※この作品はR-18です。

紅月カレン巨乳バニー堕ち~中年ブリタニア伯爵に快楽で調教されて~   作:O・クロダ

1 / 4
 本作はR-18作品です。無理やりの性行為、調教、寸止め、アナル(プラグ)の描写を含みます。苦手な方はご注意ください。


序章 赤い兎/第一章 イレブンと呼ぶな

【序章 赤い兎】

 

 扉を開ける前から、部屋の明かりが廊下に漏れていた。

 午後十一時。トウキョウ租界の丘の上に建つヘイスティングス邸は、使用人たちが下がって静まり返っている。絨毯を踏む自分の靴音だけを聞きながら、ロデリックは寝室の前で足を止めた。

 扉が、指一本ぶんだけ開いている。

 隙間から、鏡台の前に立つ背中が見えた。

 赤だった。

 紅蓮と同じ色に染めたバニースーツが、細い腰から尻の丸みにかけてぴたりと張りつき、黒の網タイツに包まれた長い脚が、赤いハイヒールの上にまっすぐ伸びている。外に跳ねた赤い髪の上で、同じ赤の兎耳が揺れていた。

 鏡に映る正面では、深く刳られた胸元の縁が白い肌に浅く食い込み、その上に、乳房の上半分が今にもこぼれ落ちそうに盛り上がっていた。半年前、この手で初めて掬い上げたときより、はっきりとひと回り重くなった膨らみだった。

 カレンは鏡を覗き込みながら、自分の手で耳の角度を直していた。それから鏡台に置いてあった白い尻尾を取り上げる。毛玉の根元から、指二本を束ねたほどの黒いプラグが伸びていた。

 ロデリックは扉の陰で息を止めた。

 カレンは少し腰を落とすと、片手で股布の後ろをずらし、プラグの先を自分の窄まりにあてがった。小さく息を吐き、ゆっくりと押し込んでいく。肩が二度、小さくすくみ、丸い尻が一度きゅっと強張って、やがて白い毛玉が赤い布の上にちょこんと収まった。

 鏡の中のカレンが、薄く開いた唇から、肩ごと沈むほど長い息を一つこぼす。頬が、耳たぶが、じわりと赤く染まっていった。

 ロデリックは、自分の喉が鳴る音を聞いた。

 半年だ。半年経っても、この女が自分の手で兎になっていく姿を見るたび、腹の底へ血が落ちて、そこだけが重く脈を打ちはじめる。

 

 部屋の隅で、点けっぱなしのテレビが夜のニュースを流していた。

『――エリア11各地で活動を続ける黒の騎士団について、軍の発表によりますと――』

 カレンがリモコンに手を伸ばした。その指が、ほんの一瞬だけ止まる。

 画面が消えた。

 音のなくなった部屋で、カレンはようやく扉の隙間に気付き、ぱっと目を見開いて、口元をほころばせた。

「おかえりなさいませ、旦那様♡」

 ヒールを鳴らして駆け寄ってくる。胸元に留めた家紋のブローチが、ランプの明かりを弾いた。

 ロデリックは白い手袋の指先を歯で噛み、引き抜いた。片方、もう片方。素手になった掌で、くびれた腰を引き寄せる。

「ただいま。……今夜も、その赤がよく似合う」

「ふふ。旦那様のために着たんです」

 見上げてくる青い瞳は、もう潤んでいた。ロデリックはその唇を塞いだ。

 こちらの口の形に沿ってたわむ合わせ目を、舌で割って差し入れると、カレンの舌がすぐに絡みついてくる。待っていた、と言わんばかりの動きだった。

「ん……ちゅ、れろ……んむ……っ」

 ロデリックは腰から手を離し、両の掌で彼女の耳を覆った。赤い兎耳の付け根ごと、本物の耳を塞ぐ。部屋の音が消え、絡み合う舌と唾液の音だけが、カレンの頭の中に閉じ込められたはずだった。

 舌を奥まで押し込み、彼女の口の中の唾液を啜り上げる。代わりに自分のものを流し込むと、カレンの細い喉がこくりと鳴って、それを飲み下した。もう一度。もう一度。掌の下で、彼女の耳たぶがみるみる熱くなっていく。

 カレンの膝が、かくりと前に折れた。

「んく……っ、はぁ……旦那様の、甘い……♡」

 崩れかけた腰が、ロデリックの太腿にすり寄せられる。押し付けられた下腹が、スラックスの内側でじわじわと硬さを増していく剛直を、布越しに撫でた。

 唇を離すと、二人の舌先のあいだに銀の糸が引き、ぷつりと切れた。

 カレンは肩で息をしながら、ロデリックの胸に額を押し付けた。赤い兎耳が、彼の顎の下でふるりと揺れる。

 ――あの夜から、まだ半年も経っていない。

 

      ◇

 

【第一章 イレブンと呼ぶな】

 

 半年前。バベルタワーの上層階、賭けチェスのフロアは、葉巻の煙と金色の照明に満ちていた。

 ロデリック・ヘイスティングスはVIP卓に肘をつき、相手の貴族がビショップを置くのを眺めていた。駒の底が、盤の上でかちかちと二度鳴った。三手で詰む。ロデリックは、欠伸を噛み殺した。

 その退屈が、視界の端を横切った色で破れた。

 黒いバニースーツの給仕が、トレイを掲げて卓の間を縫っていく。店が給仕全員に同じ型で貸し出している衣装だった。だが、外に跳ねた赤い髪と、背筋の伸びた歩き方が、他の女たちとまるで違っていた。

 酔った客が、その尻に手を伸ばした。給仕は振り返りもせずに手首を払った。払われた客がよろけるほどの力だった。

 ロデリックの指が、摘まんでいたクイーンの駒を握り込んだ。

 知っている顔だった。

 一年前、黒の騎士団が蜂起したあの夜、ヘイスティングス重工の駆動部品を積んだサザーランドは、赤いナイトメアに腕をもがれ、膝を砕かれ、次々と鉄屑に変えられた。会社は大きな損害を出した。そのときロデリックの頭にあったのは、損害の額と、あの赤い機体の色だけだった。

 パイロットの顔を知ったのは、四か月前だ。

 租界の外れで、黒の騎士団の残党がヘイスティングス重工の輸送隊を襲った。その戦闘記録を、彼は軍から取り寄せた。映像の最後に、撃破された機体から脱出するパイロットの姿を、偵察用のカメラが一度だけ捉えていた。

 赤い髪の、若い女だった。

 紅月カレン。その時すでに十八になっていた、黒の騎士団のエース。一年前、あの赤い機体を駆っていたのと同じ名前が、軍の報告書に記されていた。

 その映像を、何度見返したかわからない。自分の造った機械を壊していく女の顔を、夜ごと再生した。はじめのうちは、見終えるたびに指先から血の気が引き、奥歯が軋むほど噛みしめていた。いつからか、硬くなるのは顎ではなくなった。そのことを、自分でもごまかせなくなっていた。

「グレアム」

 低く呼ぶと、背後に控えていた側近が身を屈めた。

「七番目の兎が見つかった」

 グレアムの細い目が、給仕の背中を追った。「……あれは、まさか」

「静かにやれ。客には気付かせるな」

 

 捕らえるのに、三分とかからなかった。

 従業員用の通路に誘い込まれたカレンは、最初の男の顎を膝で砕き、二人目の腕を捻り上げたところで、背後から首筋に電撃銃を押し当てられた。膝を突いた彼女の手首に、手錠が嵌まる。

 ロデリックは通路の奥から、ゆっくりと歩み寄った。

「紅月カレン」

 名前を呼んだ瞬間、押さえつけられていた顔が、上に乗った男の手ごと、ぐいと床から持ち上がった。つり上がった青い目が、まっすぐに彼を射抜く。

「……誰だ、あんた」

「ロデリック・ヘイスティングス。お前が壊したサザーランドの、関節を造っている男だ」

 カレンの眉が一瞬だけ寄り、瞬きがひとつ遅れた。すぐに、その目元が鼻で笑う形に歪んだ。

「……ふっ。脆い関節だったよ」

 ロデリックはそれを見下ろしながら、白い手袋の中の指をゆっくりと開いた。さっきまで駒を握りしめていた掌に、手袋越しにも、王冠の形がまだ残っている気がした。

 気絶した部下を跨ぎながら、グレアムが鼻を鳴らした。

「兎狩りの獲物にしては上等ですな。イレブンの雌にしては、ですが」

「――イレブンと呼ぶな!」

 カレンが叫んだ。押さえつける男の腕の下で、鍛えた背中が相手の体重ごと二度、床から浮きかける。

「私は日本人だ! あんたたちが勝手に付けた名前で、私を呼ぶな!」

 通路に声が反響した。

 ロデリックはその声を、全身で浴びていた。映像には音がなかった。この女は、こんな声で吠えるのか。

 スラックスの内側で、自分のものがはっきりと首をもたげた。

 四か月、待った。

「連れて行け」

 声は平らに出た。手袋の中で、指先だけがいつまでも汗ばみ、裏地に貼りついていた。

 

 邸へ向かう車の後部座席で、カレンは手錠のまま、窓に額を押し付けていた。

 隣に座ったロデリックは、その横顔を眺めていた。

 背後で、地鳴りのような轟音がした。

 振り返った窓の向こうで、バベルタワーが傾いていた。夜空を貫いていた光の柱が、車が交差点を一つ越えてもまだ崩れきらないほどの遅さで折れ、租界の街並みへ倒れ込んでいく。舞い上がった粉塵が、ネオンの海を呑み込んだ。

 カレンの唇が動いた。声にはならなかった。

 ――ゼロ。

 ロデリックには、そう読めた。

 この女の仲間は、作戦を成功させたのだ。そしてこの女だけが、置き去りにされた。

 窓に映ったカレンの顔は、泣いてはいなかった。泣くまいとして、唇を噛み切りそうなほど噛みしめていた。

 ロデリックは、その顔から目を離せなかった。

 

      ◇

 

 ヘイスティングス邸の地下には、窓のない部屋がある。

 使用人たちはそこを「兎小屋」と呼んでいた。赤いベルベットを張った寝台と、天井から下がる鎖。そして壁一面の鏡。どこに立っても、自分の姿から逃げられない部屋だった。

 鎖に手首を繋がれたカレンは、寝台の端に座らされていた。店の黒いバニースーツは、捕り物のせいで片方の胸元が裂けかけている。

 ロデリックは、その膝の前に黒い箱を置いた。蓋を外し、薄紙を払う。

 中から、赤が溢れた。

 カレンの喉が、ひくりと鳴った。

 光沢のある赤いバニースーツ。同じ赤の兎耳と、赤いハイヒール。白いカフスに、赤い蝶ネクタイ。

「紅蓮と同じ赤だ」と、ロデリックは言った。「戦闘記録の映像から、色を起こさせた。お前のために仕立てた。――四か月前からな」

「……ふざけるな」

 カレンの声が、喉の奥で引きつっていた。怒りで、だ。

「紅蓮の色を……こんな、こんなものに……!」

「こんなもの、か」

 ロデリックはスーツを箱から持ち上げ、彼女の目の前に掲げた。

「バニーの格好で潜り込んできたのはお前だ。自分で選んだ変装だろう。今日からこれがお前の服だ。お前が自分から、俺のために脱ぎたいと言う日まで」

「誰が……っ!」

 蹴り上げてきた足首を、ロデリックは片手で捕まえた。そのまま寝台に押し倒し、鋏の刃を胸元の裂け目に差し入れる。黒い布が縦に割れ、押し込められていた白い乳房がこぼれ出た。

 カレンが歯を剥いて身をよじる。鎖が鳴った。

 ロデリックは、布をつまむ指先が細かく揺れだしそうになるのを、手の運びをわざと遅くすることでごまかした。ちぎれた黒い布を剥ぎ取り、網タイツを爪先から通し、太腿の付け根まで引き上げる。赤いスーツを脚から履かせ、腰まで持ち上げ、背中のファスナーを一気に閉じた。肩紐のない胸元が、膨らみを下から押し上げる。伏せたお椀のような丸みは、布に押されても形を崩さなかった。

 手首に白いカフスを嵌め、首に赤い蝶ネクタイを巻く。最後に、赤い髪の上へ兎の耳を乗せた。

 身を起こしたカレンの背後で、鏡の壁が、赤い兎になった彼女を何人も映し出していた。

 カレンは鏡から目を逸らした。逸らした先にも、鏡があった。

「よく似合っている」

 ロデリックは呟いた。口に出すつもりはなかった。

「……本物は、映像よりずっといい」

 そして、白い手袋を外した。

 素手で触れる女の肌は、思っていたよりも湿っていた。さっきまで暴れていた汗がまだ引かず、当てた掌がすぐに貼りつく。網タイツの上から太腿を撫で上げると、網目の下で、引き締まった腿の筋がびくりと一本浮き上がる。肩紐のない胸元を指で引き下げれば、白い双丘がふるりと揺れて現れ、その頂に淡い桃色の乳首が縮こまっていた。

「……綺麗な肌だ」

「触るな……っ、触るなって言ってるだろ……!」

 カレンは、天井の鎖ががちゃがちゃと鳴るほど腕を引き、腰をよじった。だがその声の端が、桃色の尖りを親指で転がされた瞬間に、ほんのわずか上ずった。

 ロデリックはそれを聞き逃さなかった。

 脱がせはしない。股布の脇に指をかけて横へずらすと、まだ誰にも触れられたことのないような秘裂が、鏡の明かりに晒された。カレンの膝が閉じかけた形のまま止まり、網タイツの爪先までがまっすぐに突っ張った。

「……初めてか」

 答えはなかった。ただ、真っ赤になった耳たぶが答えていた。

 ロデリックは閉じようとする膝を割り、その間に自分の身体を入れた。仰向けのカレンの上から覆いかぶさり、片肘をシーツについて、睨み上げてくる青い目を見下ろす。スラックスの前をくつろげると、痛いほどに反り返った肉茎が、ようやく外気に触れて脈打つ。先端に滲んだ露を、彼女の入口に塗りつけるように押し当てた。

「やめ……っ、やめろ、この……っ!」

 腰を沈めた。

 狭い。湯より熱い。押し返してくる肉の抵抗を、体重をかけてこじ開けていく。何かが裂ける感触が切っ先に伝わって、カレンの背が寝台から浮いた。

「――っ、ぐ……ぅ……!」

 カレンは悲鳴を上げなかった。唇を噛み、喉の奥で声を殺した。目尻から、一筋だけ涙が流れた。

 根元まで沈めきったとき、ロデリックは自分の息が止まっていたことに気付いた。すべてを呑み込んだ肉が、きつく、隙間なく、自分のものを締め上げている。その温みが、竿から下腹へじわりと移ってくる。四か月分の夜が、この中に詰まっていた。

「……たまらんな」

 低い声が、勝手に漏れた。

 ゆっくりと腰を引き、また沈める。カレンの呼吸が、そのたびに途切れる。

「っ……ふ、ぅ……っ、く……」

 鎖が鳴り、鏡の中で、赤い耳が揺れた。ロデリックは律動を速めた。赤い布に包まれた腰を掴み、抉るように奥を穿つ。結合部から、血の混じった蜜がシーツに滴った。

 カレンは最後まで、声を上げなかった。

 ロデリックが彼女の奥で果てたときも、ただ、握りしめた拳の関節を白く浮かせて、天井を睨みつけていた。

 

 息が整うのを待ってから、ロデリックは身を起こした。

 身体が離れた途端、カレンは膝を固く閉じ、鎖の届くかぎり身体を小さく縮こまらせた。耳たぶから首筋まで、まだ赤い。網タイツの内腿を、薄く血の混じった白いものが伝っていた。

「名乗れ」

 カレンが、ゆっくりと顔を向けた。濡れた睫毛の下で、青い目が、まだ瞬きひとつせずにこちらを睨み据えていた。

「……日本人だ」

 ロデリックは手袋を拾い上げ、部屋を出た。扉が閉まるまで、背中にその目を感じていた。

 

      ◇

 

 それから、数日が過ぎた。

 兎小屋の寝台の上で、カレンは赤いバニーを着たまま四つん這いにされていた。

 ロデリックは彼女の腰を両手で掴み、後ろから突き入れていた。網タイツに包まれた太腿の間で、赤い股布が横にずらされ、その奥に、自分の怒張が深々と呑み込まれている。

 肌を打つ乾いた音が、鏡の部屋に反響した。

 ロデリックは上体を倒し、彼女の背中に覆いかぶさった。その重みに肘が崩れ、カレンの上体が枕に沈む。尻だけを高く掲げた格好になった彼女の腋の下から手を差し入れ、肩紐のない胸元を引き下ろす。こぼれ出た乳房を、腰を使いながら下から掬い上げるように揉みしだいた。しっとり湿った肌が、濡らした鞣し革のように手のひらに吸いつく。指を沈めると、押しのけた肉が指の股から盛り上がってくる。

「っ……や、め……もっと……優しく……っ」

 かすれた声が、横向きに枕へ押し付けた口元から漏れた。

 ロデリックは答えず、硬くしこった乳首を指先で弾いた。

「ひっ……!」

 カレンの背中が、覆いかぶさった胸板を押し返して、一度ぐんと浮いた。同時に、入口の肉が竿の付け根を輪で括るようにきゅうっと締まる。

 数日前には、何をされても声を殺していた女だった。それがもう、胸の先を一度弾かれただけで、こんな声を出す。

 ロデリックは同じ場所を、何度も弾いた。弾くたびに、中が同じ数だけ食いついてくる。

 目の前に、汗の浮いた白い背中があった。浮き出た肩甲骨の縁に、ロデリックは歯を立てた。最初は甘く、それから、皮膚に食い込むまで。

「いっ……!」

 噛まれた痛みに、カレンの内側がまたきつくすぼまった。口を離すと、肩甲骨の下に、赤い歯形がくっきりと残っていた。自分の印だ、と思った瞬間、息が浅く速くなり、男根がさらに一回り張りつめた。

「い、いや……っ、なんで、なんで……っ、あ……っ」

 汗の粒が、彼女の背骨の窪みを伝って流れた。ロデリックが腰を打ち付けるたびに揺れる身体から、しずくがシーツにぽたぽたと落ちる。

 それと一緒に、彼女の目からも、透明な粒が落ちていた。

「やだ……また、来る……っ、いや、いやぁ……っ!」

 カレンの尻が、がくがくと前後に揺れた。内側の肉襞が、ロデリックのものを根元から先へ搾り上げるように、二度、三度と引きつる。

 今夜、これで四度目の絶頂だった。

 その数を、彼女自身も数えているのがわかった。絶頂が引いていくたびに、枕から覗く頬がくしゃりと歪み、唇が噛みしめられるのだ。心はまだ、一歩も屈していない。それなのに身体だけが、毎晩少しずつ、ロデリックの形を覚えていく。

 枕に押し付けられた横顔は、泣き顔だった。

 それを見下ろしながら、ロデリックは自分の胸に湧いたものが、罪悪感ではないことを知った。

 収縮が、四度目の波の余韻で収まらない。襞が裏筋をうねりながら舐め上げてくる。歯を食いしばって堪えようとしたが、袋が腹のほうへきゅっとせり上がり、芯を伝って押し上がってくるものは、もう止められなかった。

「く……っ」

 最奥に押し付けたまま、脈打つように精を放った。一度、二度、三度。注ぎ込むたびに、カレンの腰が小さく跳ねた。

 しばらく、二人とも動かなかった。こちらの腿に触れたカレンの太腿の裏だけが、網タイツ越しに、いつまでも細かく波打っていた。

 ロデリックは繋がったまま、彼女の耳元に口を寄せた。

「名乗れ」

 カレンの肩が、しゃくり上げるようにすくんだ。涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔を、枕から上げることもできないまま、彼女は答えた。

「……日本人、だ……」

 声は掠れていた。だが、それでも言い切った。

 それを聞いたとき、詰めていた自分の息が長く漏れた。ロデリックは、そのことに気付かないふりをした。




 お読みいただきありがとうございました。
 次回、番号を付けられたカレンの「躾」が始まります。浴室では、赤いバニーよりもっと恥ずかしい衣装が待っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。