将軍を目指した薙刀令嬢、愛欲の女神の寵愛を得て「娼婦」となる 〜神罰寸前で無恩寵の男に抱かれたら、無限の経験値で最強の武神になりました〜 作:夜叉五郎
宿屋の薄暗い一室、乱れたシーツと濃厚な余韻が漂う空間で、俺は天井を見上げて大きく息を吐き出した。 何日、ここに籠もりきりになっているだろうか。
時間の感覚すら怪しくなっていた。
窓の隙間から差し込む光が朝を告げては暮れていき、何巡目かの朝を迎えている。
「……なぁ、アリア。さすがにそろそろ休憩しないか? 腰が折れそうだぞ」
枕元で横たわる黒髪の美女へ苦笑交じりに声をかけると、彼女は艶やかな髪をシーツに散らしたまま、微かに身じろぎした。 抜けるような白磁の肌には、ギルドで見たあの痛々しい朱色の隈取りなど微塵も残っていない。
それどころか、肌の艶は初日に出会った時よりも瑞々しく発光しているかのようで、紅い唇は熱っぽく濡れていた。
「だ、駄目だ……ワタル……っ。まだ、足りん……!」
生真面目な武人の凛とした面影はどこへやら、潤んだ翠の瞳で俺をすがるように見上げ、震える指先で俺の胸元をぎゅっと掴んでくる。
事の発端は、初夜の翌日だった。 神罰の熱から解放されたアリアと、生きるのに必死で久しく溜め込んでいた俺の本能が爆発したあの日。 行為を終えて落ち着いた時、俺は自分の身体に走った劇的な変化に気づいた。
(……レベルが、信じられない跳ね上がり方をしてる……!?)
俺にはスキルの概念がない。
レベルアップによって得られるすべての補正値は、筋力、敏捷、耐久といった基礎フィジカルへと強制的に極振りされる。
ダンジョンでゴブリンや猪の魔物を地道に一体ずつ狩っていた時のレベリングとは、文字通り桁が違っていた。
たった一度の情交で、何十階層分もの魔物を一人で殲滅したかのような莫大な経験値が雪崩れ込んできたのだ。
原因は、アリアの持つ【交歓の研鑽(エクスペリエンス・シェア)】だった。 性交を行うことで互いに経験値を共有し、娼婦側は相手の器が大きければ大きいほど獲得量が乗数的に跳ね上がるという破格の恩寵。
そして、俺という存在は異界からの迷い人――この世界の理の外側にあり、システム的なレベル上限(才能限界)が存在しない「無限大の器」だ。 無限の器と交わった結果、経験値の蛇口はリミッターを吹き飛ばして全開になった。
さらに、行為後二十四時間継続する【交歓の恩寵】によるステータス倍率バフまで加わり、俺の身体能力はもはや人間をやめかけている。
――だが、異常だったのは俺だけではない。
「ワタル……頼む、もう一度……私を抱いてくれ……っ!」
アリアが、普段の折り目正しい態度を完全にかなぐり捨て、土下座せんばかりの猛烈な勢いでおねだりしてきたのだ。
この世界の住人には、生まれ持った魂の格に応じた「才能限界(レベルキャップ)」が厳格に定められている。どんな天才であれ、ある一定のレベルに達すればそこから先の成長はピタリと止まる。 アリアもまた、武門の才覚を極めようと努力しながらも、己の才能限界という見えない壁をどこかで意識していたはずだった。
ところが、俺と交わるたび、彼女の魂の器そのものが無理やり押し広げられていくらしい。
才能限界の数値が引き上げられ、上限に引っかかることなく、留まることを知らずにレベルが上がり続けていくのだ。
俺が異世界から迷い込んできた「理の外の存在」だからなのか、それとも二人の体液と魂が混ざり合ったことで世界の枠組みがバグを起こしているのか。
理由は定かではないが、アリアにとってそれは、かつて初代王妃すら成し得なかった「前人未到の領域」への直通切符だった。
「私の……私の才能限界が、また上がったのだ……っ! こんな奇跡、神話の時代にすら存在しない! ワタル、お前の中に注がれるたび、私の細胞が、魂が、際限なく強くなっていくのが分かる……!」
恍惚と興奮に瞳をギラつかせ、俺の首元に両腕を絡めつけてくる。 長年、武の道を志しながら「女の肉体」に絶望し、将軍の夢を断たれた彼女にとって、この現象は抗いようのない究極の甘露だった。
ダンジョンに潜って命懸けで剣を振るうよりも、ベッドの上で俺に抱かれて腰を振っている方が、何百倍も早く、確実に、人知を超えた高みへと至れるのだから。
しかも、アリアの身体はすでに娼婦最高位の「第六階梯」まで完全に覚醒している。
口技(オーラル・アーツ)――彼女が戦場で全軍に号令を通すために鍛え上げた喉と舌が、今は俺の剛直を最も心地よく啜り上げてくる。澄んだ美声で息を漏らすたびに、頭の芯が痺れる。
足技(レッグ・アーツ)――男兵士を蹴り倒すために鍛えた太腿が、俺の腰をガッシリとロックして逃げ場を奪う。足指先が敏感な場所を弄んで、腰が浮きそうになる。
棒技(ロッド・アーツ)――薙刀の長柄を意のままに操るために掌にマメを作るほど鍛えた指先が、俺の肉棒の反りや硬度をミリ単位で感知し、最も快感を増幅させて扱いてくる。
乳技(ブレスト・アーツ)――邪魔な胸肉として晒で締め潰し続けてきた豊満な双乳が、今は俺の顔や剛直を柔らかく包み込み、熱い先端で擦り上げてくる。各種回復効果を持った霊乳を任意に射出可能で、授乳プレイが俺を蕩かす。
腰技(ヒップ・アーツ)――薙刀に遠心力を乗せるために磨いた骨盤の回旋が、騎乗位で俺を容赦なく搾り取ってくる。戦場での舞踏のような身のこなしが、今は淫靡な腰遣いに変わっている。
穴技(キャビティ・アーツ)――一撃の破壊力を高めるために極限まで締め上げた骨盤底筋群が、千の指のように蠢いて俺を逃がさず締め上げてくる。かつて敵を討つために鍛えた筋肉が、極上の快楽を貪る名器の牙となっている。
神が授けた至高の技術が惜しげもなく俺へと注ぎ込まれ、求められるたびに蕩けるような悦脱へ叩き落とされる。
男として、こんな極上の美女に泣きつかれ、しかもお互いに爆発的なメリットがある状況で断れるはずもなかった。
(……完全にバグってるよな、これ)
俺は天井を見上げながら、心の中で呟いた。 アリアは元々、幼い頃から修行を積んでいたから俺よりレベルが高く、才能限界も近かったはずだ。
でも俺は才能限界がない。
無限だ。
だから俺と交わるたびに、アリアのレベルは才能限界ごと跳ね上がる。
で、彼女のレベルが上がれば上がるほど、次に俺がもらえる経験値も跳ね上がる。
その結果、俺の実レベルも上がって、また彼女の才能限界が上がる……って、無限に回ってる。
二人で交われば交わるほど、お互いが際限なく強くなっていく。
完全にシステムが破綻してる。
「……ったく。ダンジョンで泥まみれになってたのが馬鹿らしくなるな」
俺は再び熱を帯びてすがりついてくるアリアの引き締まった腰を引き寄せた。 彼女は嬉しそうに喉を鳴らし、紅い唇を寄せてくる。
肌と肌が擦れ合い、互いの体温が溶け合う濃厚な逢瀬。 危険なダンジョンの闇など遠い世界の出来事のように、俺たちは甘く、果てしないベッドの上の研鑽へと再び沈み込んでいった。
〜 続く 〜