色欲の悪魔 作:アスモデウス
姫野とバディを組んだ俺はその後、公安の手配でマンションの一室を借り、一通り生活に必要な家具を揃えることになった。
俺はまだ給料も貰ってない新人なので金は公安が出す。当分の生活費も支給してもらった。口座は作れないので現金手渡しだ。
さて、バディを組んだことで俺は姫野と行動を共にする。
監視目的もあるだろう。何処に行くにも姫野がついて来る。
そして初めての任務がマキマから直接下される。
「学校に悪魔が出たから二人で討伐して来て。期待してるよ」
「了解、ボス」
俺は姫野と共に悪魔が出たという学校に向かった。
学校では既に多数の死傷者が出ており、そこそこ強力な悪魔であることが分かる。
見た目は大きめの熊のようだ。但し、口があちこちに付いており、無数の乱杭歯が覗いている。
「単純に熊の悪魔かな。姫野は動けそう?」
「私が契約してるのは遠隔操作できるタイプだから問題ない」
「じゃあ威力偵察だ。姫野、任せた」
姫野は無事な左腕を掲げて悪魔に向ける。
掌をぎゅっと握り込むと熊の悪魔の首が締まった。
「幽霊の悪魔か。便利ー」
「でも効果は薄いかな。口が複数あるから呼吸は止められない。肉を削り取るにしてもあの大きさだと命までは届かないだろうし」
「じゃあ、俺の出番だ」
俺は人差し指を熊の悪魔に向ける。
精力を指先に集めてエネルギー弾として発射する。
精力弾は熊の悪魔の頭を撃ち抜き炸裂する。
「はい、終わり」
「ほんとに強いんだね」
「大抵の悪魔は防ぐことすら出来ないよ」
「死体の処理しないとね。公安に連絡して後処理を頼むの。人払いは私がしとくから、連絡よろしく」
「りょーかい」
俺は近場の電話ボックスで公安に連絡を入れる。
すぐに死体処理班が来て悪魔の死体を片付けていく。
「さ、帰ろうか」
「パトロールとかはしないの?」
「普段はするけど、今は私怪我してるから任務以外では外に出れないの」
「治してあげようか?」
「治せるの?」
「俺の操る精力はあらゆる生命の源だからね。生命エネルギーを流し込んで治すようなもん」
「じゃあ、治して。あ、右目は大丈夫。こっちは契約で失くしただけだから」
「分かった。それじゃ、腕だけ治すよ」
俺は姫野に触れて精力を流し込む。
骨折していた腕は綺麗に修復され、元の機能を取り戻す。
「どう?凄いでしょ」
「凄い…けど、なんか体が変」
「流し込んだのは精力だからね。性欲が刺激されて発情してるんでしょ」
「随分軽く言ったけど、無理矢理発情させるってかなり変態だよ」
「まあ、色欲の悪魔だし。数分で落ち着くと思うよ」
「色欲の悪魔だったんだ。随分人間に友好的だね」
「人間が一番可愛いからね。そこらの悪魔となんてヤってらんないよ」
俺の性的趣向は可愛い子である。可愛ければ男でも良し。
その点姫野は顔も整ってるし、かなり好みだ。
だからと言って無理矢理することはしないし、直接的に誘うこともしない。
あくまで相手の意思を尊重する。だからアプローチを掛けるくらいが丁度良い。
そんなことを考えていると姫野がお腹を摩って口を開いた。
「お腹減ったしご飯行こ」
俺は頷いて答えたのだった。
◇
「あ…」
通りを歩いていると姫野が突然何かに気付いて声を漏らした。
「どうした?」
「ラスト君はどっか行ってて」
俺は取り敢えず距離を取って様子を伺うことにした。
すると一人の女性が姫野に近寄った。
そして姫野を叩こうとしたので慌てて相手の腕を掴んで止める。
「何事?」
「前のバディの彼女さん」
「離して!コイツが弱いからあの人は死んだの!」
「いいや。弱かったのは死んだ奴だ。それに相方が死んだのは悪魔の所為で姫野の所為じゃない。それでも姫野を叩くなら俺が君を殴る」
「っ…!」
俺が腕を離すと女性は悔しそうな顔をして去って行った。
姫野が小さく呟く。
「何で助けたの…?」
「俺はまだ姫野のことはよく知らないけど、姫野がバディを殺した訳でもないのに叩かれるのも、それを姫野が受け入れようとしたのも納得できない。やられたらやり返せば良いし、謂れのない暴力には抵抗するべきだ」
俺がそう言うと姫野は呆然とする。
そして満面の笑みを浮かべて俺に礼を告げた。
「ありがと、ラスト君」
◇
姫野とバディを組んでから半年が経った。
姫野は最初の薄暗い雰囲気から様変わりして明るく快活な性格になった。
いや、最初に会った頃が擦り切れていただけで本来の性格が今のなのかもしれない。
どちらにせよ、姫野とは上手くバディをやれている。
任務は基本的に姫野を主体として動き、姫野が手に負えない相手は俺が相手するという形を取っている。
パトロールは悪魔が俺の匂いにビビって逃げ出すので平和なものだ。
書類仕事は二人で一緒に片付けている。
今日はそこそこ強い悪魔を倒したので祝いに姫野と飲みに行くことになっている。
俺は集合場所の居酒屋で先にある程度注文しておいて姫野を待っている。
暫くすると姫野が合流した。
私服姿のラフな格好だ。
「やーごめんね。遅れちゃって」
「女の身支度は長いからね。それを待つのも男の甲斐性だ」
「最初の頃に比べるとかなり人間社会の知識を覚えてきたね」
「テレビ見たり、本読んだりしてるからね。半年も経てば色々覚えるさ」
最初の頃はナイフとフォークの使い方すら分からなかった。
しかし、大量の情報を仕入れることで完璧に人間社会に溶け込むことができるようになった。
姫野と共に焼き鳥や唐揚げなどを摘みながらビールを飲んで雑談する。
「マキマさんはなんで私とラスト君をバディにしたんだろ」
「さぁ…マキマの考えることだからどうせ碌でもないことだろうよ」
「ラスト君はさぁ、マキマさんのこと好き?」
早くも酔ってるらしい。キラーパスが飛んで来た。
俺は素直に答えることにした。
「マキマはなぁ…チェンソーマン以外に興味ないし、俺も好意はないかな」
「チェンソーマン?何それ?」
「数年前まで地獄で猛威を振るってた地獄のヒーローだよ。マキマはそいつの厄介ファン。チェンソーマンに食べられるなら本望とか思ってそう」
「そっか。ラスト君がマキマさん一筋!みたいな感じじゃなくて良かった」
「俺は沢山の可愛い子に囲まれていたいからね」
「変態」
「そりゃあ色欲だもの。欲求には素直に従わないとね」
姫野はビールをガバガバ飲んでかなり酔って来ている。
帰りは家まで送っていくしかなさそうだ。
姫野がふらふらになりながら質問する。
「ラスト君はぁ…私のこと好き?」
「そりゃあ初めてのバディだし、単純に可愛いし好きだよ」
「じゃあ、私のこと抱ける?」
「あぁ。抱けるね」
「ふーん…」
姫野はそう言うと俺の顔をジッと見る。
俺は視線を合わせて言葉を待った。
「抱いて」
「……分かった」
俺はそう答えると店員さんにお会計を言い渡し、代金を払って姫野と店を出た。
ふらふらの姫野を抱えて姫野の家まで向かう。
「わぁーお姫様抱っこだ。重くない?」
「軽いくらいだよ」
そんな曖昧な会話を続けながら姫野の家に到着する。
姫野の家は高層マンションの一室であり、かなり家賃が高そうだ。
俺は姫野を降ろして肩を貸す。
姫野は玄関を開けて俺を中に招き入れた。
そのままベッドまで歩いて行き、姫野はベッドに倒れ込むように横になる。
「抱いて♡」
俺は姫野の服を脱がしていく。
一枚脱がせる毎に健康的な肌が露わになり、俺の性欲を刺激する。
そして全て脱がし終わる頃には俺の陰茎は硬くなり、ズボンを圧迫していた。
俺も服を脱いで勃起した陰茎を表に晒す。
「大っきぃ♡」
姫野は甘い声でそう呟いたのだった。
・ラスト
実は童貞だったりする。
精力を自在に操ることができる。精力は生命の源であり、性欲そのもの。
その他にも黒い触手を操るなど、様々な能力を有する。
・姫野
バディであるラストに依存気味。