異宗派のクソ女に村を焼かれ監禁セックスをさせられている俺の、歪んだ恋と復讐の物語 作:品川カタン
最近は起きる時間が安定してきた。時計がないから正確な時間はわからないが、俺が目覚めてから体感で十数分ほど経過すると、外から狂信者らしき者たちの揃った足音が聞こえてくる。数日ほど同じようなことが起こったので、俺はある程度決まった時間に起きられるようになったのだなと気がついた。
(ということは、今日は仕事のある日か)
ブーツで規則正しく地面を踏む音が沢山聞こえる時は、皆仕事に出ているということなので少なくとも日曜日ではない。そういう時は、朝から夕方までぼうっと過ごしてフロローが部屋に来るのを待つだけの生活をしていた。
ここ数日、フロローについて少しだけわかったことがいくつかある。
『えっ……クロードくん、テルマンの新作読んでたの!?』
俺の見立て通り、普通にしている時のあいつは知的で文化的な人間だったということだ。
『読んだ。面白かったよ……まだ読んでないなら展開言わないようにするから』
『うわ〜〜、ありがと〜〜!! 今ちょうどネタバレしないでって言おうとしたところだったんだよね!』
『どこまで読んだ? まだ何も読んでいないなら、俺も気をつけるよ』
『あ、でも途中までは読んでるよ! テルマンはさー、社会批判に見せかけた自己批判と、知の探求が生々しくて好きで〜』
俺はこの時、驚いた。こいつと本の話で気が合うとは思っていなかったからだ。この日もいつもと同じようにセックスをして、そのまま飽きたら出ていくのだろうと思ったが、しばらくは本や演劇の話で盛り上がっていたような気がする。まあ、最終的には、したのだが。
あともう一つ意外だった出来事は、あの背中の傷跡についてフロロー本人から経緯を説明されたことだった。
『これさー、昔お父様のこと怒らせちゃってその時についちゃったんだよね。割れたコップの破片で、思いっきり切られて!』
俺は彼女の傷跡の原因を想像したことがあったが、その経緯を聞こうとしたことはなかった。それはやはり、昔の傷についてやたら踏み込んでしまうのも気が引けていたからだ。だが、彼女は保湿の際にまるで雑談をするかのようにその歴史を零してきた。
『……そうだったんだな』
『結構痛かったよね〜。あの時は』
そして、こういった時のフロローの顔は……やはり、退屈そうだった。いや、もっと正確に言うならば──その傷を受けたことを、まるで自然災害に遭ったかのように話していた。怪我をさせた父を恨むようなことも言わず、たまたま自分の身に降りかかった現象を黙って受け入れるような、そんな表情だった。
『…………』
俺はそれを見て──フロローは、俺と同じなのだと改めて実感をした。
彼女は、本物の無神論者だ。勿論、パスラ派の家庭で育ったが故に宗教的な習慣が身についてはいるが、あくまでそれは生活の一部だけだ。彼女は、神を信じていないだろう。
無神論者を名乗り、ローロタル聖典に馴染みがない人間はときどき「宗教というのは、神を疑ってはいけないんだろう」という言葉をかけてくることがあるが、それは信仰の本質ではないのだ。
俺は「宗教というのは律儀だな」と思ったことがある。それは、ローロタル聖典の中に神を疑い恨みながらも生きていく人間の話があったからだ。神に疑問を抱くことと信仰を失うことは同じではなく、苦しみというのも、決して罰とは限らない。そういったことが書かれていた。
俺は、聖典の中で神に向かって恨みを叫ぶ
そして、今の話を踏まえたうえで俺はやはり、神を信じちゃいなかった。確かに、自分自身に大きな困難が降りかかったときは、一応祈りはするが──それはある種の染み付いた習慣でしかなく、祈った結果がどうなろうと、感謝も恨みも抱かなかった。そもそも、信じていないからだ。
彼女もまた、同じように見えた。神を恨みもしないし、父から受ける暴力と自分自身の傷を傍観している。
その冷ややかな横顔を美しいと思うと同時に、怒りも湧いた。彼女はきっと、真の自分が神を信じていないということを理解していないからだ。他人事のように理不尽を受けながらも、無意識下に溜まっていくストレスを虐殺と歪んだ性行為に変換している。そうだ。無意識であるのは、美しくない。彼女の残虐性は──孤独の中で輝きを増すものだからだ。
ただ刻まれた痛みを傍観しているだけでは、その孤独に気がつくことはできない。だから早く、彼女に自分自身のことを見つめて欲しかった。檻の向こうにいる動物を見つめるように、自分自身を眺めているだけでは美しくないのだ。彼女は自分が一人ぼっちであるが故に残虐になったのだと理解した時、さらに美しくなるだろう。
「……顔でも洗うか」
こんな俺なりの哲学をだらだら考えたところで、閉じ込められている以上今は何もできない。いつも通り、鏡の前へ行こうとして立ち上がったときだった。
ガタン、ガタンと誰かが階段を下る音が聞こえてくる。
「……?」
今日は仕事のある日のはずだ。フロローは狂信者たちを連れて外で活動しているだろう。なら、この足音は誰だ?
「……まさか」
俺は一瞬、とあることを想像した。
今、パスラ派は異常な程に暴れている。村々を焼いて回っているにもかかわらず、未だにフロローたちが罰されていないのは騎士団と何かコネクションがあるからだと思ったが……
それは俺の見当違いで、ただ無茶な証拠隠滅を繰り返していたツケが今になって押し寄せてきているとしたら?
ダメだ。今はダメだ。俺は、まだここにいる必要がある。もう少し──
「……フロロー?」
ガチャリと扉の開く音がした。つい瞑ってしまった目をおそるおそる開くと、そこには仕事に行っているはずのフロローがいた。
だけど、その姿はいつもと少し違った。
「…………はあー」
長い沈黙の後に、不機嫌そうな表情のフロローからため息が出た。
真っ赤な宗教服とブラウスを着ていることに変わりはない。だが、問題は顔だ。右頬が赤く腫れている。ガーゼで隠されてはいるが、覆いきれていない。肌とガーゼの隙間から少し血が滲んだような色が一瞬見えた。
フロローは一瞬自分の右頬を撫でた後、俺の方に目を戻し、カツカツと音を立てて歩いてきた。
「フロロー、仕事は──」
「今日は休んだの」
「休む? 今までそんなことなかったよな?」
「こんな顔じゃ信者たちの前で演説できないから休んだって言ってんだよね!!」
俺は今日の夜中に聞こえていた泣き声を思い出した。
その時は、「いつものように父親に折檻されているのだろう」と思っていたが、目立つところに傷があり今日は一段と酷い。
「フロロー、それは──」
色々なことを言いたくなって言葉を続けようとしたが、フロローは俺の言葉を遮るように思いっきり俺をベッドへと押してきた。衝撃でバンッ!! とベッドが大きく鳴り、木材の軋む音が響く。
「いっ……!!」
「ほら、寝っ転がって」
一瞬の痛みではあったが、衝撃に思わず呻き声が漏れた。フロローはそれを無視して、俺に馬乗りになってきた。
下から見えるフロローの顔は、氷のように冷たい雰囲気を漂わせていた。それでいて、表情の奥底ではぐつぐつと沸き立つ怒りが見える。
「私の言うこと聞いて欲しいな?」
低くて艶やかな声が部屋に響いた。 理不尽な八つ当たりをされているにもかかわらず、その声が妙に色っぽくて、俺はただ頷いた。
「偉いねえ、クロードくんは偉いよ」
フロローが馬乗りの姿勢で俺の頭を優しく撫でてくる。返事はせず、ただ俺の頭に触れる手を受け入れた。
「じゃあ、君は偉いワンちゃんだから……今日も私に御奉仕できるよね?」
そう言った直後に、フロローはブラウスの上に巻かれている赤いコルセットとベルトを外し、赤いズボンと黒いパンツをさっさと脱いでいく。展開がかなり早い。いや、普段から唐突にこういうことをする奴ではあったのだが、今日はなんというかヤケになっているような感じだ。
「はいじゃー、今日はこれで舐めてねワンちゃん!!」
──俺も準備した方が良いのかと思ってズボンを脱ごうとした瞬間、下半身の衣服を全て脱いだフロローが、膝立ちになりながら俺の顔に自分の秘部を押し付けてきた。
「むぐっ!?」
「ほら舐めて! ちゃ〜〜んと舐めるんだよ!」
目の前に、フロローの膣肉がある。薄い金色の毛と、俺の口に押し付けている割れ目がギリギリのところで見える。
俺は思わず、むぐむぐと呻き声を上げたが、「御奉仕はどうしたのかな〜〜!」と言いながら口に柔らかい肉を押し付けてくるフロローに、すぐに黙らされた。
呼吸が上手くできない。フロローの恥ずかしい場所に口を潰されて、俺は生き死にの権利を全て彼女に握られているような気分になった。口を開けなければ息が吸えないし、嫌でも開けるしかない。俺は重くなった唇を開け、フロローの中を舐めていく。汗と蒸れた女の匂いが混ざって、俺の嗅覚まで奪われていく。
「ふーっ♡♡ ほーら!!♡♡ そんながっついて舐めるんじゃなくてちゃんと丁寧にやるんだよ!!♡♡」
押し付けられた肉の隙間からフロローの小さな淫核を見つけ、執拗に舌で弄ったらそれに合わせてびくんと身体が揺れた。グリグリと押し付けてくる肉圧に息苦しさを覚えつつも、上に目を向けるとブラウス越しにフロローの胸が揺れている。その景色に異様なほど興奮して、俺のズボンはパンパンになった。
「ふうっ、ふうっ!!」
「なにー!?♡♡ 何言ってるかわかんなーい!!♡♡」
俺は思わずフロローの臀を揉んだ。中から愛液が溢れてくる。それをひたすら舐めて、責め続ける。
「誰が勝手に触って良いっていったかなーダメ犬!!♡」
フロローが両脚を思い切り閉じて、俺の顔を包み込んでくる。柔らかい。苦しい。太腿で顔を挟みながらスライドして、俺の口にとろりとした愛液が擦り付けられる。中から溢れてくる女の液を必死に舐め取って、その余りの臨場感に俺の物もそろそろ我慢の限界だった
「ん……? 何勝手に自分も気持ちよくなろうとしてんのこのバカ犬!!」
とうとう限界になって一度臀から手を離し、寝転がりながらも自分のズボンを乱雑に脱いで竿を握った時、今度こそ本当に窒息させるくらいの勢いで腟を押し付けてきた。
「はーー……ほんっとにおバカで仕方ないな……じゃ、よいしょっと」
引っぱたかれるかと思って身構えていたら、フロローがぐるんと回って姿勢を変えた。
「はい、じゃあ見ててあげるから情けなくシコシコしていーよ♡♡」
「っ!?」
フロローは俺の顔を跨いだまま、くるりと身体の向きを変えた。先程までとは反対の向きになり、今度は彼女の腰が俺の視界を占めた。大きくて丸い、白い肉が俺の鼻を塞いでくる。その近さに驚いて、俺は思わず息を詰めた。
「はいほら♡♡ 雑魚ちんぽ頑張れー♡♡ 私は絶対手伝わないけどおまんこ舐めてシコシコしてれば♡♡」
フロローはそんな俺の反応を見て、わざとらしく声を弾ませ応援のようなセリフを吐いてくる。八つ当たりもいい加減にしろと一瞬苛立ったが、臀から膣肉まで、視界を塞がれてギリギリ見えないくらいの視界が本当に本当に、言葉を選ばずに言うならばエロくて堪らなくて、俺は自分の竿を思いっきり掴んで擦り続けた。
「うわっ♡♡ 押し付けられて興奮してるじゃんド変態♡♡ もう君ってマゾ犬だね♡♡ バカ犬のマゾ犬で情けなくシコシコしててかわいそ〜〜♡♡」
俺の視界は完全に塞がれている。臀と愛液の匂いを感じ、ぷにっとした腟肉を押し付けられながらひたすら竿を上下に擦っている。フロローにこんなみっともない姿を見られている。
「あ〜〜そろそろイきそ〜〜♡♡ 上手にやれて偉いねクロードワンちゃん♡♡ じゃあ君もそろそろイけ♡♡ 私に見られながら雑魚ちんぽ射精させろ♡♡」
返事の代わりに口を塞いでいる腟肉を舌で弄り回し、ヒダや穴に舌を沿わせていく。小さな淫核を舌の先で弄ると、フロローはまた露骨に身体を震わせ、さらに脚を締めた。
「あ〜〜〜〜イクッ♡♡ いくいくいくっ♡♡ んんっっ♡♡♡」
フロローが身体を強く痙攣させながら絶頂したのに合わせ、俺も中で込み上げてくるような感覚に襲われ、そのまま勢いよく射精した。その刺激の強すぎる薄暗い景色の中でびゅるる、と音を立てて精液を溢れさせ、脳天をハンマーで殴られたかのような快楽が走った。
「自分でシコシコしてイッちゃったね♡♡ 気持ちよかった?♡♡ こんなにいっぱい出てるから相当興奮してたんだね〜ド変態♡♡」
フロローが俺の顔から臀を退けて、ようやく視界が明るくなる。
離れた後も溢れる女の匂いに、俺は頭がクラクラしていた。
「はー満足満足。ストレス発散」
今日は陽の光が強いのか、北向きの窓からも反射した光が差し込んでいる。ベッドに寝転がりながらぼうっとしていると、フロローがそう呟いたのが聞こえた。
(やっぱり八つ当たりじゃねーかよ)
ふと横を見たとき、もう一度フロローの顔が目に入った。
真っ白な肌に赤く腫れた頬。
血が滲んで、痛そうだ。
「…………」
俺は自分の中で、ぞわりと憎悪が蠢いたのを感じた。
(自分の親父がやったことなのに、文句ひとつ言わねーのか?)
俺は拳を握った。
フロローの横顔は、相変わらず綺麗だった。怪我をして、頬が少し腫れ上がっていたとしても可愛かった。いや、むしろその傷が彼女の美しさをさらに際立たせていた。だが、その傷をつけた張本人というのは、彼女の父であり、肉親だ。
鼻血を出していても滑稽に見えないことが、美しい女の条件だという話を、どこかで聞いたことがある。だけどそれは、少し違うのではないかと思った。血が、傷が、この女の美しさを増すのだ。だから鼻血を出しても、滑稽ではない女が美しい女なのではなく──血が似合う女が、美しいのかもしれない。
(だけどそれは、今後もつけていい傷じゃない。こいつの父親ごときがフロローを傷つけ続けるのは、勿体なさすぎる)
彼女は孤独だ。その孤独は、彼女の父が作り上げた。
だが、彼女自身の目からその孤独を覆い隠しているのも、父親だ。信仰心と名付けられてしまった欺瞞で、彼女を騙し続けている。
(邪魔だ)
俺は、この時初めて──何かの殻を割ることができたように思えた。
(死ね)
それは、〝父〟という大きな存在に、殺意を抱くことによって。
R18挿絵を使えると聞いたので次やってみます。