※この作品はR-18です。

これは本当の気持ち   作:むつぎはじめ

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これは本当の気持ち 1

 状況としてはこうだ。いつもの通り誘われるまま、僕とお姉さんは遠くの街でやっている陶器市を見物に行き、様々な不測の事態がピタゴラスイッチして今日中に帰る手段がなくなったのだった。

 田舎に公共交通機関などと言うものはない。(言い過ぎ)

 更に悪いことにどちらも傘を持っていないというのに大雨が降りだし、僕たちは目の前にあったラブの付くホテルに逃げ込んだのだ。

 

「こういう……とこって……」

 無人で機械が佇むフロント。お姉さんは零れてしまいそうなほど大きな瞳を右に左に泳がして、僕に視線を寄越す。僕は、それを上手く受け止めることが出来ずに、ふと目を逸らしてしまう。

 

 無言。

 

 居てはいけないところに居るという気まずさ。

 

 ジーーーー

 

 しかし、そこにくぐもった動作音が亀裂を入れた。受付の機械がお札を飲み込む音だ。

 

 お姉さんは、いや、お姉さんも、なんでだか真顔だった。

 

 

 

「わあ……」

「おお……」

 部屋に入ると思ったより……いや、予め想定したことは無いのだけれど……部屋はこじんまりとしながらも煌びやかな内装で、僕たちは揃って間抜けな声を上げてしまう。

 

「ベッドは回転……はしないのですね。ちょっと楽しみにしてたのだけど。ちょっと楽しみにしてたのだけど」

 回転ベッド期待お姉さん! いや、回転ベッドってなに?

 

「ホテル自体あまり泊まったことないですけど、それに比べても日常の用品が省略されてて、不思議な感じがしますね」

 ベッド自体はやたらと大きく、しかし周囲にはちょっとしたサイドテーブルしかなく、しかも恐らく最近新調したのか、微妙にデザインが食い違っている。

 この珍しい空間に、なんとなく心が躍るのは僕も一緒だった。

 

 しかし、興味のままに分析的な言葉を言った後、その省略されている理由やベッドの大きさの意味に思い至り、急に顔が熱くなる。

 

 この部屋は、男女……または最近であれば同性が……基本的には……またはサポート(隠語)目的などもあり……同意のもと……

 

 愛し合う人々が、情事を交わすための施設。である。

 

「あ、あのっ」

 ベッドに腰を落とした僕の真横から、そんな素っ頓狂なお姉さんの声が響く。

 

 そこには、見たこともない程真っ赤になったお姉さんの顔があった。

 

 

 え あ と、不明瞭な声を上げながら、隣に座るお姉さんの美しい顔に僕はたじろぐ。

 

 うん。そうだ。お姉さんは、とても……きれいだ。

 

 僕に向けた言葉が続かず、お姉さんは口の中で倫理が。エロティックドメスティックが。ばどとモゴモゴ言っている。

 

「こ、こーゆートコって、受付に誰もいない無人受付なんですね!」

 なんとなく僕も話を折り返してみようと思うものの、内容が同じ意味で繰り返しになっている。

 そして、やわやわなベッドの上でジタバタとお互い動いた結果、自然と僕たちは肩を寄せ合うような形になる。

 

 僕は、慌てていない様子で慌ててベッドから立って離れようとして……

 

「離れたくないです……」

 

 お姉さんに手を握られ引き留められた。

 

 綺羅星が散るような瞳をうっすらと涙で濡らし、ふんわりと桜色に頬を染めて。

 

 ギッ と、ベッドの深い所で軋む音がする。無意識に、僕はお姉さんの方に身体を向けていた。

 

 しかし、

 

「少年に離れられるとお姉さんプレッシャーで保ちません!」

 ニセ教養お姉さん!? はクラゲみたいにフルフル震えている!

 

「そして今更シャレにもできない状況に限界寸前なの私少年!!」

 ニセ教養お姉さんッ!? は桜色とかじゃないレベルでド真っ赤に顔を染めている!!

 

 さ、さっきまでのなんか良い感じの詩的なふいんきは!?

 

 しかし、再度僕は気づいた。震えて真っ赤になっていつものようにおちゃらけるお姉さんの手はしっとりと濡れていることに。そしてガチガチに緊張していることに。

 

 僕は、今こそ男気を出すときだと思った。

 

 白むほど強く握られるお姉さんの指をやさしく一本一本解いて、それを自分の指で絡めて直す。そして、僕はお姉さんの手をしっかりと取った。

 

「お姉さん。ずっと好きでした。多分、自分で気付くずっとずっと前から」

 僕は、お姉さんの星散る瞳を見つめた。そして、お姉さんも、僕を。

 

 ゆるゆると僕たちは顔と顔を近づける。

 湿った花のような香りが、お姉さんのかぐわしい香りが、濡れた”おんな”の”香り”が、僕の鼻の奥底をくすぐる。そして、僕たちは初めてのキスをした。

 

 暖かく柔らかなお姉さんの唇が、探るように僕のそれに押し付けられ、僕も、慣れないなりに柔らかく、求める。目の前には驚くほどきめ細やかな姉さんの顔がある。

 メイク、しているのだろうか? 分からない。

 このキラキラは、お化粧? あるいは、僕の浮かれが見せる幻覚? わからない。

 

 ただ、愛する人と触れ合うことの喜びだけが心の中を満たす。

 

 

 

 どれ位経ったのか分からない。数秒か、数分か。ともかく。息が上がり始めて……何か暖かいものが僕たち二人の間に繋がった感触があった。

 

 勘違いでも錯覚でもいい。きっと、お互いに考えていることは少しづつ違うのだろうけど、それを良しとした。

 

 唇を離す。その二房の間にきらきらとした橋が架かる。

 

 そして僕はお姉さんの服に手をかけ……

 

「……これどうやって脱がすんですか……?」

「わかりませんよね~これ……」

 

 

 

 少年には早すぎる服を自ら脱衣してもらい、僕たちは生まれたままの姿で向き合った。

 

 僕の身体つきは……まあ平均的ではなかろうか。省略。

 

 お姉さんの身体つきだ。僕の目の前の。

 

 平均よりも大きく、お椀を伏せたような形のバランスの良い胸。乳首は小さすぎず大きすぎず。

 

 そこからキュッと絞られたウエストと、意外にも張り出した下半身。

 

 その中心には、僕の下腹部のそれと比べるとしっかりと茂った草原が広がっていた。いや、野放図な広がり方ではない。ナチュラル風に整えられた雰囲気を感じる。

 

「嗜みです。よ?」

 なるほど。

 

 そしていつぞやの温泉の時に話題になっていた太ももだった。思えば毎週のようにあちらこちらへと歩き回る習慣のおかげか、何かの思い付きで筋トレでもしてるのか、インドア風な雰囲気とは裏腹にしっかりとした肉付きをしていた。脂肪を纏いつつもその下に詰まった筋肉の束。

 

「なにかマニアックな感想を抱いている気配がしま……え、そんな」

 

 そういうヘキじゃあないはずだが、あの時壁の向こうに存在していたものが目の前にあると思うと。

 

「見過ぎです。見過ぎですよ」

 と言いつつも、部位が部位だけに掌で隠せるものでもなく、膝上に手を置いてる謎のポーズお姉さんになっていた。

 

 そして僕の下半身の物は、信じられないほどパンパンになっていた。

「ガ、ガチこうふんしょうねん……」

 

 

 

「お姉さん困ってます……少年の生少年が結構少年じゃなくて、私も経験無いからガチでビビってます……」

 今更隠すことでもないが当然このような行為は初めてなわけで、しかし授業がある以上その行為については知っているわけで、さらに言えば好奇心は人一番あるわけで。

 

 そしてお姉さんは僕の僕をチラチラチラリンしつつ、戸惑っている様子だった。

 

「あれ、これを……入れる……」

(性器動揺お姉さんッ!)

 

「でもさっきの見つめあってロマンチックな流れから、今私もときめきよりムラムラが強いです」

(せ、性欲正直お姉さん!?)

 

「というかもう、少年とアレをああする流れを想像すると、怖いっていうより熱くなって辛抱たまりません」

(マジ愛おしいお姉さん!!!)

 

「お姉……さん……」

「はい。少年」

 そして僕はお姉さんをベッドに押し倒……

「あべっ! 頭打ちました! 痛いというより衝撃です!」

 しまらないなあもう。

 

 

 

 あとは、まあ、教養的にそりゃあもう順調に進んだ。

 しないわけにもいかないコンドームがどこかに備え付けられてないか部屋中をひっくり返したり。(サービス配置アメニティさん!)

 

 見つかったはいいものの個包装パックだったので装着方法を細い回線で調べたり。(入り組んだ建物内でよわよわ電波さん!)

 

 そんな最中もずっと元気なままの僕の僕だったり。(全裸で動き回ってぷるんぷるんお姉さんのお姉さん!)

 

 そして、僕たちはめでたく契りを交わした。

 

 めったにせず、また、細指でしか慰めたことがないお姉さんのソコは、入れた僕の方でも分かるくらいいっぱいいっぱいで、”拡げられる”痛みを必死で隠そうとするお姉さんの姿はとてつもなく愛おしかった。

 逸る気持ちを抑えて、出来る限り慣らすように僕はゆっくり動くと、段々とお姉さんの声色が湿りを帯びてきた。

 

 もっと

 

 お姉さんのその言葉は、もっと早くして大丈夫なのか、もっと頂戴なのか、そのどちらもか。

 唇を噛んで何かに耐えるようなその表情がこれまでの短い人生では見たことのないもので、毎秒毎分お姉さんが欲しくなっていった。

 動くたびに、僕とお姉さんが交じり合うような錯覚が身体を熱くする。

 

 あと、出し入れするたびに揺れるお姉さんのおっぱいが純粋にエロい。

 

「お姉さん……僕もう、そろそろ……」

「はい。はい! 私……も。もう……いいよっ!」

 

 ふわふわしてとろとろなお姉さんに抱きつき、僕の中で信じられないくらい気持ちいい感情が爆発した。そして、お姉さんも。多分。きっと。

 

「好きだよ」

 

 僕たちは、再度キスを交わした。

 

 

 そして、未だ息も整わないまま僕たちはベッドに並んで仰向けになっていた。

 ゴムはいつ外す? え、わかんないぞ。

 片方の手はお姉さんと繋いでるしね恋人繋ぎで。

 

「……都の条例破り、想像してたよりなんてことはなかったなぁ〜」

 なんですかその上擦った声。未成年淫行お姉さん?

 

「少年! チクチク言葉で苛めない、動揺を紛らわしてるんだからね」

(恥じらい愛らしお姉さん)

 なんか心がホカホカするなどっちかというと。

 そんなことを考えていたら、自然と僕は笑っていた。そして、お姉さんも。

 

「少年?」

「ん……」

 顔を合わすとちょうどいい距離にあるからキスしちゃうなこれ。

 

「そうじゃなくて。いや、そうでもありますけど」

 結局短く唇を触れ合わせてから、指で顔を離される。

 

「お姉さん、少年に幾つかお願いがあります」

 そして、お姉さんが居住まいをただした。

 

「最初に少し踏み込み過ぎただけで、私たちの関係はそのままです。少年も、私も、責任どうこうを心配するなら自然と離れれば終わり」

 こちらへ向けられる瞳はいろんな感情……罪悪感や、焦りや、愛情や……をくるくると映し出し、ちょっとだけ真剣に細められる。

 

「私としては、この先も、少年が大人になっても、一緒にいたいですが」

 でもそれは長く続かず、そう大人ぶりながら顔をふんにゃりと赤くして告白された。

 僕はその言葉に向き合いたくて言葉を探して返そうとしたのだけれど……

 

「兎も角次に、身体が色々ベタベタなので一度お風呂入りたいです!」

 それを言わせてもらう前に、食い気味にそんなことを言われた。

 イキイキお姉さん?

 

「ラブホテルって凄い浴場設備らしく、実は興味あって結構楽しみでした!」

 透明シャワー室! ジャグジー! 札束風呂!

 上半身を起こしていつものノリで言われた。

 エロ教養お姉さん? 最後は違うくない?

 

「で、ですがイマ下半身がアレで歩きにくいノデ少年に手伝って欲しいデス……」

 痺れた足みたいな感覚……事後ダメージお姉さん!?

 

「……そうしてくれたら、お風呂でいっぱいお姉さんの教養を深めてもいいですから、ね?」

 慣れない様子の手つきで胸を寄せて僕の方に向け、赤い顔ではにかみながら言われた。

 

 未成年淫行エロお姉さん!!!!!!!!!!!!

 

 

 このあと僕たちは、どちらかというと旅館系の広くて凄いお風呂で時間いっぱい教養を深めてからチェックアウトした。

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