※この作品はR-18です。

怪異と桜   作:桜女美井奈@安易なメス堕ち絶許委員会

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久しぶりの投稿がこれとは…
あっ大学楽しいです。


八尺様

蝉の声が耳の奥で鳴り止まない。八月も中旬を過ぎたというのに、この田舎の暑さは容赦がなかった。

 

坂本桜は、祖父母の家へと続く農道を歩いていた。アスファルトは熱を孕み、サンダルの裏からじわりと伝わってくる。都心の大学に通う十八歳の夏休み。両親の都合で、一人だけ先に田舎へと送り込まれた格好だ。

 

「……暇」

 

思わず漏れた言葉は誰に届くでもなく空に溶けていく。周囲には田んぼと、ところどころに古い民家があるだけ。コンビニまでは自転車で二十分。ゲームを持ってきて正解だったと、桜は肩にかけたバッグを揺らした。

 

身長は180cm。女性にしては高い方で、スタイルも悪くない。B90W65H90。数字だけ聞けばモデル並みと褒められることもある。けれど、桜は自分の身体を持て余していた。幼い頃からエッチなことには人一倍興味があった。ネットで調べ、こっそりと自分を慰める日々。でも、彼氏はできなかった。周りの友達が経験を積んでいく中で、自分だけが取り残されていくような焦燥感。それが、気づけば背中を丸める癖になっていた。

 

「はあ……」

 

ため息をついて顔を上げたときだった。

 

農道の先、古い電柱のそばにそれは立っていた。

 

白いワンピース。長い黒髪。肌は蝋のように白く、顔には表情というものがなかった。けれど、桜の目を惹いたのはその異様なまでの背丈だった。

 

――大きい。

 

桜は百七十センチある。女性の中では高い方だ。でも、目の前のそれは桜を見下ろしていた。見上げる角度は、少なくとも三十センチ以上。八尺。そんな言葉が頭をよぎる。昔、祖母から聞いた怪談話。八尺様。出会ったら最後、連れ去られるという。

 

「……ぽぽぽ」

 

その存在が、声のようなものを発した。低く、籠った音。言葉ではない。けれど、桜の鼓膜を確かに震わせた。

 

普通なら、逃げるべきだった。肝が冷えて、悲鳴を上げて走り出すべき状況。なのに、桜の足は止まった。

 

(大きい……私より、ずっと)

 

胸の奥が、ざわめいた。恐怖とは違う。もっと別の、熱いものが下腹のあたりに灯る。初めて見る、自分より大きな「女」。いや、女なのかどうかもわからない。ただ、その圧倒的な存在感の前に桜は立ち竦んでいた。

 

「あ、あの……」

 

声をかけた瞬間だった。

 

白いワンピースの裾がふわりと持ち上がった。いや、違う。持ち上がったのは布だけではない。ワンピースの内側から、明らかに異質なものがせり出してきていた。

 

「え……?」

 

桜の目が、見開かれる。

 

それは、ちんこだった。

 

ワンピース越しに浮かび上がる、尋常ではない大きさの膨らみ。布を押し上げて、天を仰ぐように反り返っている。その輪郭だけで、桜にはわかった。これは人間のものではない。いや、人間のものであったとしても規格外すぎる。

 

「ぽぽ」

 

八尺様が、一歩近づいた。桜は後ずさろうとして、足がもつれる。尻もちをつきそうになったところを、冷たい手が支えた。いや手ではない。腕だ。長い腕が、桜の腋の下に回り軽々と持ち上げる。

 

「う、あ……」

 

地面から足が離れる。百七十センチの桜が、まるで人形のように持ち上げられていく。目の高さに、ワンピース越しの膨らみが迫る。布の向こうで、それがびくびくと脈打っているのが見えた。

 

「ぽぽぽぽ」

 

八尺様のもう片方の手が桜のスカートの中に滑り込んできた。下着の上から、直接、女の部分に触れられる。冷たい指。なのに、触れられた場所からじわりと熱が広がっていく。

 

「や、あ……だめ、そんな……」

 

抵抗の言葉は途中で息に変わった。指が、下着の上から割れ目をなぞる。くちゅ、と湿った音がした。桜自身が濡れ始めている。恐怖と興奮がごちゃ混ぜになって、頭がどうにかなりそうだった。

 

「ぽぽ」

 

八尺様の指が下着の脇から侵入してきた。冷たい指が、直接、濡れた襞をなぞる。くちと音を立てて、指が一本中に入ってきた。

 

「ひあっ……!」

 

桜の腰が跳ねた。指はゆっくりと出し入れされ、そのたびに、じゅくじゅくと水音が響く。親指が、上の方の芽を押し潰すように撫でた。

 

「あ、あ、だめ……そこ、だめぇ……」

 

抗議の声は、快楽に溶けていく。八尺様の指は、まるで桜の身体の構造をすべて知っているかのように動いた。中を掻き回しながら、同時に外の芽を責める。そんな器用な動き、人間にはできない。

 

「ぽぽぽ」

 

「や、あっ、イっちゃ……イっちゃう……!」

 

あっけないほど早く桜は達した。身体がびくびくと痙攣し、八尺様の腕の中で跳ねる。指が抜かれると、糸を引くような感覚があった。

 

八尺様が、桜を地面に下ろした。けれど逃がすつもりはないらしい。白いワンピースが、ふわりと捲れ上がる。露わになったのは、想像を絶する大きさのちんこだった。

 

「……うそ」

 

桜は思わず呟いた。太さは桜の腕ほどもある。長さは、優に三十センチを超えている。それが、天を突くように屹立していた。先端からは、透明な液が滲み出している。

 

八尺様が、桜の肩を押した。抵抗する間もなく、桜は草の上に押し倒される。スカートが捲れ上がり、下着がずらされる。熱いものが、入り口に押し当てられた。

 

「あ、待って、無理……入らない……!」

 

叫んだときだった。

 

「さくらー!」

 

遠くから、祖母の声が聞こえた。八尺様の動きが止まる。桜は慌てて身を起こし、スカートを直した。八尺様はまるで霧が晴れるように、その場から消えていた。

 

「さくら、こんなところで何してるんだい!」

 

祖母が、息を切らして駆け寄ってくる。桜は、うまく言葉が出なかった。下半身がまだ熱く、濡れているのがわかる。でもそれを悟られないように、必死に笑顔を作った。

 

「ちょっと、散歩してただけ」

 

「散歩って……あんた、今、誰かと会ってなかったかい?」

 

祖母の目が、真剣だった。桜は首を振った。

 

「ううん、一人」

 

祖母はしばらく桜の顔を見つめていたが、やがて、大きなため息をついた。

 

「早く帰るよ。日が暮れる前に」

 

---

 

家に戻ると、祖父が縁側で煙草を吸っていた。祖母が何か耳打ちすると、祖父の顔色が変わった。

 

「おい、桜。本当に、誰にも会わなかったか?」

 

「だから、一人だったってば」

 

「……白いワンピースの女を見なかったか?」

 

桜の心臓が跳ねた。けれど、ここで正直に話すのはまずい気がした。何より、あんなこと――あんなえっちなことをされたなんて、言えるわけがない。

 

「見てない」

 

嘘をついた。祖父と祖母は顔を見合わせ、それから、慌ただしく動き始めた。

 

「おい、お前、新聞紙を集めてくれ」「仏壇の塩を持ってきな」

 

二人は、家の二階へと上がっていく。桜も、訳もわからぬままついていくしかなかった。

 

二階の一室。そこは普段は物置として使われている部屋だった。祖父が、窓という窓に新聞紙を貼り始める。祖母は、部屋の四隅に盛り塩をしていく。そして、小さな仏像を部屋の中央に置いた。

 

「桜、よく聞きなさい」

 

祖母が、桜の両肩を掴んで真剣な目で見つめた。

 

「今夜、あんたはこの部屋で一晩過ごすんだよ」

 

「え……なんで」

 

「いいから聞きなさい。いいかい、二つだけ約束してほしいんだ」

 

祖母の声は、震えていた。

 

「一つ。明日の朝七時まで、絶対にこの部屋から出ないこと。二つ。誰が呼んでも、絶対に扉を開けないこと。いいね?」

 

「おばあちゃん、これって……」

 

「約束して!」

 

有無を言わさぬ迫力だった。桜は、こくんと頷いた。祖父が部屋の外から鍵をかける音がした。

 

一人きりになった部屋。新聞紙で目隠しされた窓。四隅の盛り塩。中央の仏像。異様な空間に、桜はぽつんと座り込んだ。

 

(なんなの……一体)

 

昼間のことを思い出す。あの巨大なちんこ。押し当てられた熱。あれが、夢だったはずがない。下着の中は、まだ少し濡れていた。

 

時間が、ゆっくりと過ぎていく。外が暗くなり、部屋の中も薄暗くなった。電気をつける気にもなれず、桜は壁に背を預けて座っていた。

 

(八尺様……)

 

祖母の話からなんとなく察していた。あの白いワンピースの女が、八尺様と呼ばれる存在なのだと。そして、祖父母は桜があの怪異に狙われていると考えているのだと。

 

(でも、なんで私なんだろう)

 

都会から来た孫娘。特に何かをしたわけでもない。ただ、歩いていただけ。それなのにあんなことに。

 

(気持ちよかった、なんて……思っちゃった)

 

指で触れられただけであっさり達してしまった。あんな経験は、初めてだった。自分でするのとは、まるで違う。あの冷たい指が桜の身体のすべてを理解しているかのように動いて。

 

(また、触られたい……)

 

そんなことを考えて、桜は首を振った。だめだ。あれは怪異なんだから。危ないに決まっている。

 

夜が更けていく。静かな部屋に、時計の針の音だけが響く。桜は、うとうととし始めていた。

 

――トントン。

 

扉を叩く音で、桜は目を覚ました。

 

「桜、起きてるか?」

 

祖父の声だ。桜は、立ち上がりかけて祖母の言葉を思い出した。

 

『誰が呼んでも、絶対に扉を開けないこと』

 

「大丈夫か? 何か変わったことはないか?」

 

祖父の声が、続く。桜は、扉の前に立って声を潜めて答えた。

 

「大丈夫だよ。何もない」

 

「そうか。ならいい。……ああ、そうだ。ばあさんがこれを渡せって」

 

ガチャ、と音がした。扉の下の隙間から、何かが差し入れられる。見ると、小さな包みだった。おにぎりだろうか。

 

(おじいちゃん、鍵開けたの?)

 

鍵は、祖父が持っている。でも祖母は「誰が呼んでも開けるな」と言った。祖父の声なら、開けてもいいのだろうか。

 

桜は、しばらく迷った。けれど、声は確かに祖父のものだった。それに、おにぎりを差し入れるためなら、少しだけ開けても大丈夫なのでは。

 

(……だめだ。約束は約束)

 

桜は、包みだけを受け取って扉の前から離れた。

 

「ありがとう。でも、開けないからね」

 

「ああ、それでいい。……桜」

 

「なに?」

 

「愛してるよ」

 

祖父が、そんなことを言うだろうか。桜の記憶の中の祖父は、無口であまり感情を表に出さない人だった。

 

(……おじいちゃん、じゃない)

 

ぞくりと、背筋が冷えた。声は限りなく祖父に似ていた。けれど、違う。何かが決定的に違う。

 

「ぽぽ」

 

扉の向こうから、聞き覚えのある声がした。

 

(八尺様……!)

 

桜の心臓が、激しく鼓動した。恐怖とそれとは別の感情が、入り混じる。あの冷たい指。巨大なちんこ。押し当てられた熱。

 

「ぽぽぽ」

 

声は、どこか哀しげだった。桜は扉に手をかけた。

 

(開けちゃだめ。開けたら、だめ)

 

頭ではわかっている。でも身体が動く。鍵を外し、扉を開ける。

 

そこに、八尺様が立っていた。白いワンピース姿。薄暗い廊下に、その白さが浮かび上がる。

 

「ぽぽ」

 

八尺様が、桜に近づく。桜は一歩も動けなかった。冷たい腕が、桜を包み込む。そのまま桜は部屋の中へと押し戻された。

 

扉が、閉まる。八尺様が桜の身体を押さえつけるようにして、床に倒れ込む。白いワンピースが、ふわりと捲れ上がった。

 

現れたのは、あの巨大なちんこだった。昼間と同じ、いや、それ以上に硬度を増して天を仰いでいる。

 

「ぽぽぽ」

 

八尺様の手が桜の服を脱がせていく。抵抗する間もなく、あっという間に下着まで剥ぎ取られる。裸の身体が、畳の上に晒された。

 

八尺様の指が、桜の身体を這う。首筋胸、腹、そして、足の間。ゆっくりと焦らすように。

 

「あ……ぁ……」

 

桜の口から、甘い声が漏れる。指が割れ目をなぞる。くちゅ、と音がした。もう十分に濡れていた。

 

八尺様が、桜の脚を開かせる。その間に巨大なものが押し当てられた。入り口に、熱い塊が触れる。

 

「ま、待って……ほんとに、無理……!」

 

叫んでも、八尺様は止まらない。ぐと腰が押し込まれた。

 

「――っ!!」

 

声にならない悲鳴。けれど痛みは一瞬だった。八尺様のちんこが、桜の身体を内側から書き換えていく。怪異の特性。触れるものすべてを、快楽に変える力。

 

「あ……ああっ……!」

 

押し込まれるだけで、達してしまいそうだった。身体の中を、熱いものが満たしていく。八尺様が、ゆっくりと腰を引きそして、また押し込む。

 

「ぽぽ」

 

「や、あっ、すご……深い……!」

 

正常位。桜の脚は大きく開かれ、八尺様の身体に押さえつけられている。腰の動きは、ゆっくりとけれど確実に桜を追い詰めていく。子宮の入り口を、亀頭がこつこつとノックする。

 

「あ、あ、だめ、そこ……奥、だめぇ……!」

 

「ぽぽぽ」

 

八尺様の動きが少しずつ速くなる。じゅぶ、じゅぶと水音が部屋に響く。桜の腰が、勝手に動いてしまう。もっととねだるように。

 

「イく……イっちゃう……!」

 

達した瞬間、八尺様も動きを止めた。中に熱いものが放たれる。びゅくびゅくと、大量の精液が注ぎ込まれる。

 

「あ……ああ……」

 

放心したように、桜は畳の上に横たわっていた。けれど、八尺様はまだ終わらない。ずるり、とちんこが引き抜かれる。そして、桜の身体がひっくり返された。

 

「ぽぽ」

 

八尺様が、桜の腰を掴んで持ち上げる。騎乗位の体勢。桜は、八尺様の上に跨る形になった。まだ硬いままのちんこが、入り口に当たっている。

 

「自分で……動けって、こと……?」

 

八尺様は、何も言わない。ただじっと桜を見つめている。桜は、恐る恐る腰を下ろした。ゆっくりと、ちんこが中に入っていく。

 

「あ……ぁ……」

 

全部入ったところで、桜は動き始めた。腰を浮かせて、落とす。そのたびに快楽が身体を駆け巡る。

 

「あ、いい……これ、いい……!」

 

自分で動くことでより深くまで届く。桜は、夢中で腰を振った。八尺様の手が、桜の腰を支えるように添えられる。

 

「ぽぽぽ」

 

「は、あっ、またイく……イっちゃう……!」

 

二度目の絶頂。同時に中に二度目の精液が放たれる。桜は、八尺様の胸に倒れ込むようにして、息を荒げた。

 

けれど、まだ終わらない。八尺様が桜の身体を抱えたまま、立ち上がった。そのまま桜を後ろ向きに抱える。座バックの体勢。

 

「ぽぽ」

 

「え、あ……まだ、するの……?」

 

八尺様の手が桜の腰を掴み、動かし始める。後ろから突かれる形で、桜は前を向いたまま快楽に身を委ねる。

 

「あ、あ、あっ……!」

 

この体勢だとより深くまで入る。子宮の入り口を、亀頭が直接叩く。桜の脚はもう支えきれずに震えていた。

 

「だ、だめ……脚、力入んない……!」

 

八尺様が、桜の身体を支えている。だから、桜はただされるがままになっていればいい。三度目の絶頂。そして、三度目の中出し。

 

「は……はぁ……」

 

もう、限界だった。身体はぐったりとしている。けれど、八尺様はまだ桜を離さない。

 

「ぽぽ」

 

八尺様が、桜を立たせる。そして後ろから、もう一度ちんこを押し当てた。立ちバック。

 

「ま、まだ……?」

 

「ぽぽぽ」

 

八尺様の腕が桜の身体を後ろから抱きしめる。そのまま、桜の身体を持ち上げた。足が地面から離れる。全体重が、八尺様のちんこにかかる形になる。

 

「ああっ……!?」

 

ずぶ、と一気に根元まで入る。重力に任せて、桜の身体が落ちていく。子宮が、押し潰される感覚。

 

「お”っ……!?」

 

思わず、変な声が出た。普段は押し殺している喘ぎ声。けれど、今は、そんな余裕はない。

 

八尺様が、桜の身体を上下に動かす。足が地面につかないまま、まるで性器だけで身体を支えられているような感覚。子宮が、亀頭に押し上げられる。

 

「お”っ、お”っ、あ”っ……!」

 

言葉にならない声が次々と漏れる。八尺様の動きは、一定のリズムでけれど確実に桜を高みへと連れていく。脚が、ぴんと伸びる。爪先が天井を指す。

 

「イ”く……イ”っちゃ……!」

 

四度目の絶頂はこれまでとは比べ物にならないほど強烈だった。視界が白く飛ぶ。身体が、弓なりに反る。その中に四度目の精液が、勢いよく注ぎ込まれる。

 

「あ……あ……」

 

意識が、遠のいていく。八尺様の腕の中、桜はゆっくりと闇に沈んでいった。

 

---

 

朝の光が、まぶたを照らしていた。

 

桜は、畳の上で目を覚ました。身体は、なぜか綺麗に服を着ている。いや、服を着せられている。周りを見回すと、部屋は元の物置の状態に戻っていた。新聞紙は剥がされ、盛り塩は掃除され仏像も元の場所に戻されている。

 

「……夢、だったの?」

 

身体を起こすと腰に鈍い痛みがあった。夢ではない証拠。でも、部屋は何もなかったかのように整っている。

 

扉が、開いた。祖母が心配そうな顔で覗き込む。

 

「桜、大丈夫かい?」

 

「……うん。なんか、よくわかんないけど大丈夫」

 

桜は、そう答えるしかなかった。昨夜のことを話したところで、信じてもらえるとは思えない。それに、あんなえっちなことを祖父母に話すわけにはいかない。

 

「そうかい。……よかった。何事もなくて、本当によかった」

 

祖母は、そう言って、安堵の息をついた。祖父も後ろからやってきて、黙って頷いた。

 

「おばあちゃん、あの……八尺様って、何だったの?」

 

桜が聞くと、祖母は少し迷った様子でそれから、ぽつりぽつりと話し始めた。

 

「昔から、この辺りに出るって言われてる怪異だよ。見た者は連れ去られるってね。……でも、あんたは無事だった。きっと、お仏壇の仏様が守ってくれたんだろうね」

 

(違う。守ってくれたんじゃない。私は、自分から招き入れたんだ)

 

桜は、心の中で呟いた。でも口には出さなかった。

 

「そう……なんだ。よかった」

 

「うん。もう、あんなところを一人で歩いちゃだめだよ」

 

「わかってる」

 

桜は、素直に頷いた。そして自分の身体の内側に、まだ残っている熱を感じていた。あの快楽は、きっと忘れられない。いや忘れてはいけない気がした。

 

(また、会えるかな)

 

そんなことを考えながら桜は窓の外を見た。夏の空は、どこまでも青く澄んでいた。

 

その日の夜。桜は、自分の部屋で、こっそりと身体を撫でていた。昨夜のことを思い出しながら。けれど、自分の指ではあの快楽には到底及ばない。

 

(物足りない……)

 

八尺様の指はもっと冷たくて、もっと器用だった。あの巨大なちんこは、もっと深くまで届いた。一度でも、あれを知ってしまったらもう、普通の男の人では満足できない気がする。

 

「……また、来てくれないかな」

 

呟いた言葉は誰にも届かない。けれど、桜の胸の奥であの「ぽぽぽ」という声が、いつまでも響いていた。

 

――八尺様は、桜の祖父母のいる田舎に生息していた。けれど、桜とまぐわうことで桜と縁が繋がれた。桜に取り憑く形で、田舎を出た。

 

その事実を、桜はまだ知らない。

 

けれど、夏休みが終わり都会へと戻る日。桜の後ろを、白いワンピースの影が静かに追いかけていた。

 

「ぽぽ」

 

誰にも聞こえない小さな声。けれど、桜にはなぜか聞こえた気がした。

 

(……来てくれたんだ)

 

振り返らないまま桜は、少しだけ口元を緩めた。

 

都会の喧騒の中に怪異の気配が混ざり込んでいく。八尺様の、新しい生活が始まろうとしていた。

 

---

 

**第一話 了**

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