異宗派の虐殺クソ女に村を焼かれ監禁セックスをさせられている俺は、復讐と歪んだ恋をする 作:品川カタン
「何かあれば何でも相談しなさいよ、私はあんたの味方だから」と言っていた女友達は、多分だが俺の父に恋をしていた。穏やかな性格で整ったタイプの父だから、まあ昔もこんな感じでモテたのだろうなと考えていた。その女友達は、乳房をちぎられ悶えてしゃがみこんだ時に、後ろから木の枝を刺されて遊ばれていた。
他にも沢山いた。気前が良くて「お父さんによろしくね」と言いながら焼きたてドーナツをおまけしてくれるパン屋のおばさん、「お前は将来良い司祭になるだろう。二十五歳になったら、一緒に酒でも飲もう」と言って背中を叩いてきたおじさん。
みんな狂った。狂って獣になったので、最終的には狩られて終わった。
あのクソ女
「次は東にある████村へ鉄槌を下さねばならない!! こいつらは男と女が歩くだけでヒステリーを起こし関係を裂こうとする恐ろしい村だ!! 正に、神から与えられた祝福を無下にするミザヤの末路と言えよう!!」
クソ女がそう叫ぶと、「執行係様!!」「仰せのままに!!」と狂信者が熱狂した。
(死ね)
俺はその声を聞きながら、ただベッドの中で丸まっていた。
(死ね、死ね、死ね!!)
この監獄は、おそらく二階以上にある。目隠しをされていたが、ここに来た時に長い階段を登った記憶がある。
宗派が違えど、地中を安息の場所とする教えは、ローロタル全体に共通している。それならばやはり、俺を閉じ込めるとしたら高い場所だろう。その方が、ミザヤ派の信徒としての屈辱感を煽ることができるからだ。
だが、この部屋は元々監獄の役割をしていなかったのか、壁が案外薄いし、見た目も普通の部屋だ。
そのせいで、外や下の階の声が響くことがあった。
そのみっつの声が聞こえる度、頭蓋骨の内側からじわじわと張り付くような憎悪が俺を侵食してきた。嫌悪感で視界がぼんやりとするような感覚があり、それなのに思い出したくもない景色は鮮明に見える。その矛盾した感覚がとにかく気持ち悪くて、嫌いだった。
(朝、鉄槌を下すだとか言ってた村を焼いてんだろうな、今日は)
北側に設置された窓は最初から陽の光を直接招き入れはしなかったが、それでもぼんやりと落としていた光を消していく。もうそろそろ、夜だろう。
(聞いたことある村だったな。父さんが出張で行っていたっけか?)
今日、俺の知らないところで、俺の知らない人たちがまた燃やされ死んでいくのだろう。俺はそれをどうすることもできないし、あいつらは前のように好き放題して満足し帰っていくのだろう。
(……俺みたいに監禁されるやつが、新しく来たらどうなるんだ?)
そんなことを、ふと思った。
今のところ、そういった人間は他にいないだろうとは思っていた。何故なら、あのクソ女が昼の仕事を終えたあと──ほぼ毎日、俺はぐちゃくちゃになりながら相手をしていたからだ。休日らしき日は朝からやられることもあったが、その後もあいつが一日この部屋にいることだってあった。
仮に監禁されている人間がいたとしても、少なくともこういうことをしていないだろう。あのクソ女でも、長時間にわたって複数の男を相手にするだけの体力は無いはずだ。
もしもだ。もしも、今日あいつが他の男を連れてきたら? そいつを閉じ込めることになったら? 俺はどうなるのだろうか。解放されるのか? それとも──
「虫眼鏡くん、ただいま〜!!」
バァン!! と勢いよく扉を開ける音がした。
思わず音の方へと顔を向けると、クソ女は一瞬きょとんとしてからくすくすと笑い出した。
「どうしたの!? 怒ってる!? そんなに睨まないでよ〜!!」
そう言われて、自分は睨んでいたのかと気がついた。
今日のこいつは、いつもの赤い宗教服ではなく黄色のワンピースを着ていた。首元は少し締まっていて、その部分にフリルが飾られている。腰にリボン付きのベルトが巻かれていて、ウエストの細さを強調していた。……あと、胸の大きさも。
厚底のブーツではなくピンク色のパンプスを履いているからか、背が低く小さく見える。こいつは笑顔のまま俺にずんずんと近付いてきて、そっと頬に手を置いてきた。そうしたら今度は、眉を下げてあからさまに申し訳なさそうな表情を見せてくる。
「もしかして、今日のお仕事何してるかわかっちゃった!? 朝結構大きい声で話してたもんね〜私。聞こえてた?」
俺は言った。「まあ、聞こえた」と。ここで馬鹿正直に答える必要もなかったのだが。
そうすると、こいつは今にも泣き出しそうなくらい顔をくしゃくしゃにして、「びっくりしたよね、ごめんね〜!!」と謝ってきた。こいつの性格を考えると、そんなことは微塵も思っていないだろう。
「私もさ……色々考え直したの! ミザヤの子がいきなりこんな所に連れてこられて、生活までガラッと変わったらストレスになるよねって!」
次は腕を広げて大袈裟に語り出した。その仕草にイライラしながらも、黙って続きを聞く。
「だから一旦、君の生活を元のものに近づけるために……暫くえっちなことは無しにしま〜〜す!」
広げていた両腕を寄せて「いえーい!」と手を叩いて笑った。「ほら、君も拍手!」と言って促してきたので、とりあえず俺も手を叩いた。
「魚って飼ったことある? ほら、ああいうのも、元いた川の水温に近付けて水槽に水を入れてやるべきって言うじゃん? それと一緒だよ!」
「……グッピーとか」
「え!? 知ってるの!? 最近流行りだした魚なのに!」
俺は「なに普通に返事をしているんだ」と内心思っていた。
「それはそれとして」
そう言って咳払いしたクソ女が、少し可愛いと思った。
「ひとまず暫くは、そういうのなしにしようと思うの! 君にも負担をかけちゃうし、それで辛い思いさせたら大変でしょ〜!」
「…………」
俺の反応を伺うようにニヤニヤとこちらを覗いてきた。
なんだそんなことか。それが俺の正直な感想だった。
こいつは俺が残念がる反応だとか、悔しそうにする反応を見たかったのかもしれないが、別にそういった感情は浮かばない。むしろ、身体が疲れるしちょうど良かったと思っているくらいだ。
それに、こいつはそのうち自分で決めたことに飽きるか、我慢できなくなるかして、結局やめるだろう。この莫迦な女は勘違いしているのかもしれないが、男は別にセックスをしなければ死ぬ訳でもない。この舐め腐っている態度がむしろ少しだけ可哀想に見えるが、今回は別に──
「あ、もちろん一人で発散するのもダメだからね?」
「へっ」
思わずそんな返事をしてしまった時、クソ女が俺の顔をまたじっと見た。
そして、待ってましたと言わんばかりに吹き出して、爆笑が暫く続いた。俺の顔はそんなにおかしかっただろうか。そもそも、どんな表情をしていたんだろうか? 想像するだけで腹が立つ。それに、顔が凄く熱い。
「『へっ』はないでしょ!! 『へっ』は〜!! だって当たり前じゃん、君はミザヤ派司祭の息子だよ!? 前と同じ生活に戻るだけで、そんなにびっくりしちゃう!?」
ニタニタと笑うこいつの頬が、少し火照っていた。
「君は司祭の息子として、虫眼鏡使って熱心に聖典を読んでた真面目くんって聞いてるんだから……そんなこと普通でしょ! パスラは科学共存思想だからまだしも……ミザヤの人間は穢れちゃったら聖魔法が使えなくなるって
婚前交渉が禁止されているというところから何となく想像できるかもしれないが、ミザヤ派の信者は「性」そのものをタブー視しているきらいがあった。
人間は、欲に溺れやすい脆弱な存在だ。だからこそ、理性で自分自身を保つように努力しなさいと言い聞かされてきた。自慰行為自体も「そんなことは避けるべきだ」と言われてはいたが……皆、口には出さないだけでこっそりしていただろう。当然だ、人間である以上、そういったことは我慢できない。だって、俺だってしていたのだから。
こっそりと性について話をする友達だっていたが、俺が加わろうとした瞬間にその会話はすぐに中断された。「クロは司祭の息子なんだから、穢れたら将来、魔法が使えなくなる」と言われて。
俺はその度に「お前らも変なこと話すなよ」と笑いながら咎めていたが、そのやり取りが本当にくだらなくてしょうがなかった。俺は司祭の息子として、父さんはミザヤ派の聖職者として、穢れのない存在であり強い魔力を持っていると言われていた。でも、実際は──
「というわけで〜!!」
クソ女の声で我に返った。最近、こうやって嫌なことを思い出すことが多い。
「今日からしばらく! しばらく禁止ということで! いや、禁止っていうか元に戻すって感じか〜!」
「…………そのしばらくって、いつまでなんだ」
口角を吊り上げて、本当に楽しそうに答えてきた。
「わかんない」
そこからは、本当に気がおかしくなりそうな生活が続いた。
一日目。夜、クソ女がいつも通り部屋に来た。そこからは、ずっと隣に座ってくっついてくるあいつに、面白くもない雑談をさせられていた。あれだけ長く話したのに、その内容を全く覚えていない。いや、時計が無いから正確な時間を計れていないだけで、本当はそこまで長くはなかったのかもしれない。とにかく、つまらなかったせいで俺にはその時間が長く感じた。
二日目。その日もくっつかれながら面白くない話を聞かされていた。たまに肩へ頭を置いてきたり、腕を組んできたりして、その度に変な汗が出た。
胸が当たる。知っていたことだが、やっぱり大きい。「それでさー」とか言いながら、腕をもう少し強めに組まれた時、ぐにゅんと柔らかい感触が伝わった。実を言うと俺は、完全に勃起していた。
三日目。俺はこんなに節操のない人間だっただろうか、と思っていた。三日間、自慰行為を我慢することくらい、そこまで苦行でもないはずだ。それなのに、パツッとしたズボンに包まれた太腿が異様に俺を興奮させていた。指を絡められ、息が荒くなっている俺を見た途端にこいつは「ふっ」と耳に息をかけてきた。その時、俺は初めて怒鳴ってしまったがクソ女は爆笑するだけだった。
四日目。五日目。六日目。七日目。俺は、律儀に何日経過したかを数えていた。
八日目。とうとう正面からハグをしてきて、腕を俺の首の後ろに回しながら唇が触れるだけのキスをしてきた。舌を入れようとしたら唇を固く閉ざして拒まれた。せめてはち切れそうな下半身の行き場をどうにかしてやりたいと思い、クソ女の腹にぐりぐりと押し付けたら「はいアウトー」と言われてすぐに離れられた。
頭がおかしくなりそうだった。夜はまともに眠れなかった。
九日目。そして十日目。あいつが、「今日は暑いね」と言いながら上着とブラウスを目の前で脱いできた。
生唾を飲み込んだ。ブラウスの下に着ていたタンクトップから溢れそうな胸が、本当に本当に欲しくてたまらなくて自分の頭を押さえた。それを見て、この女はまた爆笑してから「可哀想」とだけ言い放った。
触るだけでいい、一回触るだけでもダメなのかと頭の中で叫んでいた。だって、こいつは腕を組んだりハグをしたりして俺に胸を押し付けてきたじゃないか。それなのに、俺が自分から胸を触るのはダメなのかと、その悔しさと怒りと情けなさでイカれそうになっていた。
そして、その日が全てを狂わせてしまった。
あいつが、タンクトップのまま自室へと帰っていった。俺の部屋には、脱いだ上着とブラウスが残されていた。
それを見た瞬間、マトモな判断ができなくなった。
すぐにブラウスを手に取って、顔を埋めて匂いを嗅いだ。汗の匂いとバニラの香水の匂いが混ざっていた。
俺は簡易トイレへと行き、座った後にすぐにズボンを脱いだ。
「ふうっ、ふうっ、ふうっ!!」
それを嗅ぎながら、自分の物をひたすら手で擦った。既に先から汁が溢れてズボンが汚れている。ぐちゃぐちゃと音を立てながら擦り続け、匂いを嗅ぎながら色々なことを思い出した。セックスをしている時のあいつの表情、白くて柔らかい胸、濃いめのピンクと薄めの毛が混ざった女の穴!!
汚してやる、そう思った。そして、信じられないくらい早く射精してしまった。
ブラウスを見た。俺の精液で袖部分が汚れている。
その瞬間、サッと血の気が引いた、俺は一体何をしているんだ?
いや、そもそも、なんで俺は律儀に自慰の禁止なんか守っているんだ? 別に、あいつが仕事をしている時にこっそりやればバレはしなかっただろうに。それなのに、なんで俺は限界まで我慢してこんなおかしな行動をしているんだ?
思考をぐるぐると巡らせていた時だった。後ろから──ドアが開く音が、聞こえた。
「あ〜〜あ」
そこには、タンクトップのままのクソ女が立っていた。
簡易トイレは、壁で仕切られていない。全てが丸見えで、俺が今やっていたことや持っているもの、全てがバレている。
「……っ、違っ」
便座に座ったまま俺が急いで言い訳をしようとした瞬間──クソ女が、すぐさま俺に近づいて靴を脱ぎ、その足で俺の物をぐりぐりと踏んできた。
「ルールを守れないダメな子だったんだねぇ」
見下すような声で、足で肉棒を弄ってくる。強めに押され踏まれているのに、気持ちよくて仕方がない。その間もクソ女が色々と文句みたいなことを言っていたが、足に踏まれているそれに全ての感覚が集中していたせいで何も聞けていなくて……そして、また一度情けなく射精した。
「っうあ……!!」
「あ、汚れたんだけど」
クソ女が自分の足を見て呟いた。
粘ついた精液が、こいつの足の指の間で糸を引いている。それがまた異様にいやらしくて、勃起が全く収まらなかった。そして、大きくため息をついて……本当に手のかかる息子に言い聞かせるように、俺を撫でながら話してきた。
「クロードくん、君はできる子だと思ったのになあ……」
「…………」
声こそ残念そうだったが、顔にはうっすらと笑いが浮かんでいた。こいつは、俺がこうするとわかってて、わざと部屋から出た後にドアの前で待っていたんだとわかった。
「けどさ! これもまあ、私の責任だよね。やれないことをいつまでも怒っても仕方ないし……対策を考えてみました〜〜!!」
俺が何かを言う前に、クソ女が、腰につけた小さなポーチから何かを取り出した。それを見て、ぎょっとしてしまった。
──それは、サイズが少し小さめの貞操帯だった。
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