特級チー牛と性処理支援相談員さん【国家公認】 作:メロディ下村
【この話の登場人物】
・スカーレット(私)……性処理支援相談員(二十六歳)。アメリカ出身の、化学メーカーの研究者。赤毛のお団子に、そばかす。名器の代用品を、データで凛に決めた。
・凛……元・認定監察課の監察官(二十七歳)。十月から相談員。黒髪ショートボブに、鋭いつり目。書類の不備は見逃さない。
・紫乃……元・認定監察課の監察官(二十八歳)。凛の先輩で、京都の出身。泣きぼくろに、九十七センチのHカップ。
・ジャンヌ……ガブリエルの婚約者(二十七歳)。フランス出身の、堅物の爆乳美人。
・響子……長谷部の妻(二十七歳)。広告代理店の営業で、相談員を兼ねている。気が強く、肉付きのいい尻と太もも。
・ソア……牛山の大学の後輩(十九歳)。韓国の元アイドルの留学生で、晒しグループの想い人。黒髪のハイポニーテールに、すらりと長い美脚。
・あげは……渋谷のネイルサロンの共同経営者(二十三歳)。ギャルの、Iカップのカリスマネイリスト。
・牛山千尋……国に認定された特級チー牛。大学を中退したばかりのキモオタ。
「入って」
私が声をかけると、部屋のドアが開いた。
入ってきたのは三人の相談員だった。
今朝、箱を開けてすぐに私が呼んでおいたのだ。響子は会社を抜け、ソアは講義を一つ休み、あげははサロンの予約をずらして来てくれた。
残りの箱は三つ。代用品も三人。数は合っている。
三人はそろいのキャンペーンガールの衣装で並んでいた。白いボディコンのミニワンピースで、胸にはあのメーカーのロゴが刷ってある。施設の衣装部屋で見つけた販促用の衣装だ。
「“キツキツ新人アイドル”の代わりは、元アイドルのソアが務めるから。本物のアイドル、試してみなよ」
ソアは片脚を少し引いて立っていた。ハイポニーテールの毛先で赤いインナーカラーが揺れる。
「“言いなり人妻”の代用品は、本物の人妻の私、響子が務めるわ。言いなりになるかは、保証しないけど」
響子は腰に手を当てて堂々と立っていた。左の薬指では結婚指輪が光ったままだ。
「“天然とろとろギャル汁”の代わりに、あげはが、オタクくんのチンポ、気持ちよくしちゃうし」
あげはの胸のロゴは、Iカップに横へ引き伸ばされて読めなかった。本人はそれを「ウケる」と笑っている。
『しょんなぁ。オナホールがいいのにぃ。生膣じゃなくて、オナホールで射精したいよぉ』
牛山は紫乃の谷間に顔を半分うずめて、べそをかいた。
一人目はソアだった。
ソアは牛山の腰をまたぐと、膝を大きく開いてしゃがみ込んだ。真上からすとんと腰を落とす。
「あはっ♡アイドルのマンコ、狭いでしょ? 牛山くんのチンポ、ぎちぎちに咥えてるよ♡」
『きつっ、なにこれっ』
ソアは膝のばねだけで腰を持ち上げては落とした。ずちゅっ、ずちゅっ、とステップを踏むような音に、少しの乱れもない。がに股に開いた付け根で細い穴がチンポを呑んでは吐き出していく。
「っ……奥、当たるたび……ステップ、ずれちゃ……っ♡あっ♡んっ♡子宮、こんこんって……っ♡」
私は“キツキツ新人アイドル”の細い穴に指を一本ねじ込んでみせた。
「ねえ、牛山くん。そっちの“新人アイドル”の穴と、本物のマンコ、どっちがきつい?」
『わ、わかんねえよっ。そっちは、挿れたことねえしっ』
「じゃあ、こっちで覚えときなよ。本物のアイドルの、マンコのきつさ♡」
ソアは得意げに笑って腰を打ち下ろす速さを上げた。その奥に牛山は一度目のザーメンを吐き出した。ソアは膝を開いたまま腰を止め、ハイポニーテールの毛先を震わせて最後の脈まで受け止めた。
「イっ……ちゃ……っ♡あっ♡んっ♡」
私は樹脂の穴を揉む手を止めなかった。止めたら自分のショーツの奥がじわりと湿るのに気づいてしまう。
「なか、どくどくって……っ♡牛山くんの、ザーメン……エグ、ぃ……っ♡」
二人目は、あげは。
あげはは牛山のほうを向いて跨がると、両手を牛山の腹にぺたりとついた。派手なネイルが肌に軽く食い込む。
「オタクくん、あげはの番ね。チンポ、もらうし……ん、ふぁ……っ♡」
『ぬるぬるっ……とろっとろじゃん』
「ウケる♡天然のギャル汁なんだから、当たり前じゃね? あげはのまんこ、ずっとオタクくん待ってたし♡」
“ローション無添加”をうたう樹脂は、ローションがしみ出すだけの仕掛けだ。あげはのマンコのほうは跨がる前からとろとろに濡れていた。
腰を揺するたびにIカップがボディコンの生地を内側から突き上げては、ずしりと落ちる。何度目かに大きく揺れたとき、胸元から片方のデカ乳がぶるんとこぼれ出た。先っぽでは勃起乳首がぷっくりと尖っている。
「あ、出ちゃった♡ま、いっか。見てて、オタクくん。あげはの勃起乳首♡」
『あげは、エロ……っ』
「……オタクくん、これ、ほんとに……気持ちいい……♡チンポ、おく、ごりごりって……しゅご……っ♡」
いつもの軽口が消えたところで、牛山は二度目のザーメンを吐き出した。あげはは派手なネイルを牛山の腹に食い込ませたまま、背中を丸めて受け止めた。
「あっ♡あっ♡イく、あげは、イっちゃ……っ♡」
ぐちゅり、と濡れた音が私の耳まで届いた。手の中の樹脂をどれだけ揉んでも、あんな音は出てこない。子宮のあたりがきゅんと疼いた。
「おく、あつ……っ♡あげはの、まんこのなか……しゅごい、ザーメンいっぱい……♡」
三人目は響子。
響子は牛山に背を向けて跨がり、肉付きのいいデカ尻をずっしりと腰の上に下ろした。
『ふひっ? なんか、ゆるくね?』
「失礼ね。十代と比べないでくれる? 人妻のマンコは、奥で味わうものでしょ」
響子は鼻を鳴らして尻を上下させはじめた。握力で締めつけを好きに変えられる“言いなり人妻”と違って、人妻の穴は思いどおりにならない。感じるほど、ひとりでにチンポへ吸いついていくのだ。
「……っ、や、だ……ひとりでに、吸いついちゃう……っ♡おまんこ、言うこと、聞かない……っ♡」
『なんだこれ、吸ってくる……っ』
「あなたのちんぽじゃ……っ、ここまで、来ないでしょ……っ♡子宮、こんなに、ぐりぐりされたこと、ないっ♡」
ここにいない夫の、長谷部に言っているのだとすぐにわかった。デカ尻が打ち下ろされるたびに、ぱんっと湿った音が弾ける。響子は薬指の指輪を震わせながら三度目のザーメンを受け止めた。
「イくっ♡イっ、く……っ♡あっ♡あぁっ♡」
「はぁ……っ♡奥に、ザーメン、かかってる……♡あなたのじゃ、一度も、届かなかったとこ……っ♡」
牛山はその日オナホールに一度も触れないまま、三人のマンコに一度ずつ出した。
そのあいだ私は箱を開け、仕様を読み、樹脂の穴を揉んでみせるので手いっぱいだった。
だから気づかなかった。凛が私のタブレットを手に取っていたことに。
◇
「スカーレットさん」
響子が牛山の上から下りたところで、凛が手を挙げた。ブラウスとスカートを身につけ直し、もう片方の手には私のタブレットを持っている。
「五つ目の箱は、どこですか」
「言ったでしょ。伝票の誤記よ」
「伝票の重量は、四つの箱の合計より、六百グラム重くなっています。緩衝材は、入っていませんでした」
凛は段ボールの伝票を指でとんと叩いた。そうだった。書類の不備を見つけることにかけて、凛の右に出る者はいない。
『ふひっ。スカーレット、なんか隠してんの?』
「隠してない。あれは、その……研究用に、私が個人で買ったの」
「伝票の宛名は、牛山様です」
凛は間を置かずに言った。
『え、じゃあ、それ俺のじゃん』
「あんたのじゃない、私の私物よ!」
言ってから、しまったと思った。
「では、あるんですね」
紫乃が浴衣の袖で口元を隠した。
「ほほ……スカーレットさん、語るに落ちてはるわぁ」
「それと、こちらの表です」
凛はタブレットの画面を私に向けた。
「入館の身体測定の記録を、相談員の欄を、上から順にたどりました。スカーレットさんの欄だけ、照合した跡がありません。名器のときは、私の行しか見せてくれませんでしたよね」
「個人の数字だもの」
「では、ご自分の数字も、見せて困ることはありませんね」
名器の代用品に選ばれた仕返しを、凛は存分に楽しんでいる。笑いこそしないが、つり目の端がわずかに得意げだった。
「わたくしが、お持ちいたしましょうか。スカーレットさんのお部屋から」
ジャンヌが几帳面に申し出た。部屋じゅうを探される前に、私は白状した。
「……クローゼットの、上の段」
ジャンヌが持ってきた箱を、凛は膝の上で開けた。
「“生意気エリート♀わからせホール”」
「ちょ、商品名ウケる」
「あはっ。スカーレットっぽ」
あげはとソアが絨毯の上で肩を寄せ合って笑った。
「入口は狭く、奥は浅め。締めつけは強く、濡れやすい」
凛はタブレットに数字を打ち込んだ。私が自室でかけた時間の半分もかからなかった。
「一致率、一位はスカーレットさんです。二位の私とは、比べものになりません」
分析で一位を取るのには慣れている。そばかすの上まで赤くなっているのが自分でもわかる一位は、初めてだった。
『ふひっ。わからせホールの代わりが、スカーレット? いつも俺のこと、クズって言ってるくせに』
「数字の取り方が、雑。品番の公称値なんて、あてにならない」
私は最後の抵抗を試みた。
「スカーレットさんが名器のときに使った取り方と、同じです」
「……ハハッ」
乾いた笑いしか出てこなかった。
さっき自室で五つ目の箱の商品名と仕様を見たとき、手が止まった。その仕様は、入館の記録で覚えている私の数字とほとんど同じだったのだ。
見下していた男に、わからせられる女。その代わりなど私が務めるわけにはいかない。だから名器の照合からも自分の行を外し、箱はクローゼットにしまった。
「最後に、一つ。その白衣の下、何を着てるんですか」
「……関係ないでしょ」
「関係あります。代用品は、すぐ脱げないと困りますから」
言い返せなかった。白衣に着替えるとき、私はその下に下着しか着なかったのだ。
私は白衣のボタンを上から外した。肩から滑らせると、白衣は足元にすとんと落ちた。下は黒い下着だけだ。
「え、やば。スカーレット、最初からそれ?」
あげはがネイルの指で口元を押さえた。
「……最初から、その格好だったんですね」
凛は小さく鼻を鳴らした。
「合理的に判断して、あなたです」
名器のときに私が言った台詞をそっくりそのまま返された。
『ふひっ。ほら、スカーレット。ハメてやるから、跨がれよ』
昼寝から起こしたとき、牛山が言ったのと同じ台詞だった。
あのときは断った。今は、断る理由が、一つも残っていなかった。
◇
ブラのホックを外し、ショーツを脚から抜く。
一七二センチの細い体に手足だけがやけに長い。胸は大きすぎないが、形には自信がある。頬から鼻にかけて散ったそばかすは、肩口にも少しだけ続いていた。
脱いだショーツの内側は恥ずかしいほど濡れていた。三人の代わりばんこをすぐそばで見ていたのだ。私はそれを足元の白衣の下へ押し込んだ。
紫乃とジャンヌが牛山の背中に枕を積み直した。牛山は背もたれに寄りかかって上体を起こしている。
「背中を向けて、お座りください。皆さんのほうを、向いて」
凛が言った。
凛はディルドには手を伸ばさなかった。片手にホール、片手にタブレットを持って、ソファベッドの正面に立っている。読み上げるだけで十分だと言わんばかりだった。
絨毯の上にはソアとあげはと響子が並んで座っていた。キャンペーンガールの白い衣装が三つ、私を見上げている。
私は牛山に背を向けてその腰をまたいだ。
着任の日、このソファベッドに組み敷かれた。あのときは牛山の顔しか見えなかった。今日は、牛山の顔だけが見えない。
反り返ったチンポの先が、濡れたマンコの入口に触れた。何度も出したあとなのに入口の粘膜に脈がとくとくと伝わってくるほど、まだ硬い。触れただけで、私の穴は欲しがってひくついた。
「商品説明を、読み上げます」
凛がタブレットに目を落とした。
「『いつも見下してくる、生意気なエリート女。その穴が、あなた専用になる』」
「……誰が、専用よ。クズのチンポ専用なんて、お断りってわけ」
言い返しながら私は腰を沈めた。ぬぷり、と亀頭がマンコの入口をこじ開ける。
『きつっ。ふひっ、入口、めっちゃ締めてくるじゃん』
「『入口は高慢にきつく、奥は素直に吸いつく』」
凛の声に合わせるように私は根元まで腰を落とした。
「ん、くっ……ふ、ぁ……っ♡おっき、ぃ……っ♡」
奥に、亀頭がごつりと当たった。その瞬間、子宮口が勝手にチンポの先へ吸いついた。説明書きのとおりに。
「あっ♡あっ♡んぅっ♡」
届いたオナホールは私の私物だ。わからせホールも私のもの。
ではその代わりを務めている私は、誰のモノなのか。
答えが浮かんだ瞬間、入口がひくりと引きつった。
子宮が、きゅんと疼いた。
「あはっ♡説明どおりじゃん」
ソアが手を叩いて笑った。
正面から見られるのは慣れていなかった。いつもなら牛山の上で顔をしかめていれば済む。今日は私の顔も、勃起した乳首も、チンポを咥えたマンコも、全部がみんなの目の前にある。
主導権だけは、渡さない。
私は腰を回し、入口のあたりで亀頭を浅くくわえて、ぎゅっ、ぎゅっと締め上げた。入館の記録で私がいちばん高い数字を出していた項目だ。入口の締めつけなら私は誰にも負けない。
『それ、やべっ』
私の尻の下で牛山の太ももがびくっとこわばった。ほら。結局この男は私の締めつけ一つで呻くのだ。
そう思った瞬間、牛山の舌が私のうなじに触れた。
「っ、あ♡そこ、は……っ♡だめ、首、だめ……っ♡」
首筋はだめなのだ。舌の腹が肩口から耳の下まで、べろりと一息に舐め上げる。
うなじから尾てい骨まで背骨を一つずつなぞるように、ぞくぞくが走り下りていく。締め上げていたはずの入口がふにゃりとほどける。ほどけた穴の奥からマン汁がじゅわっとあふれてチンポを伝った。
悔しい。こんなクズのおもちゃになんて、なりたくない。なのにこの体は持ち主の舌を覚えている。
『ふひっ。いつもの偉そうな口、どうしたんだよ』
「うる、さい……っ♡クズ……っ♡クズの、チンポ、なんかで……っ♡ん、ぁ……っ♡」
クズ、と言ったはずの声は、語尾が裏返って鼻にかかっていた。
「『最初は口が悪い。けれど、奥まで挿れれば、最後は自分から腰を振る』」
凛の声がすぐ前から聞こえた。
気づけば私の腰は勝手に上下していた。止めようとしても、止まらない。首筋を舐められるたびに腰が媚びるように沈んでいく。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と私のマンコから粘ついた音が立つ。部屋じゅうに聞こえているはずだった。
「あっ♡あっ♡あんっ♡チンポ、おく、とどいて……っ♡」
「スカーレット、顔、とろけてね? マンコもチンポ咥えて、ひくひくしてるし」
あげはが身を乗り出してのぞき込んできた。
「あはは。いい顔してるじゃない。ちんぽに負けた女の顔よ、それ」
響子が膝を抱えて笑っている。言い返したいのに言葉が一つも出てこない。
「……ずるい。こんなの、ずるいでしょ……っ♡」
出てきたのはそれだけだった。
牛山の両手は私の腰をつかんでいる。いつもなら私と凛が左右から吸ってやる牛山の乳首は、今日は私の背中に押しつけられて隠れている。
代わりに紫乃とジャンヌが、私の前に膝をついた。
「ほほ……いつもは、牛山様のを吸うてはる側やのにねぇ。こないに乳首、勃たせはって♡」
「失礼いたしますわ、スカーレットさん。こちらの乳首、お預かりいたしますわ」
「ちょ、待って、私の、乳首、じゃ……っ♡ん、あぁっ♡」
紫乃のぽってりと厚い唇が、私の右の乳首を乳輪ごと覆って吸い上げた。ジャンヌは舌先を細く尖らせて左の乳首の先を、右から左へ、几帳面に何度もなぞる。
大きすぎない胸は二人の口にすっぽりと収まってしまう。収まったまま、ちゅう、ちゅう、と交互に吸われた。吸われるたびに勃起乳首から子宮まで一本の糸を引かれたように疼きが走る。
「あっ♡あっ♡ちくび、だめ♡吸っちゃ、だめ……っ♡」
首筋を舐められながら、両方の乳首を吸われながら、奥を突き上げられている。いつもは私がしてやる側なのに、今日は全部されていた。
尽くす側だったはずの体が、持ち主の前で隅々まで差し出されている。恥ずかしいのに胸の奥のどこかが誇らしかった。
クズのチンポに、わからせられている。
「あっ、あぁ……っ♡んぁっ♡は、ぁ……っ♡あ゙っ♡そこ、ぜんぶ、だめ……っ♡チンポも、乳首も、首も、ぜんぶ、きもちい……っ♡」
自分の声とは思えなかった。
凛はもう何も読み上げていなかった。ホールを持ったまま、黙って私を見ている。読み上げる文句が残っていないのかもしれない。
説明書きの最後の一行まで、私の体が全部やってしまったから。
『なあ、スカーレット。このマンコ、誰のだよ』
「っ……あ、んたの……っ♡牛山の、マンコ……っ♡私のマンコ、あんた専用に、なっちゃう……っ♡」
言った瞬間、子宮口がチンポの先にちゅうっと吸いついた。口より先に穴のほうが答えを知っていたのだ。
「お゙っ♡おっ♡んおっ♡チンポ、しゅご……っ♡ずるい、ずるいぃ……っ♡」
皮肉の一つも出てこない。見下していたはずのクズのチンポに、私は奥から負かされていた。
『スカーレット、ベロ』
背中から牛山の声がした。射精の前に舌を吸わせろという、いつものわがままだ。
私は首をねじった。突き出された牛山の舌を唇で挟み、じゅるじゅると下品な音を立てて吸い上げる。乳首を吸う二人の頭が私の胸元で揺れていた。
「んむっ♡ぢゅるっ♡んっ♡んぅっ♡」
『ぷはっ。出る、スカーレット、出すぞっ』
「っ、だし、て……っ♡奥に……っ♡子宮に、クズのザーメン、ぜんぶ、だして……っ♡」
びゅるっ、どぷっ、びゅくっ。
奥で、肌より熱い飛沫が弾けた。どくん、どくんと脈打つたびに、ザーメンが子宮口に浴びせかけられる。
「イくっ♡イっ、くぅ……っ♡あっ♡あぁっ♡アクメ、きちゃ……っ♡」
「んっ♡んんぅ……っ♡あ、ぁあ……っ♡」
私も、アクメしていた。全員に見られたまま、ひくひくと引きつるマンコで、最後の一滴まで搾り取る。
「……私のマンコ、使って、いただいて……ありがとう、ございます……っ♡」
噛み殺すつもりだった言葉が、声になっていた。部屋にいる全員がそれを聞いていた。
持ち主の役に立てた。牛山のモノとしてちゃんと使ってもらえた。胸の奥が誇らしさでいっぱいになっていく。
私は牛山に背中を預けた。首筋に荒い息がかかる。つながったままのマンコから、ザーメンがとろりとあふれて牛山の太ももを伝った。
『ふひっ。スカーレットも、わからせられちゃったな』
言い返そうとして、やめた。
モノは持ち主に逆らわない。それが、いちばん合理的だ。
凛がホールを箱にしまった。
「商品説明の、とおりでした。記録します」
◇
照会の結果が届いたのは三日後だった。
昼寝から起こしたばかりの牛山に、凛はタブレットの画面を向けた。私もその横に立っていた。
「前払いの名義は、叡桜大学の学生です。五点とも、別々の名義で、同じ夜に注文されています」
凛はそれしか言わなかった。名前も読み上げなかった。
特級チー牛の禁止事項は、厚労省のサイトで誰でも読める。失格の条件を調べるのに手間はかからない。
牛山は画面に並んだ名前を、しばらく黙って見ていた。
『サークルの、あいつらだ。……オナホ、持って帰らせたんだった』
低い声だった。いつものふざけた調子がどこにもなかった。
私には画面の名前が誰なのか、わからない。牛山もそれ以上は言わなかった。
「ねえ、凛。あの入館の記録だけど。あんな測り方、調整官はどこで覚えたの」
「調整官は、以前、叡桜大学の理工学部で、助教をしていました。轟研究室です。監察のときに、経歴を拝見しました」
牛山が窓のほうへ目をそらした。
大学の話になると、この男はときどきこういう顔をする。理由は知らない。研究者の実験ノートみたいだ、という私の見立ては当たっていたらしい。
あとでソアにだけ、画面の名前を見せてみた。ソアはぱっと顔を輝かせた。
「あ、それ、私のファンじゃん。ソープのとき、もっと見せてって、すっごい言ってくれた人たち」
ソアは本気でそう思っているようだった。
◇
オナホールの代用品を務めたあとには、もう一つ仕事がある。
レビューだ。牛山が代用品を使ったあと、その感想を私たち相談員が通販サイトに投稿する。今回からそう決めた。
書くのは私たちで、牛山は射精するだけ。だから勤労には当たらない。
名づけて「特級チー牛の悲しいレビュー」。載せてから三日で、あのメーカーのオナホールの売上は、十倍以上に跳ね上がった。
たとえば凛の回のレビューはこうだ。書いたのは私だ。
“『搾精名器 TORNADO-8980』は、つり目の相談員さんでイメージしました。入口のきゅっと締まるところが、最高でした”
“耳を舐めたら、締めつけが倍になりました。本物の名器に、耳はついていないと思います”
響子の回はこう。
“『言いなり人妻』の感触をイメージしながら、本物の人妻の相談員さんの中で抜きました。本物じゃなくて、ごめんなさい”
“入れはじめはゆるめかと思ったら、感じてきたら、ひとりでに吸いついてきて、ぜんぜん言いなりじゃありませんでした”
ソアの回と、あげはの回。
“『キツキツ新人アイドル』を、本物の元アイドルで試しました。本物の元アイドルのほうが、きっとキツキツです”
“『天然とろとろギャル汁』は、本物のギャルの相談員さんでイメージしました。こちらは、ローションがしみ出す仕掛けではなく、ただの体質でした”
私の回のレビューは凛が書いた。消して、と言ったが、凛は消さなかった。
“『生意気エリート♀わからせホール』は、赤毛の相談員さんでイメージしました。最初は口が悪かったのに、最後は自分から腰を振っていました”
“射精のあと、お礼を言われました。本物のホールは、お礼を言わないと思います”
レビューには代用品を務めた相談員の写真を添える。キャンペーンガールの衣装で微笑んで座っているだけの写真だ。それでも相談員はとにかく美人すぎる。
S級女子の中を味わいたい男たちが、こぞって注文した。高い金を払って樹脂の穴を自分の物にするのだ。
一方の牛山は一円も払わず、何ひとつ持たないまま、写真の女たちの本物を持っている。おっぱいもキスも楽しめることは内緒だ。
世間の男どもは、本物のオナホールも使えない特級チー牛は、本当にみじめだと笑っているらしい。
けれどそう思っていない男も、何人かはいるはずだ。
響子の夫の長谷部は、妻の写真がついたレビューをいつか見つけるだろう。ソアのファンの学生たちも、ソアの写真がついた“キツキツ新人アイドル”をどこかで目にするかもしれない。
牛山を失格にさせるために送りつけた、五つの箱。それがソアの写真つきのレビューになって、彼らの画面へ戻っていく。
彼らがそのオナホールを注文するのかどうか、私は知らない。
私はそれを少しも気の毒だと思わない。
私たちは、牛山のものだから。
次回、最後の復讐。
更新は週末になります。
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