※この作品はR-18です。

白兎に堕ちた千の妖精   作:ノムリ

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第1話

「――ちょっと、そこの白兎! 立ち止まりなさい!」

夕暮れ時のオラリオ。中央広場へ繋がる大通りを歩いていたベル・クラネルは、背後から響いた甲高い叫び声に思わず肩を跳ねさせた。

振り返るよりも早く、細い手がベルの手首をガシッと力強く掴み込む。

そこに立っていたのは、桃色の髪と鮮やかな衣装に身を包んだハーフエルフの少女――『ロキ・ファミリア』のレフィーヤ・ヴィリディスだった。

「え、レ、レフィーヤさん……!? どうしたんですか、そんなに慌てて……」

「問答無用です! 今日という今日は、私につき合ってもらいますからね!」

「へ……? わ、ちょっと、引っ張らないでくださいーっ!」

理由も分からぬまま、ベルはレフィーヤの力強い手つきで引きずられるように歩かされた。

普段の彼女なら、ベルを見かけると対抗心を露わにしながらもどこか距離を置くはずだ。しかし、今日のレフィーヤからは尋常ではない殺気――というよりは、限界まで溜め込まれた鬱憤のオーラが漂っていた。

日々の過酷な訓練、幾度もの遠征でのプレッシャー、そして何よりも、自分よりも遥かに早い速度で成長し、憧れのアイズ・ヴァレンシュタインの隣に立ち続けるこの少年に対する、抑えきれない嫉妬と複雑な感情。それらが今日、ついに爆発してしまったのだった。

連れてこられたのは、路地裏にひっそりと佇む小さな居酒屋だった。

店内はそこそこ賑わっていたが、レフィーヤはベルを奥の小さなテーブル席へ半ば強引に座らせると、自らも向かい側にドカリと腰を下ろした。

「あの……レフィーヤさん、ここって酒場じゃ……僕たち、まだお酒は……」

「黙りなさい白兎! いいから座っていればいいんです!」

膨れっ面でベルを睨みつけると、レフィーヤは店員を呼びつけ、メニューも見ずに注文を叩きつけた。

「すみません! このお店で一番強くて、甘くて、美味しい飲み物を二つ! すぐに持ってきてください!」

「えっ!? ちょ、ちょっとレフィーヤさん!?」

「いいんです! 今日は私、日頃の苦労を全部吐き出さないと気が済まないんですから!」

数分後、店員が運んできたのは、重厚な木製のジョッキに入った深い赤色の液体だった。甘くフルーティーな香りが漂っているが、それはドワーフ特製の強力な果実秘酒――ジュースのように飲みやすいものの、一口で並の冒険者を酔い潰すほどの度数を誇る代物だった。

「よし……! 思い知らせてやりますからね……!」

「レフィーヤさん、それ、すごく強いお酒じゃ……」

ベルの制止も耳届かず、レフィーヤは勢いに任せてジョッキを両手で持ち上げると、ゴクゴクと勢いよく喉を鳴らして煽り立てた。

「ぷはぁっ……! ――って、んん……!? な、なにこれ、熱……っ!?」

飲み干した瞬間、レフィーヤの動きがピタリと止まった。

白く滑らかだった彼女の頬が、目に見える速さで真っ赤に染まっていく。鮮やかな朱色は耳の先端まで一気に広がり、その瞳は瞬く間にトロンとした熱を帯び始めた。

「レ、レフィーヤさん!? 大丈夫ですか!?」

「うぅ……っ、頭が、ぐるぐるする……。なんで……こんな、熱いの……?」

たった一杯の秘酒によって、レフィーヤの理性はあっけなく吹き飛ばされてしまったのだった。

 

レフィーヤの瞳から急激に知性の光が失われ、かわりにトロトロとした甘い熱が溢れ出していく。

「あ、あら……? ベル・クラネル……貴方、なんで、二人に……増えて……?」

「ぜ、全然増えてませんよ! だから言ったじゃないですか、そんな強いお酒一気に飲むから……っ!」

慌てて身を乗り出したベルだったが、レフィーヤはもはや自分の体を支えることすらできなくなっていた。視界が大きく揺らぐ感覚に耐えかねたのか、彼女は机に置かれた自分のジョッキを倒しそうになりながら、ふらりと上半身を大きく傾ける。

「わ、わわっ!危ないです!」

ベルが手を伸ばして受け止めようとするより早く、レフィーヤの体が対面から乗り出すようにして、ベルの胸元へと倒れ込んできた。

ドサッ、という重みのない衝撃とともに、甘い果実の香りと、少女特有の芳しい体温がベルの体全身を包み込む。

「ん……ぁ……っ」

ベルの胸板に顔をうずめたレフィーヤから、熱を孕んだ小さな吐息が漏れた。胸元に押し当てられた彼女の頬は驚くほど熱く、衣服越しにもその過剰な火照りがはっきりと伝わってくる。

「レ、レフィーヤさん……!? お、起きてください! ここは酒場ですし、とりあえず立ち上がりましょう……っ!」

「……やだ」

「へ?」

上ずった声で呼びかけるベルに対し、胸元から返ってきたのは、普段の彼女からは到底想像もつかないような、子供っぽく甘え切った拒絶の言葉だった。

レフィーヤはベルの服の胸元を、細い指先でギュッと掴み寄せる。布地がしわくちゃになるのも構わず、まるで大事な抱き枕にでもすがりつくように、その顔を胸板にグリグリと押し付けた。

「やです……。立ちたくない……動きたくない……っ。全部、貴方のせいなんですからね……っ!」

「僕のせい!? な、なんで僕のせいに――」

「貴方が……ッ! 貴方がいつもいつも、信じられないスピードで強くなるから……っ!!」

突如、胸元から顔を弾けさせるように上げたレフィーヤの顔は、涙と朱でグチャグチャに染まっていた。

トロりと焦点の合わない大きな黄金色の瞳に、ボロボロと大粒の涙が浮かび上がり、真っ赤になった頬を伝って落ちていく。その瞳には、素らには見せない激しい感情の濁流が渦巻いていた。

「どうして……っ! どうしてそんなにすぐに追いついてくるんですか……!? 私がどれだけ血の滲むような思いで魔法の練習をしてるか、知ってるんですか……!? なのに、貴方は『英雄願望』なんて無茶苦茶な力で……あっという間に私を追い抜いて……っ!」

「レフィーヤさん……」

「私だって……私だって、ロキ・ファミリアの魔導士なんです……! アイズ様の隣に立ちたいのは、私なのに……っ! なのに貴方は、アイズ様アイズ様って……アイズ様のことばかり見て……! 私のことなんて、ちっとも見ないで……っ!!」

吐き出されるのは、鬱屈とした対抗心と、それ以上に深い焦燥感。そして――自分でも気づいていなかったかもしれない、猛烈な『嫉妬』の感情だった。

「アイズ様の特別になりたいのは……私なのに……っ。どうして貴方なんですか……っ! なんで……なんで貴方ばかり、あんなにカッコよく……みんなに必要とされて……っ!」

「え……?」

「私だって頑張ってるのに……! 貴方に負けたくなくて、追いつきたくて……ずっと、貴方の背中ばかり見てるのに……っ! 貴方はちっとも、私を振り返ってくれない……っ!!」

レフィーヤの言葉は、もはや支離滅裂な絡み酒の領域を超えていた。

吐き出される言葉の端々から溢れ出るのは、紛れもない情熱と、一人の男としてのベル・クラネルに対する、痛いほどの執着。

ドワーフの秘酒がもたらした猛烈な熱狂は、彼女の強固なエルフとしての矜持を完全に溶かし去り、胸の奥底に秘められていたドロドロとした純粋な感情を、そのまま外へと曝露させていた。

「ずるい……ずるいです、ベル・クラネル……っ。私を……私を置いていかないで……っ!」

「っ……」

胸元を握り締めるレフィーヤの指先に、ぎゅっと力が込められる。

顔を極限まで近づけられ、彼女の甘く熱い吐息が、ベルの首筋や唇にダイレクトに吹きかかってくる。熱気に満ちた瞳で見つめ返され、ベルの心臓は警鐘を鳴らすようにドクドクと跳ね上がった。

(な、なんだ……これ……っ!? レフィーヤさん、僕のことをそんな風に……!?)

ライバルとして、あるいは鬱陶しい存在として嫌われているとばかり思っていた。

まさか彼女が、これほどまでに自分を意識し、苛立ち、そして焦がれていたなんて。

「あ……熱い……。なんか、体が……すごく熱いよぉ……っ」

本音をぶちまけきったことで余計に血液の循環が良くなったのか、レフィーヤはうわ言のように呟きながら、自分の胸元を片手で乱暴にくつろげ始めた。

薄い上衣のボタンが弾け、整った鎖骨と、エルフ特有の白く滑らかな肌が露わになる。彼女の体からは、まるで熱病に冒されたかのように、濃密で甘い熱気が立ち上っていた。

「ひ、ヒッ……!? レ、レフィーヤさん、脱がないでください! ここは店の中ですよ!?」

「だって……熱いんだもん……っ。ねぇ、ベル……冷たい手で、触ってよぉ……っ」

「っっ――!?」

甘く蕩けた声で名前を呼び捨てにされ、さらにはすがるように自分の手を取ろうとしてくるレフィーヤ。

距離感など完全に消失していた。豊満とは言えずとも、柔らかくしなやかな少女の肉体が、惜しげもなくベルの体に押し付けられている。

このまま酒場に放置しておけば、大変なことになってしまう。

ベルは限界まで赤くなった自分の顔を隠すように歯をくいしばり、熱でトロトロになったレフィーヤの腰を支えるべく、意意を決して伸ばした手が、レフィーヤの細い腰へと回る。

「とにかく外へ……静かな場所に移動しましょう、レフィーヤさん……っ!」

ベルは自分を言い聞かせるように呟き、熱でぐにゃぐにゃになった彼女の身体を引き上げようと力を込めた。しかし、酒の熱と感情の高ぶりで完全に理性を失っているレフィーヤは、おとなしく指示に従うような状態ではない。

「やぁ……っ、触らないで……ううん、触ってぇ……っ!」

「わ、わっ!? 暴れないでくださいっ!」

立ち上がろうとした瞬間、レフィーヤが拒絶と甘えの入り混じった矛盾した動きで身体を大きく捻らせた。足元がおぼつかない彼女の体重が急激に傾き、バランスを崩したベルは、二人まとめて倒れそうになるのを防ごうと慌ててその手を強く引き寄せる。

その拍子だった。

 

――ガバッ!!ーームニュッ♡

 

「ひやっ……!?」

 

ベルの手の位置が、乱れた服の滑らかな生地の上を滑り、そのままレフィーヤの丸みのある小さなお尻を、服の上からガッシリと深く掴み取ってしまった。

掌に飛び込んできたのは、エルフ特有のしなやかでありながら、弾力に満ちた極上の肉感。手のひら全体を包み込む柔らかな感触と、布地越しでもはっきりと伝わってくる少女の熱い体温に、ベルの頭の中が真っ白になる。

 

「あっ……ああんっ……♡」

「っっ――!?」

 

次の瞬間、レフィーヤの口から漏れたのは、今まで聞いたこともないような甘く艶っぽい喘ぎ声だった。

キュッと引き締まった菊門の周辺やお尻の肉をダイレクトに鷲掴みされた刺激が、酒で過敏になった彼女の神経を狂わせたらしい。レフィーヤは背筋をピクンと大きく跳ね上がらせ、瞳をトロトロに潤わせながら、ベルの腕の中でぐにゃりと力を抜いた。

「んぅ……っ、そこ……ダメぇ……っ、白兎のくせに……なに、お尻……触って……あぁんっ♡」

「ご、ごめんなさい! 違っ、事故です! わざとじゃなくて――っ!」

慌てて手を離そうとするベルだったが、お尻を触られた痺れと快楽の余韻のせいか、レフィーヤはかえってベルの首元に両腕を回し、自分の身体をさらに深く押し付けてきた。

「はぁ……はぁっ……熱い……っ。お尻……変な感じする……っ♡ ねぇ、もっと……っ」

「〜〜〜っ!?」

お尻を鷲掴みにした感触が指先に残ったまま、耳元で甘い吐息を吹きかけられる。

同じ『男』として、そして年相応の少年として、ベルの理性が限界を迎えつつあった。ズボンの中のモノが猛烈な勢いで血流を集め、硬く熱い主張を始めそうになるのを、ベルは必死に歯を食いしばって耐える。

(だ、ダメだ……こんなところでこんな声を出されたら、店の人に見つかっちゃう……っ! それに、外に出てもこの状態じゃ……!)

店内を見渡せば、隣の席の荒くれ冒険者たちが、レフィーヤの艶っぽい喘ぎ声に反応してチラチラとこちらを窺い始めている。このまま街中に出れば、服を脱ごうとするレフィーヤの姿が人目に晒されてしまうのは火を見るより明らかだった。

選択肢は一つしかなかった。

「す、すみません! お会計ここに置いておきますっ!」

ベルはテーブルにお金を押し付けるように置くと、熱でトロトロになり「あは……っ、ベルの手ぇ……あったかい……♡」とうわ言を漏らすレフィーヤを強引にお姫様抱っこで抱え上げた。

そして、赤面と動悸を抑えられないまま、酒場の裏口から夜の路地裏へと飛び出し、目についた最も近いホテルの看板がかかった扉へと逃げ込むのだった。

 

 

@@@

 

 

ホテルの受付に金貨を放り投げるように押し付け、ベルは抱え上げたレフィーヤとともに一番奥の部屋へと駆け込んだ。

ドアを閉め、重い鍵をかけた瞬間に、張っていた緊張の糸がプツリと切れる。

「はぁ……はぁっ、なんとか……無事に入れた……」

荒い息を吐き出しながら、ベルはお姫様抱っこしていたレフィーヤをそっとベッドの上へと降ろそうとした。しかし、その瞬間にレフィーヤがベルの首元に回していた腕にぎゅっと力を込め、そのまま体重をかけて二人まとめてベッドの上へと倒れ込んだ。

「わ、わわっ!?」

ベッドの柔らかいマットレスに沈み込むと同時に、レフィーヤがベルの上へと覆いかぶさる形になる。

「……逃がさない……って、言ったでしょ……白兎……」

山吹色の美しい髪が、乱れたままベルの胸元や顔にかかり、甘い果実と少女特有の芳しい香りが鼻腔をくすぐる。

酒の熱に耐えかねたのか、レフィーヤは荒い息を吐きながら、自ら上衣のボタンを乱暴にはじき飛ばすようにして脱ぎ捨ててしまった。

露わになったのは、華奢でありながらもしなやかな少女の身体と――それを優しく包み込む、淡いペールピンク色の下着だった。

「レ、レフィーヤさん……っ!? 服、脱がないで――」

「うるさい……バカ……っ。熱いんだから……仕方ないじゃない……っ」

口では普段通りの強気で生意気なセリフを吐き捨てながらも、彼女の瞳はとろとろに溶けきり、真っ赤に火照った頬には涙が滲んでいる。エルフの気高さなどどこにもなく、そこにあるのはただ、一人の男に身を焦がす無防備な少女の姿だった。

レフィーヤは乱れた吐息を漏らしながら、小さく震える手をベルの頬へと伸ばした。

「生意気です……っ。ほんと……生意気……っ。私より後から冒険者になったくせに……こんなの……ダメなのにっ♡……私、なにやってるの……っ♡」

自嘲気味に呟く彼女の顔が、至近距離まで近づいてくる。断る間もなく、彼女の柔らかく熱い唇が、ベルの唇を重ねるように塞いだ。

 

「んむ……っ、ふぁ……♡」

 

甘いお酒の味と、レフィーヤの熱い吐息が直接口内へと流れ込んでくる。夢中で唇を貪るような、拙くも情熱的なキス。ベルが驚きで目を丸くしていると、レフィーヤは一度唇を離し、潤んだ紺碧の瞳でベルを見つめ下ろした。

 

「ねぇ……ベル……。触ってよ……っ」

「え……っ?」

 

レフィーヤはベルの大きな右手を取ると、迷うことなく自身の胸元へと導いた。

ペールピンク色のブラジャーの上からではなく、その華奢な指先でカップのフチを強引に少し押し下げ、布地の隙間からベルの無骨な手を滑り込ませる。

 

「あぁっ……♡」

 

ベルの手のひらに直接触れたのは、吸い付くように柔らかく滑らかな、剥きたてのゆで卵のような素肌の感触。そして、その中央で恥ずかしそうにキュッと尖らせた、熱く小さな突起だった。

 

「ひぁっ……! す、手で……触られてる……っ♡ んぁっ、ダメなのに……気持ちいい……っ」

 

指先が柔らかい肉を沈め、先端をかすかに撫でるたび、レフィーヤは背中を反らせて甘い悲鳴を上げた。

しかし彼女のおねだりはそれだけでは終わらない。今度はベルのもう片方の左手を掴むと、ペールピンク色のパンティのウエストゴムの隙間へと強引に押し入れた。

 

「んっ……あぁんっ……♡」

 

薄い布地をくぐり抜けた手が、レフィーヤの弾力のある小さなお尻の肉にダイレクトに触れる。

酒場での事故のときとは違う。今は下着の内側で、滑らかで熱い彼女の素肌を、自分の手のひら全体でガバッと強く鷲掴みにしているのだ。

 

「あっ、やぁ……っ♡ お尻……直接掴まれてるぅ……っ! ベルの……おっきい手……すごく熱い……っ」

 

自分の胸とお尻を、下着の隙間から直接触らせながら、レフィーヤはうっとりと瞳を細めてベルに身を委ねていた。

ツンと澄ましていたはずのエルフの乙女が、自ら服を崩し、下着の中に男の手を導いて快楽に身を震わせている。その背徳的で艶やかな姿に、ベルの理性は音を立てて崩壊した。

ズボンの下で、すでに限界まで熱く硬く脈打っていた男の証が、主張するようにレフィーヤの下腹部へと押し付けられる。

 

「あ……っ、固いの……あたってる……♡ ベルの……おっきくなってる……っ」

「レフィーヤさん……そんな、ダメです……っ。僕、男だから……こんなの耐えられなくなっちゃいます……っ!」

「耐えなくていいわよ……バカ……っ」

「え……?」

耳を疑うベルの目の前で、レフィーヤの顔がゆっくりと近づいてきた。

「ん……む、っ♡」

自分に向けられた猛烈な欲望の存在を肌で感じ取り、レフィーヤは満足そうに、そしてどこか乱れた笑みを浮かべた。山吹色の髪を散らし、ペールピンクの下着を乱したまま、彼女はベルの耳元へと顔を近づける。

 

「私を……困らせるのも、熱くするのも……全部、貴方のせいなんだから……責任、取りなさい……っ♡」

 

自分の体の敏感な場所を男の手に押し付けながら、甘い吐息をベルの耳元に吹きかけた。

普段の強がりも、ライバルとしての意地も、すべてが快楽と恋心の中に溶けて崩れていく。

自ら体を差し出し、甘い声で肉体の接触をねだるレフィーヤの破滅的なまでの可愛らしさと艶やかさに、ベルの理性を繋ぎ止めていた最後の糸が、プツリと音を立てて切れ落ちたのだった。

 

@@@

 

 

「責任……取ります。僕、もう……止められません……っ!」

理性のタガが完全に弾け飛んだベルは、覆いかぶさっていたレフィーヤの華奢な腰を抱き返し、ベッドの上で上下をひっくり返すようにして彼女を下に押し敷いた。

「あっ……んぅっ……♡」

仰向けに倒れ込んだレフィーヤの山吹色の髪が、真っ白なシーツの上に美しく散らばる。乱れたペールピンク色のブラジャーからは柔らかな胸が今にも零れ落ちそうで、引き締められたパンティの隙間からは、ベルの大きな手がまだ彼女の小さなお尻を直接掴み込んでいた。

ベルは覆いかぶさったまま、熱い欲望を隠すことなく彼女の唇を再び塞いだ。今度はさっきまでの拙いキスとは違い、男としての激しさを帯びた深い吻合いだった。

「んむぅ……っ、ん……っ♡ べ、ル……っ、んちゅ……っ」

舌が絡み合うたびに、レフィーヤの鼻から甘い吐息が漏れ出す。ベルは右手を胸からすべらせ、ペールピンクのパンティ越しに、彼女の最も敏感で熱を帯びた秘所へと手を伸ばした。下着の布地は、すでに彼女から溢れ出た熱い愛液によってしっとりと湿り気帯びている。

「ひぁっ……! そこ……ダメぇっ♡ んあぁっ……!」

指先が布越しに割れ目を軽く圧迫しただけで、レフィーヤは背筋を弓なりに反らせ、甘い悲鳴を上げた。ベルは躊躇うことなく、下着の足ぐりの隙間から直接、熱く湿った小陰唇の合間へと指を潜り込ませた。

「あぁあッ……♡ 直……っ、指が、触ってるぅ……っ! あつ……あついよぉ、ベル……っ♡」

トロトロに溢れ出す秘液がベルの指先を濡らし、くチュ、くチュと下品な水音を立てる。ベルが優しく、けれど確実に秘核を捏ね上げるように指を動かすと、レフィーヤは足をガクガクと震わせ、山吹色の髪を乱してベルの肩にすがりついた。

「ダメっ、そんな……擦られたら……っ! 私……おかしくなっちゃう……ぁんっ♡」

「レフィーヤさん……すごく熱くて、濡れてます……っ」

「言わないで……っ、バカ……っ♡ 誰のせいだと……思ってるのよぉ……っ!」

恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながらも、レフィーヤは自ら腰をわずかに浮かせ、ベルの指の動きを乞うように追う。エルフの気高き乙女の身体は、完全にベルの愛撫によって男を受け入れる準備を整えさせていた。

ベルは自分のズボンと下着を力任せに脱ぎ捨てると、限界まで張り詰め、先走り液を垂らす自身の怒張を露わにした。その熱く硬い質量がレフィーヤの腿に触れた瞬間、彼女は「ひっ……♡」と小さく息をのんだ。

「おっきい……っ。こんなの……入らないわよ……っ」

弱気なセリフとは裏腹に、彼女のペールピンクのパンティは完全に横へとずらされ、濡れそぼった愛穴が完全に無防備な姿を晒している。レフィーヤは自ら細い脚を大きく開き、ベルの腰を包み込むように誘導した。

「でも……ベルの、ほしい……っ。私の中に……入って……っ♡」

「レフィーヤさん……っ!」

ベルは彼女の膝裏を抱え上げ、自身の先端を、溢れ出る愛液に濡れた蕾の入り口へと宛てがった。そして、体重をかけるようにして、ゆっくりと腰を押し進めていく。

「んあぁぁぁッ……!!」

ぬちゅり、という湿った肉音とともに、ベルの巨大な熱塊がレフィーヤの狭く狭い腔内へと潜り込んでいく。処女特有の強い締め付けと極上の生温かさがベルの亀頭を包み込み、あまりの心地よさにベルは息を詰まらせた。

「ひっ……ぐ……っ♡ 入ってくる……っ、ベルの……固いの……奥まで……っ!」

「はぁっ……はぁっ……レフィーヤさん、すごく……きついです……っ」

「当たり前……でしょうが……バカ……ッ♡ 私……初めて……なんだから……っ!」

涙目で睨みつけてくるレフィーヤの言葉に、ベルの胸が高鳴る。ロキ・ファミリアの誇り高きエルフの「初めて」を、自分が奪っているという事実が、ベルの男としての本能をさらに激しく突き動かした。

根元まで完全に結合すると、レフィーヤは「ふあぁぁ……っ♡」と長い吐息を漏らし、ベルの背中に爪を立てるようにして強く抱きついてきた。腹の奥深くまで男の存在感で満たされた感覚に、彼女の瞳は完全に蕩けきっている。

「动くよ……レフィーヤさん……っ」

「ん……っ、優しく……しなさ――あぁぁッ♡!?」

言葉が終わるより早く、ベルが腰を引いて一気に押し戻すと、最奥の敏感なスポットをガツンと突かれたレフィーヤが絶叫に似た甘い悲鳴を上げた。

「あぁっ! そこ……ダメっ! 奥……突いちゃ……あぁんッ♡!」

「はぁっ、はぁっ……! レフィーヤさん……っ、好きだ……っ!」

「っっ――!?」

無意識に漏れ出たベルの真っ直ぐな言葉に、レフィーヤの胸が激しく跳ね跳ねる。

一度始まってしまった激しいピストンは、もう誰にも止められなかった。ぐちゅり、ぐちゅりと、二人から溢れ出る愛液が激しい水音を奏で、ベッド全体を揺らす。

「あっ♡ あっ♡ ベルっ♡ 凄い……っ、私……壊れちゃう……ッ! んぁぁっ♡」

「レフィーヤさんっ……! レフィーヤさんっ……!」

山吹色の髪を振り乱し、ペールピンクの下着をはだけさせたまま、レフィーヤはベルの突き上げに合わせて幾度も絶頂へと突き落とされた。ライバルだったはずの男の体温、男の匂い、そして自分を激しく突き上げる男の肉棒に、彼女の心も体も完全に屈服し、甘い悦楽の底へと沈んでいく。

「あぐっ……! レフィーヤさん、僕……もう出ちゃいます……っ!」

「いいよっ♡ 出して……っ! ベルの種……私の中に……いっぱい出してぇぇッ♡♡!」

限界を迎えた二人の結合部が、強くぎゅっと締め付けられた。

ベルはガシッとレフィーヤの細い腰を掴み込むと、彼女の最奥の壁に亀頭を強く押し付け、猛烈な勢いで濃厚な精液をドクドクと叩き込み始めた。

「んあぁぁぁぁぁぁぁーーーーッッ♡♡!!」

白目を剥くほどの絶頂に達したレフィーヤは、背中を大きく反らせて絶叫した。体内を満たしていくベルの熱い精液の脈動を感じながら、彼女の秘腔は狂ったように伸縮し、ベルの怒張を限界まで締め上げ続けた。

何十秒にも及ぶ濃厚な射精が終わり、ベルがぐったりと彼女の上に倒れ込む。

結合部からは、溢れ返った白濁液がとろりと垂れ落ち、シーツと彼女の太ももを熱く濡らしていた。

「はぁ……はぁ……っ♡ ベル……っ♡」

レフィーヤは完全に力を失った腕でベルの頭を優しく抱きよせ、幸せそうに、そしてうっとりとした表情で、彼の白髪に愛おしそうに指を絡めるのだった。

 

ドクドクと体内を濡らす熱い脈動がようやく収まり、重なり合った息の乱れが少しずつ落ち着きを見せ始めた頃――結合したままの肉体がもたらす体温は、二人の情動を冷ますどころか、むしろ新たな熱を煽り立てていた。

「はぁ……はぁ……っ♡ ベル……これで終わりだなんて……思ってないわよね……っ?」

レフィーヤは、ベルの胸元に預けていた体をゆっくりと起こすと、湿り気帯びた山吹色の髪をさっと払いのけた。蕩けきった黄金色の瞳には、いまだ収まらない情熱の残り火と、一度開いてしまった快楽の扉によって解き放たれた濃密な雌の欲動が宿っていた。

「レ、レフィーヤさん……っ? まだ、抜けて……っ」

「抜かせないわよ……バカ……っ♡」

レフィーヤはベルの肩を強く押し、今度は自らが上になる形で彼をベッドへ押し倒した。

繋がったままの茎が体内で角度を変え、最奥の敏感な粘膜をぐにゅりと擦り上げると、彼女の口から「んぁっ……♡」と甘い吐息が漏れ出る。

彼女は膝を大きく開き、ベルの腰を両脚で挟み込むように跨がった。乱れたペールピンク色の下着は太ももの途中で引っかかったまま、無防備に開かれた秘所と、そこへ太く貫くベルの怒張を隠すことなく露わにしている。

「見てみなさいよ……白兎……っ♡ 貴方の固いのが……私のここに、こんなに深くまで埋まってるの……っ」

レフィーヤは自ら両手で股を開き、肉と肉が一切の隙間なく噛み合い、溢れ出た体液でぬちぬちと泡立つ結合部をベルの視界へと見せつけた。エルフの気高さなどどこにもない、あまりにも淫らで生々しいその光景を突きつけられ、ベルは息を飲んで顔を真っ赤に染め上げる。

「あ、あく……っ! レフィーヤさん、そんなに見せられたら……っ!」

「ふふっ……興奮してるんでしょう……っ? だったら……もっと熱くなってよ……♡」

恍惚とした笑みを浮かべたレフィーヤは、自身の腰を滑らかに、そして力強く上下に揺らし始めた。

ズチュ、ずぷり、と下品な水音が部屋の中に響き渡る。自ら主導権を握り、男の上で激しく腰を振るその姿は、先ほどまでの恥じらいを完全に脱ぎ捨て、快楽を貪る一人の艶やかな女そのものだった。

「んあぁっ……♡ 入ってくる……っ! 自分で動くと……奥の熱いところが……直で擦れて……っ、ひぁぁッ♡!」

激しい上下運動に拍車がかかる中、レフィーヤは上半身をかがめ、ベルの無防備な胸元へと細い指先を伸ばした。山吹色の髪がベルの肌を撫でる中、彼女の指先がキュッとつまみ上げたのは、興奮で小さく立ち上がっていたベルの乳首だった。

「あ……っ!? レフィーヤさん、そこっ……!」

「ここ……弱いの……っ? 男のくせに……こんなところで声出して……可愛いわね……っ♡」

指先でピンと突起を引っ張り、クリクリと捏ね回すような刺激が加わるたび、ベルの背筋に電撃のような快感が駆け抜ける。上からの激しい腰使いと、胸元への意地悪で濃密な愛撫――二重の責め苦に、ベルの体内からは再び猛烈な熱気が湧き上がり、一度は和らいでいた男の証が、レフィーヤの膣内で急速に硬度を増して膨れ上がっていった。

「あ……っ♡ また……大きくなって……っ! 私の中で……暴れてる……っ♡」

「くっ……! レフィーヤさんっ……もう、我慢できません……ッ!」

体内を圧迫する圧倒的な質量に絶頂の予感を覚えたレフィーヤは、歓喜に満ちた悲鳴を上げながら、さらに速度を上げてベルの上で狂ったように腰を打ちつけ始めるのだった。

 

「あッ……あぁぁッ♡!? べ、ル……ッ!?」

下からの激しい逆突きを受け、レフィーヤは悲鳴のような甘い声を上げながら大きく背中を反らせた。

ベルの無骨で大きな両手が、彼女の細い腰をガッシリと掴み固定する。指先がレフィーヤの柔らかい肌に食い込むほどの強い力で抑え込まれ、彼女は逃げ場を完全に失った。

「レフィーヤさん……っ! 僕だって、もう……手加減なんてできませんっ!」

下から猛然と繰り出される突き上げは、先ほどまでの優しさなど微塵も感じさせないほど荒々しく、そして深かった。ベルの硬度を増した怒張が、引き締められた腔内の最奥――一番敏感なスポットを容赦なくガツン、ガツンとダイレクトに叩き潰していく。

「ひゃぁッ♡! ダメっ、奥……奥のそこっ、何度も突いちゃダメぇッ♡♡!」

山吹色の髪を激しく乱し、レフィーヤはベルの胸元に爪を立ててしがみついた。自身で腰を振っていた時の快楽とはまるで比べものにならない猛烈な刺激の波が押し寄せ、脳内が真っ白に染まっていく。

パンパンと肉と肉が激しくぶつかり合う淫らな音と、二人の愛液が混ざり合って奏でるズチュズチュという濃密な水音が部屋中に響き渡る。太ももに引っかかったままのペールピンク色のパンティは激しいピストン運動の衝撃で完全に横にズレ、結合部からは白濁した泡が惜しげもなく溢れ出していた。

「あっ♡ あッ♡ ベルっ、凄すぎる……ッ! 私のなか、壊れちゃう……壊されちゃうよぉッ♡!」

「レフィーヤさんっ……! レフィーヤさん……っ!!」

ベルは掴んだ腰をさらに引き寄せ、自身の肉棒を根元まで深く叩き込み続ける。下腹部が強く押し付けられるたび、レフィーヤの胸から零れ落ちそうな柔らかな肉が激しく上下に揺れた。

「あぁあッ♡ もう、ダメっ……また……またイッちゃうぅぅッ♡♡!」

レフィーヤの爪がベルの背中に強く食い込み、彼女の腔内がキュウキュウと狂ったように締め付けられていく。限界を迎えたベルもまた、彼女の腰を極限まで引き寄せて最奥に亀頭を強く押し当てた。

「出ます……っ! レフィーヤさんっ……!!」

「出してぇッ♡ ベルの熱いの、私の中に……全部頂戴ぇぇッ♡♡!」

限界に達した二人の絶頂が重なり合う。ベルの怒張から、脈打つような勢いで濃厚な精液が何度も何度もドクドクと彼女の最奥へと叩き込まれた。

「んあぁぁぁぁぁぁぁーーーーッッ♡♡!!」

白目を剥くほどの強い快楽に全身を痙攣させ、レフィーヤは喉を枯らすような絶叫を上げた。体内に注ぎ込まれる男の熱い種子の存在感を感じながら、彼女は激しい歓喜と快楽の余韻のなかで、静かにベルの身体へと倒れ込んでいった。

 

二人はもはや何も考えずに、ただ欲望の赴くままに互いの体を貪り合った。

普段は頑なな衣服とプライドによって隠されていたあらゆる場所を触れ合い、貪るように舐め合う。山吹色の髪を汗で濡らしたレフィーヤが甘い悲鳴を上げるたび、ベルはその滑らかな肌に幾度も唇を寄せ、痕をつけるように吸い付いた。

どれほどの時間が過ぎただろうか。途切れることのない交わりの中で、ベルのペニスは一度としてレフィーヤの膣内から抜かれることがなかった。神の『恩恵(ファルナ)』によって極限まで引き上げられた冒険者としての体力を、二人は今、この濃厚な性的歓喜のためにすべて注ぎ込んでいた。常人であればとうに途絶えているはずの精力は衰える兆しすら見せず、射精の回数が二桁を数えてもなお、ベルの男の証は熱く硬く脈打ち続け、彼女の最奥を貫き通していた。

「あっ♡ あぁっ♡ ベル……っ、また……また私の中で、こんなにおっきくなってぇ……ッ♡」

幾度も注ぎ込まれた白濁液でドロドロに満たされた愛穴は、ピストンが繰り返されるたびにジュチュジュチュと淫らな泡音を奏でる。かつて気高き『千の妖精』と称えられたエルフの少女の口から溢れ出るのは、もはや正気を疑うほどに卑猥で狂おしい蕩言ばかりだった。

「いいよぉっ♡ 雑種のエルフのまんこ、ベルの好きなように壊してっ♡ 気持ちいい……っ、白兎に攻められるの……おかしくなるくらい、気持ちいいよぉぉッ♡♡!」

ライバルとしての矜持も、エルフとしての潔癖さも、すべては幾度もの絶頂の波に押し流され、ただベルから与えられる圧倒的な肉の快楽への服従へと書き換えられていた。

ベルが荒い息を吐きながら下から猛烈に突き上げるたび、太ももに引っかかったままのペールピンク色のパンティが揺れ、彼女の豊かな胸が激しく躍動する。レフィーヤは半狂乱の笑みを浮かべながら、ベルの白髪に指を絡め、自らも歓喜の悲鳴を上げてその激しい愛撫に身を委ね続けた。

夜が明ける直前まで繰り広げられた狂乱の交わりは、二人を完全な快楽の渦へと呑み込み、密室の空気は二人の体液と濃密な愛の匂いでどこまでも満たされ尽くしていた。

 

 

小窓から差し込む朝焼けの柔らかな光が、まぶたの裏を撫でる。

「……ん……っ」

重い頭を揺らしながら、レフィーヤ・ヴィリディスはゆっくりと瞳を開けた。

視界に飛び込んできたのは、見慣れた『ロキ・ファミリア』の本拠(黄昏の館)の天井でも、自身の自室でもない――見覚えのない素朴な木の天井だった。

「……え……? ここ……どこ……?」

酒気が抜けきり、まだぼんやりとした頭で呟こうとした瞬間、レフィーヤは自身の身体に強烈な違和感を覚えた。

肌を擦るシーツの感触が、あまりにもダイレクトすぎる。

違和感を覚えてそっと布団の中を覗き込んだレフィーヤは、息を呑んで固まった。

(な……なに、これ……!?)

服を着ていない。

それどころか、普段身につけている下着すら何一つ纏っていない、完全な『素裸』だった。

それだけではない。太ももの内側や下腹部、胸元には、うっすらと赤く残った触れ合いの痕跡(痕)があり、腰から下には尋常ではない重だるさと、湿り気帯びた熱い余韻がはっきりと残っている。

「な、なんで……私、服……服は……ッ!?」

パニックを起こしそうになりながら慌てて周囲を見渡そうと横を向いたレフィーヤの動きが、ぴたりと止まった。

すぐ隣に、誰かが眠っている。

真っ白な、雪のように柔らかそうな髪。

すやすやと穏やかな寝息を立てながら、自分と同じように何も身につけず、掛け布団から無防備な肩と胸元を覗かせている少年――。

「べ……ベル・クラネル……!?」

絶句した。

いつも嫌味を言い、対抗心を燃やし、けれどどこかで――その圧倒的な成長速度と素直さに、憎からず思いを寄せていた『白兎』が、すぐ目と鼻の先で無防備に眠っていたのだった。

 

「な、なんで……なんで貴方が私の隣に……!?」

頭に血が上り、顔が一瞬で限界まで真っ赤に染まる。同時に、昨夜の出来事が鮮明な映像となって脳裏に怒涛のようにフラッシュバックしてきた。

酒場でストレスを爆発させて強引にベルを連れ込んだこと。

ドワーフの秘酒を勢い任せに煽ったこと。

絡み酒になり、日頃の嫉妬や「自分を見てほしい」という本音をぶちまけたこと。

腰を支えられた時にお尻を掴まれて甘い声を出したこと。

熱さに耐えかねて外で服を脱ぎ始め、ホテルに連れ込まれたこと――。

そして何より、半脱ぎのペールピンクの下着姿で自らベルをベッドに押し倒し、胸やお尻を直接触らせて誘惑したことや、その後朝まで何度も貪り合った恥ずかしすぎる記憶の数々。

「あ、あ、あ……あえぇぇぇッ……!?」

声にならない叫びが喉から漏れる。激しい羞恥と罪悪感に苛まれ、レフィーヤは頭を抱えてベッドの上で悶絶した。

(私……私、なんてことを……っ! 白兎相手に、自ら服を脱いで……あんな卑猥な声を出して……っ! 狂ってる、絶対に狂ってるわ!!)

顔から火が出るどころか爆発しそうなほどの熱量で身悶えするレフィーヤの動揺が伝わったのか、隣のベッドがかすかに揺れた。

「ん……っ……レフィーヤ……さん……?」

白髪の少年がゆっくりと瞼を開け、まだ夢心地の赤い瞳をレフィーヤへと向けた。

視線が合わさった瞬間、昨夜の情熱的な歓声や彼の熱い体温、そして最奥を何度も突かれた感触が蘇り、レフィーヤの心臓が跳ね上がる。

「~〜〜〜〜ッッ!!」

「あ、おはようございます……って、レフィーヤさん!?」

ベルも瞬時に状況と自身の全裸状態を思い出し、顔を真っ赤にして跳ね起きた。掛け布団を慌てて胸元まで引っ張り上げる。

「あの、昨夜は……そのっ、僕、止められなくて……っ!」

「だ、黙りなさいバカ白兎!! 一言も喋るな!!」

レフィーヤは叫びながらシーツを引っ張り、自身の体を隠すように抱え込んだ。しかし、昨夜の記憶の中で、彼に「責任を取りなさい」と迫り、幾度も彼を求めたのは自分自身であったという事実が重くのしかかる。

ライバルであり、憎たらしくて、けれど追いつきたくて堪らなかった少年。

そんな彼を、いまや一人の「男」として激しく意識してしまっている自分をごまかすことはできなかった。

申し訳なさそうに視線を落としたベルは、赤面しながらも真剣な眼差しでまっすぐにレフィーヤを見つめ返した。 

 

「……レフィーヤさん。酒の勢いだったとしても……僕は、取り返しのつかないことをしました。……僕、絶対に責任を取ります。レフィーヤさんのこと、ちゃんと考えますから!」

 

まっすぐで誠実な言葉と瞳。

その言葉が胸の最奥にストレートに突き刺さり、レフィーヤの胸は痛いほどにときめいてしまった。

 

「っ……!!」

 

あまりの甘い衝撃に胸を締め付けられながらも、エルフとしてのプライドと性格が邪魔をして、素直な言葉が出てこない。レフィーヤは真っ赤な顔を背け、ツンと刺さるような強がりで叫んだ。

 

「な、なに言ってるのよこのバカ白兎!! 誰が貴方なんかに責任を取ってなんて頼んだのよ!? 勘違いしないでちくだいさい!」

 

しかし、どれだけ言葉で強がってみせようとも、彼女の胸の鼓動は早鐘のように鳴り響き、その瞳にはベルへの恋心が確定的に宿っていた。

口では反発しながらも、心も体も完全にベルに堕ちてしまったことを自覚し、レフィーヤはシーツを強く握り締めながら顔を限界まで赤く染め続けるのだった。

 

 

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