紅月カレン巨乳バニー堕ち~中年ブリタニア伯爵に快楽で調教されて~ 作:O・クロダ
【序章 赤い兎】
扉を開ける前から、部屋の明かりが廊下に漏れていた。
午後十一時。トウキョウ租界の丘の上に建つヘイスティングス邸は、使用人たちが下がって静まり返っている。絨毯を踏む自分の靴音だけを聞きながら、ロデリックは寝室の前で足を止めた。
扉が、指一本ぶんだけ開いている。
隙間から、鏡台の前に立つ背中が見えた。
赤だった。
紅蓮と同じ色に染めたバニースーツが、細い腰から尻の丸みにかけてぴたりと張りつき、黒の網タイツに包まれた長い脚が、赤いハイヒールの上にまっすぐ伸びている。外に跳ねた赤い髪の上で、同じ赤の兎耳が揺れていた。
鏡に映る正面では、深く刳られた胸元の縁が白い肌に浅く食い込み、その上に、乳房の上半分が今にもこぼれ落ちそうに盛り上がっていた。半年前、この手で初めて掬い上げたときより、はっきりとひと回り重くなった膨らみだった。
カレンは鏡を覗き込みながら、自分の手で耳の角度を直していた。それから鏡台に置いてあった白い尻尾を取り上げる。毛玉の根元から、指二本を束ねたほどの黒いプラグが伸びていた。
ロデリックは扉の陰で息を止めた。
カレンは少し腰を落とすと、片手で股布の後ろをずらし、プラグの先を自分の窄まりにあてがった。小さく息を吐き、ゆっくりと押し込んでいく。肩が二度、小さくすくみ、丸い尻が一度きゅっと強張って、やがて白い毛玉が赤い布の上にちょこんと収まった。
鏡の中のカレンが、薄く開いた唇から、肩ごと沈むほど長い息を一つこぼす。頬が、耳たぶが、じわりと赤く染まっていった。
ロデリックは、自分の喉が鳴る音を聞いた。
半年だ。半年経っても、この女が自分の手で兎になっていく姿を見るたび、腹の底へ血が落ちて、そこだけが重く脈を打ちはじめる。
部屋の隅で、点けっぱなしのテレビが夜のニュースを流していた。
『――エリア11各地で活動を続ける黒の騎士団について、軍の発表によりますと――』
カレンがリモコンに手を伸ばした。その指が、ほんの一瞬だけ止まる。
画面が消えた。
音のなくなった部屋で、カレンはようやく扉の隙間に気付き、ぱっと目を見開いて、口元をほころばせた。
「おかえりなさいませ、旦那様♡」
ヒールを鳴らして駆け寄ってくる。胸元に留めた家紋のブローチが、ランプの明かりを弾いた。
ロデリックは白い手袋の指先を歯で噛み、引き抜いた。片方、もう片方。素手になった掌で、くびれた腰を引き寄せる。
「ただいま。……今夜も、その赤がよく似合う」
「ふふ。旦那様のために着たんです」
見上げてくる青い瞳は、もう潤んでいた。ロデリックはその唇を塞いだ。
こちらの口の形に沿ってたわむ合わせ目を、舌で割って差し入れると、カレンの舌がすぐに絡みついてくる。待っていた、と言わんばかりの動きだった。
「ん……ちゅ、れろ……んむ……っ」
ロデリックは腰から手を離し、両の掌で彼女の耳を覆った。赤い兎耳の付け根ごと、本物の耳を塞ぐ。部屋の音が消え、絡み合う舌と唾液の音だけが、カレンの頭の中に閉じ込められたはずだった。
舌を奥まで押し込み、彼女の口の中の唾液を啜り上げる。代わりに自分のものを流し込むと、カレンの細い喉がこくりと鳴って、それを飲み下した。もう一度。もう一度。掌の下で、彼女の耳たぶがみるみる熱くなっていく。
カレンの膝が、かくりと前に折れた。
「んく……っ、はぁ……旦那様の、甘い……♡」
崩れかけた腰が、ロデリックの太腿にすり寄せられる。押し付けられた下腹が、スラックスの内側でじわじわと硬さを増していく剛直を、布越しに撫でた。
唇を離すと、二人の舌先のあいだに銀の糸が引き、ぷつりと切れた。
カレンは肩で息をしながら、ロデリックの胸に額を押し付けた。赤い兎耳が、彼の顎の下でふるりと揺れる。
――あの夜から、まだ半年も経っていない。
◇
【第一章 イレブンと呼ぶな】
半年前。バベルタワーの上層階、賭けチェスのフロアは、葉巻の煙と金色の照明に満ちていた。
ロデリック・ヘイスティングスはVIP卓に肘をつき、相手の貴族がビショップを置くのを眺めていた。駒の底が、盤の上でかちかちと二度鳴った。三手で詰む。ロデリックは、欠伸を噛み殺した。
その退屈が、視界の端を横切った色で破れた。
黒いバニースーツの給仕が、トレイを掲げて卓の間を縫っていく。店が給仕全員に同じ型で貸し出している衣装だった。だが、外に跳ねた赤い髪と、背筋の伸びた歩き方が、他の女たちとまるで違っていた。
酔った客が、その尻に手を伸ばした。給仕は振り返りもせずに手首を払った。払われた客がよろけるほどの力だった。
ロデリックの指が、摘まんでいたクイーンの駒を握り込んだ。
知っている顔だった。
一年前、黒の騎士団が蜂起したあの夜、ヘイスティングス重工の駆動部品を積んだサザーランドは、赤いナイトメアに腕をもがれ、膝を砕かれ、次々と鉄屑に変えられた。会社は大きな損害を出した。そのときロデリックの頭にあったのは、損害の額と、あの赤い機体の色だけだった。
パイロットの顔を知ったのは、四か月前だ。
租界の外れで、黒の騎士団の残党がヘイスティングス重工の輸送隊を襲った。その戦闘記録を、彼は軍から取り寄せた。映像の最後に、撃破された機体から脱出するパイロットの姿を、偵察用のカメラが一度だけ捉えていた。
赤い髪の、若い女だった。
紅月カレン。その時すでに十八になっていた、黒の騎士団のエース。一年前、あの赤い機体を駆っていたのと同じ名前が、軍の報告書に記されていた。
その映像を、何度見返したかわからない。自分の造った機械を壊していく女の顔を、夜ごと再生した。はじめのうちは、見終えるたびに指先から血の気が引き、奥歯が軋むほど噛みしめていた。いつからか、硬くなるのは顎ではなくなった。そのことを、自分でもごまかせなくなっていた。
「グレアム」
低く呼ぶと、背後に控えていた側近が身を屈めた。
「七番目の兎が見つかった」
グレアムの細い目が、給仕の背中を追った。「……あれは、まさか」
「静かにやれ。客には気付かせるな」
捕らえるのに、三分とかからなかった。
従業員用の通路に誘い込まれたカレンは、最初の男の顎を膝で砕き、二人目の腕を捻り上げたところで、背後から首筋に電撃銃を押し当てられた。膝を突いた彼女の手首に、手錠が嵌まる。
ロデリックは通路の奥から、ゆっくりと歩み寄った。
「紅月カレン」
名前を呼んだ瞬間、押さえつけられていた顔が、上に乗った男の手ごと、ぐいと床から持ち上がった。つり上がった青い目が、まっすぐに彼を射抜く。
「……誰だ、あんた」
「ロデリック・ヘイスティングス。お前が壊したサザーランドの、関節を造っている男だ」
カレンの眉が一瞬だけ寄り、瞬きがひとつ遅れた。すぐに、その目元が鼻で笑う形に歪んだ。
「……ふっ。脆い関節だったよ」
ロデリックはそれを見下ろしながら、白い手袋の中の指をゆっくりと開いた。さっきまで駒を握りしめていた掌に、手袋越しにも、王冠の形がまだ残っている気がした。
気絶した部下を跨ぎながら、グレアムが鼻を鳴らした。
「兎狩りの獲物にしては上等ですな。イレブンの雌にしては、ですが」
「――イレブンと呼ぶな!」
カレンが叫んだ。押さえつける男の腕の下で、鍛えた背中が相手の体重ごと二度、床から浮きかける。
「私は日本人だ! あんたたちが勝手に付けた名前で、私を呼ぶな!」
通路に声が反響した。
ロデリックはその声を、全身で浴びていた。映像には音がなかった。この女は、こんな声で吠えるのか。
スラックスの内側で、自分のものがはっきりと首をもたげた。
四か月、待った。
「連れて行け」
声は平らに出た。手袋の中で、指先だけがいつまでも汗ばみ、裏地に貼りついていた。
邸へ向かう車の後部座席で、カレンは手錠のまま、窓に額を押し付けていた。
隣に座ったロデリックは、その横顔を眺めていた。
背後で、地鳴りのような轟音がした。
振り返った窓の向こうで、バベルタワーが傾いていた。夜空を貫いていた光の柱が、車が交差点を一つ越えてもまだ崩れきらないほどの遅さで折れ、租界の街並みへ倒れ込んでいく。舞い上がった粉塵が、ネオンの海を呑み込んだ。
カレンの唇が動いた。声にはならなかった。
――ゼロ。
ロデリックには、そう読めた。
この女の仲間は、作戦を成功させたのだ。そしてこの女だけが、置き去りにされた。
窓に映ったカレンの顔は、泣いてはいなかった。泣くまいとして、唇を噛み切りそうなほど噛みしめていた。
ロデリックは、その顔から目を離せなかった。
◇
ヘイスティングス邸の地下には、窓のない部屋がある。
使用人たちはそこを「兎小屋」と呼んでいた。赤いベルベットを張った寝台と、天井から下がる鎖。そして壁一面の鏡。どこに立っても、自分の姿から逃げられない部屋だった。
鎖に手首を繋がれたカレンは、寝台の端に座らされていた。店の黒いバニースーツは、捕り物のせいで片方の胸元が裂けかけている。
ロデリックは、その膝の前に黒い箱を置いた。蓋を外し、薄紙を払う。
中から、赤が溢れた。
カレンの喉が、ひくりと鳴った。
光沢のある赤いバニースーツ。同じ赤の兎耳と、赤いハイヒール。白いカフスに、赤い蝶ネクタイ。
「紅蓮と同じ赤だ」と、ロデリックは言った。「戦闘記録の映像から、色を起こさせた。お前のために仕立てた。――四か月前からな」
「……ふざけるな」
カレンの声が、喉の奥で引きつっていた。怒りで、だ。
「紅蓮の色を……こんな、こんなものに……!」
「こんなもの、か」
ロデリックはスーツを箱から持ち上げ、彼女の目の前に掲げた。
「バニーの格好で潜り込んできたのはお前だ。自分で選んだ変装だろう。今日からこれがお前の服だ。お前が自分から、俺のために脱ぎたいと言う日まで」
「誰が……っ!」
蹴り上げてきた足首を、ロデリックは片手で捕まえた。そのまま寝台に押し倒し、鋏の刃を胸元の裂け目に差し入れる。黒い布が縦に割れ、押し込められていた白い乳房がこぼれ出た。
カレンが歯を剥いて身をよじる。鎖が鳴った。
ロデリックは、布をつまむ指先が細かく揺れだしそうになるのを、手の運びをわざと遅くすることでごまかした。ちぎれた黒い布を剥ぎ取り、網タイツを爪先から通し、太腿の付け根まで引き上げる。赤いスーツを脚から履かせ、腰まで持ち上げ、背中のファスナーを一気に閉じた。肩紐のない胸元が、膨らみを下から押し上げる。伏せたお椀のような丸みは、布に押されても形を崩さなかった。
手首に白いカフスを嵌め、首に赤い蝶ネクタイを巻く。最後に、赤い髪の上へ兎の耳を乗せた。
身を起こしたカレンの背後で、鏡の壁が、赤い兎になった彼女を何人も映し出していた。
カレンは鏡から目を逸らした。逸らした先にも、鏡があった。
「よく似合っている」
ロデリックは呟いた。口に出すつもりはなかった。
「……本物は、映像よりずっといい」
そして、白い手袋を外した。
素手で触れる女の肌は、思っていたよりも湿っていた。さっきまで暴れていた汗がまだ引かず、当てた掌がすぐに貼りつく。網タイツの上から太腿を撫で上げると、網目の下で、引き締まった腿の筋がびくりと一本浮き上がる。肩紐のない胸元を指で引き下げれば、白い双丘がふるりと揺れて現れ、その頂に淡い桃色の乳首が縮こまっていた。
「……綺麗な肌だ」
「触るな……っ、触るなって言ってるだろ……!」
カレンは、天井の鎖ががちゃがちゃと鳴るほど腕を引き、腰をよじった。だがその声の端が、桃色の尖りを親指で転がされた瞬間に、ほんのわずか上ずった。
ロデリックはそれを聞き逃さなかった。
脱がせはしない。股布の脇に指をかけて横へずらすと、まだ誰にも触れられたことのないような秘裂が、鏡の明かりに晒された。カレンの膝が閉じかけた形のまま止まり、網タイツの爪先までがまっすぐに突っ張った。
「……初めてか」
答えはなかった。ただ、真っ赤になった耳たぶが答えていた。
ロデリックは閉じようとする膝を割り、その間に自分の身体を入れた。仰向けのカレンの上から覆いかぶさり、片肘をシーツについて、睨み上げてくる青い目を見下ろす。スラックスの前をくつろげると、痛いほどに反り返った肉茎が、ようやく外気に触れて脈打つ。先端に滲んだ露を、彼女の入口に塗りつけるように押し当てた。
「やめ……っ、やめろ、この……っ!」
腰を沈めた。
狭い。湯より熱い。押し返してくる肉の抵抗を、体重をかけてこじ開けていく。何かが裂ける感触が切っ先に伝わって、カレンの背が寝台から浮いた。
「――っ、ぐ……ぅ……!」
カレンは悲鳴を上げなかった。唇を噛み、喉の奥で声を殺した。目尻から、一筋だけ涙が流れた。
根元まで沈めきったとき、ロデリックは自分の息が止まっていたことに気付いた。すべてを呑み込んだ肉が、きつく、隙間なく、自分のものを締め上げている。その温みが、竿から下腹へじわりと移ってくる。四か月分の夜が、この中に詰まっていた。
「……たまらんな」
低い声が、勝手に漏れた。
ゆっくりと腰を引き、また沈める。カレンの呼吸が、そのたびに途切れる。
「っ……ふ、ぅ……っ、く……」
鎖が鳴り、鏡の中で、赤い耳が揺れた。ロデリックは律動を速めた。赤い布に包まれた腰を掴み、抉るように奥を穿つ。結合部から、血の混じった蜜がシーツに滴った。
カレンは最後まで、声を上げなかった。
ロデリックが彼女の奥で果てたときも、ただ、握りしめた拳の関節を白く浮かせて、天井を睨みつけていた。
息が整うのを待ってから、ロデリックは身を起こした。
身体が離れた途端、カレンは膝を固く閉じ、鎖の届くかぎり身体を小さく縮こまらせた。耳たぶから首筋まで、まだ赤い。網タイツの内腿を、薄く血の混じった白いものが伝っていた。
「名乗れ」
カレンが、ゆっくりと顔を向けた。濡れた睫毛の下で、青い目が、まだ瞬きひとつせずにこちらを睨み据えていた。
「……日本人だ」
ロデリックは手袋を拾い上げ、部屋を出た。扉が閉まるまで、背中にその目を感じていた。
◇
それから、数日が過ぎた。
兎小屋の寝台の上で、カレンは赤いバニーを着たまま四つん這いにされていた。
ロデリックは彼女の腰を両手で掴み、後ろから突き入れていた。網タイツに包まれた太腿の間で、赤い股布が横にずらされ、その奥に、自分の怒張が深々と呑み込まれている。
肌を打つ乾いた音が、鏡の部屋に反響した。
ロデリックは上体を倒し、彼女の背中に覆いかぶさった。その重みに肘が崩れ、カレンの上体が枕に沈む。尻だけを高く掲げた格好になった彼女の腋の下から手を差し入れ、肩紐のない胸元を引き下ろす。こぼれ出た乳房を、腰を使いながら下から掬い上げるように揉みしだいた。しっとり湿った肌が、濡らした鞣し革のように手のひらに吸いつく。指を沈めると、押しのけた肉が指の股から盛り上がってくる。
「っ……や、め……もっと……優しく……っ」
かすれた声が、横向きに枕へ押し付けた口元から漏れた。
ロデリックは答えず、硬くしこった乳首を指先で弾いた。
「ひっ……!」
カレンの背中が、覆いかぶさった胸板を押し返して、一度ぐんと浮いた。同時に、入口の肉が竿の付け根を輪で括るようにきゅうっと締まる。
数日前には、何をされても声を殺していた女だった。それがもう、胸の先を一度弾かれただけで、こんな声を出す。
ロデリックは同じ場所を、何度も弾いた。弾くたびに、中が同じ数だけ食いついてくる。
目の前に、汗の浮いた白い背中があった。浮き出た肩甲骨の縁に、ロデリックは歯を立てた。最初は甘く、それから、皮膚に食い込むまで。
「いっ……!」
噛まれた痛みに、カレンの内側がまたきつくすぼまった。口を離すと、肩甲骨の下に、赤い歯形がくっきりと残っていた。自分の印だ、と思った瞬間、息が浅く速くなり、男根がさらに一回り張りつめた。
「い、いや……っ、なんで、なんで……っ、あ……っ」
汗の粒が、彼女の背骨の窪みを伝って流れた。ロデリックが腰を打ち付けるたびに揺れる身体から、しずくがシーツにぽたぽたと落ちる。
それと一緒に、彼女の目からも、透明な粒が落ちていた。
「やだ……また、来る……っ、いや、いやぁ……っ!」
カレンの尻が、がくがくと前後に揺れた。内側の肉襞が、ロデリックのものを根元から先へ搾り上げるように、二度、三度と引きつる。
今夜、これで四度目の絶頂だった。
その数を、彼女自身も数えているのがわかった。絶頂が引いていくたびに、枕から覗く頬がくしゃりと歪み、唇が噛みしめられるのだ。心はまだ、一歩も屈していない。それなのに身体だけが、毎晩少しずつ、ロデリックの形を覚えていく。
枕に押し付けられた横顔は、泣き顔だった。
それを見下ろしながら、ロデリックは自分の胸に湧いたものが、罪悪感ではないことを知った。
収縮が、四度目の波の余韻で収まらない。襞が裏筋をうねりながら舐め上げてくる。歯を食いしばって堪えようとしたが、袋が腹のほうへきゅっとせり上がり、芯を伝って押し上がってくるものは、もう止められなかった。
「く……っ」
最奥に押し付けたまま、脈打つように精を放った。一度、二度、三度。注ぎ込むたびに、カレンの腰が小さく跳ねた。
しばらく、二人とも動かなかった。こちらの腿に触れたカレンの太腿の裏だけが、網タイツ越しに、いつまでも細かく波打っていた。
ロデリックは繋がったまま、彼女の耳元に口を寄せた。
「名乗れ」
カレンの肩が、しゃくり上げるようにすくんだ。涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔を、枕から上げることもできないまま、彼女は答えた。
「……日本人、だ……」
声は掠れていた。だが、それでも言い切った。
それを聞いたとき、詰めていた自分の息が長く漏れた。ロデリックは、そのことに気付かないふりをした。
お読みいただきありがとうございました。
次回、番号を付けられたカレンの「躾」が始まります。浴室では、赤いバニーよりもっと恥ずかしい衣装が待っています。