それなのに、ついこの間……、私は彼女を……」
「…………汚してしまったと。そう、仰るのですね」
初めてここへ来た時のような、気落ちした先生の言葉を、私の問いかけにより遮りました。彼は恐く、私の事を指している。それも恐らく、体育倉庫であの日の出来事。
「その様な目を向けてしまった経緯を、教えて頂けますか?」
私は調子は崩さないよう抑えながらも、身を乗り出して問いかけていた。胸の高鳴りが止まらない。彼が私で欲情してくれた。本来であれば引くような告白であるはずなのに、私は何故だか嬉しかったのです。
「その日は、運動の授業がありました。私は彼女の手伝いとして、体育倉庫に……」
あの日の出来事を語り出す先生。同時に想起されるあの日の光景。今までの告白とは違い、その全てが鮮明に映し出されていくようでした。
埃の溜まった狭く暗い空間。距離の縮まって行く私たち。横切る度に伝わる、先生から漂う大人の色香。その全てが扇情的で、まるでこの懺悔室に閉じ込められたかのような、耐え難い環境だったと覚えています。
「見ては行けなのに気付いた時には釘付けでした……。汗ばむうなじに、ジャージから見えちゃう僅かな膨らみ。健康的で綺麗な脚が、私の理性を奪っていくようでした……」
私も彼と変わらない。気が付いた時には彼の事を覗きみていた。汗を拭う度に見せる、血管も見えるほどの筋肉質で逞しい腕。触れた瞬間に感じるゴツゴツとした硬い肉体。血を通わせ、僅かに張り上げた下半身。理性を削られていたのは彼だけではなく、私も同じだったのです。
「っ……♡」
苦しそうな顔を見せながらも、彼の股間は張り上がっている。私も下着を湿らせ、今すぐにでも擦りたいとする衝動に駆られていた。
「あの子はそんなんじゃない。あんないい子を、私が汚すなんてあっては行けない。それなのに……私は……!」
彼は正しい大人として、その過ちを許さない。だとしても、この懺悔室において許しを決めるのは彼ではない。たとえ主が許さなくても、私だけは許してあげたい。私を選んでくれた、大切な人なのですから。
「ふふっ……♡貴方は本当に優しい人なのですね……♡では、私から1つ提案があるのですが、よろしいでしょうか?」
「えっ……、は、はい……」
「貴方の思い描いたそのシスターを、私に置き換えて見ませんか?」
彼が今の私をマリーとして見ていないのなら、もう少しだけ、素直になってみようかなと、そう思うのでした。
**********
「そ、それはどう言う……」
私にはシスターが提案した意図を理解出来なかった。目の前にいる彼女はマリーの目指すシスターであれど、マリー本人ではないからだ。
「私であれば彼女を、貴方の生徒を理解出来るかもしれません」
「そうなのですか……?」
「ええ。私も一昔前はシスターを目指し尽力した一人の生徒でしかありませんでした」
たしかに、私は女性ではないし、彼女のような聖職者を目指していたわけではない。私よりも彼女の方がマリーという人物を理解出来るのかもしれない。
「貴方は少し誤解しているのかもしれませんが、私たちでも色欲に踊らせる事だってあるのです。例えばそう、貴方のように……♡」
仕切りの奥から発せられる、今まで聞いた事の無いほどに色の掛かった吐息が聞こえてくる。その声は私の聞いてみたいと妄想した、伊落マリーの声その物のようだった。
「彼女の前では正しく在りたいのでしょう?それならば今この場だけも、彼女の代弁者として私が貴方の欲を受け持ちます」
シスターの持ちかける甘い言葉に私の股間が疼きだす。今この場にマリーは居ないはず。その筈なのに、私の五感が彼女をマリーとして認識しようと願い始めていた。
「んっ……♡」
マリーの声帯から発せられたような淫靡な声が聞こえてくる。次に気付いたのは鼻腔をくすぐる甘い香り。幾度となく私の正気を奪った雌の匂い。今まで以上の、更に高濃度の異臭が襲いかかってくる。
「あっ……♡」
この仕切りの奥で何が起こっているのか、その答えは私の雄としての本能が告げている。その直感的に理解出来てしまう答えに私は思わず息を飲んでいた。
「さぁ……♡先生、出してください……♡貴方の欲望を、私に下さい……♡」
断れるだけの理性は私には残っていない。下着ごと脱ぎ捨て、醜く腫れ上がった下半身を晒け出していた。
「あぁ……♡これです……♡雌の本能を刺激するその香り……♡私ももう、抑えられそうにありません……♡」
仕切りの奥から水音が聞こえてくる。クチュクチュと音を立て、それに合わせるように淫靡な喘ぎ声が室内を満たす。
「シスターさんも……、そんなっ……、くぅ……」
「気持ちいいですか……?私も凄く……♡気持ちいいですっ……♡」
シスターのマスターベーション。この部屋の奥で一人の女性が自慰に浸っている。そんな光景を想像しただけで私のぺニスを扱く手が止まらなくなっていた。
「あっ……♡んんっ……♡」
「はぁ……、はぁ……」
欲に厳しく、自身を強く抑制して生きるシスターが今、その欲に溺れている。それは今もこうして肉欲に負けている私を赦してくれるかの様な、安心感に包まれているようだった。
「シスターだって……♡欲を抑えられなくなる時があるのです……♡貴方と同じ様に……♡」
「あぅっ……、私と……」
「そうやって貴方が雄臭い匂いを撒き散らされると……♡私だって……♡あっ……♡」
「こ、これじゃぁ……っ!」
「えぇ♡まるで私たち、繋がってるみたいですねっ……♡」
次第に増していく雌の匂いに反応し、我慢汁が絶え間なく溢れ出る。そんな私の自慰に反応したシスターがさらに激しい水音を立てていく。欲望の赴くままに貪りあう私たちの姿はまるでセックスしているかのようだった。
「さぁ、先生っ♡私のどんな姿を思い浮かべてますか……♡」
「マリー……。私の生徒が……、こんな……!あぁ……」
私はシスターの素性を知らない。だからこそ、目の前の彼女を伊落マリーだと置き換えてしまう。あの日から彼女の痴態を妄想し続けてきた。奥にいるのがマリーだったら……。そんな事を考えてしまったらもう、この欲望を抑えられるはずもなかった。
「貴方の言うマリーというシスターも……♡私と同じ……♡きっとこう思っていることでしょう……♡貴方と抱き合い、愛の言葉を交わし合い、同じ快楽を味わいたいと……♡」
「はぁ……はぁ……!マリーっ!」
「まるで恋人同士が交わす、愛の交尾♡今も味わうこの瞬間を、きっと彼女は望んでいます♡」
例えそうだとしても、それは出来ない。私は先生で彼女は生徒。立場も違えば目指す物も違う。この瞬間を私たちでは味わえない。私たちが同じ快楽を求めていたとしても、許されるはずのない関係なのだから。
「ですから先生……♡この想いはここだけにしまっておいて……♡今を存分に、楽しみましょう……♡」
「はぁ……はぁ……ごめん……!ごめんっ!マリー!」
マリーと錯覚してしまう程の女性と快楽を共にしている。目の前にいるのはマリーではない。それなのにマリーを汚す妄想が止まらない。私の肉棒を求めてほしい。汗だくな身体を重ねあい、余裕のない声で求め合いたい。私の欲望の赴くままにマリー汚す妄想は今までの比では無いほどに気持ちよかった。
「オ゛っ゛♡せんせいっ……♡も、もうっ……♡」
「そんな声出されたら……っ!もうっ!」
「そ、それじゃぁ……♡一緒にっ゛……♡」
セックスとでも言える様な二人の快楽の共有。互いの喘ぎ声、互いのフェロモンをネタにした自慰行為により、二人同時に限界を迎える。私達は絶頂の瞬間を確かめ合いながら、互いの性器を一心不乱に扱き上げていた。
「イク゛ッ゛♡イっちゃいます……♡ア゛ッ゛」
「あっ!あっ!もうっ!でっ………!」
「オ゛ゥ゛♡オ゛ッ゛♡」
「あぁ……!あぁぁぁ……!」
板の奥から何かが噴射されたかのような水音と同時に、私も白濁液を吹き出した。女性の喉から発したとは思えない声に合わせてガタガタと物音が聞こえてくる。そんな下品な声に搾り出されるかのように精液が大量に溢れてくる。
「アッ……♡オ゛ッ゛……♡」
「はぁ……はぁ……」
二人揃って絶頂出来た快感に酔いしれる。余韻から解き放たれて声を発せたのは二人して放った異臭が広がった後の事だった。
「ありがとうっ……ございました……」
「また……来てくださいね……♡お待ちしております♡」
私はこの懺悔室を後にする。もう帰れない。このシスター無しでは私の欲は満たされない。彼女が最後に発した言葉の意味を私は理解出来ている。それは互いの欲を満たす為の関係、恋人契約のようなものだった。