転生したらスライムだった件 外伝 〜もしリムルがスライムではなく、最初から超美少女の魔王として転生したら〜 作:虚無神
洞窟の外へ一歩足を踏み出した瞬間、暖かな太陽の光が二人の息を呑むような肌を照らし出した。
晴海(リムル)はサファイアブルーのストレートロングを手ぐしで軽く整えながら、シエルから脳内に送られてきたヴェルドラの所有スキルの詳細報告を改めて思い返していた。
(……うん、詳しくシエルにヴェルドラの権能を聞いてみたら、本当に凄まじいレベルで超チートだったわね。『混沌之王』に『暴風之王』、さらには『虚飾之王』と『時之王』だなんて……。まあ、私の『言霊之王』やシエルの万能さに比べたら私程ではないにしろ、基軸世界のヴェルドラ寄りはかなりヤバい性能をしてるわ)
晴海は大人の余裕を漂わせた優雅な笑みを浮かべ、すぐ隣を歩く335cmの黄金の超美少女を見上げた。
「貴女のスキルも大概チートね、ヴェルドラ」
晴海の甘く透き通るような可憐な声が森の木々に染み込んでいく。
不意に褒められた(?)と感じたヴェルドラは、200cmの圧巻の爆乳をフンスと誇らしげに膨らませ、プラチナムゴールドの瞳を輝かせた。
『ぬ、ぬははは! 当たり前ではないか! 我は世界を司る竜種なるぞ! チートだろうがなんだろうが、この我の偉大さを考えれば当然の力なのだ……っ!』
尊大に胸を張るヴェルドラだったが、耳の先が僅かに桃色に染まっているのを晴海は見逃さなかった。完璧な制御によって漏れ出る魔素は極限まで抑えられているものの、晴海と並んで歩けることへの嬉しさが全身から溢れ出ている。
そうして森を進んでいくと、やがて木々の隙間から粗末な柵と藁葺きの小屋が肩を寄せ合う小さな集落――ゴブリンの村が見えてきた。
(あ、原作通りのゴブリン村ね。基軸世界でもここからテンペストの歴史が始まったのよね)
晴海が懐かしさを覚えつつ村へ足を踏み入れると、集落の奥からボロボロの武器を手にしたゴブリンたちがゾロゾロと姿を現した。
だが――彼らは晴海とヴェルドラの姿を視界に収めた瞬間、ガタガタと生まれたての子鹿のように膝を震わせ、悲鳴すら上げられずにその場にひれ伏してしまったのだ。
「ヒィィィッ……!? か、神よ……! 怪物……いや、あまりにも恐ろしいお方たちが……っ!」
「お、命だけは……命だけはお助けくだされぇぇぇ……っ!」
武器を放り投げ、地面に頭を擦り付けて震え上がるゴブリンたち。
晴海はレモンイエローの瞳を細め、困惑気味にサファイアブルーの髪を揺らした。
(……えぇ? 私たち、洞窟を出る前に魔素を極限まで制限したわよね? 威圧感も完全に消してるはずなんだけど……これでもかなり制限してるのに怯えられちゃうわけ?)
晴海は176cmのしなやかな長身をすっと伸ばし、バスト95cmの豊かな胸元に手を当てながら、ひれ伏すゴブリンたちを見下ろした。
(うーん……少しゴブリンの強さのレベルを疑ってしまうわね。いくらRPGやファンタジー小説で『雑魚モブ』扱いされてるとはいえ、魔素を隠した私たちが歩いてきただけでここまで怯えられる程かしら? それとも、私たちの圧倒的なオーラというか、美貌とスタイルが規格外すぎて、存在そのものが恐怖に変えられちゃってるのかしらね……?)
隣に立つヴェルドラも、335cmの圧倒的な高身長と200cmの爆乳を誇りつつ、プラチナムゴールドの瞳で怪訝そうにゴブリンたちを見下ろしている。素肌を大胆に露出したビキニ姿のヴェルドラは、ただ立っているだけで神々しいまでの圧迫感を放っていた。
『ぬ……? なんだこの弱小どもは。我らの姿を見ただけで泡を吹きそうになっておるぞ?』
不器用に首をかしげるヴェルドラの横で、春海、いやもうリムルと呼ぶべきか、リムルは小悪魔的な微笑みを浮かべ、甘い声で怯えるゴブリンたちへそっと話しかけるのだった。
最初は恐怖に震え上がっていたゴブリンたちだったが、晴海が優しく声をかけ、害意がないことを示すと、村の長老をはじめとする住民たちは恐る恐る頭を上げた。そして、集落が置かれた深刻な窮状について、切々と語り始めた。
しばらく話を聞いていた晴海は、すっと息をつき、サファイアブルーの髪を綺麗に整えながら頷いた。
「事情は理解したわ、分かった!協力する!」
それは、かつて小説やアニメで散々目にした、まさに原作通りの運命的な流れ。牙狼族の襲撃に怯えるゴブリンたちを救うため、晴海はこの村の防衛を引き受けることにしたのだった。
それから間もなくして、村の周縁を囲む森林がざわめき、威嚇するような野太い唸り声が響き渡った。――牙狼族の襲撃である。
群れの先頭に立ち、禍々しい殺気を放ちながら突進してきたのは、巨大な体躯を誇る牙狼族の「族長」だった。
(ふむ……ちょうどいいわね。さっき手に入れた『即死の魔眼』の性能、ここでちょっと試してみようかしら)
晴海は176cmのしなやかな美脚を踏み締め、迫り来る牙狼族の族長をレモンイエローの瞳で真っ直ぐに捉えた。
恐怖に怯えるゴブリンたちが固唾を呑んで見守る中、晴海は特別な詠唱もせず、ただ視線にわずかな意思を込めた。
――瞬間。
牙狼族の族長の瞳が、晴海のレモンイエローの瞳と交錯した。
ドサッ……!
凄まじい勢いで突進していたはずの巨大な巨体が、何の衝撃音も残さぬまま、まるで糸の切れた操り人形のようにパタリと地面に倒れ伏した。そのままピクリとも動かない。命の気配は、完全に消え失せていた。
「……えっ?」
背後で見ていたゴブリンたちが、何が起きたのか理解できずに間抜けな声を漏らす。物理的な攻撃も、魔法の爆発も起きていない。ただ美少女がちらりと視線を向けただけで、凶悪な牙狼族の族長が即座に絶命したのだから、無理もない反応だった。
(……わぁ。本当に即死しちゃったわね、これ)
晴海自身も、そのあまりにも圧倒的すぎる結果に内心で軽く驚きを覚えていた。
彼女はすかさず、脳内のブレインに語りかけた。
(『シエル、さっきの「即死の魔眼」について詳しく教えて』)
《解。ご説明いたします。『即死の魔眼』は、視認した対象に対して物理法則、魔術的防御、さらには世界の理(ことわり)や因果律すらも完全に無視・超越して「死」の結末を強制的に確定させる極致の権能です。対象の耐性や生命力を一切参照せず、発動者の意志のみで命を刈り取るため、宇宙の法則において極めて理不尽なまでの絶対性を有しております》
シエルからの淡々とした、しかし底知れぬチート性能を物語る解説を聞き、晴海は思わず小さく舌を巻いた。
(なるほどね……。概念や因果律、すべての理を無視して相手を問答無用で即死させるなんて、これもう反則どころの騒ぎじゃないわね。下手に使ったら世界のバランスが秒で崩壊しちゃうわ……。滅多な事では使えないわね、本当にヤバい時にだけにしようっと)
晴海は胸元でそっと手を組み、己の持つ能力の恐ろしさを再認識しながら心に誓った。
その隣では、335cmの巨躯と200cmの爆乳を誇るヴェルドラが、プラチナムゴールドの瞳を丸くして感心したように鼻を鳴らしていた。
『ぬ、ぬははは! さすがは我の心棒……いや、我が伴侶(?)となるお前だ! 牙狼族の族長風情を一瞥するだけで消し去るとは、相変わらず凄まじい技の冴えだな!』
ヴェルドラは嬉しそうに黄金のショートヘアを揺らし、晴海を絶賛する。
その頬はほんのり赤らんでおり、圧倒的な強さを見せつけた晴海への恋心と憧れがますます加速している様子だった。
牙狼族の長を失った群れは、一瞬にして戦意を喪失し、その場に平伏して降伏の意を示した。こうして、ゴブリン村を巡る最初の試練は、晴海の規格外すぎる「即死の魔眼」によって、あっけなく、そして完璧に平定されたのであった。
リムルの旦那候補
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ランガ(人化)