あの『初めて』の日から数週間が経った。
教養巡りの後にこっそりキスをするのが定番になった僕たちだったが、それ以上はせいぜい、密着して体温を感じるくらいにとどめていた。
……何となく、際限が無くなりそうだったから。
「星って、普段見えないだけで、暗いところに行くとあんなに沢山あったんですねぇ」
深夜を過ぎ、夜明けまであと数時間という時刻。お姉さんの運転で、山からの長くてくねくねした道をゆったりと下っていた。
「あれがデネ……」
「その大三角は今の季節もう地球の裏側ですよ」
ナニ経由で思いついたのかバレバレだが、いや、あるいは「なんか教養っぽい」というだけの理由の可能性も大いにあるが、僕たちは郊外の山に向かい、天体観測をした帰りだった。
現在は土曜の深夜? 早朝? で、昨日の夕方からたっぷりと仮眠をとった後、僕の親の車で出発となった次第である。
ちなみに、僕はいつもの学生服ではなく柄物Tシャツにジャンパーとジーンズ姿だった。
父は曲がりなりにもタレントだけあって、結構ちゃんとしたブランドものを持っていて、何故かそれを把握しているお姉さんの指定での格好である。
いや、仲良すぎないかお姉さんとうちの家族。
ともかく、その見立てによって、年齢よりも幾分年上に見える。かもしれない。
そしてわが愛しのお姉さんは(ちょっとヤケクソ)、普段と違って髪を後に纏め、キャミソールにカジュアルなジャケットを羽織り、ラップスカートというコーディネートである。
なんか大人の女性がよく着ているロングスカートのことをラップスカートというらしい。お姉さんに教養披露されて数時間前に知った。
自分もお姉さんも、いつものテンプレ学生ルックと形而上的歳上お姉さんルックとは違う、屋外向けラフスタイルだった。
……正直に言えば、すごくドキドキしていた。
普段見えない首筋や、そこから漂う甘い香り。
運転中、ふとすがめる瞳の輝きや、ハンドルを回す腕の、向こうの膨らみ。
それらの総体としての、お姉さん。
彼女と、まだ一度とはいえ、身体を重ねたという事実。
それ以後も何度となく親密に身体を寄せあったが、それ以上のことはしていない。
その後家に帰っても家族が多くてどうしようもないので鍛え始めた身体は妙に引き締まっていた。
これを昇華といいます。何の話だ。
ともかく隣で運転している女性はひどく魅力的で、僕は彼女がどうしようもなく好きだということだ。
車のライト以外何も光るものがない山道を脱し、ようやくまばらながらも道路灯が立っている道路に合流したお姉さんは、大きく息をついた。
そして暫くその道を走っていたが、ふと僕は下りではなく上る坂道であることに気付いた。
要は、来た道を戻っていないっぽい。
「あの、お姉さん。道間違えてません?」
その言葉に反応したかのようにお姉さんは車を左折させ、やたらと広大な駐車場に入ったかと思うと、その中で転回するわけではなく停車させた。
天体観測以外に今日はなにか目的があるのだろうか? と思って見回してみると、明度の低めな照明に、自分たち以外に気配の感じられない駐車場が浮かび上がっていた。
「夜食でも食べるんですか? ここでバーナーでも出して」
と言うのは、最近アウトドア趣味が一瞬だけ訪れ、OD缶式のシングルバーナーを衝動的に買(ポチ)ったと言っていたので、それでお湯を沸かしてカップ麺でも食べるのだろうかという推測である。
あれは車内で使うと最悪死ぬので外に出よう。と思った僕の肩をお姉さんは留めて、こう言った。
「此処でカーセックスを実施します」
何言ってるのお姉さん?
「少年……何故今まで私が君を自室に呼んでセッ……に誘わないか分かりますか?」
なぜか超然とした様子でお姉さんが僕に問う。あとさっき既に言った単語を言い淀むのは無意味だと思う。ちょっとグっとくるけど。
「一応、節制や隠匿は前提とします。しかし、もし私の部屋を所謂ヤリ部屋にしたら」
一度言葉を溜めてからカっと目を見開いてお姉さんは言った。
「部屋でセックス後の片付けや掃除が面倒だからです……!」
あ、お姉さんそういやものぐさだったからね!?
「いや……後始末なら手伝いますよ」
共同作業なんですから。と僕はおずおずと申し出る。
「んんッ……あと、惰性で連泊ズブズブセックス漬け色々手遅れとか考えると怖い」
そう言ってお姉さんはちょっと目を逸らす。
自堕落からの堕落想像お姉さん!! もう手遅れというツッコミはいれないでおこう。
「という考えで私も節度ある関係をチュッチュ程度に収めてます」
それは節度といえるだろうか? でもチュッチュは僕も要ると思います。
「チュッチュは失くせません、私なりに少年将来も熟慮した上でのケジメです」
前半のスチャラカな意見とは別に、たいそう立派な様子でお姉さんは宣言しつつ、足元からごそごそと取り出したのは、交通危険行為常習者愛用のドアウィンドウ用サンシェードだ。運転中に使ってはいけない。
「……でもお姉さん、ンフ、今夜はチュッチュで誤魔化せないくらい昂ぶってまして」
鼻息も荒くそう言いながら、前言撤回と決壊が早い性欲限界お姉さんは自分のサイドのドアウィンドウにそれを貼り付けた。あ、僕の側もですね。はい。
「恥ずかしながら、お姉さん、チュッチュして帰宅すると少年を想って寂しく慰める夜ばかりなんですよ?」
恥ずかしくて泣きそうな顔をしているが、なんかあんまりすぎて僕は冷静になってしまっていた。
「……」
「……」
「そ! れ! で! 今回お互いのムラムラ発散回。でもちょっと冒険はしたい。でも宿を取るには色々手間と面目がある。野外プレイはハイリスク変態が過ぎる。それでもセックスは、隠れてでもしたい!」
僕がすごい冷たい目で見てしまったからだろうか。お姉さんはそう捲し立てて僕に迫り来た。ごめんて。
「全てを叶えるライトでアブノーマルシチュエーション。それぞこの流れでのカーセックスなのです」
えーっと……エロ教養お姉さん! で、いいのかな?
いつにも増して教養が空転している香りがするが、その為に深夜連れ回しのプランにしたのだろうか。
いや、まあ、別に嫌ではないし、決して嫌ではないが、教養として天体観測デートする流れでヤる、しかも場所が親の車なので、複雑な気持ちになってしまった。
「それでお姉さん事前調査でカーセックスにも作法というものがありまして……
1.公然わいせつ罪の回避
2.適切な駐車場所の選定
3.車内安全の確保と維持
4.事後清掃と不測事態への備え
5.二人は幸せなキスをしてEnd
と、事前プランニングもバッチリです!」
それを全部説明しちゃったら台無しですね?
前借としてたっぷり寝てきたとはいえ、体内時計のせいか、そろそろちょっと深夜テンションなお姉さんに僕は呆れてしまう。というか、単純に、僕は同じ理由で頭がポヤヤンとし始めてきた。
「えー、コホンコホン。なんだか少年今日はノリ悪めですね?」
そんなときだった。
ちょっと拗ねた様子でわざとらしく咳払いすると、おもむろにお姉さんは片方の手を僕の手に重ね、もう片方の手でキャミソールを下から捲っておっぱいを放り出した。
「えい、や。って」
それは、何となく記憶の中の胸よりも、多少……幾分……結構……豊満に見えた。
ほぼ真っ暗な中でもわかる。お姉さんは今とてつもなく赤い顔をしている。
「自分で慰め過ぎて……大きくなったんです」
僕の無言の視線に答えるように、お姉さんはそう言いながら説明してくれる。
「……チュッチュ以上、少年はしたくないの?」
恥じらいながらも誘惑するように、困り上目遣いお姉さんだ。
もちろん、辛抱たまらないですとも。お姉さん。
僕は一瞬で頭の芯から覚醒した。
夜の際が青く滲み始めていた。
先ほどのサンシェードだけでなく、出来る範囲で全ての窓に目隠しをしてから、僕たちはゆっくりと唇を重ねていた。
じんわりと夜明け前の藍の光が僕たちを照らす。
さよならの前の時間を長引かせるためのキス。
でもいつまでもはしていられないキス。
そんな、イツモノキスとは違う、これから始めるための、気持ちを温め合うキス。
助手席をいっぱいに倒して、僕はメガネと衣服の下を手探りで脱ぎ、臨戦態勢。
お姉さんはその上にしなだれかかり、上衣を首元まで捲り上げて真っ白な裸身を半ば晒している。
そのまま、僕たちは互いに互いを支えあうようにして、肌寒い空気から逃げるように密着して身体をまさぐり合う。
自分で言うのは気恥ずかしいが、ちょっと鍛えたおかげで、この前に比べてお姉さんの柔らかな身体を包み込めている。気がする。気がするだけかも。
「……と、ところで少年? 今回ラフなファッション指定は傍目は一般カップル偽装はありますが」
なんかキョドってる? なんで?
……果たして分かるのは後日のことだが、嬉しいことに思ったよりも僕が強く抱きしめていてびっくりしちゃっていたらしい。
「実は、セックスする時に脱ぎやすく、体型に注目させたかったからです。特にこの薄地のキャミソールとか、少年が注目するようにしたいと……!」
そう言うキャミソールはすっごいくちゃくちゃに首にかかってるんですがそれは。
「わ、私は横から少年が胸をチラチラ見てたのを見てましたよ少年ッ!?」
ふんわり分かるか分からないかギリギリなネットミームを言うのは、内心の焦りを誤魔化してるのだろうかと推測する。まあ見ていましたとも。ナイトドライビングお姉さん可愛いなーと思いながら。
そして上着をすぽんと首から抜き、後部座席にそれをポイして、僕の頭を両腕でホールドして豊満な胸で包み込む。
「フフ……フフフ……少年もオトコノコ、大人の女性のおっぱいは大好き………あッ……」
エロ母性でお姉さんはふざけるも、僕は付き合ってられないのでおっぱいを口で吸い我が手で揉みしだく。こっちの若さを舐めないでいただきたい。舐めてるのは僕だが。
……なんか僕も大概おかしくなってる気がするが、よしとしてほしい。
「うう……少年に少年らしくシてもらうの、やっぱり感じちゃいます……」
ダッシュボード側にもたれ、頭の上からささめく声に、僕の頭の芯とお腹の下があったかくなる。
微かな汗の酸の香りと、お姉さん自体の花のような香りが混ざり合って、クラクラする。
この想い人の身体をずっと味わいたいと思っていた。僕だってそう思っていたのだ。
目立つ痕を残さないようにとだけ気を付ける。
「ひぅ……あッ……転がさないで……」
「お姉さん。かわいい。好きです……」
暫く僕たちはそうして、浅い呼吸と声にならない媚音と抑えた声が車内に籠った。しかし、お姉さんは何かハッとした様子で身体を起こし、僕を細い腕でエイと押しやりちょっと上から見下ろしお姉さんになる。
体勢としては僕の膝の上にお姉さんがまたがる形だ。ラップスカートがギリギリまで捲りあがって暗闇が生じている。
「えぇ……前の時よりおっきくなって……る?」
一方、お姉さんは困惑したようにそんなことを呟いていた。
「えっと……お姉さんと別れた後、家で……発散するために筋トレしてたら、こっちも成長したみたいで……?」
普通になんか恥ずかしいこととして告白したつもりだったのだが、お姉さんは「私……オナ……発散してただけで……なんか……なんていうか……」と勝手にショックを受けている様子だった。
「このサイズじゃ『お姉さんのお口で付けてあげるね♡』プランどころじゃない……」
ンンンーーー、なんて? 聞かなかったことにしよう。と僕は若干引いてしまった。
「いえ、ちょっとね? 次の教養として……男性のアレを口であーってしてあーってする練習を、アイスとか野菜とか使って、練習してたんですけど……うぅ……」
僕は健全なのでよく知らないですけど、そういう前戯があることは知ってる。いやどっちなんだ。うん。
「……あの、無理はしなくていいですから」
お姉さんに口でされることに興味が無くはない。無くはない。
そして、反対に自分がお姉さんにするパターンをつい考えてしまう。
……今やろうとするとかなりアクロバティックになってしまうな。
「……やっぱ口で男女のアレするには場所がこう、今もグダグダだし……」
「うん……私も此処でお口使うのはがっつき過ぎと思いました……」
気まずそうにお互いそう言いながら、ここはそういうことにした。
そして、お姉さんは気持ちを切り替えたのかポーチからいわゆる一つの避妊具を取り出し、いそいそと開封して僕のものに被せてくれた。
「ふふ……おっきい……」
多分何も考えずにしてくれた行動なんだろうけれど、いっそこれまでで一番エッチな気がした。
そして、そのままラップスカートに手をかけ、僕に見せるように脱いでいく。その下に穿いていたミニのペチスカートもストンと落とすと、そこには薄明りの下でも分かるほど、ノーマルな下着とは異なるアブノーマルな下着が装着されていた。
ウエストは紐のように細く、布地はとても節約されていて、なんと真ん中が開くように分かれていた。
「この日のため○maz○nで買ったのです、高いんですよ! 後ろもTバック!」
ほらね! と言わんばかりに軽く身体を捻り、シェイプアップされたヒップを見せるお姉さん。よく発達しているおかげで、多分想定されているよりも際どく食い込んでいる気配がする。
そして、改めてお姉さんは僕の肩に優しく手を突き、僕の上に跨った。
お姉さんの大きな瞳は暗い室内で濡れ光り、年上の女性の剝き出しの劣情を秘めたそれに、僕は少しだけゾクっとする。
「うふふふふふ……少年はそのまま寝てていいの。お姉さんに身を委ねな……はぁぅぅんっ♡」
だが、それは次の瞬間蕩けてしまっていた。
下着の割れ目に何の抵抗なく滑り込んだ僕のペニスはあっという間にお姉さんの中を満たし、火傷しそうなほど熱く、壊れてしまいそうなほど柔らかなそこが僕を抱きしめてくれる。
そんなつもりではなかったが、あの日からずっとお預け状態のままで、それぞれで育てていた肉欲というものと肉体とが合わさり、すぐに絶頂してしまいそうになる。
いや、しかし、それはあまりにも惜しい。と、僕は必死でそこに至らないように堪える。
「ふにゃ……」
どうやらそれはお姉さんも同じだったようで、堪えるために必死で腕といい脚といいから力が抜け、僕の方に倒れこんでくる。
それを無事に受け止められて、鍛えた甲斐があったなあなどと思うのだった。
暫く、様子を見るように腰と腰とを擦り合わせるように抱擁しあう。
「騎乗位が……女性上位プランが……」
と何事か聞こえた気がしたが、これも名誉のため聞こえなかったことにしよう。
そして、再び互いの体温を感じ合う場面となったが、今度は結合した状態なので、恐ろしく背徳的な気持ちになる。
「実はお姉さん、あの日から今日するまで結構悩んでまして」
ぽつりとお姉さんが耳元で囁く。
「少年と繋がって、それでも少年は受け入れて、一緒にいてくれて」
「それに私はこのまま甘えていいのかな」
「こうして、身体で繋ぎ止めようたい卑怯者じゃないかな、と」
続けてぽつりぽつりと言葉を紡ぐ合間にも熱っぽい吐息が挟まるが、何となくトーンは昏い。
夜明け前の一番濃い闇が、朝鳴きを控えた痛いほどの静寂が、僕も一緒に泣いてしまいそうなほどに、痛い。
僕は上半身ごとお姉さんを起こし、真っ直ぐ見つめて口を開いた。
「お姉さんが好きです」
「……!」
「いい加減な教養でも楽しみ方を教えてくれることも。大人な雰囲気を出してても子供みたいな生き方してるのも。結構寂しがり屋で、紛らわせに浅い教養を探してるのも」
そして、綺麗な髪と顔も結構大きな胸とパンパンで太い脚とお尻も」
「ちょっと少年?」
おっと口が滑った。照れ隠し照れ隠し。
「そんな……面白くて、変で、ニセ教養お姉さんが、丸ごと好きです」
僕は、改めてメガネの無い眼差しで出来る限り真剣に言った。
薄暗いし自分じゃ分からないけど、きっと顔は真っ赤だ。
「だから、ねえ。ありふれた言葉の関係で定義付けしなくても、今は保留状態でもいいから、僕は貴女と繋がっていたいです」
僕は、貴女と今を、沢山重ねたいんです。
僕は言えるだけのことを言い切って、言葉を終える。全然上手くは言えないけれど、これが今の精一杯の思いだった。
「……そ、その告白は、もう、その、プ……」
「プ?」
「……ああッ! もう後でいいですッ!」
なんでだかわからないけれど、お姉さんは恥じらいを誤魔化すよう僕を突き飛ばし、再び騎乗位の姿勢になって答えてくれる。
「今は保留の、いい加減な関係……それでもいいのなら、私もキミが好き……」
僕の胸に手を突いて見下ろすようにして、裸体のまま言葉を紡ぐ。
情念が揺らめくような微笑みに、僕はただ見惚れてしまう。
ついに昇り始めた陽光が微かに照らす目元に、僕は確かに輝く雫を見た。
「ああでも将来についての答えはドラゴンボール15巻の47pで」
「いやネタがわかりにくいですお姉さんっ……?」
「あーもーうっさいです!」
んちゅ、と、誤魔化すように覆いかぶさり、お姉さんに唇を塞がれてしまう。
同時に、結合したままだった腰をゆっくりとかき回すように揺する。
すると必然、お姉さんのたわわが僕の胸に押し付けられ、ゴム鞠のように変形して……。
僕は負けじとヒップを掴んで、深く繋がろうとする。想像以上に張りがある!
僕のその行動にびっくりしたのか、お姉さんは切ない声を上げて僕の胸に倒れ込んでくる。しかし、その間も僕はお尻を掴み、動かし、自分もお姉さんも良くなるように肉体を捏ね上げる。
ぐちゅ、ぐちゅ、と、湿っぽい音が響いて、もう境目が分からなくなるくらい熱い。
「年上の立場がぁ……」
と、ちっちゃく呟いていたが、もう僕は限界だった。
同様にお姉さんも最高潮まで達してくれたらしい。
僕たちは、目を見つめあいながら……。
……。
。
夜明けの陽に照らされる郊外道路を安全な速度で車が走る。
どちらともなくつけたカーラジオは、聞いたこともないパーソナリティの爽やかなトークを無言の空間に披露していた。
繋がったまま同時に寝落ちし、人が来るギリギリ前に起きた僕たちは一言も喋らず車内と着衣の後始末をし、そそくさと駐車場を出た。ちゃんと数えるわけもないが、数台は車が前を通過してた気がする。
深夜テンションで言った弱音や、歯の浮くようなこっぱずかしい告白を思い出し、気まずくお互いチラチラ視線を交わしあう。二人とも、背筋も心なしか丸まってる気がする。
「えー……少年?」
「……はい」
「やっぱり、車の中だと狭いし、腰が痛いです。ふとももがピクピクします」
「……はい」
「なにより人の車を汚す罪悪感が後からジワジワきます」
「……はい」
いやウチの車なんだけども。言う気力はないけども。
「……やっぱり、ホテル行きましょう。お金出すので」
「率直過ぎて発言危なすぎですお姉さん」
「お風呂でのびのびしたいし身体洗いっこしたいしもっかいやりたいです少年。ゴムの貯蔵は十分ですぞよ」
「なんですかそれは」
もう完全に淫行目的だよお姉さん。
「……一応、ルートのホテル検索してよかったけど、暫く節約しないと……」
「お金僕が出すんで……先にご飯買いにコンビニ寄りましょう」
「ありがとうね……優しき少年……」
いいってことよ。
「……提案というかもう決めましたけど、やっぱ私の部屋をヤリ部屋に」
「言い方ぁ……」
そのあと一緒にお風呂で普通にほっこりして、仮眠を取ろうとお互い言ったはずなのにそのあと普通に愛を深め合って、もう一回お風呂でホカホカした。
口淫チャレンジも流れでやった。