紅月カレン巨乳バニー堕ち~中年ブリタニア伯爵に快楽で調教されて~ 作:O・クロダ
【幕間三 許可制】
二か月と少しが過ぎた夜、ロデリックは寝台の上で、カレンの顎を指で持ち上げた。
「今夜から、お前が名乗るまで、イかせない」
カレンは、意味がすぐには分からなかったらしい。ロデリックは続けた。
「その代わり、俺も出さん。お前が名乗るまでだ」
寝台の脇には、新しい尻尾が置いてあった。白い毛玉は同じだった。根元のプラグは、さらにひと回り太く、指を二本束ねたほどになっていた。
一週間目。
ロデリックは毎晩彼女を抱いた。後ろから、前から、膝の上で。そして、カレンの内側が細かく痙攣し始め、声が一段高く跳ね上がる、その一歩手前で、必ず動きを止めた。
「……っ、は……ぁ……」
ゆっくりと引き抜くと、カレンは寝台に爪を立てた。空になった入口が、二度、三度と口を窄め、網タイツの膝がシーツの上で内側へ擦り寄る。
「名乗れ」
「……言わない」
歯を食いしばった声だった。ロデリックは尻尾の毛玉に指をかけ、太いプラグを半分ほど引き出し、また押し戻した。カレンの背骨の溝が深く沈み、両の肩甲骨が寄り合う。それでも、止める。
「言わない……っ、絶対に……」
焦らす場所は、奥だけではなかった。
ロデリックはカレンをうつ伏せにさせ、網タイツの足首から、ふくらはぎ、膝の裏へと、舌で辿っていった。太腿の内側を、編み目越しに、付け根に向かってゆっくりと舐め上げる。濡れて色の変わった股布の、指一本手前で止める。反対の脚で、また最初から。
「や……っ、そこ、まで……来て、なんで……っ」
カレンの腰が、シーツから浮いては沈んだ。
ロデリックは赤い布の縁からこぼれた尻の丸みに、口を寄せた。張っていながら、押せば押したぶんだけ沈む肉に、歯を立てる。最初は甘く、それから、じわりと深く。
「ひぅっ……!」
口を離すと、白い尻たぶに、歯形が赤く浮かんでいた。捕らえて数日目の夜、背中に残した歯形は、とうに消えていた。ロデリックはその新しい印を、指の腹でゆっくりとなぞった。
「俺の兎だという、印だ」
「……っ」
「尻を噛まれて、ここをひくつかせる兎が、どこにいる」
股布の上から、小さく縮み続けている場所を、中指で押す。カレンの喉から、高く裏返りかけて途中で掠れる声が漏れた。
「……いやらしい兎だ。だが、可愛い」
最後の一言だけは、低く、命令の硬さを抜いて言った。カレンの肩が、首をすくめるように一度だけ跳ね上がった。
ただし、胸だけは別だった。
「奥ではイかせん。だが、胸でイくのは許してやる」
最初にそう告げたとき、カレンは鼻で笑おうとした。
「……胸、だけで、なんて……そんなの、無理に決まって……」
ロデリックは答えず、仰向けにした彼女の胸元を引き下ろした。
二か月前、掌に収まりきらないと思った膨らみは、今はもう、両手で持ち上げてもまだ余った。仕立て屋が二度目の採寸で記した数字は、Gだった。寝そべっても形の崩れない張りのまま、重たげに左右へ広がり、その頂で、桜色だった蕾が、いつの間にか彼女の唇と変わらない濃い紅に熟れている。
ロデリックは、その片方を口に含んだ。
舌先で、ちろちろと突く。舌の腹をべったりと押し当て、根元から舐め上げる。唇で包んで吸い上げ、吸ったまま、口の中で転がす。ときおり、乳暈の下側に、軽く歯を当てる。
もう片方は、指で。摘まみ、転がし、爪の先で軽く弾く。
「ん……っ、ふ……ぁ……」
十回、二十回。同じ速さで、同じ強さで、ただ続ける。
五十回を過ぎたころ、カレンの胸が、自分から彼の口に押し付けられ始めた。
百回を過ぎると、声の質が変わった。
「や……っ、なに、これ……っ、胸、なのに……っ」
吸うたびに、彼の胸の下で、カレンの腹が薄くへこんでは戻る。吸われている乳首から、下腹へ直に響いているのだろう。カレンは太腿をきつく擦り合わせ、シーツを握りしめていた。触れられていない奥が、押し当てた肌越しに、とくん、とくんと間をおいて縮んでいた。
「だめ……っ、乳首、だけ……なのに、なんで……っ、くる、きちゃう……っ♡」
ロデリックは、硬くしこった先端を強く吸い上げ、もう片方を指で捻った。
「――っ、ぁ、あぁ……っ♡」
カレンの背中が浮いた。胸を突き出したまま、肩から腰までを三度、四度と引き攣らせる。彼の口の中で、尖りが舌を押し返すほど硬くなる。乳首だけで、昇りつめていた。
だが、その絶頂は浅かった。
波が引いたあとのカレンの顔は、満たされた顔ではなかった。眉根はかえってきつく寄り、半開きの唇から、浅い息ばかりが続けざまに漏れている。胸で達したぶんだけ、一度も届かせてもらえない奥の空洞が、何も咥えないまま、きゅう、きゅうと窄まり出すのだろう。
「……おく、が……っ、おくが、まだ……っ」
「名乗れ」
カレンは涙目で首を振り、そしてまた、胸を差し出した。
ロデリックにとっても、それは拷問だった。
出せない夜が続くうちに、張り詰めた肉竿は、彼女の濡れた乳首を見るだけで脈打つようになった。ある夜、ロデリックはついに、その先端を彼女の胸に押し当てた。
赤黒く膨れた切っ先で、尖った頂を弾く。押し潰す。乳暈の上をぐりぐりと擦る。鈴口から溢れ続ける先走りが、熟れた突起にまとわりつき、糸を引いて、彼女の胸をぬらぬらと光らせていった。
「あ……っ、伯爵様の、熱いの……乳首に……っ♡」
カレンが身をよじるたび、弾力の強い乳肉が、膨れた亀頭を半ばまで呑み込んでは、ぷるんと弾き返す。根元の袋が硬く縮み上がり、幹の芯が、鉛を詰められたように重く脈打つ。ここで出してしまえば、どれほど楽か。
ロデリックは歯を食いしばり、腰を引いた。露をまとった乳首だけが、暖炉の火を映して光っていた。
二週間目。
カレンの声は、息に掠れて、語尾まで届かないほど細くなっていた。
「や……とめ、ないで……っ、あと、少し……」
止める。
「ふ、ぅ……っ……」
止められるたびに、彼女の腰が、ロデリックの指を追って浮いた。
ロデリック自身も、限界に近づいていた。二週間、一度も出していない。彼女の中に沈めて十も数えないうちに、根元が勝手に引き絞られ、溜まった精が鈴口のすぐ奥までせり上がってくる。止める指が、日ごとに遅れかけた。
「名乗れ……ッ」
自分の声の語尾が、荒れていた。命じているのか、懇願しているのか、自分でも分からなくなる夜があった。
三週間目。
夜明け前、ロデリックが兎小屋を覗くと、カレンは寝台の上で目を開けていた。眠れていないのだ。赤いバニーの胸元を握りしめ、太腿を擦り合わせ、鏡の中の自分を見ないように、ただ天井を見つめていた。
その日の朝、グレアムが書斎に一枚の紙片を持ってきた。
「七番の朝食の盆に、仕込まれておりました。三番が運ぶ前に、厨房で見つけましたので」
細かく折り畳まれた紙に、数字と記号の列が並んでいた。黒の騎士団の暗号だった。グレアムが、解読した文面を読み上げる。
ゼロは健在。三日後の深夜、救出を決行する。
「いかがいたしましょう。警備を倍に――」
「元に戻して、盆に載せておけ」
グレアムが顔を上げた。
「あの女に、読ませてやれ」
「……よろしいので」
「三日後の夜は、地下の警備を外せ。扉のロックも、外から開けられるようにしておけ」
グレアムは長いあいだ主人の顔を見ていたが、やがて黙って頭を下げた。
一人になった書斎で、ロデリックは手袋を嵌めた自分の手を見下ろした。白い布に包まれた指先が、駒をつまむ直前のように、細かく揺れていた。
賭けだった。チェスなら、絶対に指さない手だ。
その夜、寝室に上がってきたカレンの目は、昨日までと違っていた。
光が戻っていた。夜明け前には天井ばかり見ていた目が、まっすぐに彼の顔を見返してくる。ロデリックは何も言わず、いつものように彼女を抱き、いつものように、寸前で止めた。
「名乗れ」
「……っ」
カレンは答えなかった。だが、ロデリックが身体を離そうとしたとき、彼女の腰が、自分から彼の太腿に擦り付けられた。
一度。二度。止まらない。
カレンは自分のしていることに気付いて、腰を押し付けた格好のまま、息まで止めて動かなくなった。目に戻ったばかりの光が、揺れていた。
◇
【第四章 イレブンです】
深夜、兎小屋の扉の電子ロックが、かちり、と乾いた音を立てて緑に変わった。
カレンは寝台のベルベットを掌で突いて、一息に身を起こした。
扉が、外から指三本ぶんほど開いていた。廊下は暗く、誰もいない。足元の床に、手のひらほどの通信機が一つ置かれていた。
拾い上げると、雑音の向こうから声がした。
『カレン、聞こえるか』
ゼロの声だった。
『警備が手薄になっている。今すぐ出ろ。通路を左、二つ目の階段を上がれ。外で仲間が待っている』
カレンは裸足のまま、扉の外へ一歩踏み出した。
石の床。足の裏から足首へ、冬の格納庫みたいな冷えが這い上がってくる。暗い廊下の先に、階段が見える。あそこを上がれば、外に出られる。ゼロのところへ、黒の騎士団のところへ、日本へ帰れる。
二歩目が、出なかった。
下腹の奥が、疼いていた。
三週間、一度も最後まで行かせてもらえなかった身体が、扉の向こうではなく、上の階を向いていた。あの寝室を。あの指を。耳を付けた瞬間に濡れるように仕込まれた、この身体が。
あの声を、もう一度耳元で聞きたかった。番号でもいい。囁かれるだけで濡れる身体にされたのに、その声から離れることを考えただけで、みぞおちの奥がすうっと冷え、通信機を握った指先まで血の気が引いていく。
『カレン、応答しろ。カレン!』
通信機の向こうで、ゼロが呼んでいた。
名前を、呼んでいた。
カレンは通信機を見下ろした。この人は、自分の名前を呼んでくれる。ここを出れば、誰もが、紅月カレンと呼んでくれる。
なのに。
――あの人は、二度と名前で呼んでくれない。
三番の声が、耳の奥で鳴った。
カレンは、通信機のスイッチを切った。
……ごめん。もう、戻れない。
声には出さなかった。通信機を床に置き、廊下を左ではなく右へ曲がって、上の階へ続く階段を、裸足で上り始めた。
◇
ロデリックは寝室の暖炉の前で、椅子に座っていた。
手袋は嵌めたままだった。眠ってはいなかった。地下の警備を外させた時刻から、ずっとここで、時計の音を数えていた。
逃げたなら、それでいい。そう自分に言い聞かせようとして、一度も成功しなかった。
ノックはなかった。
扉が、ゆっくりと開いた。
赤いバニースーツのカレンが、そこに立っていた。裸足だった。胸元にはまだ七の札が光っている。彼女は扉の脇の鏡台に歩み寄ると、そこに置いてあった赤い兎耳を、自分の手で頭に乗せた。
それから、ロデリックのほうを向いた。
息が、止まった。
全部、分かっていた。暗号のことも、扉が開いたことも、この女が今、何を捨ててここへ来たのかも。分かっていて、ここで待っていた。それなのに、扉の前に立つ赤い兎を見た瞬間、ロデリックの肋骨の内側を、心臓が一度、拳で叩くように打った。
カレンは寝台に上がり、仰向けに横たわると、自分の手で膝を立て、脚を開いた。
「お願い……」
声が、震えていた。
「もう、我慢できないの……ゼロも、黒の騎士団も、日本も……どうなろうと、構わない……」
股布の脇から、とろりと蜜が溢れていた。
「お願いします、伯爵様……私を、イかせて……♡」
ロデリックは立ち上がり、白い手袋を外した。
寝台に膝をつき、彼女の脚の間に身体を入れる。赤い股布を横にずらすと、三週間焦らされ続けた秘裂が、濡れそぼった縁を、ひくっ、ひくっと小さく開いては閉じ、彼を待っていた。
正面から、見つめ合ったまま、腰を沈めた。
「あ……ぁあ……っ♡」
入れただけだった。それだけで、カレンの内側が入口から奥へ順に、きゅっ、きゅっと何段にも食い締めてきた。三週間分の寸止めの記憶が、もう身体の芯まで染み込んでいるのか、根元まで埋めた瞬間に、彼女は息を吸ったまま吐けなくなり、絶頂の一歩手前まで来ていた。
ロデリックも同じだった。浴室の湯より一段熱い襞に包まれた瞬間、三週間堰き止めてきたものが、竿の付け根までずしりと降りてくる。奥歯を噛み、鼻から長く息を吐いて、それを押さえつけた。
ゆっくりと抜き差しを始める。一突きごとに、カレンの喉から、鼻にかかった声が短く途切れて漏れた。
「あっ、ん……っ、伯爵様、伯爵様……っ♡」
「前はゼロとかいう男を、妄信していたな」
「ゼロなんか、より……っ、あ、伯爵様の、ほうが……っ」
ロデリックは繋がったまま、カレンの背中に腕を回して抱き起こした。自分は寝台の上で脚を組み、その上に彼女を座らせる。
カレンの身体が、自分の重みで沈んだ。
「ひ、ぁ……っ」
さっきより、深い。座り込んだ重みのぶんだけ、切っ先が一番奥の入口をぐっと押し上げていた。
ロデリックは動かなかった。両手でカレンの腰を抱え、最奥に押し当てたまま、止める。
「おく……っ、あたって……う、ごけ、な……っ」
カレンは彼の首にしがみつき、肩口に額を擦り付けた。動いていないのに、奥を押されているだけで、内側が、張り出した傘へ勝手に吸い付いては緩み、また吸い付いてくる。
「ふと、い……っ、すご、い……っ、ぜんぶ、はいって……っ」
やがて、カレンの腰が自分から揺れ始めた。小さく、前後に。それがすぐに、尻が彼の腿から浮くほどの大きさになり、膣内が細かく痙攣を始める。声が、一段高く跳ねた。
ロデリックは、彼女の腰を掴んで動きを止めた。
「やっ……いや、いやぁ……っ! 止めないで、お願い、お願いだから……っ!」
彼女の爪が、ロデリックの背中に食い込んだ。
「動くな」
低く命じると、カレンの腰がびくりと止まった。三か月の躾が、そうさせた。
ロデリックは腰から手を離し、両の掌で、カレンの顔を包んだ。指先で、兎耳の付け根ごと、本物の耳を塞ぐ。
そして、唇を重ねた。
外の音が消えたはずだった。暖炉の爆ぜる音も、時計の音も。カレンの頭の中には、絡み合う舌と唾液の音だけが響いている。掌の下で、耳たぶが燃えるように熱かった。
唇を離し、額と額を合わせる。耳を塞いだまま、すぐ目の前の青い瞳を覗き込んだ。
「名乗れ」
その声は、掠れていた。命令の形をしていたが、懇願だった。
カレンの唇が、噛みしめかけて止まり、開き、閉じ、また開いた。
「私、は……」
胸元の七の札が、暖炉の火を映して揺れていた。
「私は……伯爵様の、赤い兎……」
塞がれた耳の内側で、自分の声だけが響いているのだろう。カレンの喉が、ひくりと鳴った。
「……イレブン、です……♡♡♡」
ロデリックの中で、何かが切れた。
「――イけ、カレン」
初めて呼んだ名前だった。
耳から手を離し、赤い胸元を引き下ろす。カレンがのけ反り、目の前に突き出された乳首に、ロデリックは喰らいついた。三週間、毎晩舐め続けて熟れさせた蕾を、根元から強く吸い上げる。それと同時に、彼女の腰を引き下ろし、下から突き上げた。
「なか、に……っ、だして……っ、あ゛っ――お゛っ、ぉ……っ♡ イ、く……っ、むね、もっ……おくも、っ、イっ、くぅ……っ! 〜〜〜〜っ♡♡」
カレンの背中が、腰を掴んだ彼の両手を支点に後ろへしなり、白い喉が天蓋を仰いだ。三週間分の絶頂が、一度に彼女を呑み込んだ。口に含んだ尖りが舌の上でいっそう硬く張りつめるのと、切っ先を咥えた奥の口がぎゅうっと窄まるのとが、同時だった。膣内が根元から先端までを絞り上げ、尻の中の太いプラグごと、前も後ろも、全部の肉が一斉にロデリックを締め上げる。
もう、堪えられなかった。
下腹から腰の芯へ、鋳型に流し込まれる溶けた鉄のように重いものが、一気に駆け下りる。尿道が焼けるように脈打ち、根元が引き絞られ、溜め込んだすべてが、出口に殺到した。
「カレン……ッ」
どくっ。
最奥に押し付けたまま、一度目が弾けた。
どくっ。どくっ。
止まらない。脈打つたびに、腰が勝手に下から突き上がる。名を呼ぶために離した唇を、もう一度乳首に押し当てる。舌の上で、硬い蕾が、こちらの脈動に一拍遅れて、ぴくん、ぴくんと押し返してきた。
どく、どく、どく。
三週間溜め込んだ、糊のように重い精が、彼女の一番奥へ、何度も何度も注ぎ込まれていく。暖炉の爆ぜる音も、時計の音も遠のき、彼女の名前のほかに、何も考えられなかった。
「でて、る……っ、なかで……でてるの、わかる……っ♡」
カレンは彼の腕の中で、注がれるたびに腰をくっと浮かせ、そのたびに小さく、伯爵様、と呼んだ。
長い脈動が、ようやく終わった。
ロデリックは繋がったまま、カレンを抱えて寝台に倒れ込んでいた。自分の心臓の音がうるさかった。腕に力が入らない。胸の上に乗ったカレンの赤い髪が、汗で彼の頬に貼り付いていた。
カレンの腰は、数秒おきに思い出したように強張りながら、繋がったところを離そうとしなかった。焦点の合わない目でロデリックを見下ろし、口の端がほどけたままの、力の抜けきった笑みを浮かべている。頬を、涙が一筋伝っていた。
しばらくして、ロデリックは身を起こした。
カレンの胸元に手を伸ばし、真鍮の札の留め金を外す。七の札が、彼の手のひらに落ちた。
「もう、これは要らん」
カレンは、ぼんやりとそれを見上げた。
「……じゃあ、私は……何番、ですか」
「カレンだ」
カレンの目から、また涙が溢れた。
「明日、ヘイスティングスの名をやる。お前は、俺の妻になる」
カレンは返事の代わりに、彼の首に腕を回した。涙と汗で濡れた頬を、彼の頬に押し付ける。
「……はい。旦那様」
そして、彼の耳元で囁いた。
「溜まったら……いつでも、呼んでください。旦那様の、兎ですから……♡」
次回、最終話。序章の夜に戻ります。