※この作品はR-18です。

ねぇ次に生まれ変わってもまたレズビアンに生まれてきたい?   作:テンプテーション

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ねぇ次に生まれ変わってもまたレズビアンに生まれてきたい?①

週末のレズビアンバーは常連客たちで賑わっていた。

 

「ねぇ次に生まれ変わってもまたレズビアンに生まれたい?次はノンケに生まれたい?」

 

このところ店ではこの話題でもちきりだった。

これが最近の店のママの杏奈のお気に入りの話題なのだ。

 

「そんなの今の人生が終わる間際にならないとわからないわよ」

 

カウンター席に座っていた由梨がそう言うと

 

「そんなのもうわかってるわ。私はノンケの男に生まれたい」

 

すこし離れたテーブル席に座っていた奈緒が間髪いれずに口を挟んだ。

 

「私もノンケの男だな」

 

美和もそう言うと

 

「美和さんならいい男になりそう。生まれ変わったら私を美和さんの女にしてよ」

 

カウンター席で美和の隣に座っていた愛海が甘えたような声音でそう言った。

 

「あら愛海はノンケの女に生まれてきたいんだ」

 

由梨が意外そうに言うと愛海はこくりと頷いた。

 

「あら?私はいい男になりそうにないっての?」

 

奈緒が声を荒らげてそう言うと店内は大爆笑に包まれた。

 

「私はまたレズビアンに生まれたいな」

 

「志保里(しおり)さんもいいノンケの男になりそうなのに残念だわ」

 

「次に生まれるときには世の中に受け入れられるようになってるかもしれない。その次もレズビアンに生まれたい。そしたらそのときはもっと受け入れられるようになってるかもしれないから」

 

「はぁ!?次の次くらいになってもまだ受け入れられてないわけ?お先真っ暗だわ」

 

志保里がそう言うと奈緒が頭を抱えてそう言った。

 

こんどは誰も笑う者はいなかった。

 

由梨は少し前の自分なら次に生まれるならノンケの女だと即答したはずだと思った。少なくともレズビアンという選択はあり得なかったはずだ。ノンケの男たちの中で競争していける自信がないのでその選択もあり得ない。それ意外の選択もだ。と言っても残りの選択肢は多くはないが。

 

由梨は二十歳を過ぎたころにやっとレズビアンとしての自分をなんとか受け入れることができた。

そして就職してからすぐにレズビアンバーデビューを果たしてレズビアンパートナーも何人かできた。そしてすぐに別れてしまった。

 

それまでは好きでもない男何人かと交際したこともあった。そうすれば男を好きになれると思ったからだ。

しかし男を好きになることはなかった。

当然のことながら彼氏たちは由梨とセックスをした。男とセックスすれば男を好きになれるかと思ったが男は生理的に受け付けず拒否した。

自分は女が好きなのだと認めざるをえなかった。

 

日本はまだまだレズビアンが安心して生きられる社会にはなっていない。

 

由梨は家や職場ではレズビアンだということを隠していた。レズビアンだとカミングアウトして受け入れられる雰囲気ではなかった。

 

由梨はなぜレズビアンなんかに生まれてきたんだろうノンケに生まれてきたかったのにという気持ちをまだ捨てきれないでいた。

 

今まだ心の底からレズビアンに生まれてきて良かったと思えないのだ。

 

だから次もまたレズビアンに生まれてきたいと思えるわけなかった。

 

しかしそう思うこともレズビアンということを否定しているようで気が引けた。

 

由梨の心は激しく揺れ動いていた。

 

心の底からレズビアンに生まれてきてよかった。次もまたレズビアンに生まれてきたいと思えるようになるには自分が変わるべきなのか社会が変わるべきなのかそれともその両方なのか。

 

由梨はレズビアンの権利獲得運動に関わるつもりはない。

 

自分を変える方が早いのだろうがそんなことは簡単なことではない。

 

「そんなのレズビアンに決まってるわ」

 

穂花がキッパリとした口調でそう言った。

 

愛海は穂花との絡みがほとんどなかったし穂花は気軽に話しかけられる雰囲気ではなかったので何も言わなかった。

 

穂花(ほのか)はそう言ったが由梨にはただの強がりにしか思えなかった。

今の自分を否定することになるから。

負けたことになるからだ。

 

「杏奈さんはどうなんですか?」

 

「えっ?私?私はノンケの女かな」

 

「なんか、こういう店のママの口から聞きたくなかった言葉だな」

 

穂花は顔をしかめそう言った。

 

「まぁ、レズビアンはもう経験したからね、次があるならノンケの女になってみたいかな」

 

【愛海(まなみ)の場合】

 

次に生まれるなら絶対にノンケの女に決まってるわ。

だって男に抱かれるって最高に気持ちがいいんだもん。

愛海はそう思っていたが口にはださなかった。

 

愛海は就活のときの面接官の50代中年男に採用してもらうことを条件に体を差し出し抱かれた。

 

愛海はその時までバージンだった。その時の50代中年男にレズビアンパートナーたちとのレズビアンでは味わったことのない快楽を与えてもらった。

愛海は今でも男に恋愛感情はない。レズビアンでなくなったわけでもない。

しかしレズビアンはもういいかなと思った。

次に生まれてくるなら絶対にノンケの女がいい。

 

ノンケの女に生まれたら初体験は高校生になってすぐしたい。いくらなんでも中学生でセックスは早いだろう。

とにかく早く彼氏を作って早く男と本物のセックスを経験したい。

レズなんかよりも男と本物のセックスをたくさん楽しむ。そんな人生のほうがいいに決まってる。

 

セックスというのは好きな相手とするほうが気持ちいい。

といっても愛海は今ではレズビアンだとどんなに愛している女性とでも気持ちよくはなれない体にされてしまっていた。

 

ノンケに生まれて愛する彼氏と本物の気持ちいいセックスをやりまくってみたかった。

 

それは今の愛海にはできないことだ。

 

 

 

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