紅月カレン巨乳バニー堕ち~中年ブリタニア伯爵に快楽で調教されて~ 作:O・クロダ
【終章 赤い兎の妻】
唇を離しても、カレンは額をロデリックの胸に押し付けたまま、動かなかった。
半年前と同じ赤。だが、二度仕立て直した胸元は、捕らえた夜よりずっと深く刳られていた。肩紐もないまま、その縁を柔肌に食い込ませて、Gまで育った双丘をかろうじて支えているだけだった。布越しに、二つの尖りがくっきりと浮いている。躾の間にすっかり開発されたそこは、もう一日じゅう勃ったまま戻らない。
そして胸元にあるのは、もう真鍮の番号札ではない。ヘイスティングス家の紋章を彫った、金のブローチだった。ロデリックの脇腹に添えられた指の先では、深紅に塗られた爪が光っている。左手の薬指には、同じ紋章の指輪が嵌まっていた。
捕らえた夜、この指の爪は、短く切り揃えられた素の色をしていた。
「旦那様……」
カレンが顔を上げた。潤んだ青い目が、まっすぐに彼を見ていた。
「今夜は、後ろから……してください」
ロデリックは彼女を抱き上げ、寝台に運んだ。
カレンは自分から四つん這いになり、赤い布に包まれた尻を高く掲げた。白い尻尾が、その頂でふるりと揺れる。
ロデリックはその毛玉に指をかけ、軽く引いた。中に収まった太いプラグが、窄まりの内側から抵抗を返してくる。
「ん、ふ……っ♡」
カレンの肩甲骨が、きゅっ、きゅっと二度寄った。ロデリックは尻尾を戻し、赤い股布を横にずらした。キスだけで、裏地に染みを作るほど濡れた蜜壺が、彼を待っていた。
ベルトの留め金が、指の下で二度滑った。半年経っても、これだけは変わらなかった。
反り返った肉棒を当てがい、ゆっくりと沈めていく。
「あ……ぁ、はいって、くる……っ、旦那様の、おっきいの……っ」
根元まで埋めると、カレンの媚肉が、彼の形を確かめるように、入口から奥へ順に吸い付いてきた。半年かけて、この女の中は、ロデリックだけの形になっていた。
腰を打ち付ける。赤い尻にぶつかるたび、ぱん、と布越しにくぐもった音が寝室に響く。薄い壁一枚の向こうで、彼女の体温を吸ったプラグの硬い頭が、竿の上側をこすっていく。
カレンの下では、赤い胸元からこぼれた乳房が、ひと突きごとに少し遅れて前へ振れ、また戻った。ロデリックは腋の下から両手を回し、揺れる双つの膨らみを掬い上げた。掌に収まりきらない柔肉が、指の間から溢れる。揉みしだきながら、親指で張り詰めた乳首を転がすと、内側がきゅうっと締まった。
「あっ、あ、あんっ……っ、むね、いっしょ……っ、すき、旦那様、すき……っ」
かつて、何をされても声を殺していた女だった。それが今、シーツを握りしめて、一段高く裏返った声を隠しもしない。
「孕ませて……っ、旦那様の、赤ちゃん……っ、カレンに、ください……♡」
カレン、と彼女は自分を呼んだ。ロデリックが返した名前で。
ロデリックは上体をさらに倒して背中に覆いかぶさり、片手を胸から離して顎にかけ、こちらを振り向かせた。
涙の滲んだ目と、赤く腫れた唇。涎で濡れた顎。眉尻の下がりきった、だらしのない顔だった。
「……お前の顔が、見たかった」
声に出すつもりはなかった。
カレンの目が、驚いたように見開かれた。それから、ゆっくりと細められた。
「ふふ……っ」
笑い声だった。半年前、通路で彼を嘲った笑いは、鼻から一度だけ息を吐き捨てる音だった。今のは、喉の奥で小さく転がる音だった。
ロデリックはその唇を塞いだ。舌を絡めたまま、最奥を突き上げる。カレンの声が、彼の口の中でくぐもって弾けた。
「んむっ……ん、んんっ……っ♡」
カレンの内壁が、まず入口で根元をきゅうっと食い締めた。絶頂の締め付けが、二度、三度と間を詰めながら、先端のほうへ駆け上がってくる。ロデリックは逆らわず、そのまま一番奥へ押し付けた。
どくん。
腰の芯から、どろりと重い精が、肉幹の中をこじ開けるように押し出される。
どくん。
カレンの腰が、そのたびに小さく跳ねた。
どくん、どくん。
最後の一滴まで、彼女の中に注ぎ込んだ。
寝台の上で、二人はしばらく重なったまま息を整えていた。
やがてロデリックが身を引くと、ずるりと抜け出たものを追うように、白いものがカレンの内腿を伝った。カレンは膝を外へ滑らせて横向きに倒れ、彼の腕の中に収まった。抱き取った肩も腰も、もうどこも押し返してこない。膝だけが、まだかすかに笑っていた。
「……しあわせ」
寝言のような声だった。カレンは目を閉じたまま、彼の胸に頬を寄せた。
赤い兎耳が頭から外れて、シーツの上に落ちていた。
寝台脇の電話が鳴った。
ロデリックが手を伸ばすより早く、カレンが身を起こした。彼女はまずシーツの上の兎耳を拾い上げ、自分の頭に付け直した。それから、そっと後ろに手をやって、尻尾がきちんと収まっていることを確かめた。
受話器を取る。
「はい」
汗を吸って色の濃くなった赤い髪を、指で整えながら、カレンは、はっきりと言った。
「ヘイスティングス伯爵の妻……イレブンのカレンでございます」
受話器の向こうに、二言三言、さっきまでの喘ぎの名残もない声で答えている。
ロデリックは、その横顔を見ていた。
誰にも命じられていなかった。名乗れ、と言う者は、もうどこにもいなかった。
カレンは静かに受話器を置いた。
かちゃり、と小さな音がした。
――了――
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご感想、評価をいただけると励みになります。