翌日の朝。
ギルドの騒ぎは、いつもと同じように、始まっていた。
だが、ルーシィの心は、その騒ぎから、少し、離れた場所にあった。
彼女は、ギルドの隅の、静かな席に座り、何も考えずに、ただ、窓の外を見ていた。
『……シル……』
彼女の頭の中に、昨日の出来事が、蘇る。
『……私は、シルに、どんな顔をすればいいんだろう……?』
彼女は、不安で、胸が、締め付けられる。
『でも……昨日は……気持ちよかった……』
その思いが、彼女の心の片隅を、くすぐったく、撫でる。
ルーシィは、ハッと、我に返る。
『……ああ、もー何を考えてんのよ、私は……!』
その時だった。
自分の秘部から、じっとりと、濡れた感触が、伝わってくる。
『……えっ……?』
彼女は、顔を真っ赤にして、そっと、その場所に、手をやる。
「……ぬれてる……」
彼女は、その事実に、愕然とする。
『……私、どうしちゃったの……?』
その時だった。
ギィ、と、重い音を立てて、ギルドの扉が開いた。
「……!」
ルーシィは、その音に、ビクッと、体を震わせる。
そして、思わず、その扉の方へ、視線を向ける。
そこに立っていたのは、シルだった。
「……」
彼は、変わらぬ遊び心の浮かんだ笑みで、ギルドの中を、見回している。
そして、その視線が、やがて、彼女に、留まった。
ルーシィは、その視線に、遭い、慌てて、顔を伏せた。
彼女の心臓が、高鳴りを、始めていた。
『……来た……』
彼女は、そう呟き、自分の濡れた下着を、気にしながら、彼の動きを、窺っていた。
シルはルーシィに近づいていくルーシィはシルが来るのがわかっていても動けなかった。
シルの足音が、木の床に、軽やかに響く。
ルーシィは、その音が、一歩、また一歩と、自分に近づくのを、全身で感じていた。
逃げろ。
そう頭では分かっている。
だが、その体は、まるで、根付いた木のように、動かなかった。
目の前のテーブルに、置かれた水のグラスに映る、自分の顔。
その顔は、期待と恐怖で、歪んでいた。
「おう、ルーシィ」
低く、少しくだけた声が、彼女の隣で響く。
シルが、あっけらかんと、彼女の隣に、腰を下ろした。
「……!」
ルーシィは、ぎゅっと、肩に力を入れる。
彼の体温が、近くに感じられる。
その匂いが、鼻孔をくすぐる。
「昨日は、楽しかったな」
シルは、そう呟くと、その手を、テーブルの下へと、滑らせた。
「……」
そして、ルーシーの太ももに、その手が、触れる。
「ひゃっ!?」
彼女は、思わず、その声を、押し殺す。
心臓が、喉まで、せり上がってくる。
「……シ、シル……! やめて! ここ、みんなに見えるよ……!」
「ああ、それなら、大丈夫だ」
シルは、そんな彼女の耳に、そっと、ささやいた。
「ここからは、誰も、お前の足なんて、見えやしねえよ」
「……えっ……?」
「お前のテーブルと、隣の机の柱の影が、ちょうど、いい具合に、お前の下半身を、隠してくれてるんだ。だから、大丈夫だ」
「……」
ルーシィは、彼の言葉に、一瞬、戸惑う。
そして、彼の言う通りだということに、気づく。
この席は、確かに、他のメンバーの視線から、死角になっている。
「……」
その時だった。
シルの手が、彼女のスカートの裾を、そっと、持ち上げる。
そして、その手が、すっと、そのスカートの中へと、滑り込んだ。
「あっ……や、やめて……!」
ルーシィは、本能的に、足を閉じようとする。
だが、その頭に、昨日の絶頂の記憶が、よぎる。
シルの指が与えた、あの強烈な快感。
その記憶が、彼女の抵抗を、ゆっくりと、溶かしていく。
「……」
彼女の膝が、ごく、わずかに、開いていく。
その変化を、シルは、見逃さなかった。
「……なんだ。ルーシィも、期待してたんだな」
シルの声が、彼女の耳に、悪魔のように、ささやく。
「…そ…そんなことない……!」
「そっか。なら、いいや」
シルは、そう言って、その指を、引き抜くふりをした。
「……あっ……!」
ルーシィは、その喪失感に、ビクッと、体を震わせる。
そして、彼女の足が、思わず、さらに、開いてしまう。
「……やっぱ、か」
シルは、その反応に、満足げに、笑う。
彼の手が、彼女の下着の布地を、そっと、ずらしていく。
そして、その指が、温かく、濡れた秘密の森へと、入っていく。
「んあっ……!」
ルーシィは、その感触に、絶叫しそうになるが、懸命に、その声を、飲み込む。
ギルドの騒ぎが、彼女の喘ぎ声を、覆い隠してくれる。
だが、誰かが、振り返ったら、終わりだ。
その恐怖と快感が、彼女の全身を、電撃のように、駆け巡る。
「……んぐっ……ん……!」
彼女は、唇を固く噛み締め、その快感の波に、耐えようとする。
だが、シルの指が、巧みに、その壁を、刺激していく。
彼女の体は、もはや、自分の意志では、動かなかった。
ただ、彼の指先の与える感覚に、身を任せ、その快感に、体を震わせるだけだった。
「……あ、ん……」
ルーシィの呼吸が、乱れ、浅くなっていく。
ギルドの喧騒が、まるで遠い世界の音のように、聞こえる。
彼女の意識は、シルの指先という一点に、集中していた。
その指が、彼女の中で、優しく、しかし、執拗に、壁を、こすり上げる。
「……!」
今にも、声が出てしまいそうだ。
彼女は、自分の腕で、自分の口を、押さえる。
その眼からは、涙が、溢れてくる。
「……んっ……んぐっ……!」
シルの指の動きが、さらに、速くなる。
そのリズムに、彼女の腰が、無意識に、合わせ始めていた。
もはや、恥ずかしさなんて、感じられない。
ただ、あの、高みへ、到達したい。
その思いだけが、彼女の全身を、支配していた。
その時だった。
彼女の体内で、何かが、弾けた。
「んぁっ……ッ!」
ルーシィの体が、激しく、痙攣する。
その視界が、白く、染め上げられる。
誰にも聞こえない、無音の、絶叫だった。
彼女の全身の力が、抜け、その体は、ぐったりと、シルのほうに、倒れ込む。
「……」
シルは、そんな彼女を、片腕で、受け止める。
「……いい顔になったな」
シルは、そう呟く。
ルーシィは、その胸に、顔を埋めたまま、ふと、彼の股間へと、視線をやる。
シルのズボンの上に、明らかな、盛り上がりが、できていた。
「……」
彼女の顔が、さらに、赤くなる。
昨日、自分の口の中に、入っていた、あの熱と、硬さ。
その記憶が、蘇る。
「……」
彼女は、何か、自分が、しなければ、という気持ちに、駆り立てられる。
そして、そっと、その手を、シルの股間へと、伸ばす。
その指先が、ズボンの布地の上から、その硬さに、触れる。
「……へえ」
シルの、少し、驚いた声が、響く。
ルーシィは、何も言わずに、その硬さを、優しく、撫でる。
彼女の行為は、まだ、ぎこちなかった。だが、その真剣な眼差しが、すべてを、物語っていた。
「……」
シルは、そんな彼女の指先を、じっと、見つめていた。
そして、彼女の隣で、そっと、その顎を、持ち上げる。
「……もっと、やりたいのか?」
「……!」
ルーシィは、顔を赤らめ、しかし、小さく、うなずいた。
その時ギルドの扉がギィーー、と、これまでとは、比べ物にならないほど、重い音を立てて、開かれた。
その音に、ギルドの喧騒が、一瞬、ピタリと、止まる。
「……」
誰もが、その扉の方へ、視線を向ける。
そこに立っていたのは、妖精女王の、エルザ・スカーレットだった。
真紅の髪が、彼女の気迫を、物語っていた。
「……」
彼女の視線が、ギルドの中を、鋭く、駆け巡る。
そして、ナツと、グレイに、留まる。
「ナツ、グレイ。いるか」
「あ、ああ、おう、エルザ」
ナツが、少し、怯えながら答える。
隣で、グレイは、黙って、頷く。
「いいだろう。すぐに、準備してついて来い」
「えっ、どこに!?」
「行けば分かる」
エルザは、そう言って、ナツと、グレイを、睨みつける。
「……わ、わかった……」
ナツは、その気迫に、圧倒され、従うしかなかった。
「……」
エルザは、その二人を、引き連れて、行こうとする。
その時だった。
「おい、ルーシィ!」
ナツが、振り返って、彼女に声をかける。
「お前もいこうぜ!」
「えっ!? わ、わたしも!?」
ルーシィは、驚いて、ナツの声に、反応する。
そして、思わず、隣のシルの顔を見る。
「……」
シルは、彼女の視線を感じて、そっと、口元を、にやりと、歪ませる。
「……行って来いよ」
彼は、そう言った。
そして、その視線を、ルーシィから、離し、ナツの後ろに立つ、エルザへと、向ける。
『……ああ、あれだな。あいつも、狙い目だ……』
シルの瞳が、さらに、深く、色濃くなる。
エルザの、その気高い、そして、しなやかな体。
その強さと、美貌。
すべてが、彼の性欲を、煽った。
『……ああ、全部、俺のものにしてやる』
そう決意したシルは、ルーシーの、少し、悲しそうな顔に、気づかなかった。
彼女は、自分の股間に触れていた手を、慌てて、離し、ナツの元へと、向かっていった。