異宗派のクソ女に村を焼かれ監禁された俺は、彼女に恋と復讐をする 作:品川カタン
ミザヤ派とパスラ派の大きな違いは、自身の欲求を解放するかそうでないかだ。
パスラ派は、いわゆる新興宗派だ。彼らの言い分によると、強力な聖魔法に頼りきって獣を狩り、悪から人々を守る生活では聖職者に力が集中してしまう。だからこそ、宗教と科学が共存する社会を築き、聖職者だけでなく誰もが力を持てるようにすべきだと主張した。そして、科学があれば聖魔法だなんて使う必要がないのだから、人間としての欲求を抑制するのではなく解放すべきだと。欲求を与えてくださった神のためにも、自分に正直に生きることこそが、神の愛に応える生き方なのだと説いていた。
ミザヤは当然、反発した。科学技術を最大限に駆使して、誰もが力を持つようになったら、人間は最終的に暴力という欲求に堕ちるだろうと。そもそも、聖魔法こそが神に選ばれた者だけが授かる祝福なのだから、「正直に生きる」という建前のもと、誰もが欲求を抑制しなくなれば──人間はそのうち互いを滅ぼし合い、社会を築けなくなるだろうと。
俺の正直な気持ちというものを、もうくどく説明する気は無いし──俺がミザヤの教えに対して一部懐疑的であることは既に分かっているだろう。とはいえ、今回の惨状を見てしまうと、皮肉なことにやはりミザヤの言っていることが正しかったんじゃないかと感じたのだ。
「…………」
俺は自分の手を見つめた。
「……誕生日まであと二ヶ月くらいか」
クソ女……フロローの背中の保湿を任されるようになってから知ったことだが、俺はここに来てから既に三ヶ月が経過したらしい。
確かに最近、少し肌寒いと思った。まだ村に住んでいた時は、半袖でなければ過ごせやしなかったからだ。あの時は、確かに暑かった。喉がいつもカラカラに乾くくらい暑かった。村についての最後の記憶が炎に包まれた景色だったから、暑さが異様に肌に染み付いているだけのような気もしたが、とにかくあの時は夏だったのだ。
(二十歳になったら俺は、多分聖魔法を使える)
自分の手を握って開いて、そして膝へと置いた。
俺は日々を過ごす中で、そろそろ自分の中で聖魔法が目覚めるだろうと思っていた。
なぜそんなことがわかるのかと聞かれたら難しいが、言い表わすならば〝直感〟だろう。案外、自分の体のことは自分が一番把握できているのかもしれない。それは本来、いつ目覚めるかわからないと言われている。だが、やはり俺の中には「二十歳になったらだ」という強い確信が芽生えていた。
聖魔法は、穢れなき人間が神から授かった寵愛を受け継ぐことで使えるものと伝えられており──俺の場合、聖魔法を使えた父の血を引いていて、その力も受け継いでいる。
「クロードくん! 開けちゃうよ〜〜〜!」
そして今日も、クソ女がこの部屋へと来る。バァン! と扉と壁がぶつかる衝撃音が響いた。いつも勢いが良い。
「……今日も塗る?」
「よろしくー!」
そして、いつも通りに何も考えていない様子でベッドの前の床へと座った後にブラウスを脱ぎ、俺の方へと背中を向けてその傷跡を見せた。
俺はベッドに腰掛けたまま手を伸ばした。傷跡は相変わらず、少し赤くて触るとザラザラしている。最近俺がゆっくりとクリームを塗るようになったからか、前よりも乾燥はしていない。だけど、赤みだけはやはり消えず、痛々しい線が背中一面に刻まれていた。
「今日さぁ私面白いもの見つけてー」
「…………」
薔薇の香りがするクリームを背中にゆっくりと広げて塗り込んでいく。クソ女はその間も、俺のことを一切疑いもせず、ただその背中を預けていた。
こいつは、俺が急に首を絞めたりするんじゃないかとか、疑わないのだろうか。
いや、こいつは今俺に装着されている首輪によって、自分はミザヤの男を飼い慣らせていると思い込んでいるのだろう。実際に、俺は今こいつに飼われていた。俺がこいつに逆らい手を上げるか、部屋から脱出しようとした瞬間に、クソ女がニヤニヤと笑いながらリモコンを操作して俺の首輪をゆっくりと締めていくに違いない。
(こいつもパスラとはいえ、ミザヤの純粋性を信じてるんだな)
だが、その力関係は、俺が聖魔法に目覚めた瞬間にひっくり返るだろう。
これは俺が虚勢を張って言っているのではない。パスラ派が聖魔法を警戒し、機械兵器だけでは対処しきれないことがあると理解しているのは事実だからだ。
パスラ派は確かに、強大な武力を持っていた。科学共存思想の最先端と言われるだけあり、あっという間に村ひとつを滅ぼしてしまうくらいの兵器を所持していた。ここで正直に実力があると認めなければ、俺の父をあれだけ真っ黒に焼いてしまったことの整合性がつかないだろう。もっとも──あれほどの力を持つ父が無惨に死んでしまったことに関しては、人質を取られていたからなのだろうが。村のみんなは突然の襲撃に油断していたとはいえ、やはりパスラ派の武力は侮れないということだ。
(あんだけ凌辱したから、俺の信仰が揺らいで聖魔法を使えなくなるとでも思ってるのか? 俺は元々、何も信じてなんかいないのに)
保湿して少しだけべたついた背中を手のひら一面でゆっくりと触り、その感触を味わった。
「ミザヤ派司祭の息子は欲に堕ちた。もう聖魔法を使う資格などないだろう」とパスラ派の狂信者に呼びかけたら、どれだけ彼らを鼓舞することができるだろうか? 想像に難くない。こいつらは自分たちの正しさを証明するためならば、異常な行動に走ることも厭わず、他者を愚弄し、そして屈辱を与えることを喜ぶだろう。
あの時だってそうだった。村が燃えた時、意味もなく拷問し、意味もなく村人にその様子を見せ──皆が狂ったのを見て、まるでコメディを見るかのように笑って大喜びしていた。
(あの時、ミザヤの信仰を
そして今、こうやって俺に背中を預けているその行動こそが、油断をしている証拠だ。そう思うと、あれだけ欲求を解放することを声高に叫んでいたパスラも、その固定観念に囚われていて少し馬鹿らしいような気もする。だって、ミザヤの聖職者として慕われていた父さんは確かに聖魔法を使えていたが、「信仰心の深い穢れなき聖職者」の真実は──
「……ねえ、聞いてるー!! 虫眼鏡くーん!! 聞こえてますかー!!」
「うわっ!?」
クソ女が振り返って大声を出し、股間を強く握ってきたので思わず飛び退いた。どうやら、俺がぼうっとしていたことに対して不満を持っているらしく、その赤い頬を膨らませ、立ち上がった俺の腹をつんつんと触った。
「せっっかく私が話してたのに! ひど〜〜い! ちゃんと聞いてよ」
「ご、ごめん……」
前にも同じようなことで怒られた気がする。こうやって素直に言うのも馬鹿みたいだが、とりあえずは謝罪をした。
「今日はさ〜! 機械に馴染みのないクロードくんに面白いものを持ってきてあげたんだよ!」
「き、機械……?」
こんな所に、わざわざなんの機械を持ってきたんだろうか。
そういえばパスラ派は、別に手を動かせば済むようなことにも機械を使って楽をすると聞いたことがある。料理とか、洗濯とか、わざわざよくわからない構造の機械を持ってきて時間を短縮をし、自ら堕落の道へと進んでいると──
「こんなので〜す!!」
クソ女が自分のカバンをベッドの上でひっくり返し、「じゃんっ!!」と声を上げた。そこに広がった光景は、異様だった。
まず一つ目は陰茎のような形をした、透明の棒状の機械。大きさは、俺のものと同じか、少し大きいくらいな気がする。
二つ目はピンク色の丸いボールが紐でリモコンに繋げられているもの。
三つ目は、なんというか……丸い突起の中に小さく穴が空いていて、上手く表現しにくい形だ。
「こ、これって?」
クソ女がニイイッと口角を上げた後に、いつも通り拍手をした。
「これは〜〜〜! 魔法派には縁遠いであろう、えっちなことに使うグッズで〜〜す!!」
こればかりは、流石に信じられなかった。
機械を使って、性行為の手伝いをするということだろうか?
俺だって本当はミザヤに懐疑的とはいえ、かなり馬鹿げているように思う。人間の営みに、わざわざよくわからない機械を導入して手伝ってもらうだなんて、古臭い言い方に聞こえるかもしれないが、あまり温かみがない気がする。いや、そもそも性に関することに対して「温かみ」だなんて表現するのがおかしいのかもしれないが、俺はとにかく、これが本当に低俗で意味のない物質に見えていた。
「いや、その、そういうことに使う?」
「そう! 革新的でしょ〜!!」
「いや、その、ちょっとわからない。そもそもこれ、なんで透明なんだ。ネジとか部品が見えて──」
俺はそこまで話してから、とある考えが浮かんで言葉が出なくなった。
この男性器を模した透明の機械を、もしもこいつに入れた時、こいつの〝中〟が見えるんじゃないのか?
よく見たら、その機械にはボタンがある。相応の長さと太さがあるこの機械に、腟が窮屈そうに張り付く様子を俺が外から眺め、ちょっとボタンを押して遊んでみたりすることもできるのかもしれない。
「あ、これ気になる? こうやって使うんだよ!」
俺の考えを見透かしたみたいに、クソ女がその機械を握ってボタンを押した。ウィンウィンと音を立てながら、下品にそれが上下している。この低俗な機械は、中に入れるだけではなくて自分から腟の中で動くみたいだ。そうやって、ドロドロに愛液で浸ったこいつの中をこの無機質で温かみのない機械が、犯すというのか。
「……ッ」
冒涜だ。こんなもの、人間だけではなく人間の欲望に対する冒涜だと思ったのに、想像した瞬間に張り裂けそうになるくらい竿が膨らむような感覚がした。
「興味あるでしょ」
クソ女がにんまりと笑ったまま言う。
「あ、いや、その……俺は……」
俺としては、機械のことなんて全然知らないんだから興味があるかとかないかとか、そういったことを聞かれると困る。ただ、この肉棒のおもちゃで弄り回されるこいつを想像したら少しは興奮した。だからといって、こいつの所持品である以上、俺が口出しすることはできない。仕方ないし、こいつの遊びに付き合ってやるかと思っていた時だった。
「あ、どれを使うか選ぶのはクロードくんだよ」
「えっ」
「そりゃそうでしょ〜!! 機械に慣れていないクロードくんに、体験会を開くために持ってきたんだから! 本人の意思を尊重しないと〜〜!!」
クソ女が、上目遣いで俺の顔を覗き込んでくる。
目の前には、三つ置かれた謎の機械。それを俺が、ミザヤ派の俺が、選んで使う。その用途は、性行為の手助けだ。
今まで育ってきた中で形成された価値観が、めちゃくちゃになっていく感覚がした。村の人たちに許されるはずがない。彼らはもう死んでいるが、今の俺の有様を見たらきっと絶望するだろう。ミザヤ派司祭の息子が、性行為だけでも許されないのに、堕落の象徴である機械まで自ら選んで、それを使おうとしている!
「ほら、選んで」
耳元で囁くように促され、俺はとりあえず一番使い方を理解できそうな、その透明の男性器を手に取った。背徳感と、「低俗なことをしている」という罪悪感で手に上手く力が入らない。
「それにするんだね? じゃあ、君の思う使い方をしてみて」
クソ女がベッドの上に座って、足を組んだ。
俺のパンツの中は既にパンパンになっていた。震える手で、クソ女のズボンを脱がそうとしていく。今日に限って、こいつのベルトが上手く外せない。それを見て嘲笑うかのようにクスクスと声を上げていたが、ようやく皮のベルトをほどいてズボンとパンツを下ろすことができた。
「脱がしたね、次はどうする?」
「…………脚、広げて」
そうするしかない。仕方ない。仕方ないんだ。
クソ女は笑顔のまま、言われた通りに脚を広げた。中がよく見える。
とろ、と既に愛液が溢れていた。前戯もしていないのに、よくもまあ準備ができているなと冷静に考えようとしたが、やはりそれよりも粘ついた液に反射した肉のピンク色やその上にある少し薄めの毛に興奮が止まらず、俺はまともさを失っていた。
「この後は? どうするの?」
煽るような声に、正直かなりイラついた。
「…………」
「どうするの〜〜?
わざとらしく俺をそう呼んだ瞬間──俺の中でなにかが切れて、こいつの淫肉に男性器の玩具を突っ込んでやった。
「ん゛うっ♡♡ クロードくん、使い方わかっててえら〜〜い♡♡ ミザヤ派の子ってやっぱりてんさ〜〜い♡♡」
「うるさいんだよ……!!」
挿入されているのはこいつのくせに、自分が優位であるかのような口調にイラついて、スイッチを入れた。ぐいん、ぐいんと透明の肉棒がこいつの中を掻き乱していく。
何となく、もう一回スイッチを押すと動きが早くなった。ぐちゅぐちゅと激しく音を立ててピストンしていき、こいつの喘ぎ声も一緒に大きくなった。
「あっ♡♡ えっち♡♡ クロードくんって変態だしいじわるだね♡♡ 動き早くして私が機械に犯されるところを見ちゃうんだ〜〜♡♡」
減らず口にまたイラッときて、玩具のピストンだけじゃなくて俺も上下に抜き差ししてやった。愛液が結合部分からどろどろと溢れて、みっともない声がずーっと部屋の中で響いている。
「あんっ♡♡ 気持ち良い♡♡ 玩具気持ちいいよクロードくん♡♡」
中の肉が見える。ピンク色の腟壁に玩具が張り付いて、愛液を借りて滑らかにこいつの中をぐちゃぐちゃにしていく。俺は思わず、もう片手で自分の肉棒を握って擦った。機械に犯されているこいつを見ながら、自分で我慢できなくなってオナニーをやり出すなんて、情けなくて仕方がない。
だけど俺は、だんだんこの機械に「ずるい」という気持ちを抱くようになっていた。こいつが機械によがって喘いで、一人で気持ち良くなるだなんて身勝手すぎるんじゃないのか。俺だって、こいつの中に思いっきり欲望をぶちこんでやりたい。こいつの中をぐちゃぐちゃにしてやりたい。
「はあっ、はあっ、はあっ、くそっ、くそっ!!」
「クロードくんせっかち〜〜♡♡ 言うこと聞きながら私でシコッてるんだド変態♡♡ 玩具抜いて犯しちゃえばいいのにそれができないよわよわちんぽ♡♡」
黙れ、黙れと叫んでいた。せめて、こいつの中に出せないなら脚に全部ぶっかけてやる。俺の精液で汚してまた突っ込んでやる!!
「出る……っ!!」
「イクッ♡♡ あ〜〜〜イクッ♡♡」
俺とクソ女が同時に果てた。俺は自分の手で、こいつは玩具で。真っ白の太腿に、俺の吐き出した欲がぶちまけられていた。
玩具じゃなくて、今すぐ俺のものをぶち込んでやりたくてこいつの腟内から一度おもちゃを抜いた。「あっ♡」と小さな媚声が聞こえ、穴とおもちゃの境目は糸を引いていた。ようやくやれる、ようやく犯せる。そう思って、こいつの腕を掴んだ時だった。
「じゃ、クロードくん♡♡ 次のおもちゃを選んで遊んでみよっか♡♡ 最後には、〝お楽しみ〟もあるからね♡♡」
クソ女が、俺の口の前に人差し指を一本立てて「待て」の合図をした後に、残りの玩具に目を向けた。
逆アナルについてのアンケート
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