※この作品はR-18です。

特級チー牛と性処理支援相談員さん【国家公認】   作:メロディ下村

7 / 12
【この話で読めること】美人監察官/常識外れのハーレム/ナース姿の美女六人/おっぱい介護ベッド/パイズリ/バキュームフェラ/口内射精/結婚の監察/タマちゃん

【この話の登場人物】
・凛りん……厚生労働省 孤立青年保護局 認定監察課の監察官(公務員)。黒髪ショートボブに、鋭いつり目。負けん気が強い。

・紫乃しの……同じく監察官で、凛の先輩。京都出身の、Hカップの母性的な美女。丁寧な京言葉のまま毒を吐く。

・玲央奈れおな……特級チー牛の「ドスケベ福祉広域調整官」。相談員の取りまとめ役。腰まで届く黒髪の、冷たく澄ました美女。

・ひなた……千尋の大学の後輩(十九歳)。牛山お気に入りの「S級」の相談員。

・響子……長谷部の妻。広告代理店の営業と、「S級」の相談員を兼ねる。

・ジャンヌ……ガブリエルの婚約者。牛山お気に入りの「S級」の相談員。

・スカーレット……保護施設のフロントに立つ、赤毛の相談員。

・牛山千尋……国に認定された特級チー牛。大学を中退したばかりのキモオタ。


凛×紫乃 監察官、おっぱい介護ベッドを視察

 厚生労働省の孤立青年保護局に、表には出ない課があります。

 

 名前は、認定監察課。在籍しているのは、容姿もスタイルも知性も選び抜かれた、ごく数名の女性職員だけです。肩書きは「監察官」でした。

 

 監察の相手は、ただ一人。国が全国でただ一人認定した保護対象、特級チー牛の牛山千尋うしやまちひろです。彼の暮らしは、国と支援企業によって丸ごと支えられています。

 

 そのかわり、特級チー牛にはいくつもの禁止事項がありました。働くことと、収入を得ること、結婚すること。自分で物を買うことに、道具を使った自慰まで禁じられています。

 

 なかでも重いのが、勤労意欲と向上心です。「働きたい」「大学に戻りたい」。そんな言葉を一言でも口にすれば、特級チー牛は失格となり、支援はすべて打ち切られます。

 

 だから監察課は、不定期に特級チー牛を監察します。自堕落な暮らしを、きちんと全うしているか。それを確かめるのが、彼女たちの仕事でした。

 

 今回の監察には、きっかけがありました。先月、課に一通の匿名の通報が届いていたのです。

 

“特級チー牛・牛山千尋は、大学に戻りたがっている”

 

◇

 

 十月の、土曜日の午後でした。

 

「特級チー牛の保護施設は、ここで間違いない?」

 

「ええ、間違いあらへんわ」

 

 元高級ホテルの前に、スーツ姿の美女が二人、並んで立っていました。認定監察課の監察官、凛りんと紫乃しのです。

 

「通報が本当なら、今日で終わり。化けの皮、はいでやる」

 

 好戦的に建物を見上げたのは、凛です。

 

 耳にかけた黒髪のショートボブの下から、鋭いつり目がのぞいています。負けん気の強さが、その目にそのまま表れていました。

 

 モデルでも敵わないスタイルを、小さめで露出の多いスーツに包んでいます。胸元の深く開いたジャケットに、短いタイトスカート。施設に乗り込む日のために、課が用意した衣装でした。

 

 小さめのジャケットのせいで、スレンダーな体に主張するバストが、いっそう目立ちます。短い裾からは、長い美脚がまっすぐに伸びていました。それを恥じらうでもなく、凛は背筋を伸ばして着こなしています。

 

「熱うなったらあかんよ、凛ちゃん」

 

 たしなめたのは、先輩の紫乃でした。

 

 スレンダーな凛とは対照的に、女の色香があふれる母性的な美女です。肩までの焦げ茶のゆるいウェーブに、泣きぼくろと肉厚な唇。

 

 凛と同じ監察のスーツを、仕立てのいい服のように品よく着ています。それなのに、ジャケットのボタンは、爆乳に今にも弾き飛ばされそうでした。タイトスカートは、丸みのある安産型のお尻に、ぱつぱつに張りつめています。

 

「特級チー牛なんて、甘えの極み。あんな暮らしに不満を感じない人間なんて、いるはずがない」

 

 凛が吐き捨てるように言うと、紫乃も頷きました。

 

「ほんまやねえ。国のお金で遊んではるだけの子ぉを、放っとくわけにはいかへんわ」

 

 自分の力で生きることを拒む人間など、いるはずがない。凛と紫乃は、そう信じていました。牛山を徹底的に調べ上げ、一般社会へ戻してやるつもりだったのです。

 

◇

 

 ロビーのフロントには、赤毛をお団子にまとめた、背の高い女性が立っていました。頬から鼻にかけて、そばかすが散っています。

 

 胸元の名札には「性処理支援相談員 スカーレット」とありました。国の制度の正式な職名ですから、凛は何の引っかかりも覚えません。まっすぐ身分証を示しました。

 

「厚生労働省孤立青年保護局、認定監察課の凛です」

 

「同じく、紫乃と申します」

 

「監察? ……ハハッ、あのクズの?」

 

 赤毛の女性は、灰緑の瞳を丸くして二人を見比べました。それから、乾いた笑いをこぼします。

 

「失礼。つまり、牛山様の監察ってわけ。責任者を呼んでくるので、少々お待ちを」

 

 エレベーターへ向かう背中を見送ると、二人はロビーを見渡しました。

 

「……本当に、美人しかいない」

 

 凛が呆れたように呟くと、紫乃も小さく息をつきました。

 

「それに、スタイルも……。ようけ集めはったもんやわ」

 

 ロビーには、相談員らしい女性が何人もいました。遠目にも、美人でスタイルのいい大人の女性ばかりです。コスプレパーティーのような服装で、誰もが生き生きと働いています。

 

 特級チー牛を認めない二人は、楽しそうな美女たちを冷ややかに眺めていました。

 

 やがて、エレベーターのほうから一人の女性が歩いてきました。

 

「お待たせいたしました。相談員を代表してご挨拶いたします。ドスケベ福祉広域調整官の、玲央奈れおなです」

 

 会釈をしたこの美女が、どうやら責任者のようです。

 

 調整官は、腰まで届く黒髪をまっすぐ下ろした美女でした。切れ長の目に、薄い唇。表情というものを、ほとんど動かしません。

 

 着ているのは、袖のない黒のチャイナドレスです。立ち襟を喉元まで留めた、隙のない着こなしでした。それなのに胸元だけが丸くくり抜かれ、白い谷間をのぞかせています。

 

 冷たい顔と、胸元の白い素肌の落差が、かえっていやらしく見えます。凛は、思わず眉をひそめました。指先には、深紅のネイルが光っています。

 

 挨拶を交わすと、調整官は二人の体を、上から下まで眺めました。測定器のように、温度のない目でした。

 

「本来なら入館審査を行うのですが……お二人なら、問題ありません」

 

「そう。それは光栄です」

 

 凛が皮肉まじりに返しても、調整官の顔は少しも動きませんでした。

 

「審査に、お手間をかける必要はありませんので」

 

 保護施設の本館は、男子禁制です。そのうえ、入るには厳しい条件があります。美しくてエロい女性であること。

 

 要するに、牛山が抱きたくなる美女しか入れないのです。監察課が選ばれた女性だけで作られているのは、そのためでした。

 

 目視だけで審査を通った二人は、調整官を見下すように見つめ返しました。

 

「牛山様は現在、最上階のサロンでおくつろぎです。ご案内します」

 

 エレベーターが動き出すと、調整官は振り返りました。

 

「牛山様は、救いようのないクズですから。無駄な監察、頑張ってください」

 

「っ!? ……ええ、遠慮なくやらせてもらいます」

 

 凛は、こめかみをひくつかせながら答えました。誇りある仕事を侮辱されても、挑発に乗ってはいけない。それでも、相談員などに負けるつもりはありません。

 

 紫乃も、名乗りのときから気になっていたことを尋ねました。

 

「ところで……ドスケベ福祉広域調整官て、どないなお仕事してはるの?」

 

「牛山様のドスケベな福祉を、広く調整する仕事です。相談員の采配も、施設の運営も含みます」

 

 調整官は、淡々と答えました。

 

「それから、常に牛山様をオカズに、スケベなことを考えるよう命じられています」

 

「特級チー牛で……スケベなことを?」

 

 紫乃が思わず聞き返すと、調整官は小さく頷きました。

 

「はい。着任してからは、隙あらば牛山様でスケベなことを考えています。どうすれば牛山様が興奮なさるのか。どんなご奉仕をお望みなのか。それから、タマちゃんの――」

 

 調整官は、そこで言葉を切りました。

 

「……いえ。失礼しました」

 

 一瞬だけ、冷たい声がとろけたように聞こえました。凛が顔を見たときには、もう元の無表情に戻っています。

 

 とんでもない内容を、眉ひとつ動かさずに語られて、凛も紫乃も少したじろいでいました。

 

 調整官の視線が、いつの間にか二人の胸元と腰に注がれていました。値踏みするような、何かを思い描いているような目つきです。凛は、階数表示へ目を逸らしました。

 

 短い沈黙のあと、エレベーターが止まりました。最上階です。

 

◇

 

「牛山様のお部屋になります。どうぞ、こちらへ」

 

 元はスイートルームだったのでしょう。上質な絨毯の上を進むと、女性たちの楽しげな声が聞こえてきました。その中に一つだけ、男の喘ぎ声が混じっています。

 

「牛山様、失礼いたします。お客様がいらっしゃいました」

 

 調整官は、サロンの中央へ歩み寄って声をかけました。

 

 凛と紫乃は顔を見合わせ、気を引き締め直してから後に続きます。そこで目にしたのは、二人の信念を揺るがすほどの、特級チー牛の姿でした。

 

「……認定監察課の方々です」

 

『ふひっ? ふあ、ぁ……ふぃぃ』

 

 サロンの中央、六人掛けの長いソファで、若い男があくびをしていました。特級チー牛、牛山千尋です。黒縁眼鏡に重たい前髪、ひょろりとした猫背の体を、素っ裸でさらしていました。

 

 凛と紫乃は、そろって息をのみました。

 

 驚いたのは、裸にではありません。牛山が寝転がっている場所にです。

 

 ソファには、相談員が六人、一列に並んで腰掛けていました。白いナース帽に、白いミニ丈のナース服。本物の看護師ではない、ナースもどきのコスプレです。

 

 六人とも、短い裾からむき出しの太ももを並べています。その六人分の膝の上に、牛山は横たわっていたのです。

 

 ナース服の胸元からは、そろって生の乳房がすくい出されていました。六人は身をかがめ、膝の上の牛山に、その膨らみをむにゅむにゅと擦りつけています。

 

 肩のあたりで乳を押しつけているのは、明るい巻き髪に、気の強いアーモンド形の目をした女性です。腹のあたりには、ふんわりボブで、笑うと頬にえくぼのへこむ子。腰のあたりのハニーブロンドの女性は、牛山の下腹をすっぽり覆う乳房の先に、大きく淡い色の乳輪を広げ、首元で小さな金の十字架を揺らしています。

 

 残る三人も、街ですれ違えば凛でも振り返りそうな顔立ちでした。それでも、真ん中の三人と並ぶと、どこか引き立て役に見えてしまいます。

 

「おっぱい介護ベッドです。中央の三人は、牛山様が特にお気に入りのS級。響子きょうこ、ひなた、ジャンヌです。ほかの三人は、A級になります」

 

 調整官が、淡々と紹介しました。巻き髪の響子の左手で、結婚指輪が光っています。

 

 介護ベッド。厚生労働省の職員として、凛にも聞き慣れた言葉です。けれど、こんな介護ベッドは見たことがありませんでした。

 

「認定監察課の、凛です」

 

「同じく、紫乃と申します」

 

『か、監察……?』

 

 六人の膝の敷き布団に、乳房の掛け布団。介護ベッドにくるまれた牛山の頭が、二人を見たとたんに、掛け布団のあいだからぐいっと持ち上がりました。

 

 落ちないように抱きしめられ、乳を擦りつけられながら、牛山はその乳肉にちょっかいを出しています。眼鏡の奥の目は落ち着きなく泳いでいるのに、口元だけがにやついていました。

 

 調整官が、すっと前に出ました。

 

「おくつろぎ中ですが、いかがなさいますか? ……監察など、無駄ですし」

 

『ふ、ふひっ……こ、こんなエロいお姉さんたちなら、ぜ、全然、いいですよ』

 

「エロっ!? ……ご協力、感謝します」

 

 凛の声が、わずかに裏返りました。

 

「……お忙しいところ、すんまへんなぁ」

 

 紫乃も、唇を噛んで頭を下げます。

 

 牛山は笑いながら両腕を上げ、並んだ乳房を端から順にはじいていました。ぷるるん、と揺れるたびに、ナースたちの声が鼻にかかって一段高くなります。

 

「あんっ……もう、乳首ばっかり弾かないでよ。じんじんしてきちゃうじゃない」

 

「ひぅっ……えへへ、そこ、弱いの知ってるくせにー……」

 

 その声の中を、二人は牛山に近づいていきました。

 

『お、おっぱい介護ベッドの上で、すみません。こ、これ、気持ちよくて……ふひっ』

 

「……普段どおりで、かまへんよ」

 

 紫乃が、努めて穏やかに答えます。凛がタブレットを開き、口を開きかけました。

 

「それでは、特級チー牛の監察を……え?」

 

「あっ……監察の方を見て、おっきなさいましたのね。わたくしの谷間で、牛山様のおチンポ、介護させていただきます」

 

 目新しい二人の姿に、牛山は興奮したのでしょう。介護ベッドの上で半勃ちだったものが、むくむくと頭をもたげ、腹から浮き上がっていきます。ひょろりとした体に似合わない、太く長い肉の棒でした。

 

 腰のあたりにいたジャンヌの乳房の下で、それがぶるんと一度しなって、乳肉を下から押し上げました。ジャンヌは、そそり立った怒張を、すかさず百六センチの谷間に挟み込みます。ジャンヌだけが、股間を重点的に責める動きに切り替えたのです。

 

「んっ……硬いのが、谷間で、どくどくと……。わたくしの胸のほうが、介護されているようですわ……っ」

 

 いきなり喘ぎだした牛山を前に、二人はどうしていいかわからず立ち尽くしました。

 

『お、おっぱい介護ベッドって、こ、これが……いいっ』

 

「……は、はあ」

 

 凛の口から、間の抜けた声が漏れました。調整官が、淡々と説明を添えます。

 

「牛山様が勃起なさったら、すぐにパイズリができる画期的な介護ベッドです」

 

「……さようですか」

 

 紫乃は、それだけ返すのがやっとでした。

 

 気持ちよさそうに気持ち悪い顔をする牛山と、眉ひとつ動かさずに解説する調整官。その取り合わせを見せられて、二人は出鼻をくじかれました。

 

 初っ端から怯んではいけない。凛と紫乃は深呼吸をして、監察課の誇りを胸に気を入れ直しました。

 

「取り乱して、失礼しました。それでは、監察を行います」

 

『ど、どうぞ、どうぞ……』

 

 凛は表情を引き締め、最初の質問を投げかけました。

 

「まず、特級チー牛は働いてはいけない。ご存じですね?」

 

『し、知ってます。つ、つまり、働かなくていいって、ことですよね……ふひっ』

 

 爆乳に包まれ、パイズリまでされながら、牛山はにやにやと喘いでいます。人間としては最低の、けれど特級チー牛としては正しい答えでした。

 

 紫乃が、続けて問いかけます。

 

「この様子やと、外にも出てはらへんみたいやね。……せやけど、内職くらいはできるんとちゃいます?」

 

『そ、相談員さんたちと、エッチするので、い、忙しくて……そ、そんな暇、ないです』

 

 牛山だけではありません。ソファの端に座るA級の三人も、二人を小馬鹿にした目で見ていました。

 

 だけどS級の三人は、監察官など目に入っていないようでした。牛山の体に柔肉を擦りつけ、その顔色だけをうかがって、奉仕に余念がありません。

 

「あはは、正直でえらいじゃない。ほら、ご褒美……んっ」

 

 肩のあたりにいる響子が、さばさばと笑いながら身をかがめました。結婚指輪の光る左手で牛山の頭を抱き寄せ、その顔を乳房に埋もれさせます。

 

「くっ……屈辱……!」

 

 質問は、業務の手順にすぎません。この男に仕事などできるはずがないと、二人とも本能でわかっていました。

 

 けれど、少し反則ですが、勤労意欲と向上心を試す奥の手があります。

 

 凛は、パイズリに腰をびくびくと跳ねさせている牛山の顔の前に、タブレットを差し出しました。

 

「特級チー牛向けの、特別求人が出ているのですが。ご覧になりませんか?」

 

『きゅ、求人? ……ちょ、調整官さん、読んで』

 

 調整官がタブレットを受け取り、すらすらと読み上げます。

 

「はい、牛山様。まずは、ASMRの収録現場のダミーヘッド役です。人気声優の囁きを、マイクの代わりに耳元で受けるお仕事。週一日の勤務で、月収五十万円」

 

『み、耳元で、囁き!? ……ふひぃ』

 

「次は、バニーガールのバーの覆面調査員。それから、人気VTuberの、中の人のプライベートマネージャー」

 

 牛山の目の色が、みるみる変わっていきました。

 

『な、中の人……!? す、すごっ。ま、待遇、よすぎじゃないですか』

 

「ええ。特級チー牛のための、特別求人ですので」

 

 凛が、すました顔で答えます。

 

 こんな馬鹿げた求人など、本当は存在しません。牛山の勤労意欲を釣るための餌です。

 

 これに釣られて「働きたい」と一言でも口にすれば、牛山は失格になります。反則すれすれですが、このクズなら喜んで飛びつくはず。凛はそう踏んで、もう一つの餌も用意していました。

 

「最後に、もう一件ございます」

 

 調整官が、画面をめくりました。

 

「叡桜えいおう大学理工学部、再入学のご案内。学費は全額免除。研究室も、ご希望どおり」

 

 調整官の声は、少しも揺れませんでした。

 

 牛山の体が、ぴたりと止まりました。にやついていた口元から、すっと笑いが消えます。

 

 通報のとおりだ。凛は、息を詰めて牛山を見つめました。

 

 ほんの一瞬、牛山の視線が宙をさまよいました。ジャンヌの谷間に挟まれたものまで、わずかに力を失ったように見えます。

 

『……や、やっぱ、やだ。と、特級チー牛で、いいです』

 

「なっ!? ……特級チー牛のままだと、収入はゼロですよ? 大学にも、二度と戻れません」

 

 凛が身を乗り出しました。

 

『い、いいです……相談員さんがいるから、お金、いらないし』

 

 牛山は、また口元をにやつかせていました。さっきの一瞬が、嘘だったかのようです。

 

「そ、そうなん……わかりました」

 

 固まった凛に代わって、紫乃がどうにか返事をしました。

 

 予想は、大外れでした。牛山の中には、「働く」という言葉そのものがないようです。大学の話も、ほんの一瞬、顔色が変わったように見えただけでした。

 

 凛は無駄になった求人票を閉じ、次の攻め手に移りました。うまい話で釣るのではなく、別の方向から責めるのです。

 

 次の資料を準備していると、牛山がいきなり大きく喘ぎました。

 

『も、もう出したい……パ、パフパフして!』

 

「「「はぁい、ぷるんぷるん♪ 牛山様っ、びゅっびゅしましょうねっ♪」」」

 

 六人のナースが、声をそろえて身をかがめました。十二の乳房が、牛山の顔を、胸を、腹を、一斉に押し包みます。

 

『お、おっぱい、おっぱい……ちょ、調整官さんっ』

 

「……承知しております。私の口で、牛山様の精液を、お受けします。はぁむっ……ちゅるるっ、ぢゅうっ」

 

 凛の目には、名前を呼ばれるより先に、調整官が動いていたように見えました。

 

 調整官はソファの前に膝をつき、ジャンヌが両手で揺すっている乳房のあいだへ顔を寄せます。谷間から突き出た亀頭に唇をかぶせ、頬をすぼめて吸い上げました。射精を促す、バキュームです。

 

 口の中では、平たい舌が裏筋にぴたりと張りついていました。吸い上げるたびに、舌の腹が傘の縁を一筆でなぞっていきます。

 

 空いた片手は、当然のように陰嚢を下から包んでいました。ひんやりとした白い指が、壊れものを扱うように、ずっしりと重い袋を揉みほぐしています。

 

 先端に吸いついたまま、調整官は髪をかき上げ、横目で牛山の顔をうかがいました。顔は、やはり少しも動いていません。それなのに、切れ長の目尻だけが、ほんのりと桜色に染まっているように見えました。

 

「「「牛山様っ、びゅっびゅっ♪ 牛山様っ、びゅっびゅっ♪」」」

 

「じゅぢゅるるっ……じゅるっ、じゅぞぞっ」

 

『で、出る……っ』

 

 ナースたちは思いきり身をかがめ、牛山を抱きしめました。ジャンヌが両手で双丘を交互に上下させ、ぱちゅぱちゅと音を立てて、竿を両側からしごき立てます。その谷間の先で、調整官の頭が小刻みに上下しました。

 

「あっ、あっ……挟んだまま、太く、なって……っ、乳房の芯まで、痺れて……っ♡」

 

 どびゅっ、びゅるるるっ。

 

 ソファの端で、牛山の脚がぴんっと伸びました。つま先が丸まり、ふくらはぎがひくひくと引きつります。おっぱいに包まれたまま、調整官の口の中へ射精しているのです。

 

 調整官の喉が、こくり、こくりと動きました。頬をすぼめたまま、一滴もこぼすまいと、噴き上がる白濁を吸い続けています。

 

 監察の途中で、勝手に射精する牛山。わけのわからない掛け声を合わせるナースたち。眉ひとつ動かさずに精液を受け止める調整官。

 

 凛と紫乃は、半開きの口を閉じることも忘れていました。

 

 タイトスカートの中で、凛の太ももがぴたりと閉じ合わされていました。紫乃は、無意識にジャケットの胸元を押さえています。どちらも、それに気づいてはいませんでした。

 

『き、きもちいい……』

 

「牛山様、お疲れさまでしたー。えへへ」

 

 ひなたが、えくぼを浮かべて牛山の頭を撫でました。

 

「じゅるっ、ごきゅっ、ごくっ……んっ、んぅ……ちゅぽんっ。……ふっ」

 

 牛山は、おっぱい介護ベッドの上に崩れるように伸びて、口の端から涎を垂らしたまま、ふひぃふひぃと息を漏らしていました。ナースたちは、マッサージでもするように、その体を撫で回しています。

 

 調整官は、膝をついたまま、口の中のものを飲み干しました。鼻で笑うような息を、小さく一つだけ漏らします。それから、凛と紫乃に会釈しました。

 

 そして、もう一度ジャンヌの谷間へ顔を寄せたのです。

 

『ご、ごめんなさい。な、なんでしたっけ?』

 

「申し訳ありません。射精が、何より最優先ですので。……喉の奥が、まだ熱いまま、です。お掃除いたします。ちゅっ、れろ……」

 

 平たい舌が、白く濡れた肉幹の根元に押し当てられました。そのまま、一筆で先端まで舐め上げていきます。舌の腹で筋の一本までこそげ取り、鈴口に残った分まで、ちゅうっと吸い出していました。

 

「な、なんか……えっと、違う、そうじゃなくて……つ、次は」

 

 凛は、タブレットをめくる指をもつれさせました。何を訊くつもりだったのか、頭から飛んでしまっています。

 

 見かねた紫乃が、そっと凛の手からタブレットを抜き取りました。次の項目に目を走らせ、静かに顔を上げます。

 

 そこに書かれていたのは、特級チー牛に決して許されないもの。

 

 結婚についての、質問でした。

 

◇

 

「特級チー牛は、結婚することがでけへん。それも、ご存じやね?」

 

 紫乃の声は、落ち着いていました。牛山の異常な振る舞いに、いちいち絶句していては先へ進めません。

 

『し、知ってますけど……結婚は、したいなぁ。ふひっ』

 

 牛山は、股間に顔をうずめている調整官に目を向けました。お掃除を終えた調整官は、いつの間にか陰嚢を舐めていたのです。平たい舌を皺に沿わせて、左右の玉を一つずつ、丁寧に舐め上げています。

 

『ちょ、調整官さん、ぼ、僕と結婚しない?』

 

「れろ、れろ……お断りします、牛山様。……はむっ、ちゅぷっ」

 

 調整官は、いったん袋から口を離して、きっぱりと断りました。表情は、少しも動いていません。それから何事もなかったように、また玉袋を口に含みました。

 

 特級チー牛には、職も収入もありません。結婚も、法令で禁じられています。それでも、さすがの牛山にも結婚願望はあるようでした。

 

 凛は、すかさず切り込みました。

 

「相談員がこれだけいるんです。隠れて婚約している、ということもあるのでは?」

 

『ふひっ、そ、そうそう。み、みんな、僕のお嫁さんになってよ……』

 

 牛山は質問に便乗して、介護ベッドのナースたちにまで求婚しました。

 

 真ん中のS級の三人は、困ったように首を横に振りました。

 

「結婚は、禁止ですからー」

 

 ひなたが、申し訳なさそうに眉を下げます。その手は、牛山の胸を撫で続けていました。

 

 ソファの端のA級の三人は、くすくすと笑っていました。ありえないし、と小声で言い合っています。

 

 この様子なら、本当に誰か一人くらいとは婚約しているかもしれない。凛がさらに問いただそうとすると、調整官が二人を見上げました。

 

「ちゅるっ、ぽっ……。あなた方も、同じ女としてお聞きします」

 

「……なんでしょう」

 

 凛が促すと、調整官は小さく首をかしげました。

 

「結婚など、ありえませんよね? 牛山様は、冴えないうえに無職で、何一つ取り柄のないクズですから」

 

「それなら、どうして相談員が務まるんですか」

 

 凛が、眉を吊り上げました。

 

「相談員は、立派な仕事です。ですが、牛山様に恋愛感情など起こりません」

 

『ふひっ……み、みんな、お仕事で、僕のを、しゃぶったり、してくれてるんです』

 

 調整官は、そこで両手を伸ばしました。ひんやりとした白い指が、唾液に濡れた陰嚢を、包み込みます。

 

「……ここへ来て、運命の人が誰か、分かりました。私が結婚したいのは、タマちゃんです」

 

 声が、とろけていました。エレベーターで一瞬だけ聞いた、あの、冷たさの抜けた声です。

 

「ですが、特級チー牛には、結婚が禁じられています。タマちゃんも、牛山様の一部ですから……」

 

 調整官は、包んだ袋に頬を寄せました。そのまま、頬ずりをします。

 

「……寒くない? 私の手、冷たいでしょう」

 

 恋人の髪を撫でるときのような、息の多い小さな声でした。調整官は切れ長の目を伏せ、左右のふくらみに、一つずつ口づけを落としていきます。

 

「今日も、たくさん出して、えらかったわ。……ずっと、一緒にいましょうね」

 

 牛山の顔は、一度も見ませんでした。

 

 凛と紫乃は、言葉を失いました。

 

 タマちゃん。それが、いま調整官の手の中にあるものの呼び名だと、二人はようやく理解したのです。




次回、凛×紫乃 監察官が受けるフェラとパイズリ実技試験

どのヒロインのエロが読みたいですか?

  • ひなた
  • ジャンヌ
  • 響子
  • あげは
  • ラクシュミ
  • 凛
  • 紫苑
  • メイファ
  • シア
  • スカーレット
  • 玲央奈
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。