TSしたボクの事務的ご奉仕が魔王軍で評価されすぎている 作:ぷに凝
至極、当然のことではあるが。
性的奉仕を行っているボクは、当然多くの魔王軍の男性と肉体関係を持ったことがある。
毎度毎度、フェラや手コキ、あるいは足コキに太ももコキ、ガーゼコキや髪コキ、脇コキに鼻の穴コキで済まされるはずがないのだから当然だ。最後のはなんだよ。
奉仕を受ける男性たちもそれは承知の上。
なので、彼らの間では暗黙の了解として、奉仕係の女を抱く時は避妊して身重とならないように配慮しなければならないというものがある。
「出るぞ! メルアンっ!!!」
びゅるるるるっ!! びゅぐっ、びゅぐっ!!
そんな共通認識がある中において。
唯一の例外がボクで。
何故か、えっちをすると毎回必ず中出しされてしまう。
マジでなんでだよ。
「おっ、おぉっ、搾り取られる……! 良いぞ……!」
「すごくかっこいいお射精です、オージェス様」
「ぐっ、メルアン……! 俺を舐めるなよ……!」
舐めてはいないんだけど。届かないし。
マメのできたゴツゴツの手のひらで、優しく頭を撫でてくださる、浅黒い肌の大柄な男性。
黒騎士軍軍団長、オージェス様。
「このまま、しばらく中に注ぎ込んでやるっ」
ボクのお腹の奥でどくんどくんと存在感を主張するペニスは、膣内を締め上げるたびにびくびくと跳ねながらボクの体内に白濁を撒き散らす。
挙動自体は陸に打ち上げられた魚みたいでかわいいが、その大きさと形の凶悪さは全然かわいくなく、少し気を緩めると意識が持っていかれそうになってしまう。
それはまるで野生動物のマーキングのように、粘着質で念入りな交尾だ。
黒騎士軍は、“魔王軍の花形”とも称されるエリート集団。
他の種族に比べて、理性的で統率力に優れた者が多く、大きな作戦では必ず指揮を任される。魔王様からの信頼も厚い。
注目度も高く、普段の彼らは名前の通りの黒い鎧で全身を覆い隠し内面を晒さない。そうすることが魔王軍の秩序を保つことに繋がるからだ。
「黒騎士たるもの模範たれ」というスローガンもあるくらいで、彼らは多くの視線と羨望、尊敬を集める裏で相応の嫉妬も買っていた。
ゆえに、女性を抱く時も彼らは慎重で、多くの女を侍らせたりせず、ただ一人の女を側に置き、風紀を乱さないよう避妊も徹底している。
彼らに選ばれることは、魔王軍の女たちにとっても大変栄誉なことであり、競争率も高い。
はずなのだが……。
「うっ、全部出る……」
「んっ……」
なぜかボクは、オージェス様におもいっきり中出しされている。
それも上から体ごと覆い被さった、いわゆる種付けプレスの姿勢で。
びゅくびゅくと震えるペニスで、おまんこに蓋をされて。
言い逃れのしようもなく、種付けされてしまっている。
「孕め、メルアン……っ!」
なんなら“孕め”って言われる。
確かにボクも足を絡めて、抜けないようにしてしまっているので傍目にはそれを望んでいるように見えるかもしれないけど。
そうすると喜んでくださるので、やっているだけなのに。
彼にも確か専属と言っていい女性がいたはずだ。本当に孕んでしまったら困るのはオージェス様の方だと思うのだが。
まぁ、ボクが軍団長様の命令を拒めるはずもないので。黙って子種を子宮で受け止めるしかない。
掃除魔法があって本当に良かった。これがなかったら、ボクは今まで何回身重にされていたか予想もできない。
「ふぅ……良かったぞ、メルアン。相変わらずお前の体は凄まじいな」
奥に挿入されたまま、たっぷり最後まで注ぎ込まれた後オージェス様はようやくペニスを抜いてくださった。
どぷんっ、とボクの膣からゼリーみたいにぷるぷるの大量の精液が溢れ出して、シーツを汚していく。
ものすごい量と濃さだ。どれだけ興奮してたんだろう。
そのまま外にこぼしてしまうのは不敬に当たるので、ボクは溢れ出た分を魔法で膣内に戻していく。
「……この光景を見て満足しない男はいないだろうな」
「ご満足いただけたなら、何よりです。オージェス様」
「ふふっ、謙遜するな。お前は胸を張っていれば良い」
言いながら、オージェス様が顔を近づけてくる。
どうしようか迷っていると、その迷いが伝わったようで嫌な顔ひとつせずオージェス様は顔を離していった。
こういうところが女性に人気な理由なんだろうな。
*
「メルアン」
体を清めて、誰にも見つからないようにオージェス様の部屋を出たあと。
廊下を歩くボクは深淵のような暗い響きを持った声に呼び止められた。
最初にこの声を聞いた時は背筋が凍りつくかと思ったが、彼が言うには怒っているわけでもなんでもなく、魔族は本能的に彼に恐怖心を抱いてしまうのだそうだ。
まぁ、それほどの強烈な存在でなければ、あの癖の強い軍団長たちをまとめ上げることは難しいのだろうと思う。
「魔王様、お戻りになられていたのですね」
ボクは即座に片膝をつき、彼に頭を垂れた。
黒いローブを着込み、顔がよく見えない。
そこにいるだけで、冷気のような怖気を振り撒く恐怖の化身。
魔王軍総司令官にして、全魔族の頂点。
魔王エンデニルト。
その人だ。
「あぁ、ついさっき帰ってきた」
どうやら、今夜の内に前線への遠征から帰ってきていたらしい。
そんな報告は聞いていないが……オージェス様の部屋にいる間の出来事だったのだろうか。それにしても魔王城に着くには早すぎると思うけど。
「すぐにオージェス様に通達いたします。少々お待ちを……」
「いい」
ともかく、城の主が戻ってきたとあれば一大事だ。
ボクは事務員として、この事実を上官に報告しようとしたのだが。
「お前に会うために、先に戻ってきたんだ」
ふわり、と獣のような血の匂いを漂わせながら。
気がつけばボクは魔王様に抱きしめられていた。
「……魔王軍の本隊は、どうなさったのです?」
「バッファに任せた。あいつなら大丈夫だろ」
……可哀想なバッファ軍団長。
今頃、遠征軍はてんやわんやになっているだろう。
なにせ、総大将がこんな所で油を売っているのだから。
「それより」
相手がいかな魔王様といえど、流石に少し嗜めた方がいいだろうか……と悩んでいると。
魔王様はボクの首筋に顔を埋めてすんすんと鼻を鳴らした。
そして、明らかに彼の纏う雰囲気が不機嫌なものになる。
「お前、オージェスに抱かれたろ」
ぎくっ、と心臓が跳ね上がるが、それを表情には出さないように努める。
「はい。つい先ほど、寵愛をいただきました」
「俺がいない間に勝手しやがって……」
ボクは正直に、オージェス様との行為を報告した。
別に悪いことをしたわけではないし、事実を過不足なく魔王様にお伝えするのは当然のことだ。
例え、それで魔王様の機嫌を損ねたとしても。
「おいメルアン」
「はい、魔王様……!?」
そうして、ボクは。
目にも止まらぬ早さで、背中に手を回され、膝を抱えられ。
横抱き……いわゆるお姫様抱っこの姿勢に変えられると。
「上書きするからな」
気づけば、豪華な天蓋のついたキングサイズのベッドの前にいた。
転移の魔法だ。
まさか、こんな短い距離を移動するために使うなんて。
「魔王様、その前に一度報告を……」
「お前との時間より前にやることなんてない」
魔王様の雰囲気から危険なものを感じ取ったボクは、せめてこの場を逃れるために言い訳を立てようとした。
だが、魔王様にそういうボクの浅はかな目論見はお見通しだったらしく。
「んっ」
「んむゅっ……!」
静かに、ボクの唇に柔らかい感触が押し当てられた。
ちゅぷっ、ぴちゅっ、ちゅむっ
手で頭を押さえつけられ、脳の奥で艶やかな水音が反響する。
「まお、さまっ、ぁふ……」
手で魔王様を押し退けようとしたが、この身は弱い女の身。
細身ながらも、しなやかな筋肉のついた魔王様を押し退けることはできず、もつれ合うようにしてベッドに押し倒される。
シャツの隙間から侵入した指が、肌を優しく愛撫し始めたのを皮切りに。
抵抗は無駄だと悟ったボクは、諦めて流れに身を任せることにした。
「んむっ、ぇあっ、ちゅるっ、れろれろ……」
口内を蹂躙する魔王様の舌に、ボクの舌を絡めて迎え撃ち、溶け合うようなキスをする。
空いている指先で、魔王様のズボン越しに屹立したペニスの先端をカリカリっと刺激してあげる。
はち切れそうなくらいにおっきくなってしまった。
「……お前」
気づくと、唇が離れてボクと魔王様の間には銀の橋が架り。
魔王様の目は充血してボクの顔を凝視し、荒々しい鼻息がボクの鼻先を掠めていた。
「本当に淫魔ではないんだよな……?」
「? ボクはただの一般事務員ですが……」
「お前のような事務員がいるか」
そう言うと、魔王様はどこか諦めたかの様子で。
ボクの慎ましやかな胸の中に顔を埋めてきたのだった。
なお、ボクはその日一日中部屋から出ることは出来ませんでした。