廃屋の隅に、古びた布団が敷かれていた。
愛火童子が用意したものだ。
どこから持ってきたのか聞くのも怖かった。
「主よ、お休みください」
愛火童子が小さな鬼火を掌に浮かべた。
青白い光が揺らめきながら布団の上を照らす。
まるで蛍火のように頼りなく、けれど不思議と温かい光だった。
「あの、主。一つ申し上げそびれていたことが」
「ん?」
「精を頂戴する件ですが。口にて頂戴するのが最も効率が良いのです」
「は?」
「ですので。ご寛ぎください」
俺は混乱したまま布団に横たわった。
愛火童子が隣に滑り込んでくる。
改めて間近で見る彼女の姿は、やはり異様だった。
白無垢の布地は月光を吸い込んだかのように青白く光る。
腰まで届く白髪は絹糸のように細く、ふわりと広がって枕に触れている。
額から生えた二本の角は象牙のように滑らかで先端は微かに琥珀色を帯びていた。
紅い瞳が俺を見つめている。
その瞳は宝石のように澄んでいて、けれど奥底に底知れぬ深さを秘めていた。
白い肌は透き通るほどで、首筋の淡い血管すら浮かび上がっている。
唇は桜色で、微かに開いた隙間から白い歯が覗いている。
「主の精、確かに頂戴いたします」
愛火童子は静かに布団の中に身を沈めた。
白無垢の裾が擦れる音が、静寂の中でやけに大きく響いた。
俺は天井を見つめたまま動けなかった。
隣の気配が熱い。
鬼の体温は人間より高いのだと、そんなどうでもいいことを考えていた。
愛火童子の細い指が、俺の帯にかけられた。
「主よ。少し我慢なさってくださいね」
その声は鈴の音のように澄んでいた。
けれど俺の心臓は早鐘を打ち始めた。
愛火童子の手がずり、と腰巻を寛げた。
夜気が肌に触れる。
冷たい風が、露出した皮膚を撫でた。
「…すまない」
「謝る必要はございません。これは契約の儀式。主のための行いです」
愛火童子の白い手が、俺の下半身に伸びた。
布越しに触れた指先は、ひんやりとしていた。
鬼の体温は高いと聞いたばかりなのに、指先だけは冷たい。
その温差に思わず身じろぎする。
「あ…」
「大丈夫です。主はただ、任せていてください」
愛火童子の手が、俺のものを包み込んだ。
白い指が、ゆっくりと動き始める。
革の質感とは違う。
柔らかく、けれど確実な力がこもった指の動き。
愛火童子の手は小さかった。
俺のものを握るには少し足りないほどに。
けれどその指は迷いなく動いていた。
「っ…」
「力がこもってまいりましたね」
愛火童子の声に、微かな笑味が含まれた。
見下ろすと、紅い瞳が真っ直ぐに俺を見つめていた。
額の角が月光に照らされて青白く光る。
白髪がさらりと肩を滑り落ちる。
「主の生命を、確かに受け取ります」
愛火童子の手が、ゆるやかに速さを増した。
俺は布団を握りしめた。
月明かりが指の隙間から溢れる白濁に映り込んでいた。
愛火童子の手が、ゆっくりと上下し始めた。
その指は、まるで壊れ物を扱うかのように丁寧だった。
強くもなく弱くもない。
ちょうど良い力加減で、俺の逸物を包み込んでいる。
「主のもの、温かいですね」
愛火童子が小さく呟いた。
紅い瞳が俺のものを見つめている。
その視線に、背筋がぞくりと震えた。
白い指が、先端を親指で撫でる。
くすぐったいような、けれど心地よい刺激が走った。
「っ…」
「焦らず、ゆっくりと」
愛火童子の手が、根本から先端へと滑り上がる。
その動きは一定で、まるで器物の手入れをしているかのようだった。
少しずつ、俺の逸物が膨れていくのが分かった。
最初は小さかったものが、愛火童子の手の中で確実に大きくなっていく。
「あ、大きく…」
愛火童子の声に微かな驚きが混じった。
握っている指の間から、先端が覗き始める。
白い指と赤い先端のコントラストが、妙に淫らだった。
「主の生命が、ここに集まってきていますね」
愛火童子の手が、膨らんだ俺のものをきつく握りしめた。
その刺激に、俺は思わず腰を浮かせた。
「っ!」
「すみません。少し、力が入りすぎましたか」
愛火童子は慌てて力を緩めた。
けれど手は離さない。
むしろ、さらに優しく包み込むように握り直した。
「主の精、楽しみにしております」
その言葉と共に、愛火童子の手が再び動き始めた。
今度はさっきより少し速く。
けれど決して乱暴ではない。
丁寧で、穏やかで、けれど確実に俺を追い詰める動きだった。
愛火童子の顔が、俺の股間に近づいていく。
白髪がさらりと揺れ、額の角が月光に照らされて青白く光った。
「失礼いたします」
静かな声と共に、彼女の唇が俺の先端に触れた。
ひんやりとした感触。
鬼の体温は高いと言っていたのに、唇だけは冷たい。
愛火童子は一度小さく息を吐き、それからゆっくりと口を開いた。
桜色の唇が、俺の膨れた亀頭を包み込んでいく。
「っ…!」
ぬるりとした感触が走った。
舌が俺の先端を撫でる。
冷たい舌が、熱を持った俺のものを絡め取るように動いた。
「ん…」
愛火童子の喉から小さな声が漏れた。
唇を閉じ、俺の亀頭をゆっくりと咥え込む。
頬が微かに膨らみ、白無垢の衣が擦れる音が静寂に響く。
紅い瞳が上目遣いに俺を見上げていた。
その瞳に映るのは、情欲に濡れた俺の顔。
舌が先端をくるりと一周する。
亀頭の裏筋を、丁寧に舐め上げた。
「はっ…」
思わず息が漏れる。
腰が勝手に浮きそうになるのを、必死に堪えた。
「主よ、力を抜いてください」
口に咥えたまま、愛火童子が呟いた。
その声は湿っていて、妙に艶めかしい。
舌が根本へと滑り降りる。
亀頭から竿へ、ゆっくりと唇を移動させていく。
その動きは、まるで大切な宝物を味わうかのようだった。
愛火童子の唇が、俺の亀頭を包み込んだままさらに深く沈み込んでいく。
ぬるりとした感触が俺の竿全体を伝った。
「んっ…」
愛火童子の喉が小さく鳴った。
俺の亀頭が、彼女の喉奥に到達する。
柔らかい粘膜が、俺の先端を包み込んだ。
狭い。
熱い。
そして吸い付くような感覚。
「はぁ…っ」
思わず息が漏れた。
愛火童子の喉が、俺の亀頭を求めるようにきゅっと締め付ける。
「んっ、ん…」
愛火童子の口の中で俺のものが脈動する。
それに呼応するように、彼女の喉も収縮した。
紅い瞳が上目遣いに俺を見つめている。
その瞳には恍惚とした光が宿っていた。
口角から唾液が溢れ、俺の竿を伝って滴り落ちる。
「んむっ…」
愛火童子が、さらに奥まで咥え込んだ。
喉の奥で俺の先端が擦れる。
亀頭のカリが喉の襞を引っかくたび、彼女の体が小さく震えた。
「っ…!」
快感が背筋を駆け上がる。
腰が勝手に動きそうになるのを必死に堪える。
「んっ、んぅ…」
愛火童子の吸い付きが強くなった。
喉奥で俺のものを吸い上げるように、じゅっと音を立てる。
その音が静寂の中でやけに大きく響いた。
白髪がさらりと揺れる。
額の角が月光に照らされて青白く光る。
白無垢の衣が擦れる音が、愛火童子の奉仕の音と混ざり合った。
「主の精…、楽しみに…」
口に咥えたまま、愛火童子が呟いた。
その声は湿っていて、どこか甘い響きを帯びていた。
限界が近づいていた。
腰の奥から熱い塊が這い上がってくる。
愛火童子の喉奥が、俺の亀頭を締め上げる。
その粘膜の動きに、抗うことができなかった。
「はっ…あ…」
息が荒れる。指が布団を掻く。
足の指が縮こまり、全身の筋肉が強張る。
「んっ…んむ…」
愛火童子は喉の奥で俺の逸物を締め付けながら、さらに吸い付きを強めてきた。
喉の襞が亀頭を絡め取る。
きゅっ、きゅっと絞り上げるようなその感触に、俺の理性が焼き切れた。
「行く…っ!」
限界だった。
腰が浮く。
愛火童子の頭を押さえつけるように手が伸びるが、それは中途半端に止まった。
ドクッ。
奥底から熱い奔流が噴き上がった。
尿道を駆け上がる熱い塊が、亀頭の先から愛火童子の喉奥へと迸る。
「んっ!?」
愛火童子の体がびくりと跳ねた。
喉の奥で亀頭が膨らみ、白濁した精液が直接喉の奥へと注ぎ込まれる。
「はっ…ああっ…!」
俺の腰から力が抜けていく感覚と同時に、精液が断続的に吐き出されていく。
愛火童子の喉が、ごくっと音を立ててそれを飲み込む。
「んっ…んむ…ごくっ…」
喉仏が動くのが分かった。
愛火童子は眉を寄せ、俺のものを喉の奥で咥えたまま、飲み下そうと必死に喉を動かしている。
溢れた白濁が、彼女の口角から糸を引いて滴り落ちた。
「はぁ…はぁ…」
俺は余韻に浸る間もなく、ただ荒い息を吐いていた。
愛火童子の口の中で、俺の逸物が最後の脈動を繰り返す。
「んっ…」
愛火童子がゆっくりと顔を離した。
口の端から銀色の糸が引かれる。
彼女は俺の精液を飲み下し、紅い瞳で俺を見上げた。
「主の生命…確かに、頂戴いたしました」
その声は少し掠れて、けれどどこか満足げだった。