※この作品はR-18です。

優等生ドM姫騎士と根暗爆乳魔族少女の戦いがヌルいので、300年生きた魔王の俺が両方快楽堕ちさせて支配する   作:オオテン

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5話 聖光騎士の正体

 

「……ん。あれ、私は」

 

 目が覚めると、私は夜空を見上げていた。

 公園のベンチに寝かされているらしい。

 

 手を目の前に掲げると、銀色の小手は消えていた。

 変身が解けているのだ。

 

 辺りを見渡す。公園での激闘の痕跡も、綺麗に消えていた。それは、結界も消滅したことを意味していた。

 

「結界……そうだ、ネライダ! 彼女はどこへ行ったの? それに、あの男の人は無事なの!?」

 

 身体を起こす。少しフラついたが、問題なかった。

 そのとき、私に声をかけてくる人がいた。

 

「気がついた?」

 

 私と同じ制服を着た女子生徒が、遠慮がちに近づいてきた。

 くせ毛の目立つ、やや茶色のロングヘアに、私は見覚えがあった。

 

「あなたは、黒樹さん? どうしてここに」

「塾からの帰りに買い物をしていて、柊木さんが倒れているのを見たから」

 

 そう言って、買い物袋を見せてくる。

 私はほっと息を吐いた。

 

 黒樹さんは近くの水飲み場でハンカチを濡らし、私の顔を拭いてくれた。

 その際に、買い物袋の中身が見えてしまう。0.01㎜の文字が印字された箱。

 実際に使ったことはなくても、何に使うのかは知っていた。

 赤面して視線を逸らす私に首を傾げた黒樹さんは、買い物袋の中身に気がついたらしく、慌てた。

 

「こ、これは違くて」

「ひ、避妊の意識が高いのはいいことだよね」

 

 分かった風な返答をしてしまう。これでは、『そういうこと』をよく知っていると思われても仕方ない。

 

 それにしても、びっくりした。

 黒樹さんはクラスでも大人しくて目立たない子だから、そういうことに縁遠いと思っていた。

 

(けど、身体付きは、確かに……)

 

 黒樹さんは長身だ。私の顔を拭くとき、自然と前屈みになり、ぱつんぱつんに張った胸部が目の前で揺れる。

 

 柔らかそう。こんなに大きな胸をしていれば、お互いに気持ちよさそうだな。きっと感度もいいんだろうな。

 

(って、何を考えているの。私は!)

 

 下半身がうずいた。膝をこすり合わせながら、ぶんぶんと頭を振って、煩悩を振り払う。

 

「柊木さん……」

「な、何かしら」

「その。あんまり胸を見られると、恥ずかしい」

 

 ぎゅっとハンカチを握りしめ、それを顎先に当てる黒樹さん。その拍子に、細い腕が胸の谷間に食い込み、沈んだ。

 

 あれが、男の人のアレだったら、完全に埋まってるかも……すごい……。

 

「ごめんなさい。黒樹さんが羨ましくて、つい」

 

 私は理性を総動員して、いつもの優等生スマイルを浮かべた。

 

 言えない。

 実家が厳しい反動で、そういうエッチなことに興味津々だなんて、言えるわけがない。

 

 私は話題を変えた。

 

「ところで、黒樹さん。ここに来るまでに、何か変わったことはなかった?」

「変わったこと? 柊木さんが公園で倒れてたのはびっくりしたけど、それ以外は別に」

 

「何かあったの?」と尋ねてくる黒樹さんに、私は「何でもない、気にしないで」と答えた。

 

(ネライダとの戦いや変身した私を見られたわけじゃないんだ。あの男の人も無事に逃げられたのかな)

 

 そうだといい、と私は思った。

 私がふがいないせいで、一般人を犠牲にするのは耐えられない。

 それは――とても、正しくない。

 

 私は立ち上がった。

 

「いろいろありがとう、黒樹さん。夜道は危ないから、家まで送るわ」

「ううん。大丈夫」

 

 黒樹さんは断った。

 私ははっとした。そうだよね。コンドームを買った帰りだものね。きっと、恋人が待っているんだ。

 

 それで、家に帰ったら……。

 たくましい男の人と、きっとあんなことやこんなことを……。

 あんなに大きくて柔らかそうな胸で奉仕されたら、男の人も喜ぶだろうな。

 羨ましい……。

 

「柊木さん?」

「あっ、ごめんなさい。それじゃあ、気をつけて帰ってね」

「待って。ひとつだけ、お願い、いいかな」

 

 黒樹さんが食い下がるなんて、珍しい。

 私は事情を察した。

 

「大丈夫だよ、黒樹さん。今日のことは秘密にするから」

「そうじゃなくて……よかったら、また話しかけてもいい? 柊木さんに」

「黒樹さん……」

 

 意外だった。

 けれど、クラスをまとめる立場として、黒樹さんの変化は喜ぶべきことだと思った。

 

「もちろん! クラスメイトだし、お友達になりましょう」

「ありがとう。……うれしい」

 

 黒樹さんは小さく笑った。

 その表情がどこか艶っぽくて、私はどきりとしてしまった。

 

 それから、私は黒樹さんと別れ、家路についた。

 

「やっぱり制服姿は目立つかな。今度戦うときは、私服に着替えたほうがいいかも」

 

 戦う――。

 そう、私は戦っている。

 聖光騎士アウローラとして。

 

 自ら望んで手に入れた力ではない。

 

 ある日突然、異空間から現れた不思議な光によって、私は聖光騎士となった。

 同じく異空間から現れる異形の化け物や魔族から、人々を陰ながら守るために。

 

 一方的で、理不尽な状況と言えた。苦労もあった。

 けれど、私は聖光騎士アウローラとして戦うことに、やりがいを感じていた。

 

 騎士として人々を守る。

 これならば、家族にも胸が張れる、と。

 

 アウローラの力はとても強く、化け物相手に苦戦することはなかった。

 

『彼女』が現れるまでは。

 

 魔族ネライダ。彼女の力は、私とほぼ同等だった。

 苛烈な正確で人々を見下す彼女を放っておけば、やがて結界を破って多くの人々を傷つけ、弄ぶだろう。

 

 それだけは防がなければ。

 

「あんな、破廉恥な格好で。きっと男の人を誘惑しているんだわ」

 

 ふと、妄想する。

 あの男の人に、ネライダが性的に迫るイメージを。

 男の人なら誰でも釘付けになるであろう、あの柔らかそうな胸を押しつけて、細い指先で男の人のあれを……あれを……。

 

「また! もうっ! いい加減にしなさい、アサナ!」

 

 自分自身を叱りつけ、私は家路を急いだ。

 

 

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