※この作品はR-18です。

淫蕩記 ~モリガン・アーンスランドはいかにして女たちを狂わせたか~~   作:レズバとか好きだから……

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三人目の犠牲者:『闇のコヤンスカヤ』(FGO)

 コヤンスカヤは久々に自分に手向かいする相手に嬉しいという思いがあった反面、表面上は100%不快であるという表情ではぁ、とため息を付き、淫臭渦巻く通路を切り裂くような、ハイヒールの音を響かせながら進む。人類最後のマスターと共に人理を守るため戦う『人理継続保証機関フィニス・カルデア』は、もはやその目的を失い焼却された世界に小島めいて浮かぶ淫靡なる館と化していた。

 

 ――造作もなかった。国をも堕落させてきたのだから。ただ、舐って。嬲って。平らげて。いつもの振る舞いをするだけで、愛すべき人間も、英霊たちも簡単に快楽に堕ちていった。所詮、こんなものか――。

 

 博愛を掲げているにしても、ほんの少し拍子抜けだったことは否めない。なんて可愛らしい、お間抜けな人間たちだろう。そんな嘲りの念すら湧いてしまうほどに。

 

 ――とはいえ、代わり映えしないのはつまらない。甘ったるくみだらな香。笛と馬頭琴、鼓の耳に絡みつくような妖しい旋律。脳をはちみつ漬けにしてしまうようなドロドロと重く、滞留するけだるい気。それはそれで実に好ましいが、欲望とは難儀なもので、時たま別のものをつまみぐいしたくなる。そんなこんなで、マスターには定期的に英霊召喚をするように『命令』していたのだが……

 

とある呼符から、まるでふらりと遊山でもするかのようにこの淫獄へと訪れたとある新入りによって、コヤンスカヤの王国にはヒビが入り始めていた。

 

「――入りますわよ。定期面談のお時間です」

 

 圧縮空気を吐きながらサーヴァントたちに充てがわれたルームの扉がスライド。コヤンスカヤはつかつかとその中に入るなり、人当たりのいい笑みを浮かべて眼の前でつまらなさそうに足を組み替える女英霊『モリガン・アースランド』へと声をかけた。新規に召喚されたサーヴァントは、カルデア職員によって定期的に性質――有り体に言えば危険度を測るために、カウンセリングを受ける。もっとも、もう正気のカルデア職員など残っていないし、そんな事をまじめにやる義理もないので、コヤンスカヤのある種、妙なシステムへの生真面目さ、そして、この『モリガン』への嫌がらせ半分ではあったが。

 

「はぁ、またあのつまらない退屈な質問を繰り返すの? 単語を聞いて、最初に頭に思い浮かんだ別の単語を答える拷問――」

 

「いえ、今回が最終面談だと前回にお伝えしたと思うのですが……もしかしてお忘れになられました?」

 

「……ええ、そんなつまらない事に割いてあげる時間も頭のリソースも私は持ち合わせていなくて。ごめんなさいね」

 

 ……正直言って眼の前のオンナは一筋縄ではいかなかった。ケルト神話の戦争の女神。そしていつぞやの妖精郷の連中とも違う『夢魔の女王』としての側面を強くもって――いや、何かしらの混ざりものもしたのだろう。見た目も性質からしてもだいぶん様相の異なるソレは、コヤンスカヤの色気に簡単になびいたりしなかった。寧ろ逆に、いや、敢えて言うなら目障りにも堕落したサーヴァントたちの一部グループからそれなりの扱いをされているようだった。まだ少数とはいえ、多数のカリスマがいる組織は必ず内部で派閥が生じ崩壊する。故に――。

 

「……面談の結果、あなたは問題があります。私が手ずから、本気で教育するしかないようですね」

 

その霊基にいやというほど刻み込んでやろう。その存在が変わるまで――女王が畜生となるまで、たらしこんでやろう。お前が悪いのだモリガン・アースランド。この私を本気にさせたのだから――

 

「――そういうことですので、調教、はじめてもよろしいかしら? 終わった頃には、あなたは女王ではなくサーカスの家畜ですから今のうちに人間の言葉をしゃべっておきなさいな?」

 

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◆◆◆淫蕩記 ~モリガン・アーンスランドはいかにして女たちを狂わせたか~◆◆◆

 

          三人目の犠牲者:『闇のコヤンスカヤ』

 

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「んふふふふふふふ……これほどまでに跳ねっ返りのクライアントは私もはじめて……壊しすぎてしまったら御免遊ばせ」

 

 そういって、コヤンスカヤはしなやかな肉食獣が獲物を狙うような身の動きでゆっくりと夢魔の女王たるモリガンへと近づき、そのあらわな首筋に牙を突き立てた。といっても、皮に犬歯を立てるような甘噛み。ぺちゃ、ぺちゃとそこに自分の唾液を舌先で塗りたくる。

 

「あなたのその虚仮を剥いで差し上げます。そのうえで――獣に堕としてあげる」

 

「ふふ、そんな事言われたら、そそられるじゃない。期待してもいいのよね♡」

 

 乱暴に身体を重ねるように、ベッドに座ったモリガンの上に馬乗りになり。舌先は鎖骨のくぼみへ。唾液溜まりでも作るようにべちゃべちゃにマーキング。弾力のあるゴムボールがごとき乳房同士が押し合いへし合い、まるでどちらがメスとしての機能が優れているか、競い合うよう。

 

「舐って、嬲って――」

 

 そして、不意をついて。

 

「平らげる――」

 

 コヤンスカヤはモリガンの唇を荒々しく奪い、舌と舌を軟体動物の後尾のように絡めあわせて、これまたドロドロの唾液を送り込む。自分の匂いで眼の前のメスを染め上げるような、ケモノめいた責め。

 

(淫魔ごとき下等な魔物が、私を怒らせたこと、身を持って後悔させてやる――)

 

 ここまでは、完全にコヤンスカヤの一人舞台。モリガンは抵抗もせず、ただ諦めたようにその身を横たえてされるがまま。時折、「うぅん」とか「ぁん」とか。吐息を漏らしているあたり痩せ我慢をしているようにもみえた。が――

 

(……やはり妙な身体ね。核を魔力で覆ったような仮初の身体……別段、夜はきまぐれ。霧の中の幻影が実体を持つこともある……)

 

 モリガンはこのカルデアに召喚されてから、ずっと己の身体の違和感を探っていた。サキュバスである以上、淫魔招来の呪文などを唱えた魔術師の呼び声が聞こえ、気まぐれにそれに応じてやることもなくはない……が、今回は、余り馴染みのない経路から呼び出されるに至った。そしてそれはたぶん、この眼の前のメスはさほど関係ない。むしろこのコヤンスカヤとかいうのも、呼び出された側だ。バックでもっと巨大なシステムが動いている。

 

「……気に入らないわね」

 

「あら、されるがままの自分に嫌気、さしちゃいました? んふふふふふ、可愛いこと……♡ ですが私、どこまでも残酷でして……」

 

 勘違いしたのか、勝ち誇った顔でヘコヘコ腰を振りながら、唇を重ねてくるメギツネ。だが、モリガンの意はそこにはない。なにかしらのシステムによって無理やりに束縛・従属させられている。それが気に食わなかった。

 

「あなたの茶番に付き合うのも飽きてきたわね……獣は獣らしく、罠にかかって死ぬのがお似合いだけど」

 

「ッ……!? あっ……!」

 

 ……コヤンスカヤが抱きしめていた肉が、雲散するように消滅した。魔力供給が足りないサーヴァントめいて肉体を維持できず霧散したのか、と最初こそコヤンスカヤは思ったがちがう。これは……闇だ。蠢く夜の闇。夜を歩くモノ達が使う、初歩的な幻影――!

 

(幻術? バカな……いえ、質量が……これほどの『存在感』を持つ幻影を私に勘付かれずに生み出した!?)

 

 自身を嘲るような女の声。闇の幻影がまたたく間に、後ろからコヤンスカヤを罠にかかった哀れな狐めいて絡め取った。そう、本来ならこの程度の術など看破できるはずだし、そもそも『低クラス』の夢魔の術など無理やりにふりほどける……はずが、それができない。いつのまにか、コヤンスカヤは夢に囚われ始めている。夢に喰らわれ始めている。

 

「狐を化かすなんてほめてさしあげます。どうやら、妖精郷の女王と同じ名を名乗る程度には小賢しい知恵が回るようですね。しかし畏れを知らないご様子。どう食い殺してやろうか」

 

(これは……いえ、ただの幻術ならこの私がここまで抵抗できないはずはない……解析し、咀嚼して、蹂躙するにはこの謎めいた絡め手を理解する必要がある……それには――)

 

 犬歯を見せて、あなたを睨みつける。が、コヤンスカヤの内面は冷えていた。できる女である自分は、不意を疲れても焦ったりすることはない。むしろ冷静に現状を把握し、反撃態勢を構築する最善手を導こうと、モリガンを洞察していた。

 

「正直に言うと、つまらないわ、あなた。でも、聞くことがあるから特別に殺さないであげる。それに……安心して。この屈辱も。敗北の記憶も。やがて全て、めくるめく甘美な思い出に変えてあげるから……」

 

 そもそもがモリガンは呼ばれた側で、土台が相手のテリトリー。時間をあたえればこの奇襲はすぐに効果を失う。コヤンスカヤとシステムをつなぐ存在。おそらく『マスター』とやらとのつながりを夢魔の得意技である『夢』で一時的にあやふやにしたに過ぎない。もう一度つなぎ直されれば、一転して今度はこちらがされるがまま。だから速攻。

 

「……ほら、どれだけセックスに自信があるかは知らないけれど、サキュバスを相手にはじめたのはあなた」

 

「あっ」

 

 影のモリガンが、背後からしなだれかかるようにコヤンスカヤに絡みつき、乳房を下から持ち上げるように円を書いて揉みしだきながら、整えられた頭髪から覗くヒト耳を甘く、唇と歯でブドウの皮を剥くように優しく食んだ。

 

「……この程度の責めで許してもらえると思ってないわよね?」

 

 それだけではない。モリガン自身は前面から身体を密着させ、両の手のひらでコヤンスカヤの豊かな尻たぶを包み込むように愛撫しながら、彼女にされたように首筋に舌を這わせてやる。

 

「んっ、んんっ……♡ ふーっ♡ なるほど、さ、さすがは夢魔……キツい責めをしてくれます♡」

 

 コヤンスカヤは熱いと息を吐き、気をやってしまわないように必死に堪えている――ようにみえて、それなりに余裕がある。こういう抜け目ない相手は魔術師によくいる。その脳細胞に。身体に、霊基に刻まれた記憶から最適手を探している。油断ならぬ――。

 

(――そうか。『マスター』とのつながりが断たれているのですね? 私をたばかって、孤立させ弱体化させた……なるほど、なら)

 

 モリガンが警戒の色を強めたその時、コヤンスカヤは自身とマスターとのつながりを再び確立させてやれば良い。そう、夢という罠へと自分がいつの間にか閉じ込められている。それを勘づいた。勘づいたからこそ、スマートに罠を迂回して、再びパスを繋ぎ直そうとした。それが彼女の命取りだった。

 

「――うお゛ッ♡♡♡」

 

 びぐん、とコヤンスカヤの全身が震えて背中が弓なりに反った。緩いカールのかかった美しい髪は興奮状態にある獣の毛並みめいてけばだっている。

 

「あはは♡ パスを繋ぎ直してくれてうれしいわ♡ あいにく、あなたのマスターにじゃなく、私に繋がってしまったみたいだけれど……♡」

 

 マスターにさえ再同期すれば勝てる。そういった『解』を用意しておいて、つなげようとした瞬間に回線に仕掛けておいた『罠』が炸裂した。マスターに繋がるはずだった魔力パスはあまつさえ敵であるモリガンに。夢魔の女王たる存在のモリガン・アーンスランドに繋がってしまった。つながったパスからは淫靡なエナジーがコヤンスカヤに流れ込み……一瞬で子宮を痙攣するほど多重絶頂させ、脳を真っ白に漂白してしまったのだ。

 

 コヤンスカヤはなまじ知恵があるぶんこの段、己の獣性を『理性』で押さえつけすぎていた。もしビーストの力にまかせて魔力を暴れさせていれば、夢魔の女王とはいえコヤンスカヤを罠に閉じ込めておくことなどできなかっただろうに。

 

「あ゛っ♡ あ゛っ♡ やめっ……♡」

 

「やめてあげない♡ 気づいてた? あなたの心はもう私のモノ……♡」

 

 びぐびぐ身体を痙攣させながら、目を白黒させて月並みな言葉を吐くことしかできない。パスを切断しようとしても、できない。モリガンが確固とした魔力でこれを保持している。

 

「ぐぅうう゛う゛ぅううぅ♡♡♡♡♡」

 

 ほとんど暴れるように、身体を反らせ、反転させて肉体的高速から逃れようとするが……ダメだ。影と本体。二人がかりで拘束されている状態では、受肉した脆弱な肉体では逃れられない。

 

「……キツそうね♡ もっと余裕がないと、このさき辛いだけよ♡」

 

「ほら、お胸。スーツの上からでもわかるくらい、こんなにいやらしく乳首勃っちゃってる……♡」

 

「う゛わ゛あ゛っ♡♡♡ やっ、やめ゛っ♡♡♡ や゛めて゛っ、ください゛、ま゛しっ♡♡♡」

 

 コヤンスカヤの姦計も打算も、何もかもが一瞬にして消し飛んであるのはただのシンプルな肉体同士のやりとりだ。痛いほど硬く勃ちあがった乳首を、まるで乳牛にするようにつままれしごかれ、乳首いじめされるだけで、おまんこが決壊し、噴いた潮がパンスト生地で霧吹きのように無様に宙に散って気が狂うほど気持ちがいい。

 

「ほ、ほんとうに、やめでっ゛♡♡♡ こ、こんな、下品なぜっぐす♡♡♡ わ、わだぐじっ♡♡♡」

 

「嗚呼、いい鳴き声……そう、ケダモノの鳴き声よ♡ せめてこのくらいはしてくれないと、ねえ?」

 

 酒池肉林を全て味わい尽くしたつもりだった。あらゆる英傑を手玉に取ってきたと自負していた。だがそれでも敵わぬ相手に、ついに出会ってしまった。夜の女王。そう、本来セックスという取るに足らないもので相手を骨抜きにし食らう魔物――サキュバスにセックスで勝負を挑んでしまった。まさに愚の骨頂。だが、そんな事を後悔する暇も、思考ももうコヤンスカヤにはありはしない。

 

 とどめを刺すように前からコヤンスカヤを抱きとめていたモリガンの本体が、股をぴたりとパンストの上からレオタード越しにあてがって、貝合せめいて腰をじゅっこ、じゅっこと音を立てて擦り上げ。同時、背後から拘束していた影のモリガンも尻肉にもりあがったおまたの淫肉をこすりつけるように、疑似セックスめいた動きをし始めて。前に逃げるも、後ろに逃げるも、どちらに転んでもセックス。快楽しかない。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛♡♡♡ イグッ♡♡♡ イグッ♡♡♡ イヤ゛♡♡♡ イグイヤ゛♡♡♡ いやん゛っ♡♡♡ いやんなの゛に゛っ♡♡♡ イッ――」

 

 あまりにもいやらしい。全身が。脳が性という欲望に塗りつぶされる。

 

「ッく――ぅん♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 身体を限界までのけぞらせ、それでいて狐めいて、両前足を自分の胸元にひきつけ、握った手を曲げるような情けないアクメ姿勢でコヤンスカヤは絶頂に達した。

 

「――よくできました♡ さて、擬似的にパスを繋いでしまったのだから……今のあなたのマスターは私よね、コヤンスカヤ」

 

 びぐ、びぐと気を失って痙攣するメギツネ。返事はない。

 

「……ほぉら、がんばって♡」

 

 パスからサキュバスの淫らなエナジーを送ってやる。びぐん。バネじかけの人形めいて、目を白黒させながらのけぞり絶頂して強制的に意識を引き戻される。もはやコヤンスカヤはモリガンのオモチャだ。

 

「やっ♡ イッ♡ イッてる♡♡♡ イッてますのにっ♡♡♡ やめてっ♡ やめてっ♡ わたくしをそそのかさないでっ♡ け、愛玩の獣なのにっ、あなたに愛されることを望んでしまうっ♡♡♡」

 

 ただ存在するだけで、オンナとして気持ちがいい。コヤンスカヤは自身の理性が溶け落ちていくのを感じて。

 

「そう、なら愛してあげる代わりに、この下らない吹き溜まりから逃れる方法を教えなさい。あなたは私よりここが長いのだから多少は『仕組み』を知っているのでしょう?」

 

「ほ、ほおっ♡♡♡」

 

 返事の代わりにだらしない顔で、アヘ声をあげる始末。『カルデア』からはほどなくして淫魔女王とそのオモチャたる狐が姿を消し、仮初の群れの主すら失った人理継続保障機関の辿った末路は、ここでは記されることすらなく……。

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