※この作品はR-18です。

The Arrow of Silver ―銀弓の運命は砕け得るか― R-18 Edition   作:Delphinus

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1 一時の休みを得たチェルノボーグで、Wと

「それから、マドロックさんの建設会社はどうです? 順調、ええ、それは良かった」

 

「それにしても、都市防衛軍は中々様になって来ましたね。僕がいない間も、パトリオット達が訓練してくれたお陰です。ええ、予算についても必要な額を」

 

 大騎士領から帰還して、少し経つ頃。チェルノボーグは僕が帰るのと同時期、ウォルモンドの救援を終え、ウルサス南端から東端の航路に戻っていた。そうなって来ると当然。

 

「ふふ、今死ぬ程忙しいですね」

 

 死ぬ程忙しいと言う訳です。ウォルモンドではヴィクトリアのグレーシルクハットや、シラクーザの「関係無い」男、それから炎国の司歳台の監視を受けたと言う情報もあります。各国の注目は今後も余談を許さないでしょうね。

 

(シラクーザの「関係無い」男。無関係を装ったマフィアの構成員の可能性も、本当に無関係な他人の可能性もあるのが厄介な相手です。今回ウォルモンドで遭遇したのは、ミズ・シチリアの巨狼の口でしょうか。そうでなければ外部に伝手の広い、クルビアマフィアのロサッティファミリーか、今勢いのあるベッローネファミリー辺りが怪しいですが。そこまでは分かりませんね)

 

 長文の資料を作成して、出来上がった物をタルラさんの執務室に持って行くよう伝える。今回のカジミエーシュ行きの結果を一通り説明する物です。それにカジミエーシュで取り付けて来た各企業との契約についても、詳細な説明を添付してあります。そして資料を送った後、タルラさんから連絡を受けた。

 

「今回は休暇だと言っただろう。何で故郷に帰ってまで働いているんだ?」

 

「すみません、ちょっと想定外が重なってしまって」

 

 端末越しに、ジト目のタルラさんの言葉に答える。実際、カジミエーシュでは想定外が重なりました。僕なりに結果に還元したつもりではありますが。

 

「お前は皇帝のおもちゃでは無いぞ。全く、歴史的な敵国からウルサスに有利な通商条約を取り付けるなどと、休暇中に無茶な大仕事を」

 

「それは分かっていますけど、でも今がチャンスだったんです。僕がカジミエーシュに入国したら、商業連合会が荒れる事は確実でしたから」

 

「その混乱を利用すれば、ウルサス側に有利な条件で、取引を取ってこれるのは分かっていました。それにウルサス、カジミエーシュ間の国境も安定し、チェルノボーグにも充分な利益を『だから、そう言う所だ』……はぃ」

 

 タルラさんの言葉に、僕は何も言えません。休暇中に働いて来たのは、まあ事実ですからね。そしてタルラさんは僕に向けて言う。

 

「まあこちらにとっても、ウォルモンド救援の結果は予想以上だった。何より大きいのは、リターニアから多数の移住希望者が現れた事だ」

 

「リターニアから来た移住者達はアーツの教養に長ける上に、テラの平均的なレベルを大幅に上回る、高度な教育を受けている。お陰で足りない書類仕事が出来る官僚層を随分と補填出来そうだ」

 

「成る程、それなら良かったです」

 

「今後、リターニアから来た者達には、チェルノボーグでのアーツ教育への参加の他に、音楽教室も開講してもらおうと思っているんだ。それとリターニアの楽器店が何店か、チェルノボーグにも進出してくれる運びになった。これらは必ず役に立つ筈だ。と、それはそれとしてだ」

 

「お前には、改めて休暇を出しておこうと思う」

 

「宜しいのですか? タルラさん」

 

 タルラさんの言葉を反芻する。今この時期に休暇とは、良いのでしょうか。と思っていましたね。

 

「カジミエーシュでのお前は幾ら何でも働き過ぎだ。期限は1日だけだが、一度くらいしっかり休んでおけ」

 

「これは雪原で、長い間休暇を出してやれなかった分の詫びでもある」

 

「成る程、分かりました」

 

 ぺこり、頭を下げて答えた。

 

「そう言う事でしたら、しっかり休んで来ます」

 

「ああ、また働きに戻る時を待っている」

 

 そう言って、僕は通信を切った。そしてふとこう考える。

 

「タルラさんの休暇も、いずれ用意しなければね」

 

 

 

 

「聞いたわよ銀ピカ。今日はお休みなんでしょう」

 

「ええ、実はそうなんです。あ、洗濯物入れときますね」

 

 休暇当日、僕とWが住んでいるアパートの一室。カジミエーシュの家電店で購入して来た、最新の洗濯機に汚れた服を放り込む。後は洗剤と漂白剤、柔軟剤も入れてスイッチオン。

 

「それにしても便利な物ねえ、いつもの野営生活が馬鹿みたいに思えるわ」

 

「Wの場合、野営生活はどうだったんですか?」

 

「そりゃ酷い物よ。聞きたい?」

 

「いえ、Wが話したくないなら聞きませんよ」

 

「別に話したくないって程でも無いのよね……」

 

 そう言って、何とも言えない表情になるW。この部屋での家事は基本的に交代制。極端に忙しい場合は予定変更もあり得ます。お互い良く外泊しますからね。

 

「はーあ、嫌だわ。これじゃ暇になっちゃう。仕方がないわね、決めたわ銀ピカ。今からエッチしましょう」

 

「構いませんけど、そう言う事を不用意に言ってはいけませんよ」

 

 Wの茶化すような言葉に対して、僕は銀色の尻尾をわざわざ揺らす。そして答える。

 

「だって僕の場合、本当にしますから」

 

「あら、私達相思相愛なのね」

 

「ええ、当然です」

 

 ちゅうぅっ、Wの腰を抱いて、そのままキスをした。感染者同士なので、遠慮はしない。我慢もいらない。

 

「僕達は感染者です。だから感染の心配はしなくて良い。我慢、しませんよ?」

 

「我慢する気があったのかしら? 銀ピカ」

 

「我慢しないって言いました」

 

 そっと、Wのおっぱいに手を添えた。尻尾を絡めて、カジミエーシュ製の結構高いベッドに押し倒す。家具はカジミエーシュ企業の一式で揃えました。ウルサスで手に入る物に比べて、品質が良い上に高性能ですから。あんまり知られてませんけど、家具産業ってカジミエーシュの伝統なんですよ? 

 

「W」

 

「何?」

 

「愛してる」

 

「言っちゃ駄目よ、そんな事」

 

 Wの服に手を掛ける。そのまま指を走らせて、脱ぎ捨てるまでそんなに時間はかからない。

 

「ん、もう、手つきが上手いのね。経験はあんの?」

 

「いえ、全く。感染者になった後は、こう言った事は避けて来ましたし」

 

「カズデルだと、感染者かどうかなんて気にしてるの? って感じだけどね。……まあ、こう言う事なら尚更よ」

 

「ふふ、そう言う所がサルカズの美質ですね」

 

 クランタの尻尾を纏めているバンドを外す。散らばると困りますから、普段はバンドで纏めています。そうしているとWの手が、今度は僕の服に手をかけた。

 

「脱がせなさいよ、前から気になってたんだから」

 

「あ、ちょ、や、やめ、ひゃんっ」

 

 少々強引にシャツを脱がされる。はい、ばんざーい、と言うWに、両手をあげさせられる結果になった。そのまま両手からシャツが外れたら、Wはベッドの近くに置いている、小テーブルの上に置いてしまった。

 

「あ、ちょっと、待ってぇ、脱いだら、畳まないと皺にっ」

 

「もう、そんな事気にしてるの? オシャレさんねぇ」

 

「気にっしますよ。ここは戦場じゃないんですから。日常の過ごし方を覚えて、ひゃぁんっっっ」

 

「はい、下も脱いだ」

 

 ズボンを勢い良くずり下ろされて、遂に下着姿で露出する。Wは脱がせたズボンをシャツの上に放り出して、そのまま下着に手をかける。僕は言う。

 

「ど、どうぞっ」

 

「はあ、もう。なんだか調子狂うわ。妙に抵抗しないし」

 

「抵抗すべき物とそうでない物を、見分けているだけです。今のあなたは、そうでは無いでしょう?」

 

「もう、そう言う所が調子狂うのよ。ほら!」

 

 勢いよく脱ぎ捨てられた僕の下着。脱いだらまたあっさりと小テーブルの上に置いてしまう。そしてWは言う。

 

「はあぁ、結構大きいのねー、銀ピカの」

 

「え、へへ、結構自信あるんですから、僕の」

 

「もう、雰囲気狂わせるのやめなさいよ」

 

 ちゅうぅっ、今度はWが僕に口付けする。それを受け止めて、暫くした後僕は言った。

 

「W、おっぱいを揉んでも、良いですか?」

 

「良いとか悪いとか言わない。さっさと揉む」

 

「ふふ、嬉しい」

 

 つうぅ、おっぱいに手を這わせる。女の子の胸、触るのは始めて。ふふ、幸せだなぁ。

 

「何よ、にやけちゃって」

 

「にやけちゃいますよ、幸せ過ぎて」

 

「はあぁ、やっぱり調子狂うわ。あんたが相手だとひにゃぁっ」

 

「じゃあ、もっと狂わせてあげます」

 

 揉みぃっ、ぐにいぃっ、モミュッ、モニゅんって、両手を這わせて揉みしだく。ふふ、最高に幸せ。

 

「この際、遠慮なんかしません。したい事、今までしたかった事、全部しちゃいますよ?」

 

「ん、もう、無駄に上手くて、嫌になっちゃ、ひゃぁぁっ」

 

 Wを押し倒して、サルカズの尖った尻尾にクランタの尻尾を押し当てる。それから片手でロドス製薬製、感染者用避妊具をベッドの側の棚から取り出す。あの会社、こう言う製薬会社らしい仕事ちゃんとしてるんですね。

 

「それロドス製じゃない。よりによって使う訳?」

 

「使えるなら使いますよ。あの会社が、ちゃんと製薬会社をしている証明ですから」

 

「ハァァ、仕方無いわね」

 

 そう言って、ガバッと僕の身体を下から押しのける。体勢を変えたWが、避妊具を奪って装着させようとする。ちょ、ちょっと、恥ずかしい、ひにゃぁぁっ。

 

「ひにゃんっ、あ、ひゃぁんっ」

 

「悲鳴が可愛いのも考え物だわ」

 

 作業そのもの、は、あっさり行った。……、あ、準備、終わっちゃいました。

 

「準備、もう出来ちゃいました」

 

「そうねぇ、出来ちゃったわねぇ。それで、どうするの? 銀ピカ」

 

「そんなの、決まっています」

 

 Wの上から手を添えると、もうドキドキして来る。僕の童貞、こう言う形で終わるんだって。正直、感染者になって無胄盟を追い出されてから。いえ、実家を失って、誰もかけては来ない筈の電話がかかって来た時から、あの時クロガネの電話を受け取ってからずっと、恋愛なんてする気が無かったですから。

 

「今から、あなたとセックスします。嫌な事は、ちゃんと嫌って言って下さいね」

 

「何言ってんのよ。今更、嫌な事なんて早々無いわ」

 

「だからこそです」

 

 ちゅって、もう一度キスをする。驚いたWに、そのまま挿入してしまった。

 

「ひゃんっ、は、入っちゃって、ひにゃぁぁっ」

 

「何でアンタが喘いでんのよ」

 

 ズチュッとした音がする。膣内の様子が初めて感じられる、き、気持ち、良い、んです、ひにゃぁぁっ

 

「んひいいっ、もう無理っ、腰振りますぅっ、ひゃぁっん、んにゃぁぁっ」

 

「もう、調子狂うわ、よ、と言うか、ちょっと、ま、待ちなさいよっ! 本当に、気持ち良く、うがぁっ」

 

「やです、待ちません。Wさんは僕の物ですっ、ふ、ふにゃんっ」

 

 パンッパンッって、腰が、止まらないんです。幸せ、過ぎてぇ、もう、らめええぇ。

 

「もう、出ます、ごめんなさいっ、我慢無理なんですうっ、もう、我慢したくないのっ」

 

「は、もう、さっさと出しなさいよっ、て、がっつくのやめなさいってば、何やってんのよ、ひゃあぁっ」

 

 ドピュルルッ、ピュッピュ──ーッ、ビュルルルルルッ、♡♡♡、て、そんな音が聞こえた気がしました。ああ、射精しちゃいました、ね。

 

「で、出ちゃいました……W」

 

「はいはい、よく頑張りました、ご苦労様」

 

 よしよし、て、Wの手が僕の頭を撫でる。ついでにクランタの耳も触って、ひ、ひゃんっっ。

 

「ひゃんっっ、み、耳らめぇっ、モフモフしないれぇっ」

 

「はぁぁ、アンタの耳本当触り心地良いわよねぇ、あら」

 

 ヒュ──ー、ドーンッ、て、窓の外から音がして来た。ふとアパートの窓の外を眺める。すると、

 

「あ、花火」

 

「へぇ、ストリートで花火打ち上げてるじゃない」

 

 チェルノボーグの広場付近から、花火が打ち上がっていました。それに人々の楽しげな声が聞こえて来る。そして僕は思い出した。

 

「あれ、龍門の祭日です。安魂祭って言う、死者の安らぎを祈る日なんですよ」

 

「龍門? ここっていつから龍門人が増えたのよ」

 

「数自体はずっと増えてますよ。炎国は感染者の管理が厳しいですから。機会を求めて出国する人が絶えないんです」

 

 ヒュ──ードーンッッ、て、今度はより大きな花火が打ち上がる。窓の外から灯りが差して、まるでイルミネーションみたい。屋外では屋台も始まったみたいです。龍門風の屋台料理よりも、ウルサス風の焼き物や煮込み料理が多い。それに、リターニアの落ち着いたレシピも売られている。あ、あっちでは、音楽会だって始まったみたいです。

 

「本当、平和ねぇ……。この街」

 

「そうですねっ、だ、W!?」

 

「さ、行くわよ。40秒で支度しなさい」

 

「40秒は、無理ですから、精液取れないです、シャワー、浴びせてぇっ♡」

 

「傭兵は時間にルーズじゃいられないのよ、敵は待ってくれないんだから」

 

「お前ら、乗ってるかー! 今日ばっかりは辛気臭い顔すんじゃねえぞ、エンペラー様直々のコンサートだ!」

 

「うおおエンペラーだっ、本物がいる」

 

「龍門のエンペラー様がウルサスに!? 写真撮らなきゃっ」

 

「凄いっ、こんなに盛大なコンサートなんて、夢みたい」

 

(龍門の、エンペラー? 来ていたニュースはありませんが)

 

 チェルノボーグにおいて、人々の移動は統制している訳じゃありません。なにせ自由都市ですからね。だから市庁舎がまだ把握していないだけで、人が来る事は充分あり得ます。

 

「また随分なビッグネームが……、『ほら、もうすぐ40秒よ』ひにゃぁぁっ、シャワーだけはお願いぃっ」

 

「もう、下を出しなさい。早く」

 

 ズルッて、着ようとしたズボンを下げられる。そして勢いよくペニスを露出させられて、そのままWが口をひにゃぁぁっ

 

「お掃除フェラぁっ、らめぇっ、掃除したら、らめなのぉっ、んほおおっ♡♡♡」

 

「もう、こう言う所直しなさいよ。バカ」

 

 お掃除フェラされて、その上にウェットティッシュでさっとペニスを拭かれてしまう。あ、あ……そんなの、ありですか? 

 

「さ、行くわよ、コート着る」

 

「こ、コートは、ちょっと待ってえぇ、ひにゃんっ」

 

 上からコートを被せられて、そのまま部屋の外に出た。そしてアパートの前に停めてある、バイクに二人で乗り込む。因みにカジミエーシュの企業製です、はい。

 

「さ、早く出発『ズドドドドドドドドドドドドドドドドギャァァァンッッッ!!??』今度は何いいぃっ」

 

 何だか酷い銃声と、爆発音がする。この銃声、シラクーザの源石銃ですね。それに、源石爆薬も。でも銃音から推察するに、どう見ても守護銃が混ざってる。は? 、しゅ、守護銃? いえ、この都市、サンクタなんて来てましたっけ? 

 

「ああもう、行くわよ、捕まってなさい銀ピカッ」

 

「ああ、ちょっと、守護銃の銃声も聞こえてひにゃぁぁっ」

 

 ブウウゥンッと、源石エンジンの振動と共に、中型バイクが走り出す。これで高速も走れるタイプのバイクですから、相当な速さになります。

 

 そして目標地点に辿り着く。すると、

 

「おいカポネ、どうする、向こうから標的が来やがったぞ」

 

「そんなの決まったんだろが、都合が良い、ここで銀弓の奴を捕えるぞ。ガンビーノ」

 

「……へ?」

 

 シラクーザマフィアと思わしき二人組。カポネとガンビーノと言うらしい。標的は何でも僕だとか……。な、何故? 

 

「どうすんのよ銀ピカ、あいつらの狙い、アンタみたいだけど?」

 

「そ、そんな事を言われても、狙ったのはウルサス貴族? 海外勢力? 商業連合会がここまで追って来た? 駄目です、狙われる理由が多過ぎて、原因が推測不能です」

 

「あーもう、しゃーないやるわよっ」

 

 そう言って、Wはバイクに備え付けの爆薬を起爆しようとする。そして、

 

「お、あれが銀弓じゃん、みーけっ!」

 

 どこからともなく、バイクを降りた僕に誰かが抱きついた。な、今度は誰ぇっ?! 

 

「えっへへー、もふもふしてるっ、良い耳だねぇ」

 

「ら、らめぇっ、モフるのやらぁっ」

 

「はぁぁ、何モフられてんのよ、アンタ、てこいつぅっ!?」

 

 ジト目でこちらを見るWが、モフッている赤髪を見るなり驚愕する。

 

「よし、標的ゲット。みんなで脱出する『クソ、行かせるか、お前ら撃ちまくれえぇっ!』ひにゃぁぁっ」

 

 ズドドドドドドドゴォォォッッッンンン!?? 、シラクーザマフィアと思わしき二人組が、銃撃を浴びせて来る。この状況じゃ、駄目です、もう持たないですよっ♡。

 

「私はエクシア。宜しくねー銀ちゃん。じゃあ、今日の獲物ゲットって言う訳で」

 

「え、ちょ、ちょっと何やってんのよ、そいつ私のなんだけど!?」

 

「おい、エクシア、大丈夫なのかって、何をやっているんだ? そっちのサルカズは?」

 

「何がそっちのサルカズよ! アンタの方がそっちのループスでしょうが!」

 

 その上にループスと思わしき誰かが、後三人程連れて来たようです。皆さん、ここに何の用なんでしょう。

 

「と、紹介遅れたね。私達はペンギン急便って言うんだけど。うちのボスが銀ちゃんに興味を持ってるから、連れて来いって言ってて」

 

「ぺ、ペンギン急便? 、それ龍門の輸送会社じゃないですかぁっ、しかも獣主のフロント企業っ!」

 

「じゅ、獣主のフロント企業?」

 

「へええ、君って本当面白い事を言うねえ」

 

 周囲の雰囲気が、一気にしんと静まって行く。カポネとガンビーノの更に後ろから、誰かがやって来る。白髪のループスのようだ。鉱石病の源石を、隠すつもりも無く出している。その人に対して、ペンギン急便のループスが言う。

 

「よりによってここに来たのか、ラップランド」

 

「まさかテキサスがいるなんて、嬉しいなあ。今日は素敵なカルネヴァーレになりそうだよ」

 

「カルネヴァーレって、何ですか……」

 

 カルネヴァーレ、シラクーザのお祭りです。チェルノボーグでの開催予定はございません。念の為。

 

「それに、見つけた。ねえ銀色クン。君はどこまでが都市で、どこまでが荒野だと思う?」

 

「そうですね……。開拓された場所が都市で、未開拓な場所が荒野です」

 

「いや、何真面目になって答えている……」

 

 ラップランド? と言う人の問いかけに答えたぼくに、テキサス? さんがため息を吐いた。そしてラップランド? さんは言う。

 

「こうも沢山の賓客に恵まれるだなんて、今日は幸運だなぁ。これも銀色クンのご加護があるのかも。ますます興味が湧いて来ちゃう」

 

「僕に加護なんてありませんよ……」

 

「いやいや、そんなことは無いよ。だって君が行く所には、いつだって事件しか起きないじゃないか。つまり毎日がお祭り騒ぎ。きっと君程楽しい人もいないよ」

 

「あなたの事は知りませんが、何だか舞台女優が似合いそうですね……」

 

 ラップランドさんに、僕はそう言う。そしてソラ? と言う人が、エクシア? さんにずっと抱きつかれて離してくれない手を掴んだ。

 

「ああもう、テキサスもエクシアも、話を横にずらすのはやめてってば、行くよ、銀弓さん。みんながあなたを狙ってるんだから!」

 

「……それだと、あなた達も僕を狙ってる事になるのでは?」

 

 ソラ? と言うらしいその人に手を引かれる。慌てて動き出したWがバイクの背に僕を乗せた。そしてラップランドさんが言う。

 

「アハハ、もしかしてカーチェイスがお望みかな? 今宵のカルネヴァーレも最高に面白くなりそうだよ」

 

「この状況が面白いの、多分あなただけですよ……」

 

 チェルノボーグの喧騒の掟は、こうして幕を開けたのでした。




R-18版についてのアンケートの投票、ありがとうございました。次のヒロインはタルラで書こうと思っています。こんなノリの作品ですが宜しく。R-18版を書こうとして、突然喧騒の掟が始まった挙句、ラップランドとかエクシアとか、変なキャラクターが突然ヒロインレースに乗り込んで来たんですけど。そこはまあ気にしない。

突然ですが次のヒロインは誰が良い?

  • テキサス
  • ラップランド
  • ソラ!??
  • エクシア!?
  • ヴィヴィアナ!??
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