異宗派のクソ女に村を焼かれ監禁セックスをさせられている俺の、歪んだ恋と復讐の物語 作:品川カタン
残虐な表現があります
END分岐前ストーリーのため今回は性に関するシーンがありません。END1.2にはあります。本当はどちらのエンドにもこの話をくっつけたかったのですが同じことを2回繰り返すのはくどいので分けてます。
ここから好きなエンディングをお選びください
…………。
今日はいい夢を見た。昔の夢だ。
父さんが仕事で少し遠くに出かけたから、俺の家に友達を呼んで一緒に遊んだ夢だ。
友達が俺の家に泊まるのは初めてだったもんだから、みんなで結構馬鹿騒ぎした。本当は他の人を入れちゃいけない部屋に入れてみたり、告解室の小窓の向こう側がどうなっているかを見せたりした。友達は、「司祭の息子っていいなあ。こんな綺麗な家があるなんて、羨ましいよ」と話していた。
美しい音楽、綺麗な家、暖かい陽の光。
愛しきハリボテは崩れ去った。
夢から目覚め、じっと外に耳を傾けると鐘の音が鳴った。
俺が扉の鍵を壊した時間は一分。
そして、一人目の看守に辿り着いた時間は六分。
甲冑を着たとある人間は「神を冒涜するミザヤ派め」と言いながら俺にレイピアを振るった。俺が手を向けたら頭が飛び散り、その周囲は赤い海と臓器の藻屑でいっぱいになった。
宗教服を着たとある人間は「許してくれ」と言いながら俺に手を合わせた。俺は神ではないのでその行為に腹が立って頭の先から三十秒かけて肉を裂いた。
煩い鐘の音がやっと鳴り響くのをやめて、そこにいる全員が俺を殺そうとした。俺の心の底に存在している大いなる淵の源がことごとく破れ、そうして覚醒した扉が開いて血の雨が城内に降り注いだ。
二人、他の奴らとは明らかに服装の違う男がいた。
少し歳をとった方はその場で吐瀉物を撒き散らして逃げようとしたので脚を落とした。吐き出された小さなトマトを踏み潰すと、散らばった肉と区別がつかなくなってしまった。そいつの口の中へ落とされた栄養物たちをもう一度詰めると、泣きながらもう一度吐き出そうとしたので冒涜だと感じその顎を消し飛ばした。
年配だが腰がぴんと伸びた方が、「何が望みだ」「俺はなんでも用意することができるぞ」と泣きながら言っていた。
「…………」
俺は望みなんて考えていなかった。
だが、その言葉で理解することができた。
「そうか」
年配の男の方へと歩いていくと、そいつは腰を抜かして歩けなくなったからか這いながら扉の方へと逃げようとした。
「お前が」
手をかざした。
「フロローの父親か」
男の四肢が、ただの肉片へと変貌した。
血の氾濫は四十分の間、城を埋め尽くした。屑の体液たちが増して俺の足を汚したので、蹠には誰のものかわからない踏み潰された臓器がこびりついてしまった。
また血がみなぎり、床に増したので、俺はその中を漂うように歩いた。
そのたびに血肉はまた、ますます床へとみなぎり、豪華な家具たちは皆汚れに覆われた。
城の中で動くすべて肉なるものは、家畜も獣も、この家に群がるすべての這うものも、すべての屑も殆どが滅びた。
四十四分。それくらいの時間で俺は塵のように散らばっていたパスラ派の信者たちを洗い流し終えて、そしてとあるひとつの部屋へ向かった。
血に塗られた絨毯で、ひとつの男を引きずりながら進んでいく。
扉を開けると、そこには美しい花々が飾られていた。
白い花だった。壁にも、椅子にも、祭壇にも、惜しげもなく飾りつけられている。目線のその先には大きなステンドグラスがある。
俺は絨毯の上を歩いた。血に濡れた靴の裏が赤い足跡を残し、引きずっている男の身体からも血が滲んで、絨毯に長い跡を作った。
その先に、一人の美しい女が立っていた。
フロローだ。
彼女は真っ白なドレスを着て、百合の花束を持っていた。胸元にはローロタル紋章の刺繍が施され、長い裾が床に広がっている。だが、その純白の布地には、ところどころ小さな赤い染みがついていた。
フロローは、俺を見ていた。
俺も、フロローを見ていた。
「びっくりしちゃったなぁ」
俺がフロローの前へと来ると、彼女はそう呟いた。
花束から、ふわりと百合の甘い匂いが漂ってきた。その甘い香りは、俺にこびり付いた返り血の臭いと混ざり合い、奇妙な刺激となって鼻を刺した。
「私はあれで本当に最後のつもりだったんだよ。こんな感じにするつもりなら、言ってくれればよかったのに」
彼女は本当に驚いてはいるのだろうが──怯えた様子は一切見せずに、いつものように小さく笑いながらそう話してきた。
開いた扉の向こう側にある散らばった臓物や、俺が片手に持っている四肢のない男を見ても、フロローは吐いたり怖がったりしなかった。ただ、俺の瞳をじっと見つめて返答を待っていた。
彼女はやはり、根っから残虐な人間なのだと思った。俺がパスラ派の信者を殺し回った時、余りの凄惨さに嘔吐する奴や泣き始める奴がいた。こいつらは、ミザヤ派の信者を殺した際は本当に楽しそうだったのに──それが自分のこととなると、急に人間らしく怖がり始めた。だけど、彼女はそうじゃない。彼女はただ、俺がここに来ることを予測していたように、白いウェディングドレスを身にまといながらここで待っていた。
だから俺は、こう答えた。
「ああ。サプライズしたかったんだ、だから言わなかった」
そうすると、フロローが小さく吹き出した。
「あっはっはっ!! ……ロマンチック〜! さっすがクロードくんだね!」
俺たちはしばらく、ふたりで笑いあった。
手に握っている男はまだ生きていた。俺たちの会話を聞いて、小さく恨み言のようなものをこぼしたり、命乞いをしていた。だが、もう虫の息だ。そろそろ死ぬだろう。
フロローは四肢をもがれた男に一度目を向けたが、興味が無さそうに目を逸らした。
「クロードくん」
そして、いつものように笑顔を向けてきた。
「私の生きていた場所がめちゃくちゃになったから、ここからは君が選んで?」
血に濡れたウェディングドレスが、とても綺麗だった。
「ワンちゃん、最後の命令だよ」
「どうする?」
俺は、フロローの人生の全てと言えるこの城を壊した。
そして彼女も、俺の人生の全てであったあの小さな村を壊した。
彼女はそうして新たな俺を形成し、そしてここから新たな彼女を形成する決定権は、俺に委ねられた。俺たちは、かわりばんこに人生を壊しただけだ。そのうえで俺はあくまでも、彼女の犬であるだけだった。
「フロロー」
「俺と…………」
【共に死んでくれを選ぶ】
→BAD END 「空を歩く」へ続く。
【共に生きてくれを選ぶ】
→HAPPY END 「新たなる神」へ続く。