※この作品はR-18です。

オリ主と食戟のソーマ ~禁の皿~   作:江合生成貫夫

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某AIで出力したものに手を加えた作品です。
誤字だったり、色々ミスがあるかもしれません。

オリジナル主人公が『食戟のソーマ』のヒロインたちとスケベしまくります。
苦手な方は絶対に読み進めないでください。

だいたい女性優位で、マジで前戯ばっかです(特に口)。


編入試験

 

 

 

 

 

『ディッシュ』でソ(・)ー(・)ス(・)を搾られてから、月日が経ち──春になった。

 

結局おれは、あの出来事と、小林竜胆という存在を忘れられなかった。

彼女と出会わなければ、決して試(・)験(・)を受けに来なかっただろう。

 

そう。おれは今、遠月茶寮料理學園に来ていた。

 

広大な敷地にそびえ立つ、学園の豪奢な正門。

春の桜が舞い散る中、編入試験の会場である指定の調理棟へと続く道には、全国から集まった腕自慢の若き料理人たちが顔を強張らせて集まっていた。誰もがこれからの過酷な試験を前にして圧倒され、周囲には重苦しい緊張感が漂っている。

 

そんなピリピリとした空気など一切お構いなしに、背後から小気味よい足音と明るい声が響いた。

 

「おっ! その後ろ姿……やっぱり来やがったな!」

 

聞き覚えのある声と共に、真紅のロングヘアが春風に揺れる。

そこに立っていたのは小林竜胆だった。蛇のような金色の瞳をらんらんと輝かせ、ブレザーの下の胸元をルーズに開けた着こなしは、冬にディッシュに現れた時のままだ。

 

「逃げずに来たのは褒めてやる! さすが、あたしが見込んだだけはあるじゃん」

 

竜胆は嬉しそうに牙を覗かせて笑うと、ズラリと並ぶ他の受験生たちを面白そうにぐるりと見回した。

 

「でもな、ここから先はマジのバケモン揃いだぜ? 遠月の編入試験はハンパねーからな。お前がどこまで通用するか、あたしもすっげー楽しみにしてんだ」

 

周囲の受験生たちが「なんだあの先輩……」「十傑の小林竜胆じゃないか!?」とざわめき始める中、彼女は全く気にする素振りを見せず、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべる。

 

「今日の試験官が誰かは……まぁ、会場に入ってからのお楽しみだな。せいぜいあたしをガッカリさせないでくれよ? 無事に合格して、またあたしにとびっきりのメシを食わせてみろって」

 

激励とも挑発ともとれる言葉を残し、竜胆はヒラヒラと手を振りながら、関係者専用の通路へと軽やかな足取りで消えていった。

いよいよ、遠月茶寮料理學園での過酷な戦いが幕を開けようとしていた。

 

「まあ、やるだけやってみよう」

 

ここまでの交通費を無駄にしないためにも、逃げ帰るわけにはいかない。おれは周りの生徒についていった。

 

広大な調理室には、最新鋭の調理器具が備え付けられた調理台が等間隔に並んでいた。

全国から集まった数十名の受験生たちは、それぞれ指定された台の前に立ち、見えない重圧に押し潰されそうになりながら試験官の登場を待っている。

 

静まり返った会場に、不意にコツ、コツ、と足音が響いた。

 

「これより、遠月茶寮料理學園高等部・編入試験を執り行います!」

 

凛とした声と共に現れたのは、書類を抱えた赤紫色のショートヘアの女生徒だった。しかし、受験生たちの視線を釘付けにしたのは彼女ではない。その女生徒の後ろから、圧倒的なオーラを纏って壇上へと歩みを進めてきたもう一人の少女だ。

 

艶やかな金髪を揺らし、腕を組んで冷たく見下ろしてくるその少女の姿を見た瞬間、会場の空気が凍りついた。

 

「な、薙切えりなだ……!」

「うそだろ……編入試験の試験官が、『神の舌(ゴッドタン)』なのかよ……!?」

 

周囲の受験生たちが、絶望に染まった声を漏らす。

薙切えりな。遠月学園総帥の孫娘にして、中等部のトップ。そして、学園の最高意思決定機関である『遠月十傑評議会』に最年少で名を連ねる、料理界の至宝。

 

彼女が口にした料理の評価は業界の絶対的な基準となり、もしここで彼女に「不味(まず)い」と烙印を押されれば、料理人としての未来は完全に絶たれてしまう。

 

ざわめきと恐怖が伝染する中、えりなはつまらなそうに紫がかった瞳で受験生たちを一瞥した。

 

「静かにしなさい。全く、どいつもこいつも凡庸な顔ぶれね。私の貴重な時間を割く価値があるのかしら」

 

溜息をつきながら、えりなは冷徹な声で告げた。

 

「本日の課題のメイン食材は『卵』。これを使って、一つ料理を作りなさい」

 

付き従っていた女生徒――新戸緋沙子が、すかさず補足する。

 

「なお、薙切えりな様の舌に合わない品を出した者は、その時点で不合格とし、以後一切の遠月の敷居を跨ぐことを禁じます。以上。辞退する者は、今のうちに退出を許可します」

 

その宣言は、死刑宣告にも等しかった。

神の舌を前にして、自分の料理が通用するはずがない。料理人としての生命を絶たれる恐怖に耐えきれず、「ひぃっ……!」と悲鳴を上げて逃げ出す者が続出する。あっという間に数十人いた受験生たちは背を向けて走り出し、広大な調理室は逃げ惑う足音で溢れかえった。

 

「むむむ……」

 

テレビか何かで見かけたが、やはり──オーラが違う。それからおっぱいも違う。

えりなだけでなく、隣の秘書っぽい子もそうだ。もしかしてこの学園には巨乳が多いのか。

いや料理界の女には巨乳が多いのか。

 

ふざけた考えを巡らせていた。

 

悲鳴を上げて逃げ惑う受験生たちの足音はやがて遠ざかり、広大な調理室には呆気ないほどあっという間に静寂が落ちた。

 

壇上では、えりなが腕を組み、ひどく退屈そうにため息をついていた。その動作に合わせて、制服のブレザー越しでもわかる豊かな双丘がふわりと揺れる。

 

「……やはり、ただの有象無象ね。私の時間を割く価値なんて無かったわ」

「はい。えりな様の神の舌を満足させる者など、そうそういるはずもありません。それでは、本日の試験はこれにて──」

 

隣に立つ緋沙子が手元のバインダーを閉じかけた、その時だった。

 

「あれっ? なんだ、みんな帰っちまったのか?」

 

閑散とした調理室に、ひどく気の抜けた声が響いた。

見れば、無人となった数多の調理台の真ん中あたりで、一人の少年がポツンと立っている。

 

ツンツンに逆立った赤髪に、左眉にある傷跡。

この超絶エリート校には場違いに思える黒いTシャツ姿のその少年は、逃げ惑う周囲の狂乱などまるで意に介していなかったかのように、手の中で弄んでいた卵をポンと軽く放り投げた。

 

えりなが放つ、他者を萎縮させるような圧倒的なプレッシャーとは真逆の、どこまでも自然体で、それでいて揺るぎない自信。彼もまた、周囲の受験生とは全く違う異質なオーラを放っていた。

 

「まあいいや。えーっと、試験官さん!」

 

赤髪の少年は、壇上で見下ろすえりなに向かって気さくに声を張る。

 

「とりあえず、卵を使った料理を出せばいいんだよな?」

 

「……は?」

 

えりなの紫色の瞳が、信じられないものを見るようにスッと細められる。

自分の絶対的な脅しを聞いてもなお、逃げ出さずに残っている者が、目の前に二人もいるのだから。

 

「あなたたち……私の宣告が聞こえなかったの? この私、薙切えりなの審査を受けるという意味がわかっているのかしら」

 

不快感に眉をひそめるえりなと、その横で「無礼な!」と鋭い視線を送ってくる緋沙子。

そして、マイペースに調理器具の確認を始めている赤髪の少年――幸平創真。

 

奇しくも、この広大な調理室に残った受験生は、たった二人だけとなっていた。

 

「おれと同じ、自由人(フリーダム)なにおいがする」

 

それが、創真に対しての第一印象だった。

 

彼が準備を始めるのを目にして、おれも調理に取り掛かった。

逃げ帰った者たちに対しては、「もったいない」という感想だけだった。

 

やがて──おれは料理を完成させた。

シンプルすぎるスクランブルエッグだった。

ちゃんとザーメンソースを使っている。ここに来る前に搾り出して、小瓶に詰めていたのだ。

 

薙切えりな相手では、出(・)し(・)惜(・)し(・)み(・)はできないと思った。

 

「……スクランブルエッグ? それが、あなたが出す一皿かしら?」

 

差し出されたごく普通のスクランブルエッグを見下ろし、えりなは心底呆れたようにため息をついた。腕を組んだまま、冷ややかな紫色の瞳で蔑むように見つめてくる。

 

「神の舌を持つこの私に、そんなどこにでもある朝食めいたものを出すなんて……正気とは思えないわね。私を愚弄しているのかしら」

 

隣に立つ緋沙子も、険しい表情で鋭い視線を向けてきた。

 

「えりな様に対し、なんと無礼な! そのような品、本来であればお口に入れることすら──」

 

「いいわ、緋沙子。一口だけ食べて、さっさと不合格を言い渡してあげる」

 

えりなは冷徹に言い放つと、フォークを手に取った。ほんの少しだけスクランブルエッグをすくい上げ、微塵の期待も持たない退屈そうな表情のまま、それを口へと運ぶ。

もぐ、と。一口、咀嚼した瞬間だった。

 

「──ッ!?」

 

えりなの動きが、ピタリと静止した。

紫色の瞳が極限まで見開かれ、フォークを持つ手が微かに震え始める。

 

(な、何よこれ……!? 卵のまろやかさの中に潜む、この暴力的なまでの深いコク……!)

 

『神の舌』が、その味の正体を瞬時に分析しようとフル回転する。しかし、彼女の頭脳の中にある世界中の超高級食材、ありとあらゆる調味料のデータベースをいくら検索しても、全く該当するものが見当たらない。

 

(未知の味……!? なのに、どうしてこんなにも……脳髄を直接かき回されるような、強烈な快感が……ッ!)

 

「あ……ぅ、んっ……!」

 

えりなの抜けるように白い頬が、一瞬にして朱に染まった。

カッと全身が熱に包まれ、ぷつりと糸が切れたように膝から力が抜ける。たまらず調理台に両手をつき、がくりと体を沈めさせた。

 

「え、えりな様!? いかがなされたのですか!?」

 

緋沙子が顔を青ざめさせて慌てて駆け寄るが、えりなはそれに答える余裕すらない。

 

「はぁっ……あ……っ、んん……ッ!」

 

ブレザー越しの豊かな胸元が、激しい動悸に合わせて大きく上下している。額にはじんわりと汗が浮かび、ピンと張っていた気高い表情は、抗いがたい強烈な味覚の快楽に完全に蕩けきっていた。全身の奥底から込み上げる熱い痺れに、彼女の細い体がビクビクと震えている。

 

(ダメ……っ。頭が真っ白に……理性が、溶けていく……!)

 

「はぁっ……はぁっ……あな、た……な、何を入れたの……?」

 

荒い息を吐きながら、えりなは潤んでトロンとした瞳で上目遣いに見上げてきた。

その声には先ほどの絶対的な威厳など欠片もなく、熱っぽく、ひどく甘く震えている。

 

「この私が……正体を暴けないなんて……っ」

 

ただのシンプルなスクランブルエッグだったはずの残りの皿へ、えりなは無意識のうちに手を伸ばしかけ──ハッと我に返って必死にその手を引っ込めた。

しかし、その紫色の瞳は皿に釘付けになったまま離れず、明らかに『もっと味わいたい』という本能的な激しい渇望に支配されていた。

 

「おお……」

 

ヤバい、えっちぃ。

しかし抑えろ。この場で膨らませるんじゃない、色々と面倒なことになる。猛りそうになる股間を必死にこらえた。

 

同時に──おれは安堵していた。

神の舌を持つ彼女でも、隠し味の正体が分からず戸惑っている。受かるかどうかよりも、そちらの方が心配だった。

 

竜胆はよく一発で見抜いたものだ。獣の勘というやつだろうか。

 

「お口にあったようで何より。ほら、彼も完成したみたいっすよ」

 

「え、えりな様……!? お気を確かに! 貴様、えりな様に一体何を食わせたのだ!」

 

新戸緋沙子が血相を変えて、えりなを庇うように前に出た。ブラウスとリボンタイに包まれた豊かな胸を怒りで激しく上下させながら、鋭い視線で睨みつけてくる。

 

「ただのスクランブルエッグに、妙な薬でも混入したのではないだろうな! 答えろ!」

 

「ひ、緋沙子……控えなさい……っ。私は、何とも……ないわ……ッ」

 

緋沙子を制止するように、えりなが震える手で調理台を掴み、ゆっくりと体を起こした。

額にはまだうっすらと汗が浮かび、長い金髪が艶かしく肌に張り付いている。抜けるように白い顔は首筋まで真っ赤に紅潮し、紫色の瞳はトロンと潤んだままだ。気丈に腕を組んで威厳を保とうとしているが、その仕草がブレザーの下の豊かな双丘をさらに強調し、荒い呼吸に合わせて扇情的に揺らしてしまっていることに、本人は気付いていない。

 

「こ、こんな……得体の知れない下品な味……神の舌を持つこの私が、認めるわけがないでしょう……ッ!」

 

精一杯の強がりを口にするものの、その声はいつもの冷徹さを欠き、甘く上ずっていた。口では拒絶しながらも、彼女の体は隠し味の強烈な快楽に屈服し、余韻に震え続けている。

 

そんな異様な空気が漂う審査席に、もう一人の受験生――幸平創真が歩み寄ってきた。

 

「おおっ! なんだか知らねーけど、すげー反応してんな。そっちの料理、めちゃくちゃ美味そうじゃん」

 

創真は悪びれる様子もなくカラカラと笑うと、手にしたお椀をドンッとえりなたちの前に置いた。

 

「さてと、俺のも完成だ! 卵を使った、ゆきひら流『化けるふりかけごはん』! さあ、試験官さん……おあがりよ!」

 

「な……ふりかけ、ごはん……ですって!?」

 

えりなの紫色の瞳が、信じられないものを見るように見開かれた。

ただでさえ未知の快楽をもたらすスクランブルエッグで身も心もかき乱され、限界ギリギリの状態である。そこに追い打ちをかけるように、今度はB級グルメの代表格のような底辺の料理を出されたのだ。

 

「次から次へと……私を馬鹿にするのも、大概になさい……ッ!」

 

えりなは屈辱と、未だ下腹の奥でジンジンと燻り続ける熱い疼きに耐えるように、ギュッと両太ももを擦り合わせた。

 

創真の出した品に口をつける前から文句を垂れているえりなを目にして、おれはつい──。

 

「庶民食を侮るとは……ボンボンは」

 

失言をかましてしまった。大きな声ではないが、相手にも聞こえる声量だった。

 

ああ、言ってしまった。とっさに口元を押さえる。

 

「貴様ッ……! 今、えりな様を何と呼んだ!!」

 

ぼそりとこぼしたその言葉を逃さず、緋沙子が激昂して前に出た。

彼女にとって、えりなを侮辱されることは自身の命を狙われるよりも許しがたいことなのだ。

 

「遠月総帥の御孫様であり、十傑であるお方に向かってボンボンだと……!? 己の立場もわきまえぬ愚か者め!」

 

今にも掴みかかってきそうな剣幕の緋沙子だったが、それを制したのは他ならぬえりなだった。

 

「……いいわ、緋沙子。お下がりなさい」

「し、しかしえりな様! このような無礼な輩を──」

「底辺を這いずり回る野良犬の遠吠えなど、まともに取り合うだけ無駄よ」

 

えりなは冷徹な声でピシャリと言い放つ。

しかし、その態度とは裏腹に、彼女の体は未だに先ほどのスクランブルエッグがもたらした余韻から抜け出せていなかった。組んだ腕の下にある豊かな胸はかすかに上下し、抜けるように白い肌には微かな朱色が残っている。こちらを睨みつける紫色の瞳も、どこか熱っぽく潤んだままだ。

 

(なんなのよ、あいつは……っ。あんな下品で、卑猥な味をこの私に食べさせるなんて……。まだ、体の芯が熱くて……ッ)

 

えりなは必死に下腹の奥で疼く熱を無視しようと、ギュッと太ももに力を込めた。

 

そんなピリピリとした空気をよそに、幸平創真は呆れたように頭を掻いた。

 

「おいおい、そんなに怒んなって。料理人なら、料理で語り合おうぜ? ほら、俺の化けるふりかけごはん! 早く食ってくれよ」

 

ニコッと人懐っこく笑い、ドンッとえりなの前に置かれたお椀を押し出す。

 

「……ッ」

 

えりなは忌々しげに創真のお椀を見下ろした。

普段であれば、このようなB級グルメなど絶対に口にしない。即座にゴミ箱へ叩き込んで不合格を言い渡すところだ。

だが今の彼女には、口の中と脳髄にこびりついた、あの『スクランブルエッグの強烈な快楽』を、別の味で一刻も早く上書きして消し去りたいという焦りがあった。

 

「……いいでしょう。そこまで言うなら、一口だけ食べてあげるわ」

 

えりなは震える指先を隠すように優雅な動作でスプーンを手に取ると、黄金色の煮こごりが乗ったふりかけごはんをすくい上げた。

 

「庶民の泥まみれの知恵が、この『神の舌』に通用するはずがないこと……その身に刻んで、今すぐここから立ち去りなさい!」

 

そう宣言し、えりなはスプーンをふくみ、ふりかけごはんを口へと運んだ。

咀嚼した瞬間。

 

「…………ぁっ!?」

 

えりなの紫色の瞳が、再び大きく見開かれた。

鶏ガラから抽出された濃厚な旨味のゼリーが、温かいご飯の上でとろりと溶け出し、卵の優しい風味と見事に絡み合って口いっぱいに広がる。

 

「な、何よこれ……っ。深い……なんて深い味わい……! 安っぽいふりかけが、極上の逸品に……化けた……っ!?」

 

スクランブルエッグで極限まで敏感になっていた『神の舌』に、創真の計算し尽くされた旨味が容赦なく叩き込まれる。

相乗効果によって引き起こされた味覚の奔流は、もはや彼女の理性を完全に吹き飛ばした。

 

「あぁっ……んんっ……!!」

 

えりなはたまらず天を仰ぎ、熱い吐息を漏らした。

ブレザーのボタンが弾け飛びそうなほど豊かな胸が大きく反り返り、腰から砕け落ちるようにして調理台に突っ伏す。もはや試験官としての威厳など微塵もなく、二つの未知なる美食の波状攻撃によって、その気高い身も心もドロドロに蕩けきってしまっていた。

 

「おお……すごいな」

 

あの偉そうな、いや実際偉いのだが──薙切えりなを悶えさせている。この男は只者ではない。

 

あれこそ創意工夫である。反則みたいな素材(ザーメン)でゴリ押ししてきたおれにはない強みであり、この遠月学園で手に入れたい技術と知恵であった。

 

「あー、いつまでエクスタs……じゃなかった」

 

また失言しそうになって、おれは咳払いした。

 

「どうですか、結果は。そんなにおいしく味わってくれたんだから……もちろん……」

 

合格ですよね。そう言わんばかりの視線をえりなに向ける。

 

彼女の白い喉が、ゴクリと艶かしく鳴った。

調理台にすがりつくようにして荒い息を吐いていた彼女は、おれと創真を交互に睨みつけた。

その顔は熟れた果実のように真っ赤に染まり、気丈に振る舞おうとしているものの、ブレザーの下の豊かな双丘は未だに激しい波を打っている。下腹の奥でじんじんと疼く、おれの隠し味がもたらした媚薬のような熱。そして、創真の料理がもたらした強烈な旨味の奔流。

 

二つの未曾有の快感に挟まれ、彼女の気高いプライドはズタズタにされていた。

この『神の舌』を持つ自分が、こんな底辺の、得体の知れない料理に屈服させられたなどと、絶対に認めるわけにはいかない。

 

「……ふ、ふごう……かく……っ」

 

震える唇から、消え入りそうな声が漏れる。

えりなはギュッと両太ももを擦り合わせ、残された理性を総動員して身を起こすと、涙目になりながら二人に向かって声を振り絞った。

 

「不合格よッ!! こんな……こんな下品で卑しい料理、この私が認めるわけないでしょう!? ふ、二人とも不合格! 今すぐ私の前から消えなさいッ!!」

 

「え、えりな様!? お、お気を確かに……っ!」

 

慌てて駆け寄った緋沙子がえりなの細い体を支え、怒りに満ちた鋭い視線でこちらを睨みつけてくる。

 

「えりな様の御意だ! 貴様らのような下賤な輩に、遠月の門をくぐる資格などない! えりな様のご気分をこれ以上害する前に、さっさと荷物をまとめて出て行けッ!」

 

緋沙子の剣幕に、創真は手首に巻いていた白いハチマキを解きながらポカンと口を開けた。

 

「えー? あんなにイイ反応してたのになぁ……なんだよ、不合格かよ」

 

不満げに頭を掻く創真の横で、えりなは緋沙子に縋るようにして、慌てて背を向けた。

 

(あんなの……あんな卑猥な味、絶対に認めない……ッ! 認めないんだから……!)

 

乱れた息を必死に整えようとしているが、歩き出した彼女の後ろ姿は、どう見ても二人の料理による強烈な『余韻』から逃れられず、内股気味にガクガクと震えていた。そのまま逃げるように、えりなと緋沙子はそそくさと会場の奥へと姿を消していった。

 

「やむを得ないな」

 

おれは荷物をまとめると、さっさと試験会場を後にした。

 

春の陽気が心地よい遠月学園の敷地内。

足早に調理棟の外へ出ると、桜の木の下で壁に寄りかかっていた人影がピクリと反応した。

 

「おっ! 出てきた出てきた! ……って、なんだよお前、ずいぶん呆気ない顔してんじゃん」

 

真紅のロングヘアを春風に揺らし、小林竜胆が牙を覗かせて笑いかけてくる。

彼女は壁から背中を離すと、小気味良い足音を立てて距離を詰めてくる。

 

「どーだった? 今日の試験官、えりなだったんだろ? ……あははっ! もしかして、不合格くらったのか? あのプライドの塊みたいな神の舌じゃ、お前のあの理性をぶっ飛ばすヤバい隠し味は、意地でも認められなかったってワケだ」

 

ケラケラと楽しそうに笑うと、竜胆はポンッと肩を叩いてきた。

彼女の言う通り、えりなのあの反応と不合格という結果は、同じく遠月の頂点に立つ竜胆には手に取るようにわかっていたらしい。

 

「ま、安心しろって。お前やあの赤髪の面白いやつを、この学園がこのまま逃がすわけねーからさ。結果はそのうちひっくり返るって。それより──」

 

ピタリ、と。

竜胆の笑い声が止み、蛇のような金色の瞳がねっとりとした熱を帯びる。

 

彼女は周囲に他の受験生がいないことを確認すると、ズイッと身を乗り出し、開いた胸元の豊かな双丘を腕にぐにゅりと押し付けてきた。冬の『ディッシュ』で見せた、あの飢えた野獣のような表情だ。

 

「遠月に来たら、毎日あたし専用に作らせてやるって約束……忘れてねーよな? えりなに食わせた分、あたしの胃袋はすっげー嫉妬してんだぜ。なぁ、早くあたしにもよこせよ。たっぷり溜め込んだ、極上の原液(ザーメン)……」

 

甘い匂いを漂わせながら、竜胆は艶やかな赤い舌でペロリと自身の唇を舐めめぐらせた。

 

「うッ……ちょ、こんなところで……」

 

腕に押し付けられた見事な感触に、即座に反応してしまいそうだった。

相変わらず、なんておっぱいしてるんだこの人は。もちろん褒め言葉である。

 

「あはっ、口ではこんなところでなんて言ってるくせにさぁ……あたしがちょっと腕に胸押し付けただけで、もうこんなにビクビク脈打ってんじゃんか。中学生の坊主から、いっちょ前に高校生になったからって、そのスケベっぷりと反応の良さは全然変わってねーなー!」

「お、お言葉ですが先輩……遠月学園に編入できるか、確定とは言えないんじゃ? 相当キレ散らかしてましたよ、あのお嬢様」

 

竜胆はケラケラと楽しそうに笑うと、離れるどころかさらに腕に押し付けてくる。おっぱいがマシュマロみたいに押しつぶされていた。

 

「えりながキレ散らかしてた? あっはは! そりゃそうだろ、あのプライド激高お嬢様が、得体の知れない味に理性をぶっ飛ばされて、腰まで砕けちまったんだからな! 認めたくないに決まってるさ。でもな、安心しろって」

 

竜胆はそこでふっと声を落とし、遠月十傑としての余裕に満ちた笑みを浮かべた。

 

「この遠月の総帥が、お前らみたいなバケモンじみた飯を作れるヤツらを見逃すわけがねー。ま、そのうちしれっと合格通知が届くって! 万が一落ちたとしても、あたしが権力使って無理やりねじ込んで、あたしの専(・)属(・)シ(・)ェ(・)フ(・)にしてやるから心配すんな!」

 

バンバンと景気良く背中を叩いた後、竜胆は再び艶やかな金色の瞳にねっとりとした熱を宿し、じっと股間の立派な膨らみを見下ろした。

 

「……てことで、編入確定の前祝いといこうぜ? さすがにここは他の受験生が来るかもしれないけどさ……」

 

ペロリと赤い舌で自身の唇を舐めめぐらせると、竜胆は腕に絡みついたまま、強引にぐいっと引っ張って歩き出した。向かう先は、桜の木々が生い茂り、完全に死角となっている敷地の奥深くだ。

 

「この春休み中、ずーっとお前の味が忘れられなくてさぁ……ウズウズして、夜も眠れないくらいヤバかったんだぜ? ほら、ウダウダ言ってないで早く来いって! 誰も来ねーとこで、限界までパンパンに溜め込んだお前の隠し味……あたしの口の中に、一滴残らず全部注ぎ込んでくれよ……!」

 

おれは抗えなかった。あの出来事を忘れられなかったのは、こちらも同じ。

おれが──おれの股間が忘れられるわけがない。

 

「よし、ここなら誰も来ねーだろ!」

 

桜の太い幹の裏側、完全に周囲の視界から遮られた死角に辿り着くや否や、竜胆はおれの背中をドンッと木に押し付けた。

春の柔らかな日差しから隠れた薄暗い木陰。風に乗って舞う桜の花びらよりも、至近距離に立つ彼女から漂う甘く熟れたような汗の匂いが、強烈に鼻腔を支配する。

 

「そんな緊張すんなって。もうパンパンになってんじゃん」

 

ニヤリと牙を覗かせて笑うと、竜胆は迷うことなくおれのズボンの金具に手をかけ、一気にジッパーを下ろした。

カチャリ、という音が静かな木陰に響き、下着ごと無造作に引き下げられる。外の空気に触れて弾け出たのは、すでに限界まで熱を持ち、先端からとろりと透明な蜜を滴らせている猛々しい硬直だった。

 

「おーおー、すっげー元気! えりなに不合格くらって落ち込んでるかと思ったら、下半身はあたしに食われる気満々じゃん」

 

竜胆は嬉しそうに目を細め、その場にぺたりと膝をついた。

ブレザーの下の谷間が、彼女の荒くなり始めた呼吸に合わせて扇情的に揺れた。

 

「えりなのやつ、こんな極上の原液(ザーメン)をたっぷり含んだ料理を出されたなんて、夢にも思ってねーだろうな……あーあ、なんか腹立ってきた。やっぱお前の隠し味は、他の誰にも知られずに、あたしだけのモンにしておきたいわ」

 

独占欲を滲ませた熱い声で囁くと、竜胆は先端から溢れ出ている我慢汁を指先ですくい取り、艶やかな赤い舌でペロリと舐め取った。

 

「んっ……あぁ、これこれ。この濃くてヤバい匂いと味。春休み中、ずっと欲しくてたまらなくて、頭がおかしくなりそうだったんだぜ……ッ!」

 

獲物を前にした蛇のように金色の瞳をらんらんと輝かせると、彼女は自身の唇を舌で舐めめぐらせた。

 

「あの店でやった時より、もっと激しく食ってやる。あたしの舌と喉で、限界まで溜め込んだお前の全部……一滴残らず搾り取ってやるから覚悟しろよな」

 

竜胆は大きく口を開けると、躊躇うことなく、熱くそそり立つ先端から根元までを一気に深く咥え込んだ。

 

「んぐっ……! ちゅぷ、じゅるるるるっ……!!」

 

温かく濡れた口腔内と、暴れるような柔軟な舌使い。

再会の飢えを満たすように、竜胆は頬をすぼめて強烈な吸引力で吸い上げながら、敏感なカリ首を執拗に舌先で転がし始めた。ズズッ、ズズズッ、と卑猥な水音が、静かな桜の木陰に響き渡る。

 

「んあっ! あ、あ、ううっ……!」

 

相変わらず、遠慮を知らない竜胆の口技。それが気持ちよくて、素直な反応を見せてしまう。表情が緩み、はあはあと息を荒げる。

彼女の口内では、待ちわびていたかのように肉棒が悶え、汁を溢れさせていた。

 

「んちゅっ、じゅるるるるっ……! んぐっ、ちゅぷ、ずずずっ……!!」

 

竜胆は獲物に食らいつく野獣のように、激しく頭を上下させていた。熱く火照った口腔内で硬直を奥深くまで飲み込み、暴れるように柔軟な舌を絡みつかせる。

 

先端からとめどなく溢れ出す濃い蜜を味わいながら、彼女の蛇のような金色の瞳が、嬉々として細められた。

 

「んぷはっ……! あははっ、すっげーいい声出してんじゃん! あたしの舌が絡むたびに、ビクビク跳ねて……めっちゃ熱いぜ」

 

銀色の糸を引いて一度口を離すと、竜胆は荒い息を吐きながら、艶やかな赤い舌で自身の唇をペロリと舐め取った。頬はすでに欲情で真っ赤に染まっていた。

「あたしがずっと欲しかった味……やっぱり最高だ。でもさ、こんなもんじゃ全然足りねーんだわ」

 

竜胆は両手でおれの太ももをガッチリと掴み、自身の豊満な谷間を足にぐにゅりと強く擦り付けた。

 

「遠月に来るの、ずっと待ってたんだからな……もう限界なんだよ。ほら、出し惜しみすんなって」

 

再び金色の瞳にねっとりとした飢えを宿し、竜胆は大きく口を開ける。

今度は根元まで一気に咥え込むと、頬がすぼまるほどの強烈なバキュームで吸い上げにかかった。同時に、空いた両手で睾丸を包み込み、急かすように優しく、だが力強く揉みほぐしてくる。

 

「んぐっ……! じゅぽっ、ずずずずっ……!! んむぅっ……!」

 

下から見上げてくる金色の瞳が、「早く全部よこせ」と強烈に挑発してくる。

獲物のすべてを搾り取ろうとする圧倒的な舌使いと、底なしの食欲。竜胆はおれの限界を迎えさせるべく、容赦のない奉仕で一気に絶頂へと追い込みにかかった。

 

「んああっ! それ、きもちぃ……いッ!!」

 

以前彼女に搾られてから、極力オナニーを控えていた。また彼女から気持ちよく搾り取られたかったからだ。

 

「竜胆先輩のおくちに射精(で)るっ!!」

 

どぴゅどぴゅどぴゅっ! びゅるるるるるるるっ!

 

「んぐっ……!? んむぅぅっ……!!」

 

激しい勢いで喉奥へ叩きつけられる熱量に、竜胆の瞳が見開かれる。

しかし彼女は一切怯むことなく、むしろ喉を鳴らし、貪るようにそのすべてを受け止め始めた。

 

「ごきゅっ……んぐ、こくっ……ちゅぷっ……!」

 

長いこと溜め込まれていた濃密な原液が、次から次へと溢れ出す。

口腔を満たすその圧倒的なコクと快楽に、竜胆の全身が歓喜で震え、荒い息が鼻から漏れる。ビクビクと脈打つ先端を舌先で優しく宥めながら、一滴たりとも零すまいと力強く吸い上げ続けた。

 

やがて脈動が静まると、名残惜しそうに唇を離す。

 

「ぷはっ……! はぁっ……はぁっ……!」

 

口の端から溢れそうになった雫を、赤い舌でペロリと艶かしく舐め取ると、竜胆は恍惚とした表情で笑った。

 

「あっはは……! すっげぇ量……! 喉がカッと熱くなって、頭の奥まで痺れちまいそうだぜ……!」

 

紅潮した顔に荒い息を吐きながら、胸元を大きく波打たせる。

 

「溜め込んでた甲斐があったな。あたしの舌をこんなに満足させるなんて……やっぱりお前、最高だわ」

 

満足げに目を細めた竜胆は、木陰の隙間から差し込む光を見上げ、身なりを整えながら立ち上がった。

 

「さて……これであたしの腹も一旦は落ち着いた。入学式の日が楽しみだぜ、カヅキ。次は学園の中で、もっと美味いもんをあたしに食わせてみろ」

 

「はーっ……はーっ……は、はい……」

 

本当はもっと搾り取られたかったが、時間と場所が問題だった。

 

竜胆と短い挨拶を交わすと、遠月学園を後にした。

 

こうして、おれの編入試験は不合格という結果で幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

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