放課後、校門を出ると空が急に暗くなっていた。
「今日、傘持ってる?」
悠貴が空を見上げながら聞いてくる。
私は首を横に振った。
「持ってないわ。大丈夫でしょう。まだ降ってないもの」
「でも、雲がすごいよ。夕立ち来そう」
「心配性ね。少し急げば家まで着けるわ」
そう言って足を速めると、悠貴も併せて歩調を合わせてきた。
いつもの帰り道。並んで歩くだけで、胸の奥がほんのり温かくなる。関係を重ねてから、こういう何気ない時間が前より愛おしく感じられるようになっていた。
駅までの坂を半分ほど下ったとき、最初の雨粒が頬に当たった。
「……あ」
次の瞬間、雨が一気に強くなった。ぽつぽつが、あっという間にざあざあという音に変わる。視界が白く霞むほどの夕立ちだ。
「走るよ、お姉ちゃん!」
悠貴が私の手首を掴んで、走り出す。制服のスカートが跳ね、シャツがすぐに雨水を吸って重くなる。髪が顔に張り付き、足元で水しぶきが上がる。ずぶ濡れになりながら、二人で駅前の屋根のある場所まで駆け込んだ。
「はあ……はあ……すごい降り……」
息を弾ませながら、私は自分の体を見下ろした。白いシャツが肌にぴったりと張り付き、ブラの形がくっきりと浮き出ている。スカートも太ももに密着して、生地の感触が直接伝わってきた。
悠貴も同じだった。シャツが透けて、胸の筋肉の線や乳首の形がぼんやりと見える。雨水が髪から滴り、顎を伝って鎖骨に落ちている。
目が合った。
悠貴の視線が、私の胸元に一瞬だけ落ちて、すぐに戻ってくる。私の方も、彼の透けたシャツから目を離せなかった。雨に濡れた肌が、妙に生々しくて、熱を帯びて見えた。
「……お姉ちゃん、シャツ、すごく透けてる」
「悠貴こそよ。丸わかりじゃない」
「だって……雨、急だったし」
言いながらも、悠貴の喉が小さく動いた。私の体から目を逸らさない。雨音が周囲を包む中、二人の間の空気が急に濃くなった。
「とりあえず、家まで走ろう。このままだと風邪ひくわ」
「うん」
再び雨の中へ飛び出す。今度は駅から家までの距離を、ずぶ濡れのまま走る。制服が体に吸い付き、動くたびに生地が肌を擦る。悠貴の手が時々私の腰を支えてくる感触が、雨水以上に熱かった。
家の玄関に飛び込むと、雨の音が一気に遠のいた。鍵を開けて中に入り、ドアを閉める。玄関のライトの下で、二人はびしょ濡れのまま顔を見合わせた。床に水滴が落ちる音だけが響く。
「お母さん、まだ帰ってないみたい」
靴箱の上のメモを見て、悠貴が言った。買い物に出ているらしい。しばらくは二人きりだ。
「……よかった。この格好で顔を合わせたら、説明が大変だったわ」
「お姉ちゃんのその姿、お母さんに見せられないしね」
悠貴が近づいてくる。濡れた髪から滴る水が、私の手の甲に落ちた。彼の視線が、再び私の胸元に注がれる。シャツが完全に透けて、ピンク色のブラが浮かんでいる。私の方も、彼の体のラインが気になって仕方なかった。
「……見てるわよ、悠貴」
「だって、綺麗だから。雨に濡れたお姉ちゃん、なんか……いつもと違う」
「変なこと言わないの」
そう言いながらも、声が少し上ずった。悠貴が濡れた手で私の頬に触れ、そのまま唇を重ねてくる。雨の冷たさと、彼の唇の熱が混じる。舌が絡むと、体の芯がくすぐったく疼いた。キスをしながら、悠貴の手が私の腰に回る。濡れたシャツの上から、背中を撫でられた。
「ん……悠貴……このままじゃ、床がびしょびしょになるわ」
「部屋、行こう。脱がないと」
「……ええ」
二階の私の部屋に入ると、すぐさま鍵をかけた。カーテンを閉めて、雨音だけが窓を叩いている。悠貴が私のシャツのボタンに手をかけ、一つずつ外していく。生地が肌から剥がれるたびに、冷たい空気が触れて、乳首が硬くなった。彼はシャツを完全に脱がせると、ブラの上から胸を包み込むように揉んだ。汗と雨水で湿った生地越しに、指が乳首を探る。
「んっ……悠貴、優しく……」
「うん。お姉ちゃんのここ、もう硬くなってる」
ブラのホックを外され、胸が解放される。すぐに顔を埋められ、舌で乳首をゆっくりと転がされる。反対の胸も手で丁寧に扱われ、親指で円を描くように刺激される。甘い電流が下腹部に落ちて、私は小さく腰を揺らした。悠貴は片方を口に含み、強く吸ったり、歯を立てて軽く噛んだりしながら、交互に責めてくる。唾液で濡れた乳首が冷たい空気に晒されるたび、敏感に疼いた。
「あっ……んあっ……そこ……気持ちいい……」
「声、出していいよ。雨音で聞こえにくいし」
悠貴の唇が鎖骨を辿り、首筋を吸う。耳の裏を舌で舐められ、熱い息がかかる。私は彼のシャツを脱がせ、直接肌に触れた。雨水で冷たくなったはずの肌が、すでに熱を帯びている。胸の筋肉を撫で、腹筋をゆっくりと辿ると、悠貴の息が荒くなった。ジャージを下ろすと、すでに硬く反ったものが飛び出す。先走りと雨水が混じって、ぬるぬるに光っている。
「悠貴……もう、こんなに……」
「お姉ちゃんのせいだよ。透けてるの見て、ずっと我慢してた」
私は膝をついて、根本を優しく握った。舌で先端をゆっくりと舐める。円を描くように、裏側の弱いところを丁寧に。悠貴が低く喘いで、指を私の髪に絡めた。口に含み、頬を凹ませて吸う。くぽ、くぽ、と卑猥な音が雨音に混じる。深く咥え込み、喉の奥で締め付けると、腰がびくんと跳ねた。
「んっ……お姉ちゃん……それ以上すると、すぐ出ちゃう……」
「我慢しなさい。……少しだけよ」
一度口を離し、舌で全体を舐め上げる。青筋を辿るように、ゆっくりと。先走りを丁寧に吸い取ってから、彼をベッドに押し倒した。自分もその上に跨がり、残りの服を互いに脱ぎ合う。全裸になると、濡れた肌同士が密着して、水の感触と体温が混ざり合う。
悠貴が私を仰向けに倒し、首筋から胸、お腹へとキスを連ねる。へそに軽く舌を入れて、太腿の内側を舐め上げられた。私は自然と脚を開いた。彼の顔が割れ目に近づき、熱い息がかかる。
「もう、こんなに濡れてる……雨じゃない方」
「うるさいわね……あなたのせいよ」
舌が割れ目をゆっくりと舐め上げる。クリトリスを先端で転がされ、吸われる。甘い刺激が腰に直結して、私は枕に顔を埋めた。指が一本、ゆっくりと中に入ってくる。入り口を丁寧に掻き回すように動かされ、すぐに二本になる。深く、しかし優しく抉られながら、舌でクリトリスを執拗に責められる。水音がくちゅくちゅと立ち、私の声が甘く漏れた。
「あっ……んっ……悠貴……そこ、だめ……いきそう……」
「まだ。もっと感じて。お姉ちゃんのここ、熱いよ」
指の動きが速くなる。中を掻き回され、クリトリスを吸い上げられるたびに、腰が震えた。このままイってしまいそうなところを、あえて我慢する。限界が近づいたとき、私は彼の髪を優しく掴んだ。
「入れて……もういいわ。お願い」
「本当に? お姉ちゃんから言うの、嬉しい」
「ええ。……優しくしてね」
悠貴が鞄からコンドームを取り出す。私が一緒に丁寧に装着してあげると、彼は私の上に覆い被さる。熱い先端が割れ目に当たり、ぬるぬると滑る。ゆっくりと腰を沈めてくると、中を押し広げられる感触が走った。異物感と熱。根元まで埋めたとき、私は小さく息を吐いた。
「んっ……はぁ……全部、入った……」
「お姉ちゃんの中、すごく熱い……絡みついてくる……雨で冷えてたのに」
彼はしばらく動かず、私の中で脈打つ感触を味わっているみたいだった。額に汗が浮かび、濡れた髪が私の頬に触れる。それから、ゆっくりと腰を引き、また沈める。最初は丁寧なピストン。濡れた肌が密着したまま擦れ合い、水音と肉体の音が重なる。窓の外では雨がまだ降り続いている。その音に合わせて、悠貴の動きが徐々に深く、確実になっていく。
「あっ……んあっ……悠貴……角度、いい……そこ……」
「ここ? もっと深くする?」
「ええ……んっ……ゆっくりで……でも、やめないで……」
腰の動きが少しずつ速くなる。私は彼の背中に腕を回し、脚を絡めた。子宮の入り口を突かれるたびに、甘い電流が広がる。悠貴が私の乳首を口に含み、吸いながら下から突き上げてくる。角度を変えられ、クリトリスに彼の恥骨が当たるたび、視界が白く弾けそうになった。水音がくちゅくちゅと激しく響き、汗と雨水が混じった体が滑り合う。
「悠貴……いいよ、気持ちいい……んあっ……深い……」
「お姉ちゃんが感じてくれるから……もっと、したくなる……中が、吸ってくる……」
動きがさらに速くなる。私は彼の腰に脚を強く絡め、自分から腰を押し付けた。深いところを抉られる感触に、声が抑えきれなくなる。悠貴の息が熱く耳にかかり、甘い言葉が続く。
「お姉ちゃん……好きな顔、してる……とろんとして、可愛い……」
「んっ……悠貴の方が……変なこと言わないの……あっ……」
「もう、いきそう……お姉ちゃんもでしょ……一緒に……」
「ええ……いく……悠貴っ……中で、感じる……!」
悠貴が大きく腰を押し当て、体を硬直させた。コンドームの中で、熱いものが勢いよく脈打つのがわかる。量が多い。私も同時に激しく痙攣し、彼のものを強く締め付けた。内側が波打つように収縮し、長い絶頂が続く。余韻の中で、私たちは汗と雨でぐしょぐしょの体を密着させたまま、激しく息をしていた。心臓の音が、互いの胸に伝わってくる。
しばらくして、悠貴がゆっくりと抜く。くちゅ、という音がして、ゴムの先端が精液で膨らんでいる。彼はそれを慎重に外し、ティッシュに包んだ。
「……雨、まだ降ってるね」
「ええ。体、びしょびしょ……」
「シャワー、浴びよう。一緒に」
「……そうね。このままじゃ風邪ひくわ」
浴室に入り、お湯を出す。狭い空間に湯気が満ち、二人の体温がすぐに温かくなる。先に私が髪を濡らすと、後ろから悠貴が体を寄せてきた。
「洗ってあげる」
「自分でできるわよ」
「いいから。今日はずぶ濡れだったし」
指が髪に入り、丁寧に泡立てられる。頭皮をマッサージされるように洗われて、思わず目を細める。すすぎが終わると、次は体だった。スポンジにボディソープを含ませ、首筋から肩、背中をゆっくりと洗ってくる。手が腰に回ったとき、私は小さく息を詰めた。
「……故意に触ってるでしょ」
「洗ってるだけ。本当だよ」
嘘だった。胸の下を掠める指が、明らかに執拗だ。私が振り返ると、悠貴も少し顔を赤くしていた。お湯に濡れた肌が密着して、熱いものが太腿に当たる。
「お姉ちゃんも、洗って」
私は黙ってスポンジを受け取り、彼の胸を洗った。鎖骨から腹筋、そして下腹部へ。硬さが残りかけているものを、優しく洗う。悠貴が低い声を漏らした。
「ん……そこ、まだ敏感……」
「我慢しなさい。今日はもう終わりよ」
「はい……」
互いに体を洗い合い、最後に丁寧にすすぎを済ませる。タオルで体を拭く手つきが、どこか優しかった。部屋に戻ると、雨音が少し弱くなっていた。
窓の外を見ながら、私は濡れた髪をタオルで押さえる。悠貴が隣に座って、同じように髪を拭いている。さっきまでの熱が、まだ体の芯に残っている。
「夕立ち、急だったわね」
「うん。でも、おかげで……いいことあった」
「調子に乗らないの。風邪ひかないように、ちゃんと乾かしなさい」
「お姉ちゃんも。濡れたまま寝たらだめだよ」
「わかってるわ」
そう言いながら、私は彼の髪に残った水滴を指で払った。些細な仕草なのに、胸の奥がじんわり温かくなる。雨が完全に止むまで、二人は黙って並んで座っていた。窓の外で、水滴が軒から落ちる音だけが細く響いている。
この関係は、日常のアクシデントすら甘く変えてしまうらしい。ずぶ濡れになって帰ってきたはずなのに、今はただ、穏やかな夜の空気が心地よかった。
私はタオルを置いて、小さく伸びをした。
「夕飯、どうする? お母さん、まだ帰ってこないみたいだけど」
「一緒に作ろうか。簡単なのでいいし」
「そうね。手伝ってくれる?」
「うん。お姉ちゃんの指示、聞くよ」
悠貴が立ち上がって、私の手を軽く引く。その手が温かくて、雨の冷たさを完全に忘れさせた。